【扶桑蒸奇譚・改】蜘蛛の嘆き、夜に満ちて > PCγ

”魔犬の狩人”/雲雀


「誰であれ、蜘蛛ならば狩る。それだけだ。」__狩りにおいて。

「息災か。貴公とこうして話せて嬉しいよ。本当に、よかった」__平時にて、見回り中。

クラス

生き様レベル:3
クラス名 Lv 神業
蒸気騎士 1 バベッジ
剣撃士 1 アマクニ
マドンナ 1 マタ=ハリ
消費経験点:

ライフパス

出自:病弱
経験:探求
邂逅:家族/白詰
ミッション:生き様を貫く、理想を追求する
ライフスタイル:経営者
住宅:豪邸

ステータス



設定・その他


現在

 アーマー型の蒸気兵装を着込んだ狩人。薄い鉄兜から軽い足甲まで一式揃ったそれは、隙間から覗く目のみが意思を感じさせる。見た目を裏切らず、実直で強情でぶっきらぼうな応対が特徴的。一方で倒した蜘蛛に祈りを捧げ、「蜘蛛の病根絶」を謳う理想主義的側面も抱えている。
 鮮やかな太刀捌きと冷静な判断力、手にした武器の恐ろしい駆動音(とおぼえ)から、22の齢にして”魔犬の狩人”と称され、南弥の街人から頼られて/恐れられている。
 得物は刀であり、普段は蒸気を仕込んだ剣を構えている。だが、本来の武器は剣を分離して生まれる双刀である。これはギリギリまで刀身を隠して、間合いを読みにくくする戦いで真値を発揮する。しかし同時に協力者にも近づいていい範囲がわかりにくい都合上、初めて連携する相手との狩りでは、剣状態で応戦することが多い。



 とまで言えば月夜に相応しい玲瓏な狩人だが、実はある“悪癖”持ちだと狩人連中で噂されている。それは街人や罹患者に対して粗野な振る舞いはしない上で、「狩人に対して微妙に甘い」こと。出くわした新人狩人の初めての狩りにそれとなく同行する、知り合いの狩人に条件付きで教会からの任務を譲るなど、線引きをした上での慈愛を与えているのである。

 知り合いや友人の狩人からは「もし何かあったら彼女の家に逃げ込めば、悪態を付きつつ匿って寝床と朝食まで用意してくれる」と認識されており、彼女の豪邸は相方が使用する以外の客室もしばしば埋まっている。特に訳ありの狩人や、連帯を行動原理の1つに置く”連盟”の狩人の訪問が多いらしい。
 また、狩人の罹患者には殊更に優しい。発症か否かギリギリのタイミングで頼めば、完璧に蜘蛛に落ちるまで見舞った上で、刈り取ってくれるのである。最もこの類いの”おねがい”の利用者は、全て表に出ない故、過去の利用者はほぼいない。そして、現在の利用者は1組(2人)である。

 まあ体よく利用されているわけだが、きっちりと線引きは守っており、そこを超えたおねがいは突き放す。また対価として”おねがい”をすることも多く、彼女を有為に思うのであれば引き受ける方が得策だとも思われている。


 尚、往時に着込むアーマーは罹患を防ぐためであり、顔を隠すためではない。夜、避難所等で休む彼女を見かけた際には、美しい金髪と意思の強そうな目を垣間見ることもあるだろう。


過去


「今日は鴉のおばさんのとこ?」
「この前れんめーのおさに回るノコギリ見せてもらった!」
「やだー!まだきゃらめるたべてない!それにご本読んでもらってない!やってくれなきゃ寝ないもん!」__13年前、平時にて。

「お前、私をあまり子供扱いするんじゃない。私はこれでも狩人の端くれになったんだ」__4年前、平時にて。


「若気の至りだ。忘れてくれ。……貴公、意地が悪いな」__現在、平時にて。


 狩人の父母を持ち、姉と共に爛漫に育った。美しく聡明で快活な姉にとりわけ懐き、姉を独り占めようとしかねない姉の幼なじみとはあまり仲が良くなかった。意思の強情さと反比例するように病弱な妹を、姉もかわいがり、それなりに幸福な人生を送っていた。
 しかし、15年前の蜘蛛の夜に全てが一変する。蜘蛛と化した姉が父母を食い殺した上で、誰かに殺されたのだ。部屋の片隅で震えるだけだった”可哀想な妹”は、塀の向こうから微かに聞こえる姉の最期の言葉を耳にした。

「蜘蛛の病がなくなりますように」

 それから9年。父母の知り合いの狩人に引き取られて育てられ、16歳になった彼女は父母と育て親が遺した術を持って、復讐ではなく蜘蛛を悼む狩人として、蜘蛛の病への”対症療法”に乗り出した。折しも姉の幼なじみも狩人を志しており、また姉の言葉を聞いていたらしいことから、気にくわない相方として狩りの夜に踏み出していた。当時の彼女は如何にも真面目で”じゃじゃ馬”な若い狩人であり、止めるだろう育て親が帰らぬ人となっている以上、1年以内に路地裏へ消える可能性が9割とみられていた。幼い頃の彼女を一時的に預かっていた古狩人たち(”連盟の長”や白詰)の心配通り、狩人になって2年後、彼女はふいと姿を消した。茫然自失の相方を残して。

 そして更に2年後。生きていれば20歳だろうという年に、彼女はふいに帰ってきた。年に見合わぬ冷静さと幾ばくかの慈愛を振りまく”洗練された狩人”として。彼女自身、2年の間に何があったかまるで記憶していないが、”悪い夢”から覚めたようだ、としばしば口にしている。そこで、何かを約束した、とも。明らかに向上した戦闘技術から、蜘蛛や狩人との戦闘の場数を何度も踏んできたことには間違いないだろう。そして、狩人に微妙に甘い性質を獲得するような何かも、”悪夢”に端を発しているのかもしれない。
 帰ってきてから2年経ち、再び彼女は南弥にいる。かつての両親や育て親のように、的確に蜘蛛を追い詰め狩り取るほどに成長した若き”猟犬”。その瞳は未だ理想を喪っていない。


余談

 彼女が住まう豪邸は、かつて教会の重鎮だった家系が代々受け継いでいたものである。故あって没落し、南弥から末裔が出て行く折に、彼女が夜間の護衛を引き受けた関係で、住み込みのお手伝いさんごと報酬として押しつけられた。
 普段は彼女と相方、お手伝いさんの3人で暮らしている。しかし週に5日は誰かが客室を使っているため、まあまあ賑やかなことが多い。


簡易年表


年代 PCの年齢 出来事 余談
15年前 7歳 蜘蛛の夜発生。姉が蜘蛛になり、両親を食い殺す。知り合いの狩人に引き取られる。 こっそり遠出しては熱を出して、両親を焼き餅させていた。
15年前~6年前 7歳~16歳 夜に出かける育て親が、知り合いの狩人たちに交互に預ける。白詰や”連盟の長”と知り合う。 7歳から10歳ほどまでは絵本の読み聞かせで就寝するルーチンだったため、狩人たちにねだって読ませていた。
6年前 16歳 育て親が帰らぬ人となる。家業を継いで狩人となり、リライトくんのPCと狩りに励む。 当時の一人称は”私”、二人称は“お前/あなた”だった。
4年前 18歳 突如行方不明になる。 大半の人間には宜なるかなと思われていた。
2年前 20歳 突如帰ってくる。何故か卓越した戦闘技術と、狩人に甘い性を身につけていた。 教会での精密検査で”蜘蛛ではない”と証明された。
現在 22歳 ”魔犬の狩人”として、蜘蛛狩りに身を投じている。 公私ともに二人称が”貴公”に。たまに素が出て”お前”になる。



PLより

絶対に死にそうなキャラを持ってきてしまったことを懺悔します。
かねて血を恐れたまえよ……。
最終更新:2023年05月02日 09:36
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