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時刻は14時30分、東京都の地中。
もとい物置という名前の超ハイテク移動式シェルター内部。

そこではイナバ社長と他複数名が一つのテーブルを囲いながら、拳王連合軍に会いにいくと言った同志であるダイジョーブ博士から受け取った情報の精査を行っていた。
その内容とは都庁に現れた木々が危険植物ヘルヘイムであることと、拳王連合軍がネットで噂されるような悪逆集団ではないとのことだ。

「イナバ社長、これは信頼できる情報源なのですか?」
「ダイジョーブ博士はマッドサイエンティストだが嘘つきではない。
情報を秘匿していたユグドラシルも腹が黒そうでいけ好かない企業だが、ここまでできすぎてるジョーク作りに時間を無駄するほど馬鹿な連中ではない。
特徴の一致からして都庁の大樹及び何匹かの魔物はインベスであると考えられる。
そうでなくとも、こうまで成長が早すぎる植物はいずれ我々の生活圏を脅かすだろう」

ゼクスがまず目を通したのはヘルヘイムの情報。
それによると、あと数日もすれば日本の植物全部がヘルヘイム産に塗代わり、魔の果実を食したことによって生きとし生けるものがインベスと化す。
そうなれば日本は滅亡してしまうだろう。
情報が真実ならば大災害の次ぐらいの驚異だ。

「しかし、おかしくねえか?
世界が滅ぼされるかもしれないのに、人間の協力者も何人かいるらしいんだが」
「いえ、それについては知性を持ったインベスの上位種……オーバーロードインベスの存在により説明が付きます。
自分たちの保護もしくは権力の拡大、または隷属・洗脳によって生かされている可能性があります」
「うげえ、洗脳は仕方ねえが自分たちの私腹を肥やすために化物に協力している連中がいんのかよ」
「お嬢ちゃん、世の中にはそういう下衆連中が多いんだぜ? 金のためなら犬のように戦う傭兵さんとかな」

インベスに人間の協力者がいる理由に引っかかったクリスだが、すぐに他の情報とLの推理により覆される。
実はその推理も間違っているのだが、都庁の情報露出が少なすぎるのでいかに天才探偵であるLとて真実に辿りつけてないのだ。
結局、都庁の人間はベルナデットの皮肉じみた煽りのように、悪党か洗脳されているとしか現状では処理できなかった。

「胡桃が食べらなくなる世界なんて僕は嫌でぃすよ」
「はは、そうだなオチビちゃん。
森の守り手と言われた俺の目線からしても、あの樹木の成長はあまりにも過剰すぎる。
社長、植物は多けりゃ良いってもんでもない。
大地自体への毒になっちまう前に外来種は間引きした方がいいと思います」
「君もそう思うかロビン」

精霊と契約したロビンも都庁の大樹は危険だと言った。
せめて世界樹に肉薄する機会があれば感想も変わったのかもしれないが、彼はほとんど地中にいたため仕方ないのである。

「私としては“これ”が気になるのだがね?」
「これ、とはこの巨大な怪物のことか?」

イナバ社長が指し示したのはヘルヘイムの要と思わしき生物フォレスト・セルであった。
その破竹の強さはネットを通してゼクス組とこの物置にも知れ渡っている。
ゼロ・システムを搭載したモンスターマシンであるエピオンでも勝機は薄く、どこぞのヒゲのガンダムでも持ち出さない限り勝てる気はしないというのがゼクスの正直な感想であった。

「私はこれを予言の中にある【器たりえる巨像】の一つではないかと思っている。
もし、そうなら是が非でも手に入れたい」
「おいおい、こんなグロテスクな物体が予言の巨像だって~? Lの旦那はどう思う?」

ベルナデットが呆れるのも無理はない。
フォレスト・セルは世界を救うにしてはあまりにも怪物的すぎる見た目をしていた。
無論、セルにテラカオス因子の浄化という能力があるのを知らないのだから、余計に醜悪な怪物にしか見えぬであろう。
とりあえずベルナデットは自分より格段に頭の良い男であるLに意見を求めた。

「候補の一つとしてなら、捕獲はありだと思います。
あれが予言に必要なものかどうかまではわかりませんが、どちらにせよ驚異には変わらないので捕獲・殺処分・封印は視野に入れるべきだと思います」

Lの意見は最もであろう。
大災害ほどではないがセルを放っておいて東京の外にでも歩かれたら、人類滅亡はそれだけ早くなる。
イナバ社長の思惑はともかく、セルを手元に置くか最悪殺す必要はあると判断した。

「しかし、こんなのどうやって捕まえるでぃすか?」
「ううむ、そこが問題ですね。
我が社が保有する物置は高性能ですが、流石にコレの戦闘力の前ではあっさり破られそうですね……」
「どっかにどんな実力を持っていようが、異能力を持っていようが関係ない夢のような捕獲装置ないっすかね~
それこそ惑星を余裕で破壊できそうな奴や突破不可能な障壁すら無視して閉じ込める檻のようなもの」
「そんな都合のいいもんあるわけねーだろ」

シマリスの最もな疑問に首を傾げるイナバ社長。
社長を飄々と茶化すロビンにツッコミをいれるクリス。
実はそれを実現できるかも知れない魔法のようなアイテム“マスターボール”をゼクスが所持していることをここにいる連中はまだ知らない。

「ただ、戦力の宛だけはありますね」
「悪逆集団と言われていた拳王連合軍か……」

イナバ社長とゼクスがヘルヘイムの次に注目したのは拳王連合軍。
戦力の高さや早期の首輪解除など目立ったチームだが、一方で核兵器ばりの横暴・破壊行為が目立つ集団で、最悪の集団と風潮されていた。
だが、その大半は誤解と風評被害であるというのがあちら側の意見だった。
まずはLが拳王連合軍から渡された情報や、ネットに流れた情報・映像の数々を精査する。

「……なるほど、確かに拳王連合軍の言い分も合ってますね。
緑間など参入させる際にマーダーかどうか気付けなかった、戦力不足とはいえ引き金が軽くなりがちな子供を機動兵器に乗せた等過失もありますが、少なくとも故意に行った破壊活動はない。
全部鵜呑みにするわけではありませんが、ホワイトベース組のようにろくな調査もしないまま、単に暴力集団と割り切って排除しようというのは早計ですね。
……まあ、何でもかんでも力任せというか、野球やネットバトルで解決できると思い込んでいる脳筋臭さは目立ちますが」

それがLなりの拳王連合軍への分析であった。

「まあ、イナバ社長のご友人を信じないわけではないですが、実際に会ってみないとわからない部分もあります」
「まともな対主催集団がイチローチームぐらいしかない現状では、一つでも増えてくれると助かるのだがな……」

ちなみに物置の人間たちも聖帝軍のきらりんロボによる虐殺映像は見た。
L曰く、動画内に意図的に大事な情報を削って編集した工作の痕跡はあったものの、きらりんロボが立川市を焼いたのは紛れもない事実であるようだ。
ひょっとすると直近で戦っていたDMC狂信者に内部を制圧されて乗っ取られたのかもしれないし、拳王連合軍にマーダーの緑間が混じっていたように深刻なヒューマンエラーが発生したのかもしれないが、いずれにせよ聖帝軍との合流は危険になった。
ネットは炎上しており、迂闊に接触すれば物置の対主催まで危険人物のレッテルを貼られる。
誤解を解こうにもヘルヘイムが近いのでインベスがやってくる危険も考慮すると、飢えた虎のいる虎穴に入りこむようなもの。
ゼクスやクリスのような戦える者はまだしも、物置にいる非戦闘員まで危険に晒すことはできなかった。

「実を言うと私は、拳王連合軍に直接会ってダイジョーブ博士が言った通りの人物ならば同盟を組もうと考えている」

イナバ社長のその言葉に一同が騒然とする。

「大丈夫なんすか社長。それよりも千葉のどこかにいるらしいイチローチーム辺りと接触を急いだ方が良くないっすか?」
「イチローチーム及びドラゴンズは純対主催らしいが、逆に言えばマーダー以外からは狙われない。
一方で拳王連合軍はレッテル貼りによって同じ対主催の中でも孤立している。
予言にも通じる野球チームかもしれないのに、集中砲火を受けて潰されるのは惜しい……野球の試合は二チームいないと成り立たんしな。
今までの悪評が誤解によるものならば、すぐにでも間違いを正してやるべきだろう……他でもない彼らの情報を知る我々がな」

拳王連合軍は世界を救済できる予言を叶える鍵の一つだ。
多少のリスクを冒しても無くすわけには行かない、イナバ製作所社長の硬い意思であった。

「コマンダー社長」
「レックス」
「東京と神奈川の県境に着きました」
「ご苦労、後はダイジョーブ博士を待つだけだな」

今まで会話に混じっていなかった青いクローントルーパーのレックスは、社長の指示により物置を東京と神奈川の県境まで密かに移動させていた。
拳王連合軍と接触をはかった同志であるダイジョーブ博士とゲドーくんを迎えるためである。
地中から物置を出し、博士の乗る車を搭載せんと待機する。

……ところが、いくら待ってもダイジョーブ博士の車がやってくることはなかった。


「……おかしいですね、そろそろやってきても良いはずなのですが」
「まさかとは思うけど、やっぱり拳王連合軍の連中に殺されたんじゃ?」
「いや、そんなはずはない。
例の拳王連合軍の情報は横浜港から離れた位置から発信されていた。
つまり拳王連合軍からは十分に距離を離しているんだ。
もし殺すだけなら横浜港内で事足りるハズだぞ」

イナバ社長の推理が正しければダイジョーブ博士が拳王連合軍に殺されていることは無いハズだ。
だが、一向に戻って来る気配がない。
ついにはイナバ社長の方から連絡を入れるが、返信はなかった。

「連絡に応えないのはおかしい……何があったのか?」
「コマンダー、拳王連合軍はないにしろ、狂信者や他のマーダーに襲われた危険は十分あります。
私がスピーダーで調査をしてまいります」
「頼みましたよレックス」

明らかな異常事態を悟ったレックスは浮遊バイクと言えるスピーダーに跨り、調査へと出かけようとする。

「待つです、一人は危険ですから僕もついていくです」

そう言ったのはシマリスであり、レックスの兜の上に乗る。

「おい、オチビちゃん、危険な任務なんだぞ」
「いや単独で行動するよりツーマンセルで行動をした方が良いのは一理ある。
彼は怪我も疲労もほぼない上に、身体が小さく身軽な分攻撃されても避けられる。
しかもそんじょそこらのモブ狂信者を凌ぐ戦闘力も持ち合わせている、連れて行く分には問題ないだろう」
「ははあ…イエッサー」

「レックスさん、これを持っていってください。
ヒラリマントというほぼ完全に敵からの攻撃を弾く外套です」
「ミスターL、支援に感謝いたします」
「シマリス、レックスにあまり迷惑をかけるなよ?」
「ゼクスさんは心配性でぇすねー、クルミマイスターである僕なら全然大丈夫ですよ」

出発前に仲間に見送られるレックスとシマリス。
一時間足らずで戻ってくる予定とはいえ、たった二人での行動は危険が伴う。
しかし、物置の参加者で動ける人間は限られており、MSの無いゼクス・L・イナバ社長の強さは一般人を超えない。
クリス・ベルナデットは負傷中。
ロビンは住人の護衛のために残らないといかず、騎乗スキルがないのでスピーダーのような機械には乗れない。
この状況では一人と一匹しか調査に出せないのである。
誰かが危険を承知で行かねばダイジョーブ博士とゲドーくんが生きていた場合、見殺しにする形になってしまう。

「危なくなったら戻って来いよー」
「レックス、シマリスくん、無理はなさらず」
「怪我なく戻るでぃす」
「では、出発します」

クリスとイナバ社長の言葉を最後に、レックスとシマリスを乗せたスピーダーは発進した。
合わせて巨大物置も二人が返ってくるまで存在を隠蔽するために地下へと沈んでいった。

「しっかし、腹減ったなあ~」
「クリス、食欲があるみたいだが本当に風邪を引いているのか?」
「熱があるのは確かだよ……だけど、さっきからものすげー腹が減って仕方ねえんだ。
さっきの話し合いの席の時は我慢してたけど、そろそろ限界だぜ」
「やれやれ……」

風邪を引いているハズなのに食い気だけはやたら旺盛な小娘のクリスに半ば呆れるゼクス。

「ははは、仕方ありませんね。この物置の備蓄食料をクリスさんに分けてあげましょう」
「ホントか? でも食料は貴重品だろ?」
「これから世界を救うために頑張ってもらう身です。
世界が滅びたら食料を貯めていても無駄になる……少しぐらいなら大丈夫ですよ」
「社長ありがとうな!」

「ところでさー、我儘言ってすまねえと思うけど少しリクエスト良いか?」

「今は肉……大量の肉が食いてえんだ」

瞬間、クリスの八重歯が人一倍長くなったように見えたゼクス。
だが瞬きの間に八重歯は元のサイズに戻っており、いつもどおりのお転婆娘の笑顔があった。
きっと自分はまだ疲れているのだろう……だから変なものが見えたのだとゼクスは思い込んだ。

果たして本当にクリスが感染したのはただの風邪なのか、腹が減っているのは偶然なのか。
歯が伸びたように見えたのはゼクスの錯覚だったのか?
答えは地の底で眠っているのかもしれない。

二日目・15時00分/東京と神奈川の県境・地中】

【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】風邪(…?)、謎の空腹感(大)、変身解除
【装備】イチイバル
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間を探して現状を打破する
0:なんかすげー腹減ったな、肉食いてえ肉
1:シマリスの無事を祈る
2:翼を見つけ出し食人について問いただす
3:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
4:もっと強くなりてぇ
5:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する
6:拳王連合軍にはちょっと懐疑的
※風邪以外の疾患か、テラカオス化が進行しているのかは次の書き手氏にお任せします

【ゼクス・マーキス@新機動戦記ガンダムW 】
【状態】ダメージ(小)
【装備】ガンダムエピオン@新機動戦記ガンダムW (左腕破損 ダメージ多数)
【道具】支給品一式 そのほか不明   ウルトラストップウォッチ マスターボール
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
0:今はシマリスたちの帰りを待つ
1:クリスたちに協力する
2:殺し合いを止める意志のある仲間を集めたい
3:社長と協力し世界を救う
4:人格に問題がないのなら拳王連合軍とも協力する
5:ヘルヘイム・巨像(セル)退治・捕獲も視野に入れる
6:クリス……本当に風邪なのか?
※ウルトラストップウォッチには制限があります

【ピップ・ベルナドット@HELLSING】
【状態】重症 寝たきり
【装備】自動式拳銃×2 M16
【道具】支給品一式
【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る
0:今は何もできないので休む
1:生存確率が上がりそうなので今はゼクスについていく
2:拳王連合軍と組むのは有りだと思っている

【L@DEATH NOTE】
【状態】健康
【装備】自動式拳銃
【道具】支給品一式 手榴弾×25 ノートパソコン
【思考】基本:バトルロワイヤルを止める
0:シマリスくんたちが戻るまで情報収集しましょうか
1:主催の目的とは何でしょう?
2:ひとまずここでゆっくり情報収集でもしましょう
3:予言の答えの材料探しをする
4:拳王連合軍に対しては自分で見てから決めるスタンス

【ロビンフッド@Fateシリーズ】
【状態】健康
【装備】祈りの弓 顔のない王
【道具】支給品一式 
【思考】基本:契約した社長に従って動く。
0:出来る限り人は助けたい
1:無事で帰ってきなよレックス
2:ベルナドットとは仲良くなれそうだ
3:自然は自然でもヘルヘイムはちょっとやりすぎだぜ
4:社長がOKを出せば拳王連合軍にも協力する

【イナバ制作所社長@現実?】
【状態】健康
【装備】イナバ物置 
【道具】支給品一式 予言が書かれた古文書 他不明
【思考】基本:世界を救う
0:地下でレックスたちの帰りを待つ
1:協力者を集める
2:ダイジョーブ博士は無事だろうか?
3:拳王連合軍とは協力したいが、まずは会ってから
4:ヘルヘイムは可能なら潰しておく
5:ヘルヘイムにいる巨像(フォレスト・セル)を予言のために手元に置きたい
6:大丈夫!
※イナバ物置は地中に潜り移動できるようです



【シマリス@ぼのぼの】
【状態】健康
【装備】胡桃×いっぱい
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
基本:仲間と共に生き残る
0:レックスの調査に協力する
1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える
2:胡桃の扱いを極める
3:衣玖の代わりに比那名居天子を保護する
4:クリスちゃんは友達でぃす!
5:拳王連合軍、悪い奴じゃなければ良いんですが

【レックス@スターウォーズシリーズ】
【状態】健康
【装備】スピーダー、ブラスター・ピストル ブラスター・ライフル 装甲服、ヒラリマント
【道具】支給品一式   
【思考】基本:無害な人々の保護及び臨時コマンダー社長に従う
0:ダイジョーブ博士を捜索する
1:万が一の場合はシマリスだけでも逃がす
2:帰ったら物置内の治安維持に努める。ロビン任せじゃちょっと不安だ


※マスターボールの使用方法を誰も知りません
 なお、フォレスト・セルだろうが、テラカオスだろうが、参加者だろうが何でも捕獲できますが、
 例外的にTCを纏う存在(シャドウだったもの、など)は捕獲できません
最終更新:2018年02月16日 16:10