第六世界における文明化された地域に住むほとんどの人間がマトリックス・ユーザーではあるものの、
シャドウランニングを行うマトリックスの専門化となると、それぞれ孤立した集団にならざるを得ません。
ハッカー、リガー、はたまたテクノマンサーであろうと、
マトリックスに基盤を置くキャラクターはおしなべて新たなるワイヤレス・フロンティアのカウボーイに他なりません。
この章で紹介されるコツ、トリック、新しいリソースはプレイヤーが彼ら独自のハッキングの天才を構築する上で助けとなるでしょう。
マトリックスベース・キャラクターの作成
いかなるマトリックスのユーザーであれ欠く事が出来ないのが、接続するための能力です。
コムリンク、シム・モジュール、それに付随するソフトウェアは、
ほとんどのキャラクターにとってマトリックスを使用する上で必要となる主要なツールです。
これによりマトリックスのユーザーであっても、同時に魔法使いや用心棒のような他の役割を果たす事が可能となる事を意味しています。
他方マトリックスのスペシャリストは、シャドウランナーの中でもより小さな割合を形作っています。
彼らはチームをセキュリティ、官僚制度、社会的しがらみからさえ切り抜けさせる事の出来る電子の魔法使いです。
“ハッカー”という単語は凡庸な市民の不安の種となり、何か後ろ暗い所のあるあらゆる企業、政府組織の心胆を寒からしめます。
人々がハッカーに対し不安を抱いているとすれば、テクノマンサーに対してはまさしく恐怖を抱いています。
いずれにしても、これらのマトリックス・ユーザーに対するパラノイアは、
通常のユーザーの使用するようないかなる技術的補助も無しにマトリックスを操る不自然な能力によって嫌が応にも高められます。
テクノマンサーに関するこの恐慌は、事実無根という訳でもありません。
しばしば代償こそ高くつくものの、テクノマンサーはマトリックスに於いてテクノロジーのもたらす枠を超えて比類なき力を振るう事ができます。
頭に入れておくべきは、人々のほとんどはマトリックスを使用しますが、
マトリックスの専門化の理解する基本的なレベルにも達していないという事です。
マトリックスの専門家とは、ブラックボックスの内側を理解し、それを己のものとすることのできる人々なのです。
良いマトリックス・ベース・キャラクターを作成するための多種多様なリソースとツールがここにはあります。
メタタイプ
マトリックスは巨大なるつぼであり、人々が望むどのようなものでも見、聞き、感じ、匂いすら嗅ぐ事の出来る仮想空間です。
肉体を置いて行く時に、ガワがなんであるかなど瑣末な問題にすぎません。
メタタイプのいくらかはマトリックスの異なる面に利点を持ちます。
ヒューマンの追加の【エッジ】は、様々なノードの【エッジ】を持たないエージェントとICに対しかなりの有利を提供します。
エルフの【魅力】ボーナスは実際に他人と接触する必要がある時、ソーシャル・エンジニアリングの役に立ちます。
エルフとドワーフのメタタイプが提供する高めの精神能力値は、テクノマンサーにとって有用です。
ドワーフ・メタタイプの追加の【意志力】は、VRハッキングとリギング時の危険なフィードバックに抵抗する力となります。
同様に、オークとトロールのキャラクターの追加の【強靭力】はフィードバックによるダメージに抵抗する上で直接役にこそ立たないものの、
コンディション・モニターの追加枠が助けとなる事もあるでしょう。
能力値
テクノロジーはユーザーがマトリックスの中を思考の速さで動く事を可能とするコンピュータ・インターフェースを創り出しました。
光チップと電磁波で出来ているにもかかわらず、マトリックスは光の速さで動きます。
身体と脳は最ものろまなプログラムと比べてさえさらに遅く、
それゆえにハッカーの能力値は所持しているソフトウェアとハードウェアに比べ重要ではありません。
幾つかの能力値はマトリックスに関連した作業にとって重要です。
【論理力】はプログラムを書いたりハードウェア(鍵その他の機器のような)をいじったりドローンを製作または修理する上で必要不可欠です。
【意志力】はフィードバックとダンプショックに抵抗する上で極めて有効で、
それらの状況はマトリックスの専門家にとって日常茶飯事と言えます。
他方テクノマンサーはその精神能力値こそがマトリックスにおける生死を分けます。
おそらく攻撃に対するファイアウォールと、フェイディングに対する抵抗の二つの役割を持つ【意志力】が最も重要でしょう。
【魅力】もまたブラックIC、ダンプショック、リギング時のフィードバックに対する〔生体信号フィルター〕を提供することで、
マトリックスにおける寿命を延ばしてくれます。
【レスポンス】、従って【直観力】は、電子機器のそれと比べるとテクノマンサーにとってそれほど重要ではありませんが、
サイバー戦闘、〔解読〕、〔仮想現実フィルター〕の使用においては依然重要です。
同様に【論理力】はテクノマンサーの【システム】値を決定しますが、
それはマトリックス・ダメージに対する耐性を提供するほか、
より多くの機器の登録を可能とする程度で、生体ペルソナにとっては電子機器のそれほど重要ではありません。
他方テクノマンサーにとって【共振力】は死活問題です。
複合体の最大レーティングからマトリックス能力値の上限、それにフェイディングに対する抵抗テストに至るまで、
テクノマンサーがマトリックスで行う行動のほとんどすべてが【共振力】の影響を受けます。
【共振力】はテクノマンサーのプレイヤーが新しいキャラクターを構築する上で考慮されるべき最も決定的な能力値と言えるでしょう。
技能
マトリックスはハイエンドのユーザーとその能力、知識に対し、絶えず挑戦を重ねています。
ハッカーの技能はそのハードウェアやソフトウェアと同じくらい重要であり、
初心者とエリートを分ける分水嶺でもあります。
マトリックスの専門家の主要な技能は、クラッキングと電子機器技能グループの中にあります。
初めてシャドウランをプレイする、もしくはマトリックスを中心とするキャラクターを演じた事のないプレイヤーは、
これらの技能グループを購入する所から始めるべきでしょう。
〈コンピュータ〉と〈データ検索〉技能は電子機器技能グループの働き頭です。
特に〈コンピュータ〉技能はマトリックス知覚テスト(SR4、p.235)に不可欠です。
アヒルちゃんがファイル、プログラム、別のノードへのゲートウェイ、
場合によっては他のハッカーですらありうる世界においては、
自身の周囲の状況を分析するための能力は、生死を分かつ意味を持つこともありえます。
〈データ検索〉技能は、大抵の場合ハッカーがランに関わる電子的な捜索と背景の調査を行う際に求められる程度で、
それほど重要ではありません。
ハッカーは〈ソフトウェア〉ないし〈ハードウェア〉技能を使用することなく仕事を果たす事ができます。
しかしマトリックスの専門家はしばしば同時にチームの技術者である事があり、それゆえこれらの技能は持っておいて損はありません。
それに対しテクノマンサーは、マトリックスにおける彼らの力の多くがスレッド編成に依る以上、
〈ソフトウェア〉技能に細心の注意を払うべきです。
クラッキング技能グループにはハッカーの大黒柱が含まれます。
これらの中で最も重要なのは〈ハッキング〉です。
マトリックス・ユーザーが違法行為を行うことを可能にするほとんど全ての手段は、〈ハッキング〉技能によってもたらされます。
実際問題として、〈ハッキング〉技能の重要さはどれだけ強調しても強調し過ぎるという事はありません。
〈ハッキング〉がハッカーにとって最も重要な技能である事は論を待ちません。
〈電子戦〉と〈サイバー戦闘〉はクラッキング技能グループをさらに膨らませます。
これらの技能の役目は大抵の場合〈ハッキング〉技能のサポートです。
〈電子戦〉はノードを捜索したりジャミングを突破する上で必要となり、
それによりハッカーが〈ハッキング〉を使用することを可能とします。
〈サイバー戦闘〉は〈ハッキング〉技能をのんびりやり過ぎた、または失敗した結果、
ハッカーが暴力に立ち向かわねばならなくなった時に役に立ちます。
またテクノマンサーはタスキング技能グループの技能についても考慮しなければなりません。
これらの技能はスプライトを作成する上で使用され、
それによりテクノマンサーはマトリックスの範囲内で多大な効果を振るう事が可能となります。
〈コンパイル〉はこの技能グループの中で最も重要な技能です。
〈レジスター〉は僅差で劣りますが、テクノマンサーが一度に複数体のスプライトの能力を使用する事が可能となります。
2070年代の初頭に於いて対立するテクノマンサーと遭遇する可能性はごくわずかですが、
〈デコンパイル〉技能が野良スプライト及び電子の領域で発生した他の奇妙な現象に対する対抗手段である事を見落としてはなりません。
最後になりますが、対人技能グループの事を見逃すべきではありません。
マトリックスにおいてはっきりと認識できる個人の性質は、唯一人格だけです。
チームの成功に不可欠でこそないかもしれませんが、マトリックス内で互いに理解し合う能力は非常に有用です。
証明書を偽造する事はできます。事務書類をごまかし、権威をでっちあげることも。
しかし、信頼できる人間が提示したならば、そのような偽造文書ははるかに大きな説得力を持つ事になるのです。
ソーシャル・エンジニアリングはしばしばハッカーの手札の主要な位置を占めます。
専門家以外にとっては、〈コンピュータ〉及び〈データ検索〉技能さえあればマトリックス2.0で生きてゆくには十分でしょう。
そのようなキャラクターが行う動作のほとんどは継続テストであるので、低い技能レーティングのわずかなダイスプールでも十分有効です。
資質
キャラクターは一つの資質とて取得すること無しにマトリックス・ユーザーとなる事ができます。
しかし、いくつかの資質はキャラクターを電子の領域においてより有能たらしめ、
あるいはまた避けるべきものも含まれています。
他方テクノマンサーであるためには、キャラクターは「テクノマンサー」の有利な資質か、
あるいはこの章で後述する後天性のテクノマンサー資質のうちの一つを取得する必要があります。
考慮に値するいくつかの資質は以下に列挙されています。
「天賦の才」と「コードスリンガー」
「天賦の才」と「コードスリンガー」の資質は、それぞれキャラクターのひとつの技能またはマトリックス行動を使用する能力を強化します。
それぞれは単に一つの技能ないしマトリックス行動に適用されるだけかもしれませんが、
両方を関連する内容で取得したならば、比類ないハッカーを作成する事が可能となります。
たとえば、「天賦の才(サイバー戦闘)」と「コードスリンガー(攻撃)」を取得したキャラクターは、
マトリックスにおけるとてつもない戦力となるでしょうし、
それに対し「天賦の才(電子戦)」と「コードスリンガー(ヒドゥン・モードのノードを探知する)」を取得したキャラクターは、
周囲に隠された全てのものを識別できるでしょう。
「卓越した能力値」と「生体信号耐性」
これらの資質は両方ともハッカーの寿命を延ばすことに一役買います。
「生体信号耐性」はキャラクターがダンプショックや、ブラックICやリギングによるフィードバックに抵抗する助けとなります。
卓越した【意志力】もまた、それらのダメージに対する助けとなります。
また、テクノマンサーにとってはファイアウォールの上昇さえ見込めます。
写真記憶
この資質は凡庸なプレイヤーでは見落としてしまうかもしれません。
デジタル領域においてはファイルの転送効率こそ馬鹿みたいに早いものの、
保安体制もまた迅速です。
時にはハッカーにファイルを転送したりデータを捜索する時間が与えられない事もあります。
この資質はハッカーに、もしこれが無かったら迅速な撤退のために捉え損ねた可能性のある何かを憶えておく事を可能とします。
この資質はまたストレージ能力の欠如しているテクノマンサーが、“間に合わせのストレージ”として使用することもできます。
アデプト
魔術とテクノロジーが滅多に結合しないのに対し、
アデプト・パワー(SR4、p.202~204並びにSM、p.190~195参照)は容易にハッカーの本分を強化する事ができます。
またトロードはユーザーにサイバーウェアの移植なしで、すなわちアデプトの【魔力】値を損なうことなくVRにアクセスすることを可能とします。
《技能強化》のパワーはハッキング・アデプトの技能を直接向上させます。
《反射強化》はアデプトがARインターフェースをより迅速かつ効率的に使用することを可能とし、
リスクを緩和しながらVR並みの成果を上げる事ができるようになります。
《感覚記憶》は「写真記憶」と同様の利点をより確実に提供することを可能とし、
《マルチタスク》はハッカーをより辣腕にしてくれます。
そして《養生法》によりハッカーは徹夜でコードを書くことが出来るようになります。
依存症
この不利な資質はキャラクター作成の際に必ずしも取得する必要のあるものではありませんが、
ほとんどのハッカーがいずれは発症するものです。
ホット・シムはマトリックスの専門家に様々な恩恵をもたらしますが、
同時にそれはBTLシムセンスと同じくらいの習慣性を秘めています。
あらゆるランにおいてホット・シムを使用するハッカーは、
注意深く節制を心がけない限り、いずれは中毒へ向けて真っ逆さまとなり、【エッセンス】を失う羽目になります。
テクノマンサーはホット・シム中毒を心配する必要はありませんが、
彼ら自身に関連した問題を抱えています(p.129「テクノマンサー」参照)。
戦闘硬直
この不利な資質はマトリックスの専門家のプレイヤーにはおなじみのものです。
しかしながらこの資質は物理的な戦闘と同様に、マトリックス戦闘においても引き起こされる事に注意が必要です。
ノードがブラックICを発進させたならば、「戦闘硬直」を持つキャラクターはまず間違いなくイニシアティブでICに後れをとり、
そのまま動けなくなる危険を抱えています。
テクノマンサー
この有利な資質は明白にテクノマンサーのキャラクターが欠く事の出来ないものであり、
軽々しく取得するべきものではありません。
テクノマンサーは文字通り二つの世界に同時に住んでいます。
それは彼らの認識と人格を変容させ、非テクノマンサーが想像だにできなかった事を経験することになります。
テクノマンサーであるとはどういう事なのか、p.129「テクノマンサー」を参照してください。
装備
ハッカーはその装備次第であるという事は議論の余地がありません。
良いハッカーたるものマトリックスを根こそぎにし、デジタル領域を支配するためには最先端のコムリンクと、
そのもう一歩先を行ったプログラムが必要となります。
テクノマンサーでさえ適切な装備から恩恵を得ることは難しくありません。
ここで列挙される装備はシャドウラン四版コアルール、オーグメンテーション、アーセナルで見る事が出来ます。
コムリンクその他の電子機器
全てのハッカーはコムリンクを持っています。
より大きくより高性能なマシンが無いわけではありませんが、
コムリンクはたとえ警戒厳重な企業施設であろうと、砂漠の戦場の真っ只中であろうと、
ハッカーが行く必要のあるどのような所にでも持っていく事が出来ます。
コムリンクのマトリックス能力値は、全てハッカーが買える限りの高さにしておく事が重要です。
とはいえ【シグナル】を切り詰めることは、大抵の場合危険ではありません。
またVRにアクセスするときは、シム・モジュールも不可欠になります。
そしてホット・シムの利点を無視するべきではありません。
VRランの情報を収集する気があるならば、同様にシムリグも役に立ちます。
キャラクターは余分な、幾分安物のコムリンクを持つことの有効性を見出すかもしれません。
そういったコムリンクは“公式の”コムリンクとして使われ、
本命のコムリンクが高セキュリティ・ゾーンの中でヒドゥン・モードでいる間、
アクティブ・モードに設定され、おとり兼カモフラージュとしての役目を果たす事になるでしょう。
そのようなコムリンクはテクノマンサーにとっても有用であると気付くかもしれません。
またマトリックスの専門家は電子戦も考慮しなくてはなりません。
ジャマー、HERFガン、あるいはEMP手榴弾(AR、p.57)は戦場でのドローンや敵勢力への妨害通信のような電子的優位を打ち消す事に使用できます。
防御面では、電子戦の担い手は高い【シグナル】レーティングを得られる衛星リンクと、
電磁気攻撃に対抗するためのハードニングを考慮すべきです。
加えて半導体探知装置は隠れた電子機器を探知する事が可能で、
さらにカメレオン・スーツは、低【シグナル】の機器やネットワークに接近する必要が生じたときに有用です。
それこそ傘から下着まで、まさしくどのようなものにでも記憶メモリを内蔵して製造する事が可能です。
通常これらはすでに多くのストレージ・スペースを備えた沢山の電子機器を使用するマトリックスの専門家に付き物の物品ですが、
これらは特に自分自身のストレージを持たないテクノマンサーの興味を引いています。
サイバーウェア
マトリックスの専門家は成功するために必ずしもサイバーウェアを必要とはしませんが、
しかしそれらは彼らに優位を与える事が可能です。
明白なマトリックスの専門家向けサイバーウェアの一つが、
付属品としてサイバーリム、サイバートルソ、サイバースカルに、またはヘッドウェアとして個別に移植されるコムリンクです。
その最大の利点はそのようなコムリンクは手術なしで取り除く事が出来ない点です。
しかし、それは同時にスキャナとアストラル観察者だらけの世界で人目を引かずにいる事が困難になるという事でもあります。
ハッカーは移植されたコムリンクを取り除く事が出来ません(モジュラー・サイバーリムの一部である場合を除いて)
サイバーウェアのもう一つの重要な点は、データジャックです。
これはユーザーに、装備品やデータジャックを持った他人との間に安全なデータジャック越しの光ファイバー接続を提供するものです。
これには独自のメモリと、ユーザーがデータチップと直接アクセスするためのアダプターも含まれています。
ハッカーがサイバー化の道を選び、かつその余裕があるのであれば、他のいくつかのサイバーウェアにも注意を向けるべきです。
厳しいセキュリティに対しランを挑む時は、エンセファロンないしシムセンス・ブースターが大きな違いをもたらします。
制御リグはリガーにとって欠く事の出来ないものですが、
ハッカーもドローンを使用して直接に調査データを収集するためにも、この選択肢を検討するべきです。
ドローン
ドローンはリガーの命ですが、他のマトリックスの専門家もドローンを一つ二つ所有する事による恩恵にあずかっていけない訳ではありません。
ミニ及びマイクロ・ドローンはすぐさま展開できるようにポーチないしポケットに放り込んで運搬する事が可能です。
これらは偵察機または【シグナル】レーティングの低いシステムに対する無線中継器として使用出来ます。
ドローンにスプーフ・チップを組み込むことで、追跡のリスクを押さえて使用することも可能です。
加えてエモーシトイ(AR、p.57)(訳注:ボディランゲージや表情を読んで適切な反応を返す能力を与えるソフトウェア)
はソーシャル・ハッキングの場でも使用できるかもしれません。
プログラムと複合体
マトリックスは巨大で強力です。しかしユーザーも、いつまでも適切なツールのない無力なユーザーであるはずがありません。
適切なプログラムないし複合体なしでは、いかなるマトリックス動作も行うことはできません。
いくつかは他の同僚より有用なものもあります。
この節においては、プログラムに関する議論は同様に複合体にも当てはまります。
〔分析〕がマトリックス・ユーザーにせよ専門家にせよ、利用可能な最も用途の広いプログラムである事は疑いの余地がありません。
〔分析〕は隠れているアイコンを見つけ出し、マトリックス構造体を評価し、侵入に対する防護すら提供します。
これは電子の世界に繋がる電子の窓であり、全てのマトリックス・ユーザーの装備における基本的な要素です。
他にあらゆるハッカーのレパートリーの一つであろう、2、3の必要不可欠なプログラムが存在します。
〔分析〕がマトリックスで提供するものを物質界で提供するのが〔走査〕になります。
ハッカーといえども見つける事のできないノードに侵入することはできないのです。
マトリックスの専門家が各ミッションの前に調査を行うよう求められた時、
もう一つの不可欠となるプログラムが〔検索〕です。
〔隠密〕は敵のアイコンに対する防御の第一線として機能します。
これらのプログラムは静かに侵入して静かに退却する“ニンジャ”型のハッカーには十分なものですが、
一部のマトリックス・ユーザーはシステムに真正面から突撃する事にそれほど抵抗がありません。
これらのハッカーはプログラムを破壊し、敵アイコンとスパイダーを粉砕するために〔攻撃〕と、
様々なブラックICプログラムを使用します。
彼らはまた高性能な〔装甲〕と〔生体信号フィルター〕プログラムで武装しているため、
喰らうであろうものと同じくらい多くのものを奪う事ができます。
プログラムはまたソーシャル・エンジニアリングにも優位を与えます。
〔共感〕や〔嘘発見〕のようなセンサー・ソフトウェアは言い訳をする時にも役に立ち、
〔顔識別〕は群衆の中から正確な目標を探し出す事が可能です(AR、p.60参照)。
専門家でないマトリックス・ユーザーは、自分自身の電子セキュリティのために常に〔分析〕を走らせておくべきです。
彼らはまた通常のマトリックスの使用とチームメイトとの安全な連絡を保障するため、
自分用の自由に処分できる〔編集〕、〔検索〕それに〔暗号化〕を持つべきです。
最終更新:2010年09月26日 01:08