【ふらっしゅ】


深夜帯地上波TVアニメにおける規制表現の一種。
主に性描写・残酷描写(エロ・グロ)を隠すために画面に不自然な光を入れることをさす。『BLOOD-C』『聖痕のクェイサー』『魔乳秘剣帖』などの作品に見られる。

光には「白」「黒」の2通りあり、前者が性描写、後者が残酷描写で使用されるのが一般的である(必ずしも原則通りではない)。
物語に一切関係なくあまりに唐突にTV画面に現れるため事故かとも誤解されかねないが、(規制という名の)ちゃんとした「表現」である。
しかし、ときには画面の80%近くをフラッシュが覆ってしまうこともあり、その不自然性により、規制というよりは「ギャグ」表現と考えるのが最新の批評言説での慣習となりつつある(あくまで筆者の脳内での話だ)。

例 BLOOD-C
  • 首と胴の離れ、股裂き、人体損壊、多量の出血etcetc。
その場面になる瞬間狙ったようにフラッシュが横から「シャッ」と画面上に割り込んでくるので、何が起こっているのかわからなくなる。
「見えないことで想像性が増す」効果は微塵もないため、視聴者に単に残念な不快感を覚えさせるだけに終わるという悲しい表現であり、「そうか、これはギャグなんだよ、うん」と思いこむことで視聴者は自身の悲壮感を『なかったこと』にしようと精一杯の空虚な努力を余儀なくされる。


なぜこのような、ややもすると意味不明とも言える表現が出てきたのか。
その背景に少し触れておこう。

昨今のアニメ、特に深夜アニメの視聴者層は激変期を迎えており、10年前(2000年前後)のように大きな男の子向けに作ればよかった時代は過ぎ去り、小学生も含めた幅広い潜在的視聴者層へアピールする必要が出てきた(今の小学生は塾通いのため生活リズムが夜型になり、深夜アニメを放送時間帯に「生」で見ることも少なくないという話である)。
そうした事態を受け、「(本当の)子供が観る可能性」を考慮に入れてアニメ制作をしなければならず、性や暴力の悪影響と表現の自由との葛藤の末に地上波での放送コードに引っかからないようにその手の描写を「隠す」ことで表現を守るという苦肉の策として考案されたのが「フラッシュ」であった。

上述のように今の深夜帯アニメは子供も観るため、親(PTA)がBPO(放送倫理・番組向上機構)に訴えて番組を打ち切ろうとする事例もある。
(『魔法少女まどか☆マギカ』の放送休止事件は記憶に新しい。このときは逆に休止されたことで話題となり、皮肉にも2011年神アニメにまで成長した)


  • このベージは、このwikiで数少ない良心だな… -- 朱音さん (2012-06-28 18:24:26)
  • これ書いてる時間をレポートに充てていれば…。 -- りん (2012-06-28 19:56:33)
  • ↑無茶しやがって… -- 能島 (2012-06-28 19:59:52)
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最終更新:2012年06月29日 04:58