ツートーン遭遇
アクセルが乗るX1は森から離れ、川を渡っていた。川自体は意外と深く
機体の腰まで浸かる深さだ。
「水も滴るイイ男ってか~」
と冗談を抜かしながら川を渡り終えようとしていたその時、
遠くに小さいながら機影が見えた。向こう岸の森の木をなぎ倒しこちらに迫ってくる。
アクセルは警戒した。ただの移動なら気付かれるほど加速はしない。
何かある。彼はそう思いながらも極力向かってくるパイロットを殺さずに
捕獲するために使う武器を考えた。向かってくる機体のスピードから察するに
それほど装甲が厚いようには感じられない。なら、もし攻撃してきたときの
防御も考えられるものがいい。ならここはストレートに盾自体を使おうと彼は考えた。
ビームシールドは粒子が盾になるフレームに膜を貼るもの(とマニュアルにあった)なので、
攻撃力も意外とある。
一見滅茶苦茶なやり方に見えるが、彼の中ではこれがベストだった。
そして盾を構えるや否や、向かってくる機体がモニターにもハッキリと映ってきた。
その機体は自分が乗るクロスボーンのように白と黒に塗り分けられ、頭部に角があった。
背中に変わった板が付いている。
しかし機体自体はボロボロで右腕が大きく破損していた。目立った武装も無いようだ。
「交信がダメだったらシールドを下半身部分にぶち当てて動きを止めて・・・・」
「コックピットをこじ開ける!ッ」
機体との距離が数百メートルを切った
「クソぉ!なんでまたすぐ出くわすんだよ!」
ボロボロになったνガンダムのコックピットでアキトは叫んだ。
彼は三輪を何とか撒いたものの、すぐ違う参加者に鉢合わせた。
もし、相手がさっきの男のように好戦的ならば今の状態では到底勝てない
レーダーがろくに効かない状態でしかも逃げるのに夢中だったため
ここまで接近してしまった。相手を確認できるところまできて
アキトはさらに動揺した。
「あのロボット、俺の機体に似ている!?」
同じよなフォルムをした海賊のようなロボットはこちらに向かって構えている。
νガンダムは今ブースターを切ってもあの距離まで止まれるかどうか
な所まで加速していたので、避ける事は困難だろう。
こうなったら戦うしかない、ゲキガンガーのようには行かないとわかっている。
でも、ルリちゃんを助け出しナデシコへ帰らなければならない。
「帰るためなんだー!」
アキトはコックピットで叫びながら海賊ロボットに一直線に向かっていった。
νガンダムは残っている数少ない武装の一つ、頭部バルカン砲を撃ちつつ
突撃してきた。しかしその気迫の攻撃もX1の光の盾により蒸発していく
「頼りにしてるぜシールドちゃん」
「しかし、こんなボロボロじゃあシールドで溶けるかも知れないな」
確かにボロボロのあの機体にはシールドの一撃には耐えられないかもしれない
それに、あのスピードでまともに体当たりを受ければ相打ちにもなりかねない。
アクセルがそう考えている間にもボロボロの機体が鬼気迫る勢いで迫ってくる。
打つ手が思いつかぬまま、νガンダムが衝突するほどまで近づいたその時!
「ええい!なるようにならぁね!」
アクセルはビームシールドの電源をを切った。
次の瞬間背部のスラスターを全開に高速の体当たりを避けた。
「でぃぃぃぃぃぃぃぃやっ!」
X1の鋭い蹴りがνガンダムの左腰の部分に入った。
「うわあああああーーー!」
νガンダムはバランスを維持できず地に倒れこんだ。
(俺、こんなに操縦うまかったのか?それとも偶然か?)
彼は自分の操縦技術に内心驚きつつ気
倒れた機体を見下ろしながらアクセルは通信回線を開いた。
「ハァッ、ハァッ生きてるのか・・・・」
パイロットには意識があるらしい当初の目的どうり自分のことを聞いてみようと返事を返した
「フー、フー、悪かったな蹴ったぐって」
「でもいきなり突っ込んで攻撃して来るほうが悪いんだな、これが」
アクセルも緊張の紐が切れたのか少々息切れしている。
「まぁ、これ以上攻撃しないからちょっと聞きたいことがあるんだな、これが」
【アクセル・アルマー :クロスボーンガンダムX1(機動戦士クロスボーンガンダム)
現在位置:G-5川の近く
ハ゜イロット状況:ちょっと疲労
機体状況 :損傷なし
第一行動方針:自分の事を聞く
第二行動方針:できれば仲間にしたい
最終行動方針:ゲーム脱出、記憶を取り戻す
【テンカワ・アキト 搭乗機体:νガンダム (逆襲のシャア)
ハ゜イロット状況:疲労と軽い打撲意識は何とかある
機体状況:全身ボロボロ、右腕無し、腰部分のフレーム多少歪む
現在位置:G-5
第一行動方針:アクセルの話を聞く(聞かざるおえない)
第二行動方針:ルリを探す
最終行動方針:ルリと共にゲームから脱出
【初日 14:45】
最終更新:2008年05月29日 03:22