勇者と少年とアンドロイド ◆PfOe5YLrtI


歌が聞こえる。

知らない歌だ。

だけどその歌声が誰のものか、僕は知っている。

そう……彼は歌が好きだった。
そして、僕のことも好きだって言ってくれた。
初めてだったんだ。初めて、他人に好きだと言われた。

「歌はいいねぇ。歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ」

僕なんかよりも、彼が生き残るべきだったんだ。
ミサトさんは、生き残るのは生きる意志を持った者だけだと言った。
じゃあ、僕は何?

もう嫌だ。

「何甘ったれたこと言ってんのよ!」

死にたい。

「あんたまだ生きてるんでしょ!だったらしっかり生きて、それから死になさい!」

そんな資格なんてない。
ヒトを傷つけるしかしない僕に、エヴァに乗る価値なんてない。
それでも、僕に生きる資格があるというの?

「全て一人で決めなさい。誰の助けもなく」

自分達の都合を押し付けてたくせに、勝手なことを言わないでよ。
何かを決めようとして、何かを為そうとして、そのたびに誰かを傷つけてきた。
……いや違う。
結局流され続けただけなんだ。ずるくて臆病で、そうやって誤魔化してきた。
アスカにひどいことをした。カヲル君も殺した。

だったら、僕なんかいないほうがいい。
だったら、僕なんて必要ない。

何もしたくない。
何もしないほうがいい。

「だが、君は死すべき存在ではない」

だから何?だからまた、ヒトを傷つけるの?

「君達には未来が必要だ」

僕の手の中に、カヲル君がいる。
十字架にかけられた使徒、一面のLCLの海。
そして僕の右手は、エヴァンゲリオン初号機。
広がっていたのはあの時と同じ光景。

僕に、また同じことをしろというのか。

「戦え。最後の一人となるまで」

ヴィンデル・マウザーが、僕の右横に立ちその行為を促してくる。

「死にたくなければ殺しなさい。あなた達にはそれしかないの」

レモン・ブロウニングが、左横から囁きかけてくる。

「お前達に拒否権は存在しない。生きる意志のない者は散り行くのみ」

アクセル・アルマーが、後ろから冷たく突き放してくる。

「バトル・ロワイアル――争覇の宴を、始めよう」

もう嫌だ。死にたい。何もしたくない。

「本当に?」

綾波の声が聞こえた。
その姿はやがて母さんに変わり。
そして最後に、W14のものへと変わった。

「お前はそれでも、死を望むのか」






ぐしゃ。







どぼん。





何かが潰れ、海の中に落ちていった。
あの時と同じことが繰り返されたと、すぐにわかった。
でも違う。僕は何もしていない。潰すための力など加えていない。

紫色の手には、首のない死体が握られていた。
その身体は、よく見ればカヲル君のものではない。

テッカマンランスの身体だ。

「これが争いを拒む者、または愚者に与えられる裁きだ」

首の落ちた海に、何かが浮かび上がってくる。
それも、カヲル君の首ではない。

ユーゼス・ゴッツォの仮面。

そこで、ようやく思い出す。
自分の首に嵌められたものを。


目の前にあるのは、ヒトの死の光景。
首の薄皮一枚を通じて、目の前の光景と同じものが伝わってくる。
それは、冷たい死の感触。


首の落ちたその場所を中心に、LCLの海が、紅い色に染まっていく。
血の赤、一色に――


「うああああああああああああああああああああッ!!!」


絶叫。





そして、また何もない真っ暗に戻った。


恐怖。

怖イ。

死ニタクナイ。

死にたいと思っていながら、結局はこのザマだ。
死ぬのが怖い。
そしてやっぱり自分はただ逃げていただけなんだと、突きつけられた。

じゃあどうしろというんだ。
僕に一体何をしろというんだよ。
逃げるな?自分で考えろ?
うるさい。いつもそうだ、無茶苦茶な状況にばかり放り込んで、簡単に言うな!
みんなみんな、好き勝手なことばかり言うな!!

みんな嫌いだ。
だけど、誰もその叫びに答えない。答えてくれない。
誰もいない。もう僕しかいない。
そう自覚した時、結局、僕は嫌いなはずの他人を求めていることに絶望する。

僕は、一体――

僕は、最初に流れていた知らない歌を思い出す。
さっきカヲル君が歌っていた、聞いたことのない歌。
ああ、まるで自分だ。迷走を続けるだけの、愚かな自分。


それでも 一体この僕に なにができるっていうんだ


窮屈な 箱庭の現実を変える為に 何が出来るの――






突然、エントリープラグ内に激しい揺れが襲い掛かる。
その振動は眠っていたシンジの意識を強引に覚醒させた。

(何……一体何が)
被っていた毛布を取っ払い、汗だくの全身を起こす。
今のは夢であり、自分は引き戻されたことをすぐに思い出した。
殺し合いと言う、現実に。
『すまない、起こしてしまったようだ』
「うわあぁっ!?」
突然耳元の、息がかかるような超至近距離から囁かれ、シンジは思わず悲鳴をあげた。
振り返ると、そこにはW14の姿。
『失礼な。女性に対してその態度はいかがなものかと思っちゃいますですことよ』
「なんでいきなり後ろに立ってるんだよ!?君、自室に帰ったんじゃなかったの!?」
『急にうなされ出したから様子を見に来た。何、気にすることはない。ちなみに私は少し傷ついた』
「ああそう……ごめん……」
どうも、調子が狂う。綾波と半端に似ているせいもあってなおさらだ。
危機感と緊張感に欠けるW14の物言いに、シンジはただ脱力するしかなかった。
「そ、それより今の揺れは何!?」
『どうやら出っ張った岩にぶつけてしまったようだ』
「岩って……あ……あれ?ここどこ?」
モニターには、眠る前とは違う景色が映し出されていた。
確か、あのヴィンデルの頭のような鬱陶しい海藻の中に隠れていたはずだ。
だがモニターにはそんなものはなく、ごつごつとした岩場が映るのみ。
「な、何やってんだよW14!?しばらく隠れるって言ったじゃないか!?」
『ああ、わけあって移動中だ』
「なんだよそれ!?そんな勝手な……」
『我々が隠れていたすぐ近くを、巨大な潜水艦……いや、戦艦が通過したのだ。
 発見されてはまずいと思い、一時的にあの場から離れた』
「な、なんでその時すぐに起こしてくれなかったんだよ!!」
『6時間眠ると言っていたではないか。起こす時間にはまだ早い。
 お前が睡眠をとると言った以上、私は命に代えてもそれを死守する義務がある』
「別に命まで賭けられても……そういう時はちゃんと起こしてよ」
『了解した、では次からはそうしよう。起きてくれないと暴れちゃうぞ』
「……いや普通に起こして。不安で仕方ないんだけど」
このサポートユニット、気が利いているのかいないのかわかりゃしない。
こめかみを押さえつつ、シンジは現状把握のためW14に問いかけた。
「それで、僕達はさっきの場所からどう移動してきたのさ」
『了解した。MAPを表示する』
モニターに地図が表示される。その中央に、現在位置を示す光点が表示されていた。
『我々が先程隠れていたのがこのD-4中央の海底……
 そこから戦艦に見つからぬよう岩陰に身を隠しながら、西に5キロほど移動した。
 それで、今はこのD-4西の橋のすぐ下に……』
「……ちょっと待ってよ。これ、現在位置の表示なんてできたの?」
ジト目で睨む。さっきまで手元の地図で必死に確認して、結局現在位置の特定を諦めたのが馬鹿みたいだ。
『ああ。本ゲームの支給機体の標準装備だぞ。一部、例外はあるが』
「……なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ……」
『そういう命令を受けなかったからだ』
頭を抱えて溜息をつく。

「……他に隠された機能とかあったりしないよね……念のため聞いとくけど」
『別に隠すつもりはなかったが、参加者に公開できるのはこれだけだ。多分。きっと。
 ていうかゲーム開始の前には手元の簡易マニュアルくらいお読みになりんしゃい。
 全てのゲームに親切にチュートリアルがついてると思ったら大間違いだぞ』
「ごめんなさい……ってなんで僕が謝るんだ……」

いちいち気の抜ける物言いだが、こうしたやり取りで、気は紛れていたのも事実――

『ところで、もし戦艦が接近した時に起こしていたら、お前はどうしていたのだ?
 殺しにかかったのか?』

――いや、それも気のせいだったらしい。

「殺しにって、何を言って……」
W14の殺伐とした質問に、シンジは言葉を詰まらせた。
もし、その巨大戦艦とやらが迫ってきた時自分が起きていたら。
自分はどう判断を下していたのだろう。彼女同様に、その場から逃げることを選んだのだろうか。
「……どうでもいいだろ、過ぎたことなんて」
『今後のために聞いておきたかったが……言いたくなければ構わん、私はそれに従おう』
W14の喋りは淡々としたものだった。
口調は全く変わっていないはずなのに、その態度が妙に冷ややかに感じられた。

彼女の言葉で、改めてシンジは考え直す。
もし、その戦艦から逃げ切れなかったら。
もし、戦艦と接触することになったら。
もし、相手が攻撃を仕掛けてきたら。
もし、戦うことになったら。
もし、もし――

『もしもーし。シンジ、聞こえているのか?』
「え!?あ、ああ、何?」
思考が深みに嵌っていく所を、W14の声で我に返る。
だが彼女の次の言葉は、『もし』のリアルへの接近を示していた。

『別機体の反応を察知。場所は……我々の頭上、ちょうど橋の上だ』
「なっ……!?」
その報告は、隠れ続けていたシンジにとって最も恐れるべきものだった。



「おい!そこに誰かいるのか!?」

上から聞こえてくる声。明らかに、自分達に向けられている。
こちらの存在は完全に気付かれているようだ。
「なん……で……」
『この辺の水域は水深が浅い。橋の上からでは機影が丸見えだったようだ』
なんでそんな見つかり易いルートを通ったのか。
W14のサポート能力が疑わしくなってくるが、そこに突っ込んでいる余裕はない。
「ど、どうしよう……」
『私はサポートユニットだ、お前の指示に従う以上の任務は与えられていない。
 シンジも14歳なんだから、自分のことは自分で決めなさい』
「ああそう……」
あてになりそうにないW14に目眩を起こしそうになりつつも、シンジは自分で考える。
はっきり言って、使徒の外見の怪しさ・不気味さは並ではない。
こんなもので出て行けば警戒され、即刻攻撃を受けても文句は言えない。
どうする、どうすればいい――?
既に相手はこちらの存在に気付いている。このまま背景を装って誤魔化すのは難しいだろう。

考えた末、シンジは水から上がることを選んだ。
この使徒にもATフィールドはある。
並みの兵器など容易に弾く防壁があれば、滅多なことで危機に陥るということはないだろう。
それに、この使徒は強い。その強さは彼自身、身をもって知っている。
相手がどんな機体でどれだけの強さかは不明だが、この使徒はジョーカー用として特別に用意
されたもの……のはずである。だから、そうそう遅れを取ることはないはずだ。
どうやら報告によると、橋の上にいるのは一体だけらしい。
だとすれば、万が一攻撃を受けても、耐え切り、逃げることは可能かもしれない。
「W14、水から上がろう」
『了解。ゼルエル、起動する』

エントリープラグの肉壁がうっすらと静かに光り、シンジの意思が宿るように使徒が動き出す。
意を決したシンジの意思のままに、水から浮上するゼルエル――

そして、そこでシンジが見たモノ。

「なんで……」

よく知っていた。橋の上から自分達を見下ろす、紫のロボットは。

「なんで……ここに、あるの」





――エヴァンゲリオン初号機。




(な……何なんだあいつは!?)
エヴァンゲリオン初号機に乗る鉄也は、戸惑いを隠せなかった。
橋の下、水の中から出てきたものは、如何とも形容し難い異質。
「お……おい!聞こえるか!?そいつに、人は乗っているのか!?」
とりあえず、橋の上からその機体――いや怪物と呼ぶべきだろうか、それに呼びかける。
あれが自分の初号機同様に支給機体というなら、それに乗っている参加者がいるはず。
「こちらに殺し合う意志はない!言葉がわかるなら返事をしてくれ!」
しかしそれ以前に、あれはロボットなのだろうか。むしろ生物に近い印象がある。
ギルギルガンやピグドロンといった宇宙からの生物か、ドラゴノザウルスのような突然変異種か。
「聞こえているのか!?おい!?」
無意識のうちに、呼びかける声が強くなる。
鉄也の戦士としての直感が告げていた。この怪物は、危険だと。
「返事がないなら……攻撃するぞ!?」
もしこのバケモノが人の手を離れた存在だとすれば。
こいつが他の者達に危害を加える存在であるなら、ここで叩いて置かねばなるまい。
右手にバレットライフルを構える。その銃口を、ゆっくりとバケモノへと向ける――

異質に対し、思考が警戒・排除へと向かうのは、人の性だろうか。
そんな業が、ヒトの間に争いを呼ぶ。
今回のケースでも――



初号機が動いている。誰かが、動かしている。
エヴァを動かせる人間は限られているはずなのに。
だからこそ、僕は初号機に乗って戦ってきた。戦い続けてきた。
アスカにしても綾波にしてもそうだ。なのに。
「W14……なんであの人は、初号機を動かせるの」
『レモン様が調整した』
W14は事も無げに答えた。
この使徒を蘇らせた、渚カヲルを蘇らせた――その質問の時と同じように。
あっさりと。あまりにも簡単に答えた。
「そう……そんな簡単なものなんだ」
脱力を通り越して、虚しさに包まれる。
ひどく、馬鹿馬鹿しくなった。
まるで、今までの自分達の戦いを否定されたかのような気分だった。
『いやいや簡単ではないぞ、ありとあらゆる世界の技術を駆使してようやく制御できたという話だ。
 正直ここまでやる必要あるのかとか、労力の割に合わないとか、ぶっちゃけただの自己満足だろうとか、
 初号機に限らずこの手の苦情が各方面からレモン様のところに大量に……シンジ?』
ただ呆然――いや愕然として沈黙を保つシンジ。それに気付いたか、W14の説明が止まる。
しかし状況は、シンジを感傷に浸らせる余裕すら与えない。

「聞こえているのか、おい!」

「ッ!?」
呼びかけてくる相手の声に、そこに若干の苛立ちが混じり始めているのを感じ、シンジは気圧される。
「返事がないなら……攻撃するぞ!?」
最後通告とも言える相手の台詞に、最大まで張り詰める緊張。
やはり、恐れていた通りだ。こんなバケモノを見て、敵意を抱かないはずがない。
ここに来て、シンジは初めて自分の置かれた状況に現実感を持ち始めた。
(そうだよ……もう……殺し合いは始まってるんだ……)
W14と気の抜けた会話を続けていたせいか、どこか危機感も薄れ漠然としていた。
それをいいことに、無意識に過酷な現実から目を背けていた。
だが、それももう通じない。
命の危機に直面したことで、嫌でも真正面から向き合わざるを得なくなった。
(僕は……どうしたらいいんだ)
『シンジ、何か対応を。このままでは攻撃を受けるぞ』
急かすようなW14の声。迷う自分を、待ってくれない状況。
――ああ、いつもと同じだ。
『攻撃準備はできている。お前の指示次第で、すぐにでも攻撃は可能だ』
攻撃。この使徒を操って、相手を攻撃しろと。相手を殺せと。
反発を抱くも、それを傍らのW14にぶつけたからと言ってどうにもならない。
「……結局、それしかないんだ」
『いや、一応通信回線を開くことはできるぞ。どうする?』
初号機のバレットライフルが、ゆっくりとシンジ達の使徒へと向けられる。
いつ火を吹いてもおかしくない、一触即発の空気。
「つ……通信開いて!早く!」
『了解した』
切羽詰らせ裏返った声で、シンジはW14に指示する。
――ああ、やっぱりいつもと同じなんだ。今回もまた、流されるんだ。

「ん……?」
「あ……ぼ、僕は……」
通信回線が開かれ、相手の声が直接コックピットの中に送られてくる。
「ん……なんだ、やはり人が乗っているのか!?おい、聞こえるか!?」
男はさらに呼びかけてくる。先程までの苛立ちと敵意は薄れていた。
「あ……ぅ……」
声が出ない。何を言えばいいのかわからない。

――死にたくなければ殺しなさい。あなた達にはそれしかないの。

レモン・ブロウニングの言葉が頭の中で反復される。
殺し合わなければ、自分達は生き延びることを許してくれない。
その条件は、今会話をしているこの男も同じはずだった。

しかし――

「大丈夫だ、落ち着いてくれ!俺は殺し合うつもりはない!」
何を言っているんだ、この人は。
殺し合わなきゃ、生き延びられないのに。
「あの連中の言いなりになってやる義理なんてないからな」
僕を落ち着かせようとしてくれているのかな。
口早な説明。多分、そういうのに慣れてないんだろう。
でも……それを本気で言っているのだろうか。
「なんとかしてこのバトルロワイアルを壊し、シャドウミラーへの反撃に出たいと思っている」
この人は、自分の命が惜しくないんだろうか。
あの人達に刃向かえば、すぐにこの首輪の爆弾で殺されるのに。
「とりあえず今は、殺し合いに乗った人間を止め、少しでも多くの人を助けようと回っているんだが……」
意味がわからない。
自分の命がかかっている中なのに、他の誰かのために行動なんてできるのか。

嘘だ。ありえない。

結局みんな、自分が一番大事なんだ。
みんな自分勝手で、自分の都合ばかり考えて、都合の悪いことは誰かに押し付けて。
この人だって、自分が一番大事なはずだ。何を考えているかわかったもんじゃない。
……首輪が、冷たい。違和感が気になって仕方がない。

殺されるかもしれない、そして殺さなければならない。
その恐怖がシンジの心を閉ざしていく。

「俺は剣鉄也。一応聞いておくが、君は殺し合いに乗ってはいないんだな?」
「それは……」
鉄也と名乗った男は、念を押すように問いかけてくる。
シンジは思わず言葉を詰まらせた。
殺し合おうだなんて思わない。本当は人殺しなんてしたくない。
だが、それを許さない枷が自分には与えられた。
二回目の放送までに二人殺さないと死――ジョーカーという名の枷が。
「ん……どうした?」
沈黙に不審なものを抱いたか、鉄也が問い詰めてくる。
「殺し合いなんて……したくない……でも」
シンジは掠れるような声で、それでもなんとか言葉を紡ぎ出す。
それはバトルロワイアルに対する、彼の正直な気持ちではある。
だが同時にその声には、他人に対する疑念、そして恐怖が含まれていた。

『気をつけろ、シンジ』
W14が口を挟んできた。
同時にサブモニターが展開され、そこに初号機の拡大映像が映し出される。
『あの男、既に一度交戦しているぞ』

初号機には、刃物を掠めたかのような無数の傷跡が残っていた。

誰かと戦ったんだ。
誰かと殺し合ったんだ、この人は。

「おい、どうかしたのか?」

あの銃で、誰を撃ってきたんだろう。
あの見慣れない刀で、誰を斬ってきたんだろう。
初号機で……一体誰を殺してきたんだろう。



LCLを染めた紅い血の海。
首のない死体。
浮かび上がる仮面。





―――死ニタクナイ。





「え……?」

シンジが我に返った時、彼の乗る使徒は既に行動へと移っていた。
それは、シンジにとっては無意識でしかなかったのかもしれない。
だが、シンジの中に確かに存在した意思であることには変わりはない。

――拒絶。

そして、少年は引き返せなくなった。

「な……ッ!?」
怪物――ゼルエルの奇妙な両腕に一瞬の違和感を感じ、初号機は真横へと跳んだ。
直後、初号機の左肩を、白い刃が掠めていく。
折り畳まれていた右腕が真っ直ぐに伸び、白い帯状の刃と化して初号機を襲ったのだ。
かつてエヴァ弐号機の両腕と首を瞬時に落とした触腕。
その伸ばされた腕は、間髪いれずに、横薙ぎの一撃を加えてくる。
転がり身を屈めながら、それを回避する初号機。頭上を白い刃が通り過ぎていく。
「やめろ、何をする!?」
体勢を立て直しながら、鉄也は戦いを避けられないことを悟る。
(だが、これは……!!)


(殺さなきゃ……殺さなきゃ!!)
攻撃を仕掛けてしまった。今、自分はあの人を殺そうとしたんだ。
これで引っ込みがつかなくなった。あの鉄也という人も、もう自分を許しはしないだろう。
あの人は殺し合う人間を止めると言っていた。今、自分もそのカテゴリに当て嵌められた。
……いや違う。そんなのあの人の口実だ。
腹の底では、あの人は僕を殺そうとしてるんだ。殺し合いに乗ってるはずだ。
甘い顔をしていても、どうせ最後には裏切るんだ。
僕がいらない人間だとわかれば、すぐに殺しに来るに決まってる。
だから、殺す。そうしなきゃ、死ぬ。早く殺さないと。二人殺さないと。死にたくない。

恐怖。疑念。不信。打算。自虐。正当化。そして逃避。
それらの感情が滅茶苦茶に混ざり合って、シンジを突き動かす。
ただ、これらの感情に共通するもの、そして彼の根本にあるものは一つ。
――死の恐怖。
だから、他者を拒絶する。傷つける。

「もう嫌だ……もう沢山だッ!!」


シンジの叫びと共に、橋の上に閃光が走り、十字の光が立ち上がった。
ジオフロントの18の特殊装甲を一瞬で無力化した、破壊の光。
その爆発は、巨大な橋をいともたやすく崩壊へと導く。
「ちぃっ!」
崩れ始める橋を全力で疾走する初号機。
初号機に飛行能力はない。このまま橋を破壊されれば足場を失い、海に叩き落される。
水中戦は不利だ。怪物の戦闘力は未知数だが、不利なフィールドで戦う愚を犯すわけにはいかない。
この足場を完全に破壊される前に、橋を渡り切るしかなかった。
破壊の閃光の瞬きはなおも続く。
走る初号機を追いかけるように、十字架が立てられるかのように次々と爆発が巻き起こされる。
それに伴い、背後の足場が次々と崩れていく。それを振り返っている余裕などない。

――島が、橋の終わりが見えた。
このまま突っ走れば、逃げ切れる。戦いはそこからだ。
(戦い……だが、これは何のための戦いだ?)

「くそっ、くそぉっ!!」
狙いが定まらない。疾走する初号機に光を当てられない。
初号機とは勝手が違う。シンジは使徒の動きに半ば振り回されていた。
(なんで、なんで当たらないんだ!向こうも慣れてないはずなのに!)
『あの男、初号機の操縦をものにしている。交戦経験の差もあるだろうが……』
シンジの心の中の焦りと疑問を見透かしたように、W14の解説が挟まれる。
平静を保ったその態度が、やけに腹立たしい。
シンジは追い立てられるかのように、ひたすらゼルエルの光を乱射する。
だが焦れば焦るほど、狙いは荒くなっていく。
『シンジ!奴の進行先、橋の付け根だ!!』
W14が叫んだ。
冷静で簡潔、そして容易に意味を理解できる。サポートとしては完璧だ。
「う……あああああああああッ!!!」
初号機のゴール地点、島と橋の繋ぎ目に、最後の十字の爆発が打ちあがる。
進路は防いだ。支えを完全に失い、橋は一気に崩壊する。これで初号機は、海へと落ちる。
ところが、初号機はその爆発と崩壊の中においてなお、走るスピードを緩めない。
「フィールド全開!跳べ!!エヴァンゲリオン!!」
崩れ行く足場を蹴り、初号機が大きく跳躍する。
ATフィールドを展開したまま、爆発の中を突っ切っていく。

「そ、そんな……」
橋を渡り終えた初号機を見て、シンジの声が漏れる。
あの人は迷いなく、突っ込んでいった。
自分にそれができるだろうか?そこまでの判断力があるか?
もしかして、自分以上に初号機を扱えているんじゃないだろうかとすら思えた。
その事実が、一層シンジを追い詰めていく。
『逃がすな、シンジ。ここで奴を逃がせば、お前が攻撃を仕掛けたことを、他の者に
 触れ回るかもしれん。そうなれば、後々不利な状況に……』
「うるさい!黙ってよ!」
苛立ちも顕に、W14を一蹴する。
いちいち悠長に説明を聞いている余裕など、今のシンジにはなかった。


橋が完全に崩壊する様を見届けていた。
(くっ、このパワー……危険すぎる!)
視線をゼルエルへと移す。初号機を追って、陸へと上がって来ていた。
マゴロクを構える。
この怪物が本格的に暴走を始めれば、大きな被害をもたらすことになる。
そうなる前に、止めなければならない。この身に代えても、なんとしても。
(だが……この子は――!)
少年の発した言葉が引っかかる。
殺し合う気はないと言った、しかし明らかな怯えを含んだあの声が。
「う……うああああああああッ!!!」
ゼルエルの右腕が、真っ直ぐに初号機へと伸ばされた。
その腕は先程までの刃ではなく、意思を持つ布のように、初号機の左腕へと絡みつく。
「くっ……!」
今も感じる。彼の拒絶の叫びの中にある、確かな恐怖を。
当たり前だ。こんな状況の中に放り込まれて、恐怖しない子供がいるものか。
そこで、鉄也は気付く。己の軽率な行動に。
(最後に彼を崖っぷちから突き落としたのは……俺か……!)
鉄也は最初に、彼に銃を向けてしまった。
相手が戦いを知らない一般人だった場合、その行為がどれほどの恐怖を与えるのか。
そんな簡単なことも気付かず、追い詰めてしまった。
「だったら……なおさらここで退くわけにはいかん!」
鉄也の不退転の決意と共に、初号機は左手に絡み付いた布を、マゴロクで断ち切った。
『くあっ……!』
W14の口から漏れた苦悶の声、しかしシンジはそれに気付かない。
目の前の『敵』に、押し寄せる感情の波に、気付く余裕などなかった。
「く、くそっ!」
「聞いてくれ!!俺は殺し合うつもりはない!!」
聞くな。聞いちゃダメだ。シンジは自分に言い聞かす。
「嘘だ……信じられるもんか!!」
過ちを犯す今の自分からの逃避。人を殺すことへの正当化。
そして何より――

「そうやって、最後には僕を突き放すんだ!必要ないからって、僕を殺すんだ!
 父さんやカヲル君と同じだ!最後は僕の気持ちを裏切るんだ!」


――どうせ、アンタも奴と一緒だ!口では奇麗事を言っておきながら、いざとなったら裏切るに決まってる!

少年の発した言葉が、鉄也に攻撃を躊躇わせていた。
奇しくも、大剣のロボットのパイロットと同じ内容のことを口走っていた。
(最後には裏切る……か)
無理もない。顔を合わせたばかりの人間を頭から信じるなど、そうそうできるものではないだろう。
だが、彼らの場合は恐らくそれだけではない。

――アンタも奴と一緒だ――いざとなったら裏切るに決まってる!
――父さんやカヲル君と同じだ――最後は僕の気持ちをを裏切るんだ!

どうすれば、彼らを救える?
所詮、自分は戦闘マシーン。戦って止めることしかできない。
しかし。今、仮にこの場で少年を力ずくで止めたとして、それは根本的な解決となりえるのだろうか。
……ノーだ。
そんな戦いを繰り返したところで……結局は、誰も救えはしない。
スレードゲルミルとの戦いの時点で、鉄也は自分の戦いの限界を薄々ながら自覚はしていた。

(父さん――か)

少年の口にした言葉が頭に残る。
『父さん』そして『カヲル君』……恐らく、友達か何かだろう。
少年の物言いから察するに、彼らに裏切りを受けた過去があるのか。
その心の傷は、今なお少年の中に残っているのだろう。

改めて、自分は恵まれていたのだと感じて。
同時に、かつて過ちを犯した自分の愚かさを恥じて。
そして。

「だったら……殺し合いに乗っていないことを、証明すればいいんだな」

鉄也はそう言って、賭けに出た。
それはもはや無謀を通り越して、正気とすら言えない賭けと言えるだろう。
あまりにも馬鹿げている。こんな手が通用するのは、安っぽい物語の中だけだ。
それを承知の上で、鉄也は、少年の中に残る良心を信じることを選んだ。
ここで力ずくで捩じ伏せてしまえば、少年は二度と立ち直ることができないように思えたからだ。
少年を突き動かすのは、恐怖だ。そして先程戦った少年よりも覚悟が定まっていない。
だからこそ、彼はまだ引き返せる。



証明。
その単語に、思わずシンジは手を止める。
続いて、初号機の取った行動に目を疑った。

マゴロクを地面に突き立て。
携帯するライフルの数々を、地面へと落とし。
初号機は両手を広げた。

『あの男……正気か!?』
W14が呟いたのは、当然のことだ。
あらんばかりの殺意を向けるシンジの前で、無抵抗を表明した。
それがどれほどの危険を意味するか、わからないはずがあるまい。
「何を……何をやってるんだ、あの人は……」
シンジもまた、鉄也の行動に呆然としていた。

この人は何を考えているんだ。自分の命が惜しくないのか――?
「お前に、譲れない決意と覚悟があるというなら……俺を殺し、踏み越えていくがいい」
馬鹿な。殺されてもいいというのか。なんでそうまでして僕を……助けるつもりなんだ?
「だが……もう一度考えてくれ。本当にそれでいいのかを」
「い……し……?」
違う。そう言って、僕を惑わそうとしているんだ。
そのはずだ。誰か、そうだと言って――

『油断するな、シンジ。こちらを誘う罠かもしれん』
傍らから、肯定の意見が聞こえた。
これで、攻撃の口実が与えられ、正当化がなされた。
「うああああああああああああああッッ!!!!」
ゼルエルの左腕を刃に変えて、初号機に向け高速で伸ばす。

紫色の左腕が、宙を舞った。
初号機の左腕の付け根から、血が噴出す。

「ぐ……ッ!!」
「なんで!?なんで避けようとしないんだ……?」
擬似的な痛覚とはいえ、神経接続によってダメージはパイロットにも伝わるはずだ。
その痛みと辛さはよく知っている。
「おかしいじゃないか!なんでッ!」
再び左腕の刃を振るう。
今度は初号機の右脇腹を切り裂いた。同時に、そこからも噴出される鮮血。
初号機の足元が紅い色に染まる。
「……ッ!!」
「見ず知らずの相手に、なんでそこまでできるんだ!!」

「お前は似ているんだよ……昔の俺にな」
鉄也が、口を開いた。
「誰かに裏切られるのが怖いから……拒絶し、傷つけてしまう」
シンジは、それを黙って聞いていた。
「だがな……そいつに身を任せてしまえば、いずれ取り返しがつかなくなる。
 自分にとって大切なものを、失ってしまうことになる」
漠然とだが、わかった。それは、鉄也自身のことを言っているのだと。


ミケーネ帝国との戦いの最終局面。
兜甲児が帰国し、兜剣造との親子の対面を果たした時、鉄也の中に蟠りが生まれた。
最初は小さかったはずのそれは徐々に肥大化し、嫉妬心として表面化していく。
兜甲児が憎かったのか。
いや、違う。
それ以上に怖かったのだ。
見捨てられることを、裏切られることを恐れていたのだ。
そんなはずはないのに。わかっていたはずなのに。
所長を、何より自分自身を信じられなかった。
その果てに――鉄也は、取り返しの付かない過ちを犯してしまった。
そしてシローに、甲児に、ジュンに、所長と関わる多くの人達に消えない悲しみを刻み込んでしまった。

目の前の少年は、父親に裏切られたと言った。
少年の過去は、今の鉄也に知る術はない。
だがその一点だけでも、自分より遥かに辛い思いをしてきたのではないかと思えた。
しかし、それだけであるはずがない。それでは、あまりにも悲しすぎる。
彼にだって、かけがえのない何かがあるはずだ。

「お前は本当にこれでいいのか?自分の心に嘘はないのか?」
鉄也は叫ぶ。
「嘘をつき続けていれば、お前はいずれ後悔することになる!」
自分と同じ後悔を踏んで欲しくないが故に。
「お前は……本当に殺し合いなど望んでいるのか!?」

ゼルエルが、シンジの感情にシンクロするかのように、膝をついた。
既にそこには殺意も戦意も存在しなかった。
「だったら……どうしろっていうんだよ!!」
響き渡るのは、半ばヒステリックな少年の声。
「好き好んで殺し合いなんてするわけないだろ……
 でも!!だったら、どうしろっていうんだ!!」
そう叫んで……あとは、嗚咽だけ。
答えなんて、すぐになど出せる筈がなかった。

「ぐ……っ」
初号機もまた膝をついた。あくまで擬似的な痛覚とはいえ、深手のはずだ。
「え……あ……」
一瞬、相手の心配をしてしまう自分がいた。
さっきまで殺そうとしていた相手なのに。
これが、自分の本心だとでもいうのか。

『シンジ、今ならあの男にとどめを刺すことは造作もない。
 そうすればお前に殺害数が+1され、ノルマ達成に一歩近づくことになる』
W14の冷徹な言葉が差し挟まれた。
少しは空気を読めと、シンジは内心で反発を抱く。
だが次の言葉で、決してそれだけではないことが理解できた。
『だが……言っておく。逃げ続けるだけでは、このバトルロワイアルは生き残れない』
彼女もまた、剣鉄也と同様のことを言っている。
「逃げちゃ……ダメだって言うの。自分から」
『逃げること自体を否定するつもりはない。だが物事の本質から目を逸らしたまま逃げれば、
 あの男の言うように、お前はまたいつか後悔することになる』
「わからない……そんなの、すぐにわかるわけないよ」
「すぐにわかる必要なんかない。そんなもんだ」
鉄也が、悩める少年にフォローを入れた。
「すぐに見つかるようなもんじゃない。ゆっくり迷って、見つけ出せばいい。
 もし見つけたそれが間違いだと思ったなら……
 それを正して、また探せばいい。……俺は、そうした」

彼の戦いは、もしかしたらかつての過ちの罪滅ぼしの意味合いも含んでいるのかもしれない。
なんとなく、シンジはそんな気がした。

シンジの肩に、手が置かれた。
振り返ると、W14が微笑んでいた。


――どうすればいいんだ、僕は。






――そこで、一連の盗聴記録は途切れた。

「いかがかしら?W14の出来栄えは」
どこか満足げなレモン・ブロウニングに、尋ねられたアクセル・アルマーはきっぱりと言い放った。
「欠陥品だな」
「冷たいわねぇ。どこか不満な点でもあったかしら?」
「ふん……不自然なく、碇シンジを戦いに駆り立てた手腕は認めてやる」
そう、W14は常にシンジを『戦う』方向へと仕向けていた。
それは、彼にジョーカーとしての役割を促すには正しい行動ではある。
「だが詰めが甘い。その気になれば、最後は剣鉄也を仕留めさせることができたはずだ」
しかし、最後に彼女はそれらとは正反対の行動を取った。
まるで鉄也に同調するかのように、シンジを諭そうとしていた。
殺し合いを促すどころか、これでは逆効果だ。
「まったく、おれ達に相談もなく、独断でジョーカーなど選抜しておいて……
 ゲームを煽動する要素となるかと思った結果がこれか。真面目にやってくれ」
「あら。私は真面目に取り組んでいるわよ」
そんなアクセルを、レモンは飄々と受け流す。
「別に、あの子に最初から積極的に殺して貰おうなんて期待しちゃいないわ。
 単純に殺し手を求めるだけなら、もっと他の人材を選ぶわよ」
「ん?どういうことだ」
「参加者はあくまでも碇シンジ君よ。W14はあくまでサポートユニットに過ぎない……
 W14に言われるがままに殺して回るんじゃ、どっちが参加者かわからないわ。
 彼自身の手で奮起してもらわなきゃ、何の意味もないのよ」
「まあ……確かにそうかもしれんが」
レモンは地図を映し出すモニターに、視線を移す。
碇シンジと剣鉄也が戦ったD-4を、見守るように眺める。
恐らく彼女の目は、会場の碇シンジ、そしてW14自身に向けられていることだろう。
「何にせよ、未来ある若者を引き篭もりから救った、あの偉大な勇者さんには感謝しなくちゃね」

地図上の光点――参加者達の生存を示す光は、順調に消え続けていた。
ゲーム開始より、ようやく6時間。まだバトルロワイアルは始まったばかりである。

【剣鉄也 搭乗機体:エヴァンゲリオン初号機(新世紀エヴァンゲリオン)
 パイロット状態:気力と体力消耗(大)
 機体状態:全身に無数の刀傷、左腕損失、右脇腹裂傷。
      S2機関搭載、シンクロ率80%、マゴロクソード所持。
 現在地:D-4南西 島
 第一行動方針:殺し合いに乗った人間を止める
 第二行動方針:暗黒大将軍と接触、必要なら決着をつける
 第三行動方針:他の参加者と接触して情報交換を行う
 第四行動方針:この世界の脱出方法を探す
 最終行動方針:自分を犠牲にしてでも参加者を元の世界へ帰す
 備考:出来る限り一人で行動する】

【碇シンジ 搭乗機体:第14使徒ゼルエル(新世紀エヴァンゲリオン)
 パイロット状況:迷い
 機体状況:ゼルエル=右手先端損失(再生中) W14=右手首に痛み
 現在位置:D-4南西 島
 第一行動方針:???
 最終行動目標:生き残る。死にたくない】
 ※カヲル殺害後から参戦です。

【W14(ゼルエルXX)について】
  • ゼルエルとの神経接続により、ゼルエルの受けたダメージはW14にもフィールドバックするようです。

※D-4北西の橋が崩壊しました。

【一日目 12:00】

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最終更新:2010年02月21日 18:13