【でんでんげんしょう】


最初は評判が悪かったアニメで回を進める毎に視聴者が激減し、最終的に熱狂的な信者だけがアニメを観てネットに感想を書き込む事で、あたかも好評価されている良いアニメのように思われる現象のことである、らしい。

名前の由来は典型的に同現象を引き起こしたとされるアニメ「伝説の勇者の伝説」。
なんかよく分かんないけど、伝勇伝のアニメがそうだったようだ。わざわざTSUTAYAで借りてきてまで伝勇伝を観ている兎角さんからしたら許せないよという話である。
そうは言っても、ゼク○ズだから仕方ない。


アニメ版「伝説の勇者の伝説」の何が悪かったのだろうか。
原作を頑張って読んでいるたかやポケモン兎角は、アニメについて「イソガシスギル…イソガシスギルヨ……」と、うめく。

なんてったって、とにかく忙しい。
1冊分の話を大体2話前後でバキバキ進めていくのだ。原作11巻で2クールだから単純計算そのぐらいなのは分かるのだが、ちょっとゼ○シズの脳は単純すぎたようだ。

なので、その展開は話のメインラインを追う事に終始してしまい、てんでキャラクターに感情移入出来ない(んじゃないかなぁ…と思う)。
伝勇伝の持ち味である説得力ある理論展開も結論の台詞だけ言ってしまうので、ひどくあっさりしたものに感じられてしまう。
短編集の書き下ろしエピソードもさりげなく合間に挟んだりと、実は何気に芸が細かいのだが、それもなんか1分ぐらいで片付く。
ちょっと短すぎるってー!

そして、数人の主人公格キャラクターがいるため、視点が割と目まぐるしく変わるのでたる。ノベルであればじっくりと読んで次のエピソードへ…と飽きずに読めるため個人的には好きなのだが、アニメだと十数分で次の場面へ切り替わるため、目まぐるしさを感じてしまうのであろう。
時間の制約は、何も貴也の原稿の締切にだけかかるものではないのである。

また、大きな敗因として、第一話に「すたーてぃんぐ れじぇんど」を持ってきてしまった事があげられるであろう。同名エピソードは伝勇伝の本編より先に作られた短編で、その名の通り「伝説の始まり」と呼べるエピソードである。冒険を始めた主人公(ライナ)の旅先での一騒動の話だ。

しかし第二話からは平然と本編が始まり、時間は遡り、主人公(ライナ)はまだ旅に出ていない。
原作ファンには嬉しい演出だったが、新規ユーザーからしたら「先週見逃した」になりかねない危険な演出だった。あやうくバトルボーグである。
なお漫画版も始まりは「すたーてぃんぐ れじぇんど」なのだが、その点を漫画版はしっかりとカバーしていた。

しかし、ゼク○ズの特徴であるように、声優と作画は良い。キャラデザがちょっと似てないけど、それもご愛敬である。

見続ける事が出来れば次第に話が盛り上がってくるので、急な展開も「クライマックスだー!」感が出て楽しめるし、キャラにも愛着がわき感情移入する事が出来る。
でんでん現象を起こすアニメの共通点として、総じて「大器晩成型」である事が挙げられるだろう。

最後まで観れば損はさせないーーー
それは、既に払った犠牲を無駄にしないためにと泣きながら歩み続ける「勇者」達の姿を投影しているのかもしれない。

しかし人類は何も学んじゃいなかった!!
いつか天魔の黒ウサギ(アニメ)


  • だがzeroのスタッフにゼクシズの人がいることが最終回で明らかになった。優秀な人もいるらしい。ま、作画はいいしな -- 朱音さん (2012-06-28 09:08:20)
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最終更新:2012年06月29日 04:51