Chapter3.5「すてられわんこ」
桜舞平原にはいつもゆるやかな風が流れている。
その風に混ざって、今日はため息も流れていた。
「刀のない侍なンてなァ……はぁ」
ため息の主はコテツだ。
「あらあら、かわいそうにねぇ」
他人事のようにいうステイである。
「誰のせいだ。誰の」
「んーと、折っちゃったのは族長だしなぁ。あとコテツ自身の注意が足りなかったとか」
「そうじゃねぇ。おめぇがメーディに勝手に渡したりなンかするから!」
メーディは直してやろうと言ってコテツの刀を食べてしまった。
その刀をメーディに手渡したのはステイだ。
「でも直ったら届けてくれるって言ってたし別にいいじゃない」
「だめなンだ。刀を背負ってないとどうにも落ち着かねぇンだ」
コテツの胴にはさらしが巻かれていて、そこに刀の鞘が括りつけられている。今はただの空っぽの鞘だ。
「あの重みがねぇとどうもしっくりこねぇ。あああッ! だめだ、落ちつかねぇ!」
「サムライわんこの職業病か。重しがあればいいんでしょ。じゃあ……はいこれ」
ステイはすぐそこに落ちていた木の枝を拾ってコテツに乗せた。
「馬鹿にしてンのか」
「おいら超マジだよ。あ、デザインが気に入らないの? じゃあおいらが何か作ろうか。枝組み合わせて馬作る? それとも鹿?」
不機嫌そうな顔でコテツはふてくされている。
「しょうがないなぁ。じゃあもっと良さそうな重り見つけてくるから」
言ってステイは平原を駆けて行ってしまった。
「いや、そういう問題じゃねぇンだよ…」
桜舞平原は紫柴の山脈に隣接している。一歩間違えれば不如帰の樹海へと入ってしまう恐れがある。
樹海へ迷い込まれては困るのでステイを追うようにコテツも走った。
その風に混ざって、今日はため息も流れていた。
「刀のない侍なンてなァ……はぁ」
ため息の主はコテツだ。
「あらあら、かわいそうにねぇ」
他人事のようにいうステイである。
「誰のせいだ。誰の」
「んーと、折っちゃったのは族長だしなぁ。あとコテツ自身の注意が足りなかったとか」
「そうじゃねぇ。おめぇがメーディに勝手に渡したりなンかするから!」
メーディは直してやろうと言ってコテツの刀を食べてしまった。
その刀をメーディに手渡したのはステイだ。
「でも直ったら届けてくれるって言ってたし別にいいじゃない」
「だめなンだ。刀を背負ってないとどうにも落ち着かねぇンだ」
コテツの胴にはさらしが巻かれていて、そこに刀の鞘が括りつけられている。今はただの空っぽの鞘だ。
「あの重みがねぇとどうもしっくりこねぇ。あああッ! だめだ、落ちつかねぇ!」
「サムライわんこの職業病か。重しがあればいいんでしょ。じゃあ……はいこれ」
ステイはすぐそこに落ちていた木の枝を拾ってコテツに乗せた。
「馬鹿にしてンのか」
「おいら超マジだよ。あ、デザインが気に入らないの? じゃあおいらが何か作ろうか。枝組み合わせて馬作る? それとも鹿?」
不機嫌そうな顔でコテツはふてくされている。
「しょうがないなぁ。じゃあもっと良さそうな重り見つけてくるから」
言ってステイは平原を駆けて行ってしまった。
「いや、そういう問題じゃねぇンだよ…」
桜舞平原は紫柴の山脈に隣接している。一歩間違えれば不如帰の樹海へと入ってしまう恐れがある。
樹海へ迷い込まれては困るのでステイを追うようにコテツも走った。
見失ってしまいしばらく捜していると、ステイのほうから大急ぎで戻ってきた。
どうやら何かを抱えているようだ。果たして期待してもいいものだろうか。
「コテツー! こんなの見つけた!!」
ステイがもってきたのはなんと、ダンボールに入った一匹の白い犬だった。
「……」
「見てこれ! 拾っていい? 拾っていい!?」
ステイの目が輝いている。嫌な予感しかしない。
「おいらがちゃんと面倒みるから! ねっ?」
「そうくるとは思わなかったぜぃ…」
ステイが拾ってきた箱入りわんこのダンボールにはこう書かれていた。
『ひろってください』
典型的なすれられわんこである。
ダンボールの中にはすてられわんこだけでなく、どんこも一匹棲みついていた。
「言っておくが、オイラは二人も面倒みられねぇからな」
「ふたり? あっ、おいらどんこは別に…」
「おめぇのことだよ!」
ちゃんと面倒みるから、なんて言って結局保護者が面倒をみていたなんていうのはもはやお約束だ。
自分はおまえの保護者のつもりなんかない、旅の途中だからそんな余裕はないと説得するコテツだったが、そんなことを聞いているステイではない。
「杏仁豆腐、お手」
「おいおい聞けよ! なンか変な名前つけてるし…」
すてられわんこは戸惑っている。
「とにかくもといた場所に返してこいよな!」
食い下がるステイを無視してさっさと先を急ぐコテツ。
慌ててあとを追いかけるステイ。そしてダンボールを咥えながらすてられわんこが続く。
「ほら、ついてきてる! やっぱりおいらたちと一緒にいたいんだよ」
「まったく。おめぇが構うからだぞ」
ステイを説得しても無駄だ。
そう判断してコテツはすてられわんこのほうを説得することにした。
「おめぇもなァ。そうやって誰かに頼ってばかりいねぇで、食いモンは自分で狩るかできないなら稼いで買うかしろってンだ!」
すると、すてられわんこは物言わずおもむろに立ち上がった。
「おお? なンだ、意外と話のわかるやつじゃねぇか」
すてられわんこは、どこかからペンを取り出すとダンボールの文字を書き変えた。
『やとってください』
そして、潤んだ瞳でこちらをじっと見つめてくる。
「そうじゃねぇ!!」
「かわいそうじゃない。いいでしょ、助けてあげても」
こんどは情に訴える作戦で来たようだ。
しかしそれぐらいで流されるコテツではない。
「だったらおめぇ、一生あいつの面倒みてやるつもりか?」
この世界で生きていくためには食べ物は自分で獲るか、無理なら稼いで買うのが定石だ。
そして、それはすてられわんこでも同じことだ。
「あいつは困ってるンじゃなくて、困ったやつなンだ」
曰く、自分で何もしようとしないからああなったんだろうと。
しかしステイはみんな助け合って生きるべきだと反論する。
「エルナトではみんなで協力して暮らしてる。コテツがどうやって生きてきたかは知らないけど、誰にも頼らないなんて寂しいじゃない」
「そういうことじゃねぇよ。今あいつを助けてやるのは、あいつの為にならねぇってンだ」
「きっとコテツはずっと一人ぼっちだったんだね。かわいそうに」
「お、オイラはかわいそうなンかじゃねぇ!」
ステイはコテツをそっと優しく抱きしめる。
「おいらがずっと一緒にいてあげるからね」
「哀れみの目で見つめンじゃねぇ!!」
どうやら何かを抱えているようだ。果たして期待してもいいものだろうか。
「コテツー! こんなの見つけた!!」
ステイがもってきたのはなんと、ダンボールに入った一匹の白い犬だった。
「……」
「見てこれ! 拾っていい? 拾っていい!?」
ステイの目が輝いている。嫌な予感しかしない。
「おいらがちゃんと面倒みるから! ねっ?」
「そうくるとは思わなかったぜぃ…」
ステイが拾ってきた箱入りわんこのダンボールにはこう書かれていた。
『ひろってください』
典型的なすれられわんこである。
ダンボールの中にはすてられわんこだけでなく、どんこも一匹棲みついていた。
「言っておくが、オイラは二人も面倒みられねぇからな」
「ふたり? あっ、おいらどんこは別に…」
「おめぇのことだよ!」
ちゃんと面倒みるから、なんて言って結局保護者が面倒をみていたなんていうのはもはやお約束だ。
自分はおまえの保護者のつもりなんかない、旅の途中だからそんな余裕はないと説得するコテツだったが、そんなことを聞いているステイではない。
「杏仁豆腐、お手」
「おいおい聞けよ! なンか変な名前つけてるし…」
すてられわんこは戸惑っている。
「とにかくもといた場所に返してこいよな!」
食い下がるステイを無視してさっさと先を急ぐコテツ。
慌ててあとを追いかけるステイ。そしてダンボールを咥えながらすてられわんこが続く。
「ほら、ついてきてる! やっぱりおいらたちと一緒にいたいんだよ」
「まったく。おめぇが構うからだぞ」
ステイを説得しても無駄だ。
そう判断してコテツはすてられわんこのほうを説得することにした。
「おめぇもなァ。そうやって誰かに頼ってばかりいねぇで、食いモンは自分で狩るかできないなら稼いで買うかしろってンだ!」
すると、すてられわんこは物言わずおもむろに立ち上がった。
「おお? なンだ、意外と話のわかるやつじゃねぇか」
すてられわんこは、どこかからペンを取り出すとダンボールの文字を書き変えた。
『やとってください』
そして、潤んだ瞳でこちらをじっと見つめてくる。
「そうじゃねぇ!!」
「かわいそうじゃない。いいでしょ、助けてあげても」
こんどは情に訴える作戦で来たようだ。
しかしそれぐらいで流されるコテツではない。
「だったらおめぇ、一生あいつの面倒みてやるつもりか?」
この世界で生きていくためには食べ物は自分で獲るか、無理なら稼いで買うのが定石だ。
そして、それはすてられわんこでも同じことだ。
「あいつは困ってるンじゃなくて、困ったやつなンだ」
曰く、自分で何もしようとしないからああなったんだろうと。
しかしステイはみんな助け合って生きるべきだと反論する。
「エルナトではみんなで協力して暮らしてる。コテツがどうやって生きてきたかは知らないけど、誰にも頼らないなんて寂しいじゃない」
「そういうことじゃねぇよ。今あいつを助けてやるのは、あいつの為にならねぇってンだ」
「きっとコテツはずっと一人ぼっちだったんだね。かわいそうに」
「お、オイラはかわいそうなンかじゃねぇ!」
ステイはコテツをそっと優しく抱きしめる。
「おいらがずっと一緒にいてあげるからね」
「哀れみの目で見つめンじゃねぇ!!」
結局、ステイとコテツの間でまとまった意見はこうだった。
二人は旅の途中で資金に余裕はなく、定住しないので狩りも収穫が安定しない。
「だからこいつを拾ってやることはできない」
「でも拾ってくれるひとを見つけてやるぐらいならいいでしょ」
……という具合だった。
意見をまとめている間、ステイはコテツを抱きしめたままだった。
「言っておくが別にあいつのためじゃねぇし、おめぇを立ててやったわけでもねぇからな! さっさと終わらせて平牙へ向かいたいだけなンだ」
ステイの言うことにコテツも何か思うところがあったのだろう。
仕方なくステイを立ててやったコテツだが、一方でステイもそんなコテツを見て思うところがあった。
「このツンデレめ」
ツンデレわんこもといコテツが言うには、これは言い出したステイが中心になってやるべきだという。
だったらいい手がある、とステイはすぐに準備に取り掛かった。
作戦は至って単純だ。
ステイが看板を持ち、すてられわんこの横に陣取る。
看板には『ひろってください』とだけ書かれている。
ダンボールにはこう書かれていた。
『ひろってください ~今ならどんこもつくよ!~』
呆れた様子で視線を送るコテツに、ステイは胸を張って親指を立ててみせる。
「これで、おいらとわんこの二倍のひろってくださいだ! さぁ、どこからでも拾うがいい!!」
「とりあえず、それだとおめぇも拾われちまうよなァ…」
するとどこからともなくどんこの群れが現れて、
「ひろったー」
「もらったー」
ステイのほうを持ち運び始めた。
厄介払いができたと見送ったが、ステイはすぐにどんこを蹴散らして戻ってきた。
「なんでおいら? それはそれでうれしいけど!」
「おめぇが目立つンだろう。ここらじゃ、おめぇのようなやつは見かけねぇからな」
「つまりすれられわんこが目立てばいいんだね」
そこでステイはダンボールに目をつけることにした。
手近な石を拾うとそれを通信機に見立てて言う。
「HQ!HQ! こちらパトロール。すてられわんこを発見した。至急増援を送れ」
「……何やってンだ?」
コテツには効果がなかった。
『!』
一方で反応したどんこが勝手に危険フェイズに入ったようだ。
その後もいくつかダンボールネタを披露していくステイだったが、どれも解決には結びつかなかった。
コテツはそもそも場所が悪いというがそれももっともだ。こんな平原のど真ん中では誰かと会う可能性が低い。
もっと多くの者にすてられわんこの存在を知ってもらう必要があるのだ。
「じゃあ適当にスレ立ててみるね。あ、それかRTで拡散してもらうのがいいかなぁ。【急募】すれられわんこを拾ってくれる方」
「オイラときどきおめぇが何のことを言ってるのか理解できねぇよ…」
結局、決定的な解決案は出なかった。
ふと気がつくと、どんこたちがすてられわんこのダンボールを運んでいる。
ダンボールには例の犬はもちろん、一匹のどんこが入っていたのだ。
「なんだ、ちゃんと家族がいたんだね…」
どんこたちとともにすてられわんこは平原の向こうへと消えた。それを少し寂しそうな表情でステイは見送った。
そういえばステイは捨て子だったな、とコテツは思い出していた。
自身と同じ境遇だった故に思うところがあっての行動だったのかもしれない。
(もしかしてこいつはこいつで、家族が欲しかったンだろうか)
気を遣って一声かける。
「寂しかったのか?」
「ううん。おいらにはコテツがいるから」
今、こいつにはオイラしかいない。だったら今はオイラが家族になってやらないといけないのかもしれない――
そうステイについての評価を改めるコテツだった。
「ステイ。なンていうかその……おめぇがどうしてもって言うンなら、今はオイラがおめぇの家族になってやってもかまわねぇよ」
「えっ……コテツ……!!」
そっぽを向きながらもそう言ってくれるコテツに、少し驚いた様子でステイは目を丸くした。
そして嬉しそうにコテツに抱き付きながら言った。
「このツンデレめ」
コテツの顔が赤く燃え上がった。
「て、てめぇ! やっぱりさっきのは取り消しだァ!!」
それは怒りの赤か照れによる赤かはわからなかった。
「聞いちゃったもんねー! 『ステイ、俺が家族になってやるぜ(キリッ 』だって!」
「う、うるせぇうるせぇ! 待ちやがれこの!!」
コテツのステイに対する新たな評価は早くも崩れ去った。
一方で怒りながら追いかけ回すコテツから逃げながらも、いつも以上に嬉しそうな顔をして見せるステイなのであった。
二人は旅の途中で資金に余裕はなく、定住しないので狩りも収穫が安定しない。
「だからこいつを拾ってやることはできない」
「でも拾ってくれるひとを見つけてやるぐらいならいいでしょ」
……という具合だった。
意見をまとめている間、ステイはコテツを抱きしめたままだった。
「言っておくが別にあいつのためじゃねぇし、おめぇを立ててやったわけでもねぇからな! さっさと終わらせて平牙へ向かいたいだけなンだ」
ステイの言うことにコテツも何か思うところがあったのだろう。
仕方なくステイを立ててやったコテツだが、一方でステイもそんなコテツを見て思うところがあった。
「このツンデレめ」
ツンデレわんこもといコテツが言うには、これは言い出したステイが中心になってやるべきだという。
だったらいい手がある、とステイはすぐに準備に取り掛かった。
作戦は至って単純だ。
ステイが看板を持ち、すてられわんこの横に陣取る。
看板には『ひろってください』とだけ書かれている。
ダンボールにはこう書かれていた。
『ひろってください ~今ならどんこもつくよ!~』
呆れた様子で視線を送るコテツに、ステイは胸を張って親指を立ててみせる。
「これで、おいらとわんこの二倍のひろってくださいだ! さぁ、どこからでも拾うがいい!!」
「とりあえず、それだとおめぇも拾われちまうよなァ…」
するとどこからともなくどんこの群れが現れて、
「ひろったー」
「もらったー」
ステイのほうを持ち運び始めた。
厄介払いができたと見送ったが、ステイはすぐにどんこを蹴散らして戻ってきた。
「なんでおいら? それはそれでうれしいけど!」
「おめぇが目立つンだろう。ここらじゃ、おめぇのようなやつは見かけねぇからな」
「つまりすれられわんこが目立てばいいんだね」
そこでステイはダンボールに目をつけることにした。
手近な石を拾うとそれを通信機に見立てて言う。
「HQ!HQ! こちらパトロール。すてられわんこを発見した。至急増援を送れ」
「……何やってンだ?」
コテツには効果がなかった。
『!』
一方で反応したどんこが勝手に危険フェイズに入ったようだ。
その後もいくつかダンボールネタを披露していくステイだったが、どれも解決には結びつかなかった。
コテツはそもそも場所が悪いというがそれももっともだ。こんな平原のど真ん中では誰かと会う可能性が低い。
もっと多くの者にすてられわんこの存在を知ってもらう必要があるのだ。
「じゃあ適当にスレ立ててみるね。あ、それかRTで拡散してもらうのがいいかなぁ。【急募】すれられわんこを拾ってくれる方」
「オイラときどきおめぇが何のことを言ってるのか理解できねぇよ…」
結局、決定的な解決案は出なかった。
ふと気がつくと、どんこたちがすてられわんこのダンボールを運んでいる。
ダンボールには例の犬はもちろん、一匹のどんこが入っていたのだ。
「なんだ、ちゃんと家族がいたんだね…」
どんこたちとともにすてられわんこは平原の向こうへと消えた。それを少し寂しそうな表情でステイは見送った。
そういえばステイは捨て子だったな、とコテツは思い出していた。
自身と同じ境遇だった故に思うところがあっての行動だったのかもしれない。
(もしかしてこいつはこいつで、家族が欲しかったンだろうか)
気を遣って一声かける。
「寂しかったのか?」
「ううん。おいらにはコテツがいるから」
今、こいつにはオイラしかいない。だったら今はオイラが家族になってやらないといけないのかもしれない――
そうステイについての評価を改めるコテツだった。
「ステイ。なンていうかその……おめぇがどうしてもって言うンなら、今はオイラがおめぇの家族になってやってもかまわねぇよ」
「えっ……コテツ……!!」
そっぽを向きながらもそう言ってくれるコテツに、少し驚いた様子でステイは目を丸くした。
そして嬉しそうにコテツに抱き付きながら言った。
「このツンデレめ」
コテツの顔が赤く燃え上がった。
「て、てめぇ! やっぱりさっきのは取り消しだァ!!」
それは怒りの赤か照れによる赤かはわからなかった。
「聞いちゃったもんねー! 『ステイ、俺が家族になってやるぜ(キリッ 』だって!」
「う、うるせぇうるせぇ! 待ちやがれこの!!」
コテツのステイに対する新たな評価は早くも崩れ去った。
一方で怒りながら追いかけ回すコテツから逃げながらも、いつも以上に嬉しそうな顔をして見せるステイなのであった。