ここはとある獣たちの世界。その世界は幾度となく争いが発生していた。ある時、英知を司る神がその争いの根源を無くす為の統制案を世に示したが、その内容は統制とは名ばかりの独裁であり、地上に住む者たちの多くが反発し、皮肉にも再び世界は争いに覆われた。星全土を巻き込む盛大な消耗戦になったものの、一致団結をした地上の戦力の前についに神は討たれた。しかし、神が倒れた瞬間、その神が予め手を付けていた統制案の一部が発動し、ありとあらゆる神が暴走、世界を荒らし尽くした。しかしその地上の絆は固く、絶望的な状況からも彼らは立ち直し、舞い降りた奇跡によりそれら神を片端から焼き払った。残された神と地上の戦士は互いが住む場所の修復の為に専念する為に一時的な不可侵条約を結んだ。それにより、世界は安定した時間を獲得、ようやく平穏を取り戻すことが出来た。
だが、世界は「平穏」を手にしたが「均衡」を手にした訳ではなかった。
互いの尊重の意志を胸に再び各々の住処に戻った五大文明。それぞれの文明内で報酬や地位を得る者も非常に多かった。だが、それらの配分には、全くの偶然で一つの共通点が生まれていた。火のブレイブ・スピリットや自然のビークル・ビー等、俗に言う「サポート種族」達が全く報酬を得られていないことだった。非力だった彼等の活躍は、特に前戦に立っていた植物や機械達の陰に追いやられ、記録が全く残っていなかったのだ。各英雄とされる
クリーチャー達に寄り良い住処が与えられる一方で彼等は狭い土地に集団で押し込まれ、生存すら苦しい生活を送らざるをえなく成った。そんな状況なら不満が起こるのも必然であり、英雄種族達の目を盗みサポート種族達は革命同盟を結成、そしてある時、かたや〈
虐殺のキレア〉を筆頭に闇・火・自然の連合軍が、かたや〈
ロード・プロシオン〉の名の下キカイヒーローとディープ・マリーンが集結を開始した。ところがそれに気付いた者は各文明上層部に多かった物の、誰も危険視していなかった。文明間で行われた集会でも終始よく飛ぶ言葉は「たかが」。結局、どこもそれら使役をしていたグランド・デビル等を撃退に向かわせ身の程を知らせると言うことで決定が降りた。だが、その集会が後に大きく裏切られた。
〈ロード・プロシオン〉の部隊の迎撃に当たっていたグランド・デビルの兵団が、「巨大な影」を見たという伝令を最後に連絡を絶った。
「巨大な影」。その言葉に上層部はざわついた。一番大きなビークル・ビーは違う場所で蜂起しているはずであり、第一巨大と言うほど大きくはない。そして、立て続けにドリームメイトやグレートメカオーからも全滅の報告が届いた。そして残った種族達の住処にサポート種族軍が近付いた時、その正体が明るみとなった。それら非力な種族と、それらより一回り大きな見たこともないクリーチャー。そして、皆が知るそれとは全く姿が違う「ドラゴン」だった………
最終更新:2011年09月17日 17:01