心霊大全

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【2ch】

207 名前: デビル ◆hO/jJrDVl. Mail: sage 投稿日: 05/11/19(土) 21:48:28 ID: 47bK5M5v0

この間、知り合いがこっそり某所(遊泳禁止区域)へサーフィンしに行った時の話をひとつ。

サーフィンは、最初はボードの上に腹這いになって沖の方へ行く。
その時、ふと見ると波間に漂う汐の小枝の上に、蝶々が一匹羽根を閉じたまま止まってた。

(こんな季節に、蝶々かあ)と思いながらしばらく見てたんだけど、サーフィンする人間が来るぐらいだから、岸に近づくにつれ、波が立ってくる。
小枝も波に連れて揺れるんだけど、蝶々はじぃっと小枝に止まったまま。

彼はなんだか蝶々が可哀想になって、その小枝を掴んで海面から高く上げて浜まで持って帰り、道路を挟んだ向かい側の草むらへそうっと置いてやった。

蝶々はまだじっとしてたけど、そのうちどっか行くだろうと思い、またサーフィンしに海へ戻った。

で、何時間かして、そろそろ帰ろうかなと思って浜の方を向いたら、いきなり体が沖の方へ強烈な勢いで流されて行く。
横へ逃げようと思っても、にっちもさっちも行かない。

(こりゃヤバイ!俺マジで死ぬわ!!)

彼が真剣に青ざめた時、目の前を何かひらひらするものが横切った。え?と思って見ると、蝶々。
それが、彼の右斜め後ろの方で、何度も何度も円を描いて飛んでいる。

(こっちへ来いって言う事か?)

彼はぞっとしたけど、どうせ一度は死ぬんだからと思って覚悟を決め、蝶々が飛ぶ方向へ泳いでみた。

すると、楽々とは行かなかったけれど、ちょうど蝶々が飛んでた辺りでどうにかその流れから抜け出す事が出来た。

まだ、ひらひら飛んでた蝶々に、試みに手を差し伸べてみると、すうっと止まったので

「助けてくれてありがとうな、浜まで一緒に帰ろうな」

そう言いながら、泳いで帰って来た。

渚へ辿り着くと、蝶々は何事もなかったかのように、どこかへ飛び去ってしまった。

…それにしても、こんな季節に水に漬かりたいだなんて、それも遊泳禁止区域で一人。

私にはそっちの方がよっぽど恐い話。

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