主スイート

再び3

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だれでも歓迎! 編集
闇に吸い込まれていろいろ考えた

俺のことを覚えていてくれているか・・・
俺へ向けていてくれたコンラートの愛はまだ変わらずちゃんとあるのか
勝手にいなくなってしまった俺をまた受け入れてくれるか・・・

怖い・・・いざとなると怖い・・・
ものすごく怖くて不安が頭の中をぐるぐると回る
手のひらに力を込めて握るしめるとつめが食い込んで痛みを感じる

でももう後には戻れない・・・
もう一度眞魔国にいくと決めたのは、判断したのは俺だ
だからもう弱音など言わない・・・





バシャン

水の中から顔を出せば出たのは俺が眞魔国からいなくなったあの噴水だった
妙にそこは静かだった

葉っぱが落ちる音と風で木々が擦れ合う音だけ
妙に静か過ぎた

「・・・・・」
「静か過ぎる・・・・・」

村田は噴水から出て濡れた体ですたすたと歩き始めた
俺も後ろをおい歩く

村田が向かっているのはきっと血盟城だろう・・・
誰の迎えもない・・・だから歩くしかない
馬車で10分ほどだ歩いたらきっと30分ほどだろうか

道中村田は一言もしゃべらない
その代わりに空を飛ぶ鳥にあえば微笑みゆれる木々を見ればまた微笑んだ
それをみるとあぁ、帰ってきたんだって実感するんだ

俺たちがいなくなったときとまったく変わらない風景に心が軽くなる
まだそんなになっていない
きっと忘れていない
俺の心も変わっていない

「あ!血盟城だっ!!見えてきた」
うれしさから足取りが軽くなって早歩きになる

もう少し・・・・もう少しで血盟・・・・

「まてっ!!」

後少しで血盟城の入り口の門をくぐれるところで止められる

「誰だお前たち!!」
「えぇーっと・・・渋谷有利です」
「名前など聞いていない!!」

誰だお前たちって聞いたじゃないか・・・っていったじゃないか
そんなことをかんがえている間も男はしゃべり続ける

「今日は大切な新眞魔国国王陛下が王位に疲れる大切な日だ!!招待されてもいないやるらは入れない」

ドクン・・・・一瞬目の前が暗くなる

「新・・・眞魔国陛下・・・・?」

そりゃそうだよな・・・・ずっと王座を空席にしておくわけにはいけないんだ・・・
だったら・・・俺の・・・・戻る場所はどこ?
俺は・・・どこにいけばいい?
魔王だったからここにいれたんだ・・・・
新しい王様ができたんだったら・・・俺・・・もう・・・

         ―――――いらないじゃん―――――

「僕たちはここに入る権限があるよ」
「招待状をもっているのか?」
「この人は前王陛下だからさ」
「ハッハこんなガキがかっ!?笑わせるぜ。子供のたわごとだな。さっさと帰れ」

「っ・・・・・・」

気がついたら走っていた
一本の木の下に座り込み涙をぼろぼろと零していた

「渋谷・・・・」
「所詮・・・俺はこんなもんだったんだよ・・・・」
「え?」
「魔王になってからがんばって世界を平和にしおうと頑張っていても民たちへの認識は低いし・・・
 何ヶ月か離れていたら斬って捨てられる・・・・・緒戦そんなもんだったんよ・・・・・
 きっとみんなも呆れて俺のこと忘れてる・・・・ごめんね・・・変なことにつき合わせて・・・
 ここに俺の居場所はない・・・だからもう帰ろう・・・・新しい王様がいるんだ
 その人がきっといい国にしてくれるよ・・・・だから俺ももうこの国に未練はないよ・・・・・」
「渋谷!!」
「もうこれでやっとみんなのことも忘れられるコンラッドのことも・・・・・」

もう弱音はいわないってさっき誓ったばかりなのにね・・・・俺・・・何言ってんだろう・・・・

「渋谷」

名前を呼ばれて顔を上げるとすぐ近くに顔があって唇に柔らかいものを押し当てられる

「んっ!?あぁふぁ・・・村・・・田!!はなっし・・・って」

唇を離されて息が上がる意識が朦朧として体が地面に押し倒される・・・
こんな村田始めてだ・・・・怖い・・・・
上から見下ろしてくる日本人特有の黒い瞳・・
その奥に映る俺の顔はひどくみっともない顔をしていた

俺の唇を親指でさすりながら一言一言静かに告げてくる

「やめっ」
「もう・・・あきらめるんでしょう?ウェラー卿のこと・・・・」
「・・・・」
「だったら・・・僕が君のことをもらっても文句なんて言えないよね・・・誰も・・・」
「何・・いってるんだよ・・・・・村田・・・・」

唇から胸へ腕が下りてくる
その腕は胸を通り越して下半身へ伸びてくる
片手でベルトをはずされていく
抵抗したいのに抵抗できない・・・
俺よりも細そうな体なのにびくともしない・・・・
ズボンと一緒に下着も取られてそれはそこら辺へと投げ捨てられた
横目でそれお見ていると足を持ち上げられる
村田が何をしようとしているかなんてわかってしまう・・・
無駄にコンラッドに体を抱かれたわけではない・・・

俺の予想では村田は俺の後ろへ指を入れようとししている・・・・
でも・・・・塗らされてなどいない・・・そこへ・・・・

指がだんだんと俺の後ろへと近づいていく
村田の瞳を見ていた俺の視界がしだいにゆがんでいく
こわい・・・こわいよ・・・・

「っ・・・ト・・・・・」

「・・・・けて・・・・」

「・・・・ラッド・・・・けて・・・」

かすれかすれに出てくる声・・・
勝手に出てくる声・・・
俺は何を言いたいのか・・・・・・不思議だ・・・・意識などしていないのに出てくる言葉・・・
俺は何かをいいたいと思っている・・・・それはなんだろうか・・・

ぼろぼろとこぼれ始めた涙は止まらずにいまだにかすれる声がこぼれる・・・・

「って!!!

「助けて!!!!」

やっとはっきりとしてくる言葉
そうか俺誰かに助けを求めているんだ

「助けて!!・・・・ッド!!」

「コンラッドーー!!!!」

俺ののどから呼ぶ名前はコンラッドだった
なんども何度も彼の名前を叫んで・・・・
気がついたときには村田は俺に覆いかぶさり頭をなでてくれていた

「コンラッドコンラッドコンラッドっ!!!!」
「わかってるよ・・・渋谷・・・・わかってる・・・」

何をわかっていると言うのか・・・・
何がしたいのか・・・・・村田は・・・・

「君がこの世界に思い残すことがないとかいってもその顔は未練たらったらっだった・・・
 ウェラー卿のことも忘れるなんてこと言ってたけど・・・その時の気味の顔はひどく泣きそうだった。
 僕はずっと君のことが好きだったのに後からやってきたウェラー卿に君の心ばかりか
 体まで奪われて・・・でも君が幸せらそれでもいいかなって思ってた・・・・
 それなに、君はせっかく我慢しているのに簡単にウェラー卿のことも忘れられるなんてことをいって・・・
 わかったでしょう?今ので君は忘れるななんてことをいっていても心から忘れることはできていない・・・」
「・・・・・・・コンラッド・・・・・村田・・・・俺・・・・・っ・・・・・」

忘れるはずがない・・・・わかってた・・・・心のどこかでわかっていたんだ・・・・
でも俺のいる場所がないこの場所で今俺はどうしろというんだ
このまま帰ってもきっと忘れられない・・・表面だめでも忘れられるふりをして少しでも強い心を
形作っとかなければ俺はきっとすぐに崩れてしまう

 

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