【真名】イダス
【性別】女性
【身長・体重】154cm・60kg
【属性】混沌・中庸
【クラス】ランサー
【ステータス】筋力B++ 耐久A 敏捷A+ 魔力B 幸運D 宝具B
霊基を無理やり二人で共有しているためステータスは通常よりも減少している
【クラス別スキル】
対魔力:B
Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。
神代のサーヴァントであるイダスは高い対魔力を有する
騎乗:C-
生前ポセイドンより神馬を借りているが、ランサークラスで召喚された彼女はその手綱を正確に操ることができない。
せいぜい方向性を決める程度のものらしい。
【固有スキル】
仕切り直し:C
戦闘から離脱、あるいは状況をリセットする能力。機を捉え、あるいは作り出す。
一度カストールとポリュデウケースと協力した経歴からこのスキルを所有する。
分析眼:A
人間性や才能を図る鑑識眼とは違い、肉体のみを観察し、理解する技術。
心眼(真)に似て非なるスキル。
肉体の状態を完璧に把握するとともに、次に予測される行動を導き出す。
神の血を引いておらず、女性というハンデを抱えた彼女が英雄達と同じステージに立つために必要とした技術。
勇猛:B
威圧、混乱、幻惑といった精神干渉を無効化する。また、格闘ダメージを向上させる。
神に対してすら不遜な態度を取り、挑戦する彼女らしいスキル。
【宝具】
『盈盈一水の水天戦車』
(プリャツィコ・エノシガイオス)
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:100人
ポセイドンから借り受けた翼を持つ馬がひく戦車。
海神であるポセイドンの権能の一部を使用することができ、津波を引き起こす。
なお、手綱を正確に操れないため暴走させているだけである。
『大山猫の眼、超人の肉体』
(アパレティダイ)
ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大捕捉:1人
イダスとリュンケウスを含めた彼女たちの愛称。
この宝具によって本来不可能である霊基一つでの二人の召喚を可能としている。
二人が扱う全体のリソースの振り分けをしており、どちらか一方が消滅すればもう一方も消滅する。
『双縁断絶一投』
(プセウド・エンコス)
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:2~50 最大捕捉:1人
逸話としては彼女の投槍がディオスクロイの兄であるカストルをころしたと言われていることが宝具化したもの。
しかし、実態としては絶対に外れる一投。
ころすためではなく、ころさないために放たれたものであり、それは叶わなかった。
故にこの槍は当たることはない。しかし、それでも、カストルをころしたとされるこの槍に目を釘付けにされてしまう。
次の攻撃の布石のための一射である。
【解説】
イダス。『人類最強』とホメロスに讃えられたメッセニアの王、アルゴナウタイの一人でもある。
武勇・政治に優れていることは分かっているが、軍略に関しては実際に軍を率いた経歴がないため不明。
彼女の原点はリュンケウスとの約束にあり、それだけのために他の全てを捨てている。
性格としては傲岸不遜な割に、冷静沈着。自分以外の傲慢を許さない。
ある程度リュンケウスに甘い側面がある。偉そうなやつと偉いやつ(後ディオスクロイ)が嫌い。
体格で劣っている分技術力は他の追随を許さない水準まで高められている。
なにげに情に厚い部分があるとかないとか。
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王の過去 |
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幼年期から王になるまでの話 |
妹が神殺しの目に目覚める前に一つ約束をした。
大きくなったら、二人で一緒に旅をして多くのを見る、と。
少女の幼年期はどこにでもいるガキ大将といったレベルの実力しかなかった。
ただ、他よりも優れていたのは観察することで、相手の癖や動きといったものを把握しそれを利用することは得意だった。
年相応にやんちゃで城を抜け出しては城下の子供達を束ねて遊ぶ。
そんな日々が続いたのは妹が神殺しの目に目覚めるまでだった。
妹が神殺しの目に目覚め、生き延びるために幽閉された後は、まるで人が変わったように城が抜け出すことはなくなった。
幽閉された直後に噂でしか聞いておらず、幽閉のことなど知らなかったディオスクロイがイダスとその妹だと勘違いをして従姉妹を攫っていったが
それは気にすることはなかったというのは余談である。
代わりに、朝から晩まで修行に明け暮れ、優れていた観察眼で自分自身の限界まで肉体を酷使する。
吐きそうになる限界まで、食事を詰め込み肉体を作り上げた。
それが終われば気絶するように眠るという日々を繰り返し、果には国での最強まで上り詰めた。
その後はポセイドンを祀る祭壇へと捧げものを持って通いつめ、ポセイドン相手に修行をつげてもらっていた。
(ちなみに、戦歴としては全敗であり、一度たりとも勝てていない)
アポロンがマルペッサを狙っているという噂を聞き、ポセイドンに及ばすともオリュンポス十二神に並ぶ力がある証明のためにマルペッサを狙うことにした。
そのためにポセイドンといくつかの誓約と力を証明できれば、妹を外に出すことを許すという取引をした。
その際に、アポロンと戦うためにポセイドンの翼を持つ馬が牽く戦車を借り、頑丈さだけが取り柄の槍を貰い受けた。
マルペッサを攫う際に彼女が懐妊していることに少女は気付いた。
──恐らくはエウエノスに挑んだ求婚者の中に想い人がいたことも。
戦車によって、エウエノスに勝ち、追いついてきたアポロンと戦った。
不死を持つ神をころす術を持たない以上完全なる勝ちはなかったが、それでもアポロンをあと一歩のところまで追い詰めゼウスに取引を認めさせた。
マルペッサに関しては父を殺してしまった責任とアポロンの元にいって懐妊がバレてしまえば、殺されるであろうことはわかっていた。
故に、彼女にアポロンに懐妊がバレたらどうなるでしょうね、と唆すことで自らのものにした。
国にマルペッサを連れ帰った後は、マルペッサと妹のこと共に文句がある者をすべて力付くで黙らせた。
彼女を王妃として扱うことをそして、自らを王として認めることを宣言し、マルペッサを王妃としてこれ以降、大切に扱った。
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アルゴナウタイの話 |
しばらくは王として統治した後、ポセイドンにアルゴナウタイへの誘いを受けた。
妹との約束のこともあり、その誘いに乗ることにした。
そこで少女が知ったのは初恋と自らの無力さ。
ただ、彼女にとって、人生で一番楽しかった時期というのは間違いないだろう。
一番強かったにも関わらず、謙虚であった大英雄に憧れと初恋をした。
けれど、その秘めたる思いは生涯告げられることはなかった。
それに、自らの無力さを知った。
故にその思いにかまけている暇などなかったのだ。
無力さを知った原因は2つ。
一つは自らが死ぬ運命だと予言していた友を救うことができなかったこと。
敵こそ打てど、それを防ぐことができなかった己の無力さを知った。
二つはコルキスの王女についてのこと。
一番強かった大英雄がその場にいれば、その手段を取る必要はなかったという事実。
コルキスの王女を籠絡するというのは少女はアルゴナウタイのメンバーの中で唯一反対ではあったが、かといってコルキス王を超える実力を持ち合わせなかった己の無力さを嘆いた。
反対の理由の一つ目はここまで来た旅の思い出を新しく入ってきたコルキスの王女に汚されたくなかったこと。
反対の理由の二つ目は愛なき利用は絶対に後悔するという確信があったこと。
反対の理由の二つ目は結果的にイアソンとコルキスの王女の不幸にて幕を閉じることへと繋がった。
それを知った時の少女は酷く悲しそうな目をするのみであった。
故に、少女は己の弱さを罪とし、後にホメロスに地上最強と呼ばれるまで上りつめるまで己を痛めつけた。
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カリュドーンの猪の話 |
少女はマルペッサが生んだ女の子を大切にしていたし、結婚したメレアグロスのこともあり、参加はしていたもののあまりやる気はなかった。
ただ、彼がアタランテへと一目惚れしていたのは傍目から見て明らかだったので、クレオパトラを蔑ろにするのではないか、との憂慮はあった。
憂慮こそあれど、アタランテの実力は知っていたこともあり、彼女猪狩に参加するのは賛成の立場であった。
狩りそのものは犠牲が出たもののアタランテの一撃とメレアグロスの手槍によって、成功しそのまま終わるかと思われた。
けれど、メレアグロスはその毛皮をアタランテへと譲った。
その際に一瞬、介入することも脳裏に過ぎっていたが、先に彼の伯父達が異論を唱えたことで少女自身は冷静になり、結末を見守ることにした。
だが、少女は介入しなかったことを後悔することになった。
メレアグロスは伯父達を殺し、その母がメレアグロスをころした。
悲しみに沈む自らの娘を慰めることは叶わず、その死を見送ることになってしまったのだから。
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アルカディアでの牛の略奪の話 |
アルカディアで牛を略奪する際、彼女とその妹はディオスクロイと協力することになった。
分配方法を決める時、ディオスクロイに牛をすべて譲るから代わりに妹をよこせという取引を持ちかけられた。
勘違いで攫ったことを覚えており、カストルは尚も妹を娶りたいと狙っていたのだ。
当然、少女がそれを了承することはなかったが、一つ勝負を持ちかけることにした。
それが牛の早食い競争であり、史実と違うのはディオスクロイが勝った場合には牛の総取り及び、妹を渡すという勝負にしたことであった。
少女が自分の分が食べ終われば、妹の分まで平らげ牛と妹の両方を守って、ディオスクロイの抗議を聞かずにさっさと引き上げた。
それを怒ったディオスクロイは兵を率いてメッセネに迫ったが、ポセイドンへの生贄を捧げるため不在であった。
ディオスクロイがその途中で待ち伏せをした際に、妹が千里眼によっていち早く気付き怒りを抱き、神を殺す目によって不死であったカストルを殺した。
それを止めるために少女は槍を投げたが、間に合わず、誓約を破ることになる。
故に、罰としてゼウスの雷霆によって妹は殺されることになる。
その後、ゼウスの雷霆をかわしながらも怒り狂うポルクスを父の墓で殴って気絶させる。
そこまで済めば、怒りの矛先は向ける先を失い、最後はゼウスを罵ってその雷霆によって死んでいった。
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【真名】リュンケウス
【性別】女性
【身長・体重】145cm・45kg
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷C 魔力C 幸運EX 宝具B
【クラス別スキル】
単独行動:C-
マスターとの繋がりを解除しても長時間現界していられる能力。依り代や要石、魔力供給がない事による、現世に留まれない「世界からの強制力」を緩和させるスキル。
リュンケウスにリソースが多く割り振られている間はイダスから離れて単独で行動することができる。
また、マスターを失っても半日日程度であればイダス共々現界可能。
対魔力:B
このスキルはイダスと共有している。
【固有スキル】
千里眼:A
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。遠方の標的捕捉に効果を発揮。
ランクが高くなると、透視、未来視さえ可能になる。リュンケウスの場合、大山猫の目とされただけあり、夜目が効くだけでなく透視も可能としている。
投擲:B
何かを投擲した際に正確に目標へと当てる技術
接近戦は得意では無い代わりにこの技術が高められている
【宝具】
『我が目を逃れうるものなし』
(リュンクスマティ)
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1人
直視の魔眼と千里眼を組み合わせた一射。
対象の"死の点"に対して、石を投擲することで対象を死に至らしめる。
点が当てられる場所にあることが前提条件であり、千里眼による未来予測を組み合わせたとしても宝具を使用できない場合もある。
かつて、不死であったディオスクロイの片割れのカストルをこれによって殺した。
それによって、後世彼の信仰は神から人へと零落することになる。
この宝具は姉の許可がなければ、基本的に使われることはない。
【解説】
イダスの妹。彼女自身についての情報は少なく大山猫の目を持つこととイダスと共に行動したということ以外あまり知られていない。
ただし、イダスと共に行動し始めたのはアルゴナウタイの航海以降でそれ以前については不明。
性格は天真爛漫。誰にでも懐きやすい。基本的にイダスと一緒にいる時は深く物事について考えない。
イダスを縛り付けているのは自身であることを心苦しく思っており、イダスには英雄として羽ばたいて欲しいと思っている。
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リュンケウスの話 |
かつて、姉と幼い時一緒に一つ約束をした。
大きくなったら、二人で一緒に旅をして多くのを見よう、と。
それが姉に取っての足枷になってしまうなんて、その時は思ってもみなかった。
ガキ大将として英雄とまで行かずとも、そこそこ強かった姉に憧れ並び立ちたいと思った。
ただ、それだけだったのに、その願いは神殺しの目によってなされることになる。
ギリシャ神話において最大の禁忌である神殺し。
神同士の戦いであっても、不死をもった神をころしたという記録はない。
それを為せる目は放っておければ、オリュンポス十二神を脅かしかねないとして神にころされるはずだった。
アパレウスは娘を愛していたが、彼の国は国を追われたものを受けて入れていた性質上、
ただでさえ、目をつけられやすかったということもあり、幽閉するという手段を用いることで神に許しを乞うた。
オリュンポス十二神はその幽閉によって、かの国を許した。
放っておいたところで、直死の魔眼の処理に耐えきれず、脳が焼ききれてしまうだろう、と考えたこともあって。
姉の努力と姉からのいつか迎えに来るという手紙もあって、自分だけが諦めるわけには行かないと死物狂いで制御するための努力をした。
その甲斐もあって、制御できずに死ぬという結末に至ることはなかった。
けれど、少女は過去を振り返る度に思わずにはいられなかった。
もし、あの時私が死んでいたのなら、姉は大英雄として名を馳せることができたのではないか、と。
多くの大切なものを失うことはなかったのではないか、と。
その負い目と少女にとって姉は英雄であることが、姉を侮辱する者に対する行動を過激化させている。
死ぬ直前に、千里眼と直死の魔眼を組み合わせて姉の許可を待たずに、カストルを殺したのもそれが原因である。
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