常駐ソフトの併用と衝突
メーカー提供の専用ソフトウェアを含め、トラックボールは常駐ソフトの援用により操作性が向上する。
ただし複数のソフトを常駐させると悪影響を及ぼすことがある。(衝突)
ここでは常駐ソフトに焦点を当てて現時点で判明していることを覚え書きにしてゆく。
常駐ソフトの衝突
- WindowsのOS機能「マウス」プロパティとの衝突
垂直スクロールを3行にして保存しても、Windowsを再起動すると垂直スクロールが1行になってしまう。
Kensington製デバイスをUSBから抜いた状態で再起動した場合、垂直スクロールは3行のまま。
ポインティングデバイス1台の環境なら問題ないかもしれないが、複数台接続する環境では注意が必要。
エレコムマウスアシスタント5や
LogicoolのSetPointでポインタの速度を設定しても反映されない。
これはTrackballWorksとの衝突によるもの。TrackballWorksをアンインストールすれば改善される。
- 「Wheel Ball」系スクロールソフトとの衝突
- X-Mouse Button Control (以下、XMBC)
MGLとXMBCは機能がかぶるため、Windowsアップデートの状況によってはフリーズする事もある。
フリーズしない時は、「設定内容の順序」に注意すること。(後記)
常駐ソフトの併用
1.前提として
「ハードウェアのボタン名」と「ソフトウェアの機能名」をしっかり区別しておこう。
「左ボタン」は前者であり、「左クリック」は後者となる。
2.MGLやXMBCによる機能カスタマイズ
MGLやXMBCは設定画面で「ボタン名」に対し「機能」をカスタマイズ可能であるが。
実際に行っているのは、「機能」に対する「機能」の上書き処理である。
以下の項目で具体的に説明していこう。
3.設定内容の順序
各「ボタン」の「機能」は、下記の順序で決定される
(1)ドライバ読み込み時に、デフォルト値の「機能」を割り当て
(2)専用ソフトウェアによる「機能」の上書き (エレコムマウスアシスタント、TrackballWorks、SetPoint等)
(3)XMBCによる「機能」の上書き
(4)
Wheel Ball/MGLによる機能の参照
Kensington #64325 (Expert Mouse 7)を例に説明してみよう。
(1)ドライバ読み込み時にはデフォルト値として各ボタンに以下の機能が設定される。
・左上ボタン:中クリック
・右上ボタン:戻る
・左下ボタン:左クリック
・右下ボタン:右クリック
(2)TrackballWorks起動時に、その設定内容が反映される
・左上ボタン:中クリック
・右上ボタン:進む (変更部分)
・左下ボタン:左クリック
・右下ボタン:右クリック
(3)XMBCは、TrackballWorksの結果に対し処理を行う。
・右上ボタン:進む (変更部分) -> XMBC:Mouse Button 5と認識される
XMBC:Muse Button 5 -> Middle Clickに変更
(4)「Wheel Ball」はXMBCの結果を参照して処理を行う
・左上ボタン:中クリック
・右上ボタン:Middle Click (変更結果)
・左下ボタン:左クリック
・右下ボタン:右クリック
「Wheel Ball」でButton2(中ボタン)と設定した場合。
EM7の左上ボタンに加え、右上ボタンも中ボタンと認識されて、スクロールモードのスイッチとなる。
MGLも同様だが、XMBCとの併用はやや不安定。MGLとXMBCの併用はやめておこう。
4.備考
「ボタン名」は各アプリケーションにより表記にバラつきがあるが。
左、右、中、戻る、進むという順番を覚えておけば当惑することはない。
初期値の機能 |
左クリック |
右クリック |
ホイールクリック |
戻る |
進む |
TrackballWorks |
Click |
Right Click |
Middle Click |
Button 4 |
Button 5 |
XMBCの表記 |
Left Button |
Right Button |
Middle Button |
Mouse Button4 |
Mouse Button5 |
MGLのキー名 |
LButton |
RButton |
MButton |
XButton1 |
XButton2 |
最終更新:2017年08月07日 08:57