主スイート

気持を言葉に2

最終更新:

tamaki_king

- view
だれでも歓迎! 編集
隣で嬉しそうにほほ笑むのはジュダ

「ねぇ、ヨザック」
「ん?」
「アタシ結婚することにしたの。」
「そうか、それはよかったじゃねーか」

どこまでも広がる青い空を眺めながら彼女は嬉しそうにつぶやいた

「その人ね、とてもいい人なのよ。とっても、やさしいの・・・」
「幸せになれよ」
「うん、今でも十分幸せ」

ジュダがほかの男と結婚・・・そんなの考えたこともなかった
笑顔で結婚というジュダが少し恨めしかった
彼女に裏なんてないのに、ジュダを好きなヨザックにとっては残酷な言葉でしかなかった

「ヨザックは?」
「え?」
「ヨザックは幸せ?」

幸せか・・・そう聞かれれば、そうでもない
でも、彼女の手前幸せじゃないなんて言えなかった

「あぁ、とっても幸せだ」
「ヨザックにも好きな人ぐらいいるんでしょう?」

「・・・・ジュ・・・・っ・・・」
「?」

ジュダが、お前が好きだと言ってしまいそうになる

今この場で言えてしまったらどんだけ楽だか・・

「いるよ」
「そう、言ってみた?好きって」

いや、と首をふってみると隣から明るいことが返ってきた

「ちゃんと、言わなきゃ伝わらないものもあるのよ。好きって気持はちゃんと言葉にしなきゃ」

たったの二文字が、出てこない

「俺ってこんなにも、臆病だったかなー?」

独り言をつぶやくとジュダには聞こえていたらしい

「恋に対しては皆、臆病なものよ。」
「ジュダも臆病になったのか?」
「えぇ、とっても、ね・・・。だから、恋には勇気あるのみよ。」

空を見上げていたジュダがちゃんと地面に座り直すとヨザックの頬に手をそっと添えた
その場所からだんだん熱が広がっていくのが分かった

何、と口を開こうとするよりもジュダの口が動いた

「こんなにも、素敵な男なんですもん」
「素敵って・・・」
「例え、趣味が女装でもね・・・ふふ」
「・・・・・」
「大丈夫よ。あなたは本番に強い人でしょう?きっと、分かってくれるわよ、その人も」
「どうだか・・・」

そっと手を離したジュダはまた空へと顔を上げた

「大丈夫・・・でも、どうしても無理なことは沢山あるわ。でもね・・・本当にあなたが、ヨザックが心から好きだって想える人ならば、きっと気持は伝わるはず。気持が伝わらないのと、伝わるのとは、全然違うわ」

「だから、声にするのよ、気持を」

 


-

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー