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老人Z

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老人Z

●8.5点
 大友克洋を原作、江口寿史をキャラクターデザインに据えた社会派ブラックコメディ。
 自己進化機能を持つ最新型コンピューターを搭載した老人介護用ベッド、Z-001号が
 テストモニターとして「介護」する事になった老人の記憶に影響され、ある目的の為に暴走する。
 機械の進化と高齢化社会と言う、現在でも全く変わる事の無いテーマを扱った内容は、
 時代を追うごとに風刺の枠を超えて現実に迫っているようで興味深い。
 CGもロクに無い時代に、画面全体を覆う配線の一本一本までもが生々しく動き回る暴走Zの描写は
 「AKIRA」クライマックスにおける鉄雄の暴走シーンを彷彿とさせるが、あくまでブラックユーモアとして
 それらの描写を昇華させていく制作側のセンスも見事。伏線も活かしたラストシーンは圧巻!
 ただアニメーターにとっては地獄であったろう事は想像に難くなく、中盤は若干塗りが甘いシーンも(-0.5)
 老人介護に対する問題提起という面も少なからずあるものの、愛情を持って接する事を至上とするヒロインの
 無垢なまでのひたむきさがあまりに肯定的に描かれ過ぎている所に、若干の危うさを感じさせるのもまた事実(-1)。
 ひと笑いしつつ観終えた後、ふと現実の未来を想ってぞっとさせられる作品。

●7点(10点満点6点標準、佳作と評価)
 暴走を起こす"老人介護用ベッド"。当時のオタク作家系のノリが濃い作品。
 老人介護を扱ってはいるが、あくまでシニカルな視線を送るだけであり、
 問題に深く立ち入ることを目標として作られてはいない。
 大友作品の基本とも言える、"巨大な力の暴走とそれに巻き込まれる一般市民"が
 作品の柱であり、ナンパなAKIRAとして観るとしっくりくる。
 絵は、線の太さも含め、当時を強く意識したものであり古臭い。
 後半一気の疾走感と、それを支えるメカアクションの巧さに注目して欲しい。
 こんな設定のメカを動かそうとすること自体に、敬意さえ覚える。
 不変的な面白さはあるのだが、絵やノリ的にナマモノとしての期限が
 切れているため、低めの評価に留めておく。よく動いて、軽い感じで
 観られる作品を好む方にお薦め。
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