☆ギリギリセーフ? それともアウト?
またしても朝ドラの話題で申し訳ないのですが、『らんまん』の次回予告が物議をかもしているので。
万太郎が綾と結婚するよう祖母のタキに言われたことで「このふたりって姉弟じゃなかったの?」とネットがざわついています。
確かに、タキとヒサの会話から、ヒサは綾の母親ではないのかな、みたいな雰囲気はありました。では、このふたりの関係がどういうものかと考えた場合、以下の3つの可能性が考えられます。
①異母兄弟
②万太郎の父に兄か弟がいて、その子供(つまり従姉)
③先代(つまりタキの夫)の妾が生んだ血縁上では万太郎の伯母
ひとつひとつ検証します。
まず、結婚が可能ということを考えれば、②の実はいとこ説が最も有力かと思えます。実は、綾がヒサのことを「お母さん」と呼ぶシーンは登場していない。ですが、綾と万太郎の年の差を考えると、綾の父親も先代や万太郎の父とそれほど時期が違わない頃に死んでいたことになります。そうなると、タキが万太郎のことを心配しているセリフで先代や万太郎の父が死んで‥‥と言っていたときにその伯父のことを話さないのは不自然すぎる、ということになります。また、綾の母親が出てこないというのも不自然(この一族、どんだけ死にまくってるんだよ、みたいな)。万太郎の父の男兄弟ではなく女兄妹が生んだ可能性もあるにはありますが、本家と分家みたいなことにことさらこだわるタキが他の家で生まれた女の子をひきとるとしたら、それはよほどのことだと考えられます(娘の嫁ぎ先が綾を残して全員死んでしまったとか)。単に離縁されたとかなら、やっぱり綾の母親が出てこないのが不自然だし、タキの綾への態度には厄介者、的なニュアンスが出てしまっていると思われます。今後、綾の出生の秘密が語られるかもしれませんが、ここまで全くそれに関する言及がなかったことを考えると、現在の時点では考えづらいのではないかと思います、
①の異母兄弟。ヒサが流産を繰り返したということを考えれば、タキが万太郎の父に妾を持つように勧めるのは当時としては当然のことだと思われます。単純に綾と万太郎が兄妹として育ったということを考えれば、これが一番可能性が高いのですが、ただ、さすがに異母兄弟どうしで結婚しろ、とはいくらタキでも言わないと思われるのでこれは除外。
③の先代が妾に生ませた女の子。これがややこしい。
現代の法律では綾と万太郎は伯母と甥ということになりますが、実質血のつながりは4分の1でいとこと同じともいえるわけです。ということもあるが、当時の法律では結婚がありだったのか、なしだったのかというと、なんか皇族とかではそのくらいの近親婚がまだ行われていたような(有栖川なんたらと和宮が確か伯父と姪の関係だったはず)‥‥ということで選択枝としてはあり得ると言えます。
さらに言うと、キリスト教的な考え方では、この場合の綾と万太郎は伯母と甥であると同時にいとこ同士でもあるわけです。共通の父系が父である場合は兄妹、祖父である場合はいとこ、親等に関わらず父系がことなる親族ははとこという‥‥日本人がヨーロッパの文献を読むときに混乱するポイントのひとつです。最も有名なのはアリエノール・ダキテーヌがヘンリー2世と結婚するときにはいとこ同士だからと結ばれ、でも本当は3親等だから結婚自体が無効だとして別れた話でしょうか。
さらに、タキと分家の人々のやりとりを見ると、どうもタキはブシムスならぬ『峰屋の娘』、つまり本家の血をついでいるのはタキであり、先代は婿養子であったような印象も受けます。だから本家の血筋というワードに過剰に反応する。だったら逆に綾が婿養子をとっても問題ないじゃん、という考え方もできるのですが、綾が本家の血を継いでない先代が妾の子であるからこそ、本家の人間とは認めていても、跡取りとしては認めない、酒造りに口を出すことも許さない‥‥そんな態度になるのではないかと思われるのです。
現代のわれわれの感覚では到底理解できませんが、現時点で最も可能性が高いのは、③の先代が妾に生ませた子供‥‥というところでしょうか?
まあ、来週になればはっきりするのだと思いますが‥‥
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最終更新:2023年05月03日 03:48