巨人は朽ちず
「――見付けた」
そして消し炭と化した死体を拾い上げながら、ラミア・ラヴレスは満足気な笑みを零した。
消し炭の名は、ハチロー。龍王機の炎によって燃やし尽くされ、無残に命を刈り取られた少年。
だが、幸いにもと言うべきか。龍王機の炎は、ハチローの身体全てを燃やし尽くしていたのではなかった。
かろうじて腕の一本だけは、炎の直撃を逃れていたのだ。
……冷たくなった少年の腕ごと、ラミアは“目的の物”を回収する。
それが未だ健在である事を、ユーゼスとラミアは知っていたのだ。
そう、ジャイアント・ロボのコントローラーが破壊されていなかった事を。
ジャイアント・ロボが未だ消えていないのは、まだ戦う力を残しているからに他ならない。
新たな主を見付けさえすれば、巨人は再び戦えるのだ。
「さて……この腕時計、誰に渡したものでございましょうかね……」
ジャイアント・ロボのコントローラーを嵌めた少年の腕。それを手中で弄びながら、ラミアは一人呟きを零す。
ユーゼスは、言った。
己に与えられた目的は、このゲームを盛り上げる事だと。
ならば、その答えは知れている。
更なる力を求める者に、殺す為の力を求める者に、巨人の力は与えられるべきなのだ……。
【ラミア・ラヴレス 搭乗機体:ラーゼフォン(ラーゼフォン)
パイロット状態:良好
機体状態:良好
現在位置:B-1
第一行動方針:参加者達の疑心暗鬼を煽り立て、殺し合いをさせる
最終行動方針:ゲームを進行させる
備考:ハチローの腕(ジャイアント・ロボのコントローラー)を所持】
【搭乗者無し 機体:ジャイアント・ロボ(ジャイアント・ロボ THE ANIMATION)
機体状況:弾薬を半分ほど消費
現在位置:B-1】
【二日目 17:00】
最終更新:2008年06月02日 02:55