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ひデブ@みくるたんと愉快な仲間たち
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ひデブ@みくるたんと愉快な仲間たち

TesteMemo3-1

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だれでも歓迎! 編集

テス様日記外伝

日記風ではなくしっかりとSS風で書く練習用


例えばそんな一日

朝はまだかと叫んでいる夢を見て目が覚めた。
「ん…」
だが実際に起きてみれば、まだまだ眠り足りない気分しかしない。
壁にかかっている時計を見上げるとまだ5時。
起きるには早すぎる時間だが、かと言って、どうせ二度寝しようとしたところで眠れないのだろう。


布団の上で上半身だけ起こすと、その場で一度大きく伸びをする。
軽く頭を振って寝起きでボサボサの髪を軽く整えながら、
「んー?」
更に今度は、わざと声に出してみて、喉の調子も確認してみた。

寝起きの気分はいつもと変わらず、全く眠った気のしない気だるい気分だったし、
夢見も…よくは覚えていないがあまり良くなかった気もするのだが、
幸い体調の方はそこまで悪くはないようだ。

暖房はつけたままで寝ていたので、部屋は既に暖かい。
いつもならば眠れないのがわかっていながらいつまでもゴロゴロしているところだが、
何となく今日は、そのまま起きることにした。



目覚まし代わりに熱すぎるくらいのお風呂に入り、適当に身だしなみを整えて、着替えを終える。
そして早速、常に起動したままにしているPCの前へ座り込んだ。
…珍しく早起きなんかしてみたものの、自分の事ながら、爽やかな朝と言う単語からは程遠い行動だ。


まずは友人たちが良く集まっているチャットのログを覗いてみる。
最近久々に再会し、そのままの勢いで紹介した私の友人が、
何の問題もなく皆に受け入れられていた。
時間を確認するとつい先程まで雑談で盛り上がっていたらしく、
もう少し早く起きていればそれに混じることも出来たかもしれないなと考えると、
少しだけ残念だった。

それからは特に目的もなく、ニュースサイトや巨大掲示板に目を通す。
大きな事件や祭りもなく、少しバカな話題で盛り上がっている。
いつも通り平和なものだ。

天気予報によると、今日は風も弱く良い天気が続き、穏やかで暖かな一日とのこと。
良い天気すぎるのも、実は私にとっては少々困ってしまうことではあるのだが。

でもまぁ、こんなに早起きすることも珍しければ、体調だっていつもよりも良いぐらい。
天気も穏やか、世間も平和、と。


たまには青い空を眺めるのも悪くないよな。


私は壁にかけてある上着を羽織り、外への扉を開けた。



1.

外へ出ると、周りにはもはや廃ビルとしか表現できないような建物が雑然と建ち並んでいる。
当然私が住んでいるマンションも似たようなもの。
バブル期の構造改革計画に見事に失敗したまま放置された、まるで絵に書いたスラムのような街並みだ。

道も狭く入り組んでいて、当然のように何処へ行っても日当たりが悪い。
空だってビルの隙間から小さく覗ける程度。
朝もまだ早く薄暗いこともあって、なかなかに趣深い風景である。

まぁこの環境のお陰で、日差しに弱い私でも、日常生活に困る事もなく、気軽に外出も出来ているのである。
文句のひとつだって出るはずがない。
「気軽に」と言う程、外出せずに引き篭もっているのが現実だが、
それについても文句を言ってはいけない。


今日の外出だって、ただ今回は気が向いただけで、明確な目的などあるわけではない。
取りあえずいつも通りの習慣からか、近くのコンビニへと自然と足を向けていた。

そう言えばタバコを家に忘れてきた事に、その時になって気が付いた。


「いらっしゃいませぇ、ゆっくりしていってね」
「…ゆっくり?」
店内に入ると、そんな珍しい挨拶に迎えられた。
今日の店員もこの前と同じ、やや幼い風貌をしたバイト少女だ。

夜にもなれば帰宅時のサラリーマンでそれなりに客の入るここのコンビニだったが、
さすがにこれだけ朝が早いとそんなこともなく。
店内にいる客は、立ち読みしているひとりの男性客ぐらいのものだった。

とりあえず何も持たずにレジへと向かうと、いつも通りの銘柄のタバコが用意されていた。
「300えんになりまーす」
財布を覗くと小銭がなかったので、千円札で支払うことにする。

「700えんのお返しです♪ ゆっくりしていってね」
こちらの顔を見つめて可愛い笑顔でお釣りを渡す。
そしてその逆の手は、お釣りを受け取る私の片手をそっと握っていた。

「えーと」

「客もいないようだし、ゆっくりしていっても構わないのだが」
取りあえず何事もなかったかのように握られた手を離して、受け取った小銭を財布へと仕舞う。
なんとなくチラリと後ろを振り向くと、慌てたように雑誌へと視線を戻す男性客の姿が見えた。

「…と思ったが、客がいるようなのでゆっくりしていくのはやめておこう」
「ゆっくりしてもらえなかったよ…」
バイト少女は、普段とは対照的な寂しそうな表情で俯く。

「今日の仕事は何時までかな。キミだって仕事が終わってからの方がゆっくりできるだろう」
私の建設的な意見は、いつも通りの少女の明るさを取り戻すには充分だったようだが、
その笑顔と共に返ってきた返事は異常だった。

「夜の9時までです♪」
「…おい待て、なんだその意味の分からないシフトは」
「忙しいのは夜の一部の時間帯だけですし、店番してるだけだと思えば楽なもんですよぅ」
そういう問題でもないと思うが、私の感覚がズレているんだろうか。
いやまぁ、世間とズレている自覚は確かにあるのだが。

「ならまた…その頃にでも来るとするさ、いつもタバコありがとね」
「あっ…ありがとうございましたっ、またお越しくださいませっ」
いつも通りの礼儀正しすぎる程のお辞儀に、軽く手を挙げて返して店を出た。


私らしくもなく、気軽に約束なんかしてしまったものである。
普段の体調を考慮すれば、守れる確率の方が明らかに低いのは分かりきっている。

今からでも戻って言っておいた方がいいだろうか。


タバコに火をつける前から、吐く息は白い。
空もようやく白み始めていた。


一日はまだ始まったばかり。

こんな朝から外をのんびり歩いている時点で、既にかなり低い確率を突破しているんだ。
何事も無く過ごせる日があったっていいだろう。
この程度の期待を持ったって、誰も文句は言わないさ。


タバコに火をつけて白い煙を吐きながら、私はそのまま散歩を続ける事にした。



2.

日が昇ってきても、やはり雑然とした街の中はまだ薄暗い。
その入り組んだ街並みは、もはや地図を作ることすら諦められている。

雰囲気通り、この辺り一帯はあまり治安もよくない上に、清潔感にも欠けている。
友人達には環境を変えた方がいいんじゃないかともよく言われるが、
私はこの、始まる前に終わってしまった街が結構好きだった。


目的地もなく、適当に足を進める。


途中、ビルの建設予定地だったと思われる空き地を見かけた。
今は駐車場として無理やり機能させているようだが、
そこには1台の車も停車してはいなかった。

近くのマンションからは、誰かがドラムの練習をしている音だけが聞こえてくる。
それ以外は静かなものだ。

駐車場の入り口には、誰かがここで待ち合わせでもしていたのか、
タバコの吸殻が何本も散らばっていた。

そこに自分の吸殻を追加すると、新しいタバコに火をつけて、その場を後にした。


3.

今の所、あまり良いところのない表現ばかりしているこの街だが、
メインストリートと呼べないこともないような、開けた通りも存在する。
残念ながら見事なまでのシャッター通りと化していて、
商店街と表現していいものかどうかかなり迷うレベルではあるのだけど、
まぁ、本来ならば商店街として賑わったはずの場所なのだろう。

ここには地下鉄の駅も存在するので、初めてこの街を訪れた人は、
まずこの死んだメインストリートを目にすることになるわけだ。
…まぁ、風情があると言えなくもないな。


当然ここだけは他の場所と比べてそれなりに日も当たる上に、
まともに営業している店自体もほとんどないので、
私はあまり積極的に足を向けることはない。

ただ折角ここまで来たので、知り合いの所へ顔を出しておくことにした。


通りは歩かずに、一度路地裏へ戻ってから、その知り合いの住む家へと向かう。
日に当たればすぐに死ぬと言うほどドラキュラみたいな体質をしているわけではないのだが、
それでももはやクセになっている動きである。


商店街の隅の方に、1軒だけ、不自然なほど綺麗な白い建物が見えてくる。
そこが、この街に住んでいる数少ない私の知り合いのひとりが住む建物だった。

玄関の上には『○○病院』と言う文字。
元々マンションを作ろうとデザインしていたのか、
病院らしくない雰囲気の玄関と外観だが、その名前に偽りはなく、れっきとした病院である。


私が定期的に診察を受けているのは隣町の大きな病院だが、
それ以外のときはよくこちらでお世話になっている。
体質が体質なので来る機会も少ないわけではなく、先生とも既にかなりの顔馴染だ。


自動ドアを抜けて院内へ入ると、待合ロビーにはいきなりタバコを吸ってる男性が一人座っていた。
言うまでも無く、待合室は当然のように禁煙である。
それが見知った顔だったので思わず溜息をついてしまった。

「…なにやってるんですか先生」
「何って見ての通り息抜きだねえ」
「まぁ、私自身ヘビースモーカーである自覚はあるので気にはしませんが」
そこで一度廊下の奥へと視線を移す振りをする。
「娘さんに見られていてもフォローはしませんよ」



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