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「……」






 日記を買った。

 話す事は、然程好きでないが。
 それ以上に、書くのは苦手だ。

 思い出した時に、記す事にする。





 令呪が発現した。


 これで、俺の夢も叶うだろうか。




 参謀と共に、気付けば最後まで残っていた。戦闘機相手とは思わなかった。
 彼女には悪い事をした。もう少し、信頼して手の内を晒すべきだったろう。

 結局、魔力だけ貰って帰還。もう二度と参加する事も無いだろうが。





 兄貴が死んだ。


 アレは、最期まで孤独だった。






 遺体は残っていなかった。魔眼に睨まれれば当然か。
 見つけられたのは鞄だけ。中身ごと回収しておいた。

 狂王とのトルコ旅行は、意外と早く終わる。
 ……願わくば、絡繰仕掛けの少女に安息を。






 令呪が再び発現した。


 飛ぶような日々だった。

 友人の為に足掻く少年。安寧を求め彷徨う少女。知識を得る為戦う少女。
 人間になった青年。青年との絆を求める少女。歪んでしまっていた少女。

 誰も彼も輝いていて。各々の願いに一途だった。
 叶った願いも、潰えた願いも。皆、鮮烈だった。

 俺の願いは、なんだったか。
 何故、平和を夢みたのだか。




 姉貴が死んだ。


 アレは、最期まで無欲だった。





 遺体は回収された後だった。
 外身だけ利用するのだろう。

 無性に、泣きたくなった。











 結局。


 俺の夢は、世界の平和でなく。

 きょうだいが、平和に過ごせる。
 そんな場所だったのだろう、と。



 遅すぎたのだ、何もかも。






ぱたん、と。
日誌は閉じられる。



「……嗚呼、」
「馬鹿な奴め」

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最終更新:2018年05月18日 20:04