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甘い3

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ドサリとおとされると思っていた
でも、待っていた衝撃はふわりと優しく体を包んだ
ふかふかと体が沈みそうなほど柔らかいソファーにそっと体を下ろされた

無言で自分から離れていった雲雀の背中を見て以外だとつぶやいた

雲雀はコップを二つもって戻ってきた

「どうぞ」
「えっ・・・・あ、有難うございます」

そっと手に取ったコップからは湯気が立ち昇っていた

「甘い・・・ココア・・・?それにしては甘いような・・・」
「うん、甘いね・・・」

そういえば、と綱吉はつぶやいた

雲雀さん、甘いのは・・・平気なんですか?」
「そうでもない、でも調味料を加えたらきっとおいしくなると思う」
「?」

よく分からなかった
それよりまず自分は何故ここへと呼ばれたのかさえ分からない
もさかこれを飲まされるために来たわけではないだろう
では、何故?

「考え事?余裕だね」

気づいたら自分の頭の上まで影で覆われていた
顔を上げればさらさらと綺麗なシャンプーの匂いのする黒い髪の間から自分を見下ろす黒い目とぶつかり合う

そっと手が綱吉の頬に触れた
その手は予想してた手よりもずっと暖かくていつもトンファーを振り回しているせいなのか男らしく硬い手だった

「君は、もっと自覚を持ったほうがいいよ。今まで無事に襲われることもなく生きてこれたのが不思議なぐらいいだよ。きっとこれも多分あの取り巻きのおかげなんだろうけどね・・・」

淡々と口走る雲雀の言葉が理解できなかった
ただ、雲雀の言う取り巻きとゆうのが獄寺と山本だとゆうことは理解できた

「あの、獄寺君と山本がどうかしたんですか?」
「本当に、君って危機感がないよね・・・呆れるどころか、感心するよ」
「?」
「はぁ、本当君って子は・・・どうして僕はこんな奴に恋をしたんだろうか、不思議でならないよ」
「・・・・?」
「分かってないって顔してるね。本当に鈍感なんだから」

いつもよりも優しい口調で話す雲雀
そっと頬に触れていた指先がツーっと唇まで下りてくる

「君男に生まれてきたことありがたく思った方がいいよ。でなきゃ、今すぐにでもそこら辺の男に情事に持ち込まれて、自分の物にする理由を作ってしまっているだろうね。僕だってそうしてるよ。」
「・・・・・???」

ボケッと小首をかしげる綱吉の唇にそっと自らの唇を押し当てるとお互いに先ほど口に運んだチョコレートの味がした

チュっとリップ音を立てて唇を離すといまだに現状を把握しきれていない様子の綱吉がだんだんと、顔を赤くしていく
最小的にはボンと音を立ててしまうんじゃないかという程に顔を真っ赤にして俯いてしまった

そっと上から雲雀の甘い言葉が降り注ぐ

「君の事が好きな奴は沢山いるんだろうけど。例えば、あの、君の取り巻きとかね。でも誰にも渡さないよ。君は僕だけのものだ。」

もう帰っていいよと言われた綱吉は動くことが出来ずにしばらくその場に座っていた

雲雀は仕事を開始し始めて今は椅子に座りカリカリと音を立てながら仕事をしている
綱吉はおもむろに立ち上がり応接室を後にした

はぁ、はぁと息を切らしながら向かったところは屋上
今日もどこまでも広がる青い空

雲が少しあるだけの切れない澄み渡った青

「嫌・・・だった?」

自分に問いかけるように呟いた
そっと触れた唇は今でも雲雀の唇の感触を覚えていた

「嫌・・・ではなかったかも・・・・」

確かに嫌だとは思わなかった
男と交わしたはじめてのキス

初のキスが男とゆうのはどうしたらいいものか・・・・
そう考えるもただ頭の中をよぎるのは甘い響きを持つ雲雀の声


「あ、十代目!!!ここにいらっしゃったんですか!?」
「ツナー!大丈夫だったか?何もされてないか?」
「あ、山本に、獄寺君」
「大丈夫でしたか?」
「え、うん・・・大丈夫、だよ・・・」

まだ自分の気持ちに気づくには少し時間が掛かりそうだ
でも、今日の出来事で少し雲雀への気持ちへ気づき始めたのかもしれない












「委員長、これ・・・・は?」
「あぁ、没収したチョコレートで作ったんだよ。君にも上げるよ」

そういって草壁の目の前に出されたのは綱吉に出したのと同じもの
いったい何があったのか、今までなら没収したチョコレートに見向きもしないはずなのに・・・
しかし、草壁には覚えがあった

委員長がいつも、見つめる先には沢田綱吉がいた・・・と
その目には愛がこめられていたことを草壁はしっている

「不思議だよね」
「は、・・・・といいますと?」
「甘いものは好きではないんだよね。僕」
「それは私も承知しています」
「でもね、沢田綱吉の唇についてたチョコレートとっても美味しかったよ」
「は?」
「ちょっと一歩前進したかな、僕もあの鈍感なあの子も・・・」



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