艦長のお仕事
「視界良好、異常ありません、艦長」
「うむ、ごくろう、副長」
AMガンナーから副長の『定時報告』が入る。ご丁寧に副長は双眼鏡らしきものを眼に当てていた。
この世界ではレーダーはあまり信用できない。有視界に頼る意味もなくはないのだが…
たぶん気分でやっているのだろう。
「誰にも出会わんな…リョウト君やラト君は無事なのだろうか」
ヒュッケバインの操縦席で、タシロは声を漏らした。
数時間前。奇跡的に助かった副長との2人乗りに成功してから、彼らは今後の方針を模索していた。
この場で行われた戦闘はすでに終結しており、リオやリョウトの足取りを追うのは困難だった。
すぐにでも探しに行きたいところだったが、タシロは自分のパイロットセンスのなさが身にしみていた。
実際、この期待の性能はかなりのものだと思う。ガンバスターのそれにはさすがに及ばないまでも、
シズラー黒に匹敵する戦闘能力は有しているとタシロは踏んでいた。
だが、それでも片腕を失い、かつ手加減をしている機体に自分は翻弄された。
いたずらに戦闘におちいるのは避けたいところだった。
とはいえ、じっと隠れているわけにもいかない。そこで、副長と協議した上での結論がこれだった。
つまりは、機体の『戦艦的運用』である。
ヒュッケバインガンナーの航続能力、主砲の火力はまさに戦艦に匹敵するし、
イナーシャルキャンセラーにも劣らぬバリアも搭載されている。
よって、機体のエネルギーの大半をバリアに割き、速度、運動能力には目をつぶる。
常に高度を維持し、管制制御を任せた副長に周囲を監視させる。
先に相手を見つけ、有利な状況で交渉に持ち込む。必要ならば砲撃戦で片付ける。
このやり方なら2人を探しもらすこともない。
「やり方は間違っていないはずなのだが、な」
「あせらずいきましょう、信じれば奇跡は起こる、そうでしょう?」
「そう、そうだな、副長。あの子達を救うまで、我々があきらめるわけにはいかんな」
かくて機体は空を行く。日は、そろそろ暮れようとしていた……
【タシロ・タツミ 搭乗機体:ヒュッケバインMK3ガンナー(パンプレオリ)
パイロット状況:上半身打撲
機体状況:良好(Gインパクトキャノンは二門破損)
現在位置:B-3
第1行動方針:他の参加者との合流(ラトやリョウトの捜索)
第2行動方針:ゼオラやシロッコをどうにかする。
最終行動目標:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還
備考1:AMガンナーに搭乗した副長が管制制御をサポート】
【副長 搭乗機体:ヒュッケバインMK3ガンナー(パンプレオリ)
パイロット状況:左足骨折(応急手当済み)
機体状況:良好(Gインパクトキャノンは二門破損)
現在位置:B-3
第1行動指針:タシロをサポートする
最終行動指針:ゲームから可能な限りのプレイヤーとともに生還
備考:AMガンナーへ乗換。AMガンナーはサポートのみ、本体操作は出来ません】
【二日目17:30】
最終更新:2008年06月02日 02:58