主スイート

気持を言葉に

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だれでも歓迎! 編集
「陛下、起きて下さい」

いつも、自分を起こしに来る声とは違う主に冷えた体をピクリとうごめかした

「寒い・・・・コンラッドは・・・?」
「あぁ、閣下は今日から遠征で3日程帰って来ません。聞いてませんでした?」
「え、聞いてないよ、そんなこと!遠征って、戦いなのか!?なぁ!」
「そんなに心配することはありません。今回のは隣国の市民への支援が目的ですから」
「そうか、で、3日間ヨザックが俺の傍にいてくれるんだ」
「えぇ、そうゆうことです。さぁー坊ちゃん、着替えてくださいー。俺の理性も危ないですからねー」
「?」
「まぁ、気にせずに」



黒を身にまとった有利は朝食を食べるためおお昼間へと向かう

「なぁーヨザック」
「何ですかー?食べさせて欲しいんですか?」
「いや、そんなこと誰も言ってないから・・・雷って、城に落ちたことある?」
「あぁ、昔・・・って言っても俺も生まれる前ですから、大昔ですけど、落ちたって話は聞きましたよ」
「ふぅーん」
「怖いんですか、雷」

ヨザックは、茶々を入れて有利に聞いた

「・・・ちょっとね・・・」

有利が余りにも、真剣な顔をして話すものだから次の言葉が見つからない

「いつもさ、勝利とか、コンラッドが傍にいてくれたから、平気だったんだけどね・・・昔、凄い雷が落ちる映像をテレビで見たんだ。って行っても俺は幼稚園の時だけどね。それから、怖くて・・・」
「雷ねぇー・・・・俺じゃ役に立ちませんか?」
「え?」
「閣下にはなれませんが、俺だって傍にいることぐらい出来ますよ」
「有難う。今日さ、どうも雲行きが悪くてさ・・・ちょっと気になってたんだ。一緒にいてくれる?」
「もちろん」


その夜、有利の直感は当たった

夕方は夕日が見えていたが、8時を過ぎたころ突然厚い雲が空を覆った
有利の部屋ではベッドの上で有利の隣にヨザックが腰を下ろしていた

ごろごとと遠くから音が聞こえてくる
光より少し遅れてやってくる音は、だんだん音が大きくなってくる

上から握っていた小さな手の甲がピクリと動いた気がしてその手をぎゅっと握った

「ヨザック」
「はい、」
「なんでもない、ごめん・・・」
「いえ」

きっと、この静寂した部屋に雷の音だけが響くのが嫌なのだろう

「陛下、俺の話をして上げましょう」
「え、ヨザックの話?どんな?」
「俺の体験談です」
「うん、いいよ、聞かせて」

「俺にも、昔好きな人がいたんです」
「うん」
「その人は、好きな人がいました」



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