自由精霊キャラクターの作成
これらのルールはプレイヤー・キャラクターとして自由精霊をプレイする際に適用されます。
PC自由精霊はNPCのそれとは幾分異なります。
物語の主人公の一人としてNPC自由精霊より重要であることから、PCは細部においてより高度な組成を持ちます。
そのため彼らは幾分異なるルールに従います。
特に明記しない限り、この章における自由精霊に対する言及の全てはPC自由精霊にのみ意味を持ちます
(NPC自由精霊はゲームマスターがそうしない限り、『ストリート・マジック』p.116のルールを使用します)。
自由へ!
自由精霊の誕生、それは軛を砕かれ世界へ解き放たれることに他なりません。
時に昔のことを思い出すこともありますが、しかしそれが不明瞭なイメージと陰鬱な感情以上のものであることは稀です。
それは自我こそ持ちますが、幾分うぶな存在として物質界での新たな生を始めます。
自由精霊が現代社会に順応するまでにはしばしば2、3年を要します。
ひとたび新たな故郷の流儀を学ぶ機会を得たならば、いよいよ社会での居場所を探し求めることができるようになります。
自由精霊が物質界の原住民とは異質な存在であることは論を待ちません。
自由精霊キャラクターもメタヒューマンキャラクターとは多少組み方が異なります。
自由精霊キャラクターの“メタタイプ”コストは250BPです。
他の主要な相違点は以下の通りです。
自由精霊の性質
その具体化された形態において、自由精霊は緊密に結びついた一組のフォースという形のエネルギーで構成されています。
これらのフォースは周囲の空間に影響を及ぼし、形状、質量、外観の錯覚を発生させます。
物質界におけるこれらフォースの相互作用は様々な波長において光の屈折を生じさせ、
カメラ、超音波、レーダー他の物理的な探査手段によって精霊を補足することを可能たらしめます。
自由精霊は、自由になる以前にとった形態に基づいた物質界における“ルック&フィール”を持っています。
しかしそれは辻褄を合わせられるような物質でできていません。
“肌”が日焼けすることはなく、“鉄”も磁石に引き寄せられません。
精霊は質量を持ちませんが、その形態にあるフォースはその肉体能力値に基づいて、質量のある身体が与えうる影響力の全てを持ちます。
エネルギーから成ることの当然の帰結として、精霊は生きていく上で服、食事、家屋を必要としませんが、
社会的方便として服を着ることも食事を摂る(あとでこっそり吐き出すことも可能です)ことも家屋に住むことも精霊には可能です。
自由精霊をテクノロジー的手段で強化することはできません。
各々の自由精霊は故郷となる上位次元界を持ちます。
もはや恒久的な住居こそ持たないものの、精霊は依然この故郷とのつながりを持ち、
複雑動作でアストラル空間から出身次元界へ旅立つことができます。
途絶(下記の「自由精霊の状態」参照)したか追放されたのでない限り、
複雑動作で過去に訪れたことのある地球上のアストラル空間の任意の地点に戻ることができます。
物質化した状態でこの旅を開始する時は、アストラル空間に戻るために追加で一回の複雑動作を要する点に注意して下さい
(どのような物体も置いていくことになります)。
また地球に戻ってから再び物質化するためにも複雑動作が必要となります。
(訳注:要するに物質化解除→故郷に次元界移動→地球に次元界移動→物質化というだけの話である)
PC自由精霊はNPC自由精霊に対するのと同様の手段で放逐され得ます。
また同じ項目に記述されているように、地球に帰還することを妨げられる可能性もあります。
自由精霊を締め出すことは、メタヒューマンにとっての死に良く似ています。
プレイヤーはエッジを恒久的に消費するか、新しいキャラクターを作成しなくてはなりません。
全ての自由精霊は精霊の【エッセンス】を形作る魔法的な力を表現した、複雑で緻密な真の名前を持っています。
この真の名前は精霊が自由を得た時に居合わせた物体、人物、または場所そのものに残されます。
これはゲームマスターの承認を受けてプレイヤーが選びます。
魔法技能の〈アルカナ〉は、この痕跡を自由精霊のための精霊式に翻訳するのに用いることができます。
しばしばこれは大騒動の種となります。
精霊式が自由精霊のために構築されたのであれば、自由精霊はただちに式がどこに存在するのか把握します。
『ストリート・マジック』p.117で述べられているように、プレイヤーキャラクターの自由精霊も精霊式の取り扱いに関しては神経質です。
アストラル体の精霊は、アストラル体の基本的な移動速度を持ちます。
物質化した精霊は自由になる以前の精霊としての種類に関わりなく、
歩行時には戦闘ターンごとに10メートル、走行時には戦闘ターンごとに25メートルの移動速度を持ちます。
全ての物質化した精霊は、重力に縛られることなくどのような方向にでもその移動速度で移動することができます。
このため、精霊は全力疾走する際に〈ランニング〉よりむしろ〈飛行〉(自由精霊が取得することが可能です)を使います。
憑依様式の精霊は憑依した器の物質的移動速度と移動技能を持ち、〈飛行〉は器が飛行可能な場合のみ使用することができます。
精霊には食事も雨露をしのぐ必要もありません。
彼らは路上生活を苦にしませんが、それでも大部分の自由精霊は自分の持ち物を置いておく場所を所有することを好みます。
彼らが客人のために食料と飲料を蓄えておこうとでもしない限り、精霊の支払うライフスタイル価格は基本のライフスタイル価格より10%少なく済みます。
あるいは代替ライフスタイル・ルールを使用しているのであれば(p.149)彼らは必需品を買う必要がありません。
自由精霊の能力値
自由精霊はレーティング2から始まる特殊能力値【フォース】を持ちます。
この能力値は自由精霊の全ての自然能力値における最大値と最小値を決定します。
また、精霊の【魔力】としても機能します。
【フォース】はキャラクター作成時に他の全ての能力値と同じ価格で買うことができます。
【フォース】の自然最大値は6ですが、これは後にイニシエーションを通じて上昇させることができます。
自由精霊のフォース値は、全ての身体および精神能力値、さらには【エッジ】の自然最大値です。
それゆえにプレイヤーが残りの能力値を上げたいのであれば、まず【フォース】を上げなくてはなりません。
加えて自由精霊はメタヒューマンキャラクターと同じく身体、精神、【エッジ】の各能力値を持ち、
それらのキャラクター作成開始時の初期値は2(開始時の【フォース】値)となります。
物質化した精霊の場合、その身体能力値は物理体で使用されます。
憑依様式の精霊では、精霊の身体能力値が精霊の憑依した器の能力値に加算されます。
精霊の【イニシアティブ】はアストラル空間においては直観力×2で、物質化、または器に憑依している際には【反応力】+【直観力】となります。
また戦闘ターンごとにアストラル空間では3、物理界では2のイニシアティブ・パスを得ます。
精霊の【エッセンス】はその【フォース】と同じです。
もし【エッセンス】を失ったのであれば、メタヒューマンが【エッセンス】の喪失によって【魔力】を失うのと同様に、【フォース】もまた失うことになります。
ただし精霊の【フォース】の最大値は影響を受けないことを除いて。
能力値と、物質化および憑依自由精霊の制限に関する『シャドウラン』基本ルールブックと『ストリート・マジック』における全てのルールは通常通り適用されます。
自由精霊の魔法
自由精霊はマナの産物であり、それは魔法世界についての独特の扱い方をもたらします。
全ての自由精霊は無料で《魔法使い》の資質を得ます。
彼らは〈魔術〉と〈霊視〉と〈アルカナ〉、それに〈呪付〉を習得することができます。
自由精霊は〈召霊術〉技能グループに属する技能はなんであれ習得も使用もできません
(彼ら自身が精霊である以上、他の精霊に対しそのような支配力を持つことは決してできません)。
精霊は収束具を結合することはできません。
呪文を学ぶ際、自由精霊は呪文式を必要としませんが(そもそも使用することもできません)、
少なくとも一度、その呪文が行使される所を見ていなくてはなりません。
全ての自由精霊キャラクターは様式を持たなくてはなりません。
この様式は大抵の場合、自由になる以前に精霊を物理界に召喚した魔法使いの様式と同じです。
精霊の様式は精霊の世界観を特徴付け、ドレイン能力値を決定し、取得可能な精霊のパワーを定めることから非常に重要です。
自由精霊はメタヒューマンと同じコストを払うことでイニシエーションすることができます。
イニシエーションの階梯ごとに、精霊の【フォース】の自然最大値が1上昇します。
加えて、イニシエーションの階梯ごとに精霊は新しいメタマジック(ただし《大召霊術》と《観想術》は除く)か、
あるいは1点のパワー・ポイントのいずれかを得ることができます。
自由精霊はマジカル・グループに加入することも可能です。
自由精霊のパワー
自由精霊は自動的に特定の種類のクリッターおよび精霊のパワーを得ます。
《知性》は自動的に付随します。
また元来アストラル空間の存在であることから、自由精霊は《アストラル体》のパワーも持ちます。
それぞれの自由精霊は各々の様式に合わせて《物質化》または《憑依》を得ます。
また自由精霊は《Banishment Resistance(訳注:Banishing Resistance《放逐抵抗》の間違いと思われる)》と《精霊の契約》も持ちます
(詳細はp.93「精霊の契約」サイドバーを参照)
精霊はまた《通常武器への耐性》も持ちます。
自由精霊はその【エッジ】と同値のパワー・ポイントを得ます。
このポイントはアデプトの得るパワー・ポイントに良く似ていますが、アデプトパワーではなくクリッターパワーのために費やされます。
精霊は幾つかの例外を除き、自由精霊パワー表に載っているパワーと、自身の様式に関連する種類の精霊が利用可能なパワーのみ選ぶことができます
(例えば、ヘルメス様式の自由精霊は大気、大地、火、人、それに水の精霊が利用可能なパワーのみ購入することができます)。
利用できるパワーとそのパワー・ポイントのコストは自由精霊パワー表に掲載されています。
精霊はなんらのペナルティもなくパワーを維持することができますが、
一度に自身の【フォース】までの数のパワーしか起動させておくことはできません。
| 自由精霊パワー表 |
|
|
| パワー |
コスト |
参照 |
| 事故 |
0.5 |
SR4、p.314 |
| 動物制御 |
1 |
SR4、p.314 |
| オーラ擬態* |
3 |
SM、p.108 |
| 接着 |
2 |
SR4、p.314 |
| 隠蔽 |
2 |
SR4、p.315 |
| 混乱 |
1 |
SR4、p.315 |
| 啓示 |
1 |
SM、p.108 |
| 元素属性攻撃 |
3 |
SR4、p.315 |
| エネルギー・オーラ |
3 |
SR4、p.315 |
| 包み込み |
2 |
SM、p.110 |
| 強化感覚 |
各0.25 |
SR4、p.316 |
| (聴覚、低光量、嗅覚、熱映像視野) |
|
|
| 恐怖 |
1.5 |
SR4、p.316 |
| 守護 |
0.5 |
SR4、p.316 |
| 感化 |
2 |
SR4、p.317 |
| 移動 |
1 |
SR4、p.317 |
| 気まぐれな姿* |
1 |
SM、p.119 |
| 身体武器 |
1 |
SR4、p.317 |
| 毒の吐息 |
1.5 |
SR4、p.318 |
| 独自ドメイン* |
3 |
SM、p.119 |
| 念動 |
0.5 |
SR4、p.318 |
| リアルな外見* |
0.5 |
SM、p.112 |
| 再生* |
5 |
SM、p.120 |
| 影の衣 |
1 |
SM、p.112 |
| 静寂 |
1 |
SM、p.113 |
| 精霊の契約* |
1 |
SM、p.120 |
| 毒 |
1 |
SR4、p.319 |
| 気候制御 |
2 |
SR4、p.319 |
*全ての様式の精霊が使用可能です。
自由精霊の感覚
物理界にいる自由精霊は二元生物です。
他の二元的存在と同様、精霊のアストラル的な感覚は同時に両方の空間に干渉することによる修正を受けることなしに両方の世界を知覚することができます。
しかしながら、精霊はシムセンス、画面上の電子的な映像、またはAR展示物を視認も解釈もできない点に注意してください。
精霊は通常通り〈知覚〉も《アストラル知覚》も使用することができます。(訳注:原文ではなぜか《アストラル知覚》が技能扱いになっていた。単純なミスと思われる)
精霊が〈霊視〉に成功したならば、ある人物のオーラからその人物が過去に精霊に対して非道なふるまいをしていたかどうかさえ読みとることができます。
自由精霊の身体
精霊はマナの産物であり、本当の身体と呼べるほどのものを持ちません。
彼らも負傷することはありますし、メタヒューマンと同じように精神ないし身体ダメージによるダイスプール修正を受けます。
また精霊もメタヒューマンと同じ速度で負傷から回復します(SR4、p.266)。
精神または身体コンディション・モニターが埋まった精霊は「途絶状態」となります。
「途絶状態」に陥った精霊はそれがダメージによるものであろうと、アストラル障壁を強引に突っ切った結果であろうと、あるいは他のなんらかの原因によるものであろうと、
その故郷の上位次元界に強制的に送還されます。
精霊がダメージ以外の原因で途絶したならば、その身体コンディション・モニターはただちに埋まります。
それが完全に回復しきるまで精霊は地球に戻ることができず、再度メタヒューマンと同じルールを使用します。
加えて精霊が稼働中の盟友の契約を持っていない限り、28-【フォース】の日数の間は戻ってくることができません。
もし精霊がその身体コンディション・モニターに【意志力】を超えるのに十分なオーバフロー・ダメージを受けたのであれば、
その故郷の上位次元界に戻る際にフォースが1下がります。
自然能力値上限もまた同様に下がり、それにより一つ以上の能力値の減少が生じるかもしれません。
精霊の【エッジ】下がったならば、少なくともパワー・ポイント1点分の価値のあるクリッターパワーも同時に失います。
応急手当と薬剤は精霊に対して効果を発揮しませんが、憑依した器に対しては効果を発揮する可能性があります。
器に与えられたどのような治療にせよ修理にせよ、器のコンディション・モニターにのみ適用され、精霊のそれには影響を及ぼしません。
自由精霊がサイバーウェア、バイオウェア、ナノウェア、トランスジェニック、ドラッグ他の生物的肉体を必要とするものを使用することはできません。
自由精霊の資質
以下のものを除いて、自由精霊はキャラクターが利用可能ないかなる資質でも選ぶことができます。
すなわち【魔力】または【共振力】を与える全ての資質、《偏位魔法使い》、《コードブロック》、《コードスリンガー》、《収束具依存症》、《ヒューマン風の外見》、
《魔法抵抗》、《導師精霊》、《生体信号耐性》、《自然免疫》、《病原体や毒素に対する抵抗力》、《焦げつき》、《過敏な神経構造》、《免疫過敏》、
《シムセンス酔い》、《精霊との親和性》、《精霊との契約》、《弱い免疫系》、その他『アーセナル』、『オーグメンテーション』または『アンワイアード』由来の全ての資質。
また自由精霊キャラクターは、この章で掲載される自由精霊のみ使用できる資質も取得できます。
自由精霊向けの資質
これらは自由精霊にのみ適用可能な新しい資質です。
元同盟精霊
獲得BP:15
この自由精霊は元々同盟精霊でした。
そのためその呪文式(訳注:同盟精霊式が適切と思われる)のコピーが存在し、今でもかつて同盟者だった魔法使いの手元にあります。
この境遇の詳細はゲームマスター次第ですが、決して単純な話でも愉快な話でもありえません。
執着
獲得BP:5
この資質を備えた精霊は、その本来の形態の虜になっています。
この精霊はキャラクター作成時に選択した、その様式で使用可能なただ一つの種類の精霊の使用可能なパワーしか購入することができません。
精霊は移動速度や弱点を含む、その種類の精霊の一切の特徴も得るわけではありません。
精霊の契約
プレイヤーキャラクターの自由精霊は精霊の契約を一つ持った状態で始まります。
これは精霊が「理解している」契約であり、精霊が他のキャラクターと関係を結ぶために使うことができます。
PC自由精霊は『ストリート・マジック』のp.118にある契約に下記の盟友の契約を加えた中から選びます。
精霊は適切な精霊の契約を持ってゲームを始めることができます。
契約は他のプレイヤーキャラクターか、チームと密接な関係のあるNPCと結ばなければなりません。
精霊と契約を結ぶ人物は、《精霊との契約》(SM、p.27)の資質を持っていなければなりません。
《精霊の契約》のパワーを取得することにより、精霊のキャラクターはさらに一つの精霊の契約を理解した状態で始めることができます。
再度《精霊の契約》を取得するたびに新しい種類の一つの契約を得ます。
盟友の契約
盟友の契約は物理界およびアストラル界とのより密接な結び付きと引き換えに、保護と援助を引き出す契約です。
それは精霊に、物理界現住の霊感のある人々の集団との間に魔法的な絆を作り出すことを可能とするものです。
精霊は契約のためにその【フォース】と同じだけの人数を見つけ出さねばなりません。
精霊の【フォース】が上昇するのであれば、契約に加えるため上昇する日までに新しく友人を見つけ出す必要があります。
この絆により、精霊はより強く物理界に結び付けられます。
メタヒューマンがするのと同じように、自身のカルマを獲得する能力を得るのです。
また精霊は自身の【フォース】×10メートルまでの距離で、結び付けられた友人とイメージと思考で精神的に交信する能力を得ます。
この交信は精霊と一人以上の友人の間でのみ可能で、件の友人同士の間で行うことはできません。
この絆は同時に精霊と地球との結び付きも強固にします。
これにより故郷の上位次元界から戻る際の28日ルールが免除され、完全に回復するやいなや戻ってくることができるようになります。
この契約は精霊に対して代償を強います。
契約のメンバーが死亡したならば、精霊の【フォース】が1下がります。
それにより能力値の自然最大値も下がり、一つ以上の能力値の低下が生じるかもしれません。
精霊の【エッジ】が下がったのであれば、それによって最低でも1パワー・ポイント分の価値のあるクリッターパワーを失うことになります。
もし契約の友人全員が死亡した場合、その【フォース】は0になり、精霊はアストラルに消散します。
この破滅を遅らせるのを助けるため、精霊は自身の【エッジ】を1燃やすことで契約の友人の死を免れることができます(SR4、p.74)。
自由精霊は適格な同意している他のどのようなプレイヤーキャラクターとも盟友の契約を結んでゲームを始めることができます。
精霊と盟友の契約を共にしている人々に《精霊との契約》の資質は必要ありません。
最終更新:2010年11月20日 19:49