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F3 CP13

最終更新:2013年04月07日 15:55

iglys

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ChapterXIII「そして時の歯車は回る」

(執筆:イグリス)

 狭く、薄暗い、石造りの部屋。部屋の中には簡素な作りの机がひとつ。そして壁を埋め尽くす本の数々。そのどれもが禍々しい雰囲気を持っている。いかにも怪しげなその部屋で、男が一人、机の上に置かれた水晶球を眺めている。トロウだ。水晶に映るのは逃げることしかできない傷ついた火竜。その視点は火竜を浮島に追い詰め、トドメを刺そうとするも不意に周辺が凍てつき、次の瞬間、目の前に現れた男が剣を振りぬいた所で映像は途絶えた。
「フン。ヴァルトめ、しくじりおったか。せっかくの好機を逃しおって。ファーレンハイトとニョルドの小倅共も幸運だけは強いようだな。偶然にしろ、あの島へ上陸するとは。あれからドローミとも連絡が取れんことを考えると奴もやられたか。……まあよい。もはや奴がいなくとも奴の研究成果は実用に耐えうる。そしてセルシウスとフレイが揃った所で、戦争は止まらぬ。いや、セルシウスもあの怪我だ。すぐには回復するまい。フレイなど恐るるに足りん。……しかしヴァルトを倒したあの男。不意打ちとはいえあれほど強力な冷気を操り、更には竜を断つ剣を持っておる。警戒が必要だな」
 少し考え込んだあと、立ち上がり書棚から一冊の本を取り出し、机の上にある水晶球を脇に除けそこに置いた。トロウが念じると本はひとりでにページが捲られ、魔法陣が描かれたページが開かれる。魔法陣に手のひらをかざし魔力を送り込むと、本は濃い紫色に輝き、中から黒いもやのようなものが現れ部屋を飛び出していった。残された本のページに描かれていた魔法陣は跡形もなく、元から何も描かれていなかったかのようになっている。トロウはページを捲り、同じ行為を数度行った。その後、部屋の隅の、何もない空間に語りかける。
「ファフニール、イシュタム」
「はっ」「ここに」
 先程まで何もなかった空間に膝を地につけた二人がいた。フードを深々と被っており、その風貌は闇に隠れている。
「お前たちにはフレイを追ってもらう。脅威となりうるは地竜ジオクルス。そしてこの男だ」
 特に何も示されたわけではないが、二人の目には先ほど水晶球を通して見た戦闘の様子が映っているようだ。
「ヴァルトがやられている。油断するなよ」
「なんと……」「あのヴァルトが」
「影を使うことを許す。有効に使え。行け」
「「御意に」」
 返事をすると二人の姿は消え、部屋の中にはいるのはトロウだけとなった。トロウも机の上に開かれた本を元の書棚に戻し、部屋を出て行く。そして残されたものは机の隅に置かれた水晶球だけとなった。
 ここはバルハラ王城の秘密の部屋。その場所を知るものはトロウしかいない隠された空間である。

 土地神の島を離れ、再び空の海を旅するフレイ。深傷を負ったセルシウスの為にセッテが島に残り、今、飛空艇には四人の仲間が彼と旅を共にしている。
「改めて自己紹介しよう。僕はユミルの嫡子、フレイ。故あって国を離れ旅をしている」
 フレイの言葉を皮切りに、オットーとクルスも名を名乗った。
「そっちの事情に興味はない。俺はお前たちをアルヴに連れて来るように依頼された。だからお前たちをアルヴに連れて行くだけだ。もっとも、依頼主サマはその辺に興味津々なんだろうがな」
「私はニヴルの第二王女。アクエリアスだ。先の甘い菓子に免じて、クエリアと呼ぶことを許そう。ほれ、お前も名を名乗らぬか」
「俺の話を遮っておいてそれはひどいぜ、嬢ちゃん。俺はフリーランスの何でも屋だ。アルヴに着くまでの間だがよろしく頼むぜ」
「名を名乗れと言っただろう!それと嬢ちゃんと呼ぶなっ」
 フレイは二人のやり取りに納得がいった様子で、
「なるほど。二人は漫才師か」
「「違う!」」
 二人の息のあったツッコミを受けた。

「さっきも言ったが、俺は何でも屋をやってる。金次第でどんな荒事でもやってみせるぜ。人は俺を蒼剣の勇者と呼ぶ」
「だから……」
「不可能を可能にする男、蛇とも呼ばれることがあるが俺は勇者の響きのほうが気に入ってる」
 再度名を問おうとしたクエリアの言葉を遮って勇者は最後まで言い切った。皆、訝しげな表情をしていたがクルスだけは真剣な面持ちで勇者に問う。
「己の名を知らぬと言うことか。さぞ数奇な生を歩んできたと見える」
「なに、自分を生かす力もそばにいる奴を死なせない力も持ってる。悪い人生じゃなかったぜ。当然、これからもな」
 飄々と答える彼の雰囲気に重くなった空気がゆるむ。暗闇を照らし、周囲を明るくする彼の人柄故に人は彼を勇者と呼ぶのだろう。
「しかし、名前がないのは不便ではないのか?」
 フレイの疑問に対しては
「人は俺を勇者と呼ぶからな。呼び名があれば、名前はなくてもなんとかなるもんだ。そろそろ俺の方から勇者と名乗ろうかと思ってるところだぜ」
 イタズラでもするかのように楽しそうな表情で答えた。
「蒼剣の勇者ゆうしゃでは決まりが悪かろう。私が名付け親となってやっても良いぞ」
「待て!それならば私が名前を考える!」
「変な名前だけは付けてくれるなよ、嬢ちゃん」
「嬢ちゃんと呼ぶなと言った!」
 そう言って少し考えこむとすぐに閃いた様子で、
「フリード。フリードというのはどうだ?遥か昔、数々の劣勢を覆したといわれる戦場の英雄の名だ」
「戦場の英雄か。うれしいこと言ってくれるじゃないの。悪くないぜ。ならば、これからはフリードと名乗ることにしよう」
 蒼剣の勇者フリードはまんざらでもない様子で、それを見ているクエリアもまたやや照れた様子で満足していた。
「名前を上げるのは助けてくれたお礼で、それ以上でもそれ以下でもないからな!お前のことをフリードと呼ぶから、お前も私のことをクエリアと呼べ」
「ありがたく思ってるさ。クエリアお嬢ちゃん」
「ぐぬぬ……」

「お話は終わりましたか?勇者殿」
 自己紹介の後、少し離れて様子を見ていたオットーがフリードに声をかけた。
「フリードだ。俺のことはそう呼んでくれ。で、なにか用かい」
「わかりました、フリード殿。我々はこれからアルヴに向かいますが、何しろ地図にない国と呼ばれる地。向かうべき方角もわからないので道案内をお願いしたいのですが」
「おっと、そうだったな。説明するぜ」
「ちょっと待ってもらっていいか?」
 割って入ったのは今度はフレイだ。
「僕達がアルヴに向かうのはいいんだが、クエリアのことはどうする」
「そうだな。まさか王族クラスまでもが捕らえられているとは思わなかった」
「わ、私のことなら気にせずとも良いぞ。お前たちと共に私もアルヴに行く」
「僕達を狙う敵がいる。一緒に行くのは危険だ。やはりニヴルへ行って……」
「ニヴルへ行くのは駄目だ!」
 急に声を荒げたクエリアを皆が不思議そうに見ている。
「えぇと、そのぅ……そう、今はこんな姿だから、帰るのは、元の姿に戻ってからに、したい」
 あからさまに取ってつけたような言い方ではあったが理には適っている。しかし、この理由に納得がいったのはフリードだけで他の三人はまだ疑問に思っているようだ。それもそのはず、彼らはクエリアが人の姿をとている理由を知らない。
「そうか、この事はまだ言ってなかったな。嬢ちゃんを魔術師の工房から助けた話はしただろう」
「あぁ、旅立つ前に聞いた」
「嬢ちゃんと呼ぶなと言ってるだろうが!」
 抗議の気持ちを拳に込めてフリードの背中をバシバシと叩くがフリードは意に介せず話を続ける
「その時既に、お嬢は人の姿だったんだが、気になったのはこいつだ」
 脇に置いてあった荷物袋から取り出したものは二つに割れたリング。クエリアを拘束していたものだ。
「これと同じ物がもう四つ。首と両手、両足に付けられていた。俺は魔法を使えないが、怪しい気配はにおいで分かる・こいつはクセェ。ゲロ以下の匂いがプンプンするぜ」
 お嬢が人の姿をとっている理由はこれにある、と語るフリードと手にとって見るフレイたち。
「確かに、既に効力は失っておるようじゃが嫌な魔力の痕跡を感じる。お主の嗅覚は侮れんな。しかし、こういったものを作るのは我ら竜よりも人の方が長けておるの」
「オットー、何か分かるか?」
 まじまじと見ていたオットーに声をかけると意外にも答えが返ってきた。
「これと似た紋様をバルハラ王城で見たことがあります。高位魔法を使う罪人を捕らえておくための地下牢で結界内の魔法効力を弱める、というものです。しかし本来は床、壁、天井に陣を張る必要がある大掛かりなもので、枷になっているものは初めて見ます」
「まあ詳しいことはアルヴにいる俺の仲間に調べてもらおう。そういうことに凝ってる奴だ。なにか掴んでくれるさ。……なんでお前らはそんなに驚いた顔をしてる」
「仲間がいるとは初耳だった」
 まさか仲間がいるとは思わなかったなどと言えるはずもない。
「そうだったか?会った時に紹介するが、悪いやつじゃない。仲良くしてやってくれ」
 上手く誤魔化せたようだった。

「話は戻るが、そのリングがもう壊れているなら竜の姿に戻れるのではないか?」
「う、ええと、どうやって戻ればいいのかわからない……」
「お主、人の姿をとるのは初めてか?元に戻るのは簡単じゃ。体内の魔力の流れを増幅し、人の器を溢れさせれば自然と元の姿に再形成される。逆に人の姿を取る場合は器が壊れぬよう自らの魔力を注ぎ込まねばならんからちとコツがいるがの」
 困り顔のクエリアに助言をするのは人の姿をとるエキスパートとでも言うべきクルスだ。
「ええと、ええと、ここで竜の姿に戻るにはこの船は小さいし、ニヴルまで飛んでいくのは疲れるから嫌だし……」
「お前、まさかニヴルに帰れない理由でもあるのか?」
 しびれを切らしたフリードが声をかける。
「そ、そんな、ことは、ない、のだけれど」
 その様子は雄弁に、そんなことがあると語っていた。
「俺が怪しい気配はにおいで分かるって言ったのを覚えているか?」
「ふぇっ!?」
 クエリアの両頬を指で摘み、
「この味は、嘘をついている味だぜ!」
 そのまま両手を外側に引っ張るッ!
「いたいいたいいたい~~~~ッッ!分かった!言う!言うから話せ~!!」
 フリードの拷問にあっさり陥落したクエリアは、人の姿がこんなにも脆いなんてなどと嘆きながら、フリードのことを恨めしそうに見ている。
「うぅ~。元の姿に戻ったらばらばらのぺたんぺたんのぐちゃぐちゃの……」

やがて落ち着いたのか、実は、と話し始めた。
「黙って城を出てきてしまったのだ。いつもいつも魔法や歴史の勉強ばかり。学ぶのはニヴルの中のことばかりで、外の世界は悪い火竜がいっぱいいて危険だとしか教えてくれない。でも本で見る外の世界はそんなことはなくて、だから外の世界を見に行きたいとずっと思っていたんだ。魔法も上手く使えるようになったし、自分の体くらい自分で守れると思って、この間、ニンゲンの魔術師を捕らえる騒ぎにまぎれて飛び出したんだけど、国の外に出た時に眩しい光を浴びて、気が付いたらフリードに捕まってた」
 長々と自分の状況を話して落ち込んでしまったクエリア。雰囲気もすっかり暗くなっている。しかし、そんなしけた空気はゴメンだと言わんばかりにフリードが明るい声を出す。
「おいおい、人聞きの悪い事を言うんじゃないぜ。俺は嬢ちゃんを助けたんだからな」
 そんな声で気を取り直し、フレイが気になったことを聞いた。
「ニンゲンの魔術師と言ったな。そのことを詳しく教えてもらってもいいか?」
「ニヴル城内でニンゲンが見つかったんだ。国内にはニンゲンが暮らす小さな村があるけど城の中にはよっぽどの事がなければ入ってきてはいけない約束になってる。見つかったニンゲンは火の魔法を使うからって騒ぎが大きくなったけどその後のことは知らない」
 ニヴルヘイムにも魔術師が送り込まれていた。同じくムスペルスヘイムにも。そして、ユミルにはトロウがいる。一体この世界で何が起ころうとしているのか。
「キナ臭い話だぜ。どうも王子さんとはちと長い付き合いになりそうだぜ。どうする?結局ニヴルに向かうのか?」
「いや、そんなことがあった後では外部からの警戒を強めているだろう。やはり先にアルヴへ向かおう。案内を頼む」
「よしきた。といっても正確には案内するのは俺じゃないんだがな」
 そう言って、首にかけた小さな袋から緑色の玉を取り出した。ビー玉ほどの大きさで覗きこむともやのようなものが見える。
「中に緑色のもやが見えると思う。そいつが偏っている方角に向かえばいい」
「なるほど。ではこれをお借りします」
 そういってオットーは舵を取りに向かった。
「私はここにいてもいいのか?」
 自らの問題を正直に話して、国に帰れといわれるものだと思っていたクエリアは、何も言わないフレイたちにそう聞くと、フレイは当たり前のようにこう答えた。
「君の気持ちはよく分かる。僕も王城で暮らしていたから。君ほどは厳しくなかったと思うけどね」
「お主も家出少年だしの」
「う、それには事情があるんだ……。それに窮地を救ってくれた借りもある。大きな危険を伴うかもしれないが、僕達と一緒に世界を見て回ろう」
 それと、竜の姿に戻ってバラバラにされたくはないからねと冗談のように付け加えた。
「ありがとう!ならば、この旅の障害は我が水竜の力ですべて押し流すと約束しよう。大船に乗ったつもりでいるがいい」
 ニンゲンにも善いやつと悪いやつがいる、というようなことをフリードが言っていたが、たしかにその通りだと思うクエリアだった。

 フレイたちが浮島をたって数日、セッテとセルシウスは島の村の外れの空き家を借りて療養していた。セッテの傷は既に完治し、またセッテの懸命な治療のおかげか、セルシウスも意識を取り戻して、今は村人からの注目を避けるため人の姿をとっている。人の姿をとる際に肉体は再構成され、見た目上の傷は無くなったが、体力の消耗は激しく未だに安静を必要としていた。
「すまないな、セッテ」
「なーに言ってるっすか。ムスペでは散々世話になったっすから、お互い様っすよ」
 屈託のない笑顔でそう答えるセッテ。
「それに、困ってる友人を放って置けるほど薄情でもないっす」
 そう付け加えられた言葉にセルシウスは驚いた様子で、
「私のことを友と呼んでくれるか……」
「オットーに聞かれたら一国の王子になんて失礼な事を、なんて怒られそうっすけどね。でも俺は、一緒に城を抜けだして食べたムスペまんじゅうの味を忘れちゃいないっすよ」
 火属性の魔法を操るセッテはその技術と知識を高めるためにムスペルスヘイムヘ留学していたことがある。当時は人と竜の交流は浅く、留学とは言ってもムスペルスヘイムで研究をしている賢者に教えを請うというもので、人と竜が交わることは少なかった。しかしセッテは違った。あろうことか、城の訓練所に入っていき、竜達とともに鍛錬を行ったのだ。初めこそ馬鹿にしていた竜達も、必死に鍛錬に付いて行こうとするセッテに心を打たれ、様々な知恵やコツといったものを伝授していった。セッテも学ぶばかりではなく、膨大な魔力量に頼るのではなく、よりコンパクトで効率のよい魔力の運用方法を考え、竜達に伝えていった。そうしてセッテは真に竜との交流を成し遂げたのだ。
 セッテはこう考える。孤独は心を冷たくする。間違った道に進んだ時、それを正してくれる者がいないこと、それは不幸だ。これは個人の話だけに留まらない。一つの種族、民族にも言えることだ。身分が違うから、種族が違うからといって一歩距離をおいた付き合いをするのは間違っている。逆だ。身分が違うから、種族が違うから、だからより近い距離で接するのだ。道に迷ったときは共に迷い、過ちを犯せばそれを教えるために。中にはそれを疎ましく思うものもいる。しかし人を問わず、種族を問わず、誰とでも友人になれるその性格は、紛れもなくセッテの長所の一つである。
「私も忘れてはいない。忘れるものか。そのあと父上とケルビンにひどく怒られたこともな」
「あの時のファーレンハイト様は超怖かったすよ」
「「ハハハハハッ」」
 二人してひとしきり笑ったあと、セルシウスがゴホゴホと咳き込む。
「っと、安静にしてなきゃダメっすね」
「すまない、セッテ。まずはこの傷のことを話さなければならないのに」
「その話はもっと元気になってから聞くっすよ。それよりセル、少しここを離れるっすけど、一人で平気っすか?」
「それは問題ないが、どこへ行くのだ?」
「セルを助けてくれた勇者殿の話ではこの島に竜が捕らえられていた施設があるそうっす。既に勇者殿が壊滅させたそうっすが、何か残っているかもしれないっすからそれを確認しに行くっす」
「そうか。そのような施設、どんな罠があるやもしれぬ。くれぐれも無茶はしてくれるなよ」
「わかってるっすよ」
 笑ってそう言い、セルのそばを離れ、家の扉を開けた。
「それじゃあ、ちょっと行ってくるっす」


ChapterXIII END

ChapterXIV  「古のダークレイス」
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