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植物学

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植物学


1)群落光合成
葉面積指数:  単位土地面積あたりのすべての葉の面積
受光態勢:   個体群を構成する個々の葉の光の当たり方
個葉光合成速度:個々の葉の光合成速度

個体群成長速度:葉面積指数*純同化率(受光態勢、個葉光合成速度の影響を受ける)

2)群落の生産構造
受光態勢 
葉が直立>大(奥まで光が当たる
吸光係数
個体群上層からの積算葉面積指数と個体群内の相対照度の対数との回帰直線の傾き
イネ科はこれ小さい。(葉が直立)
湾曲葉群落:光飽和型の光合成曲線
直立葉群落:光不飽和型の光合成曲線

葉面積密度が大きいと個体群内のCO2濃度が高く維持される。

3.
1)気孔:イネなどでは表にもある。
クチクラ
高級脂肪酸と高級アルコールのエステルであるロウと不飽和度が高い脂肪酸類の重合物質クチンからなる。

葉肉
柵状組織  電子伝達活性が高い。クロロフィルa/b比高い。(陽葉緑体)
海綿状組織 陰葉緑体、光散乱しやすく、光を吸収しやすい。

維管束鞘

C3:葉緑体なし
C4:クランツ構造:維管束鞘の周りに放射状に葉肉細胞が配列する。

C3 3-ホスホグリセリン酸 葉肉細胞で明所で固定
C4 リンゴ酸・アスパラギン酸 葉肉細胞と維管束鞘細胞の空間的分業
CAM リンゴ酸 明所と暗所の時間的分業

ハッチ-スラック-コーチャック回路
(プリント参照)

C4植物の特徴

葉肉細胞では光呼吸せず、維管束鞘細胞ではCO2が濃縮され高濃度で存在しているため、見かけの光呼吸はほとんど起こらない。
気孔が閉じていても光合成が出来、高温・適度の乾燥下で有利、強光で光合成が多い。
寒さに弱い

NADP-ME(サトウキビ
NAD-ME(キビ
グラナ構造は未発達光科学系IIの活性が低い。
PCK(ギニアグラス、ローズグラス

大気から葉緑体へのCO2拡散過程

P=(Ca-Cp)/ra+rs+rm
P光合成速度 Ca大気中 Cp葉緑体中 ra境界層抵抗 rs気孔抵抗 rm 葉肉

大気から葉内の細胞間隙までは

P=(Ca-Ci)/ra+rs
Ci葉内CO2濃度

C3 弱光下で気孔開く
C4 光強度の増加とともに直線的に気孔を開く。葉肉抵抗はC3に比べ著しく少ない。

限定要素
弱光下  光科学系
強光下  CO2拡散、炭素固定系
低CO2 炭酸固定系
高    RuBP再生系

浸透調整 浸透圧を高める溶質 膨圧維持
葉を落とす 蒸散量減少
深い根 
貯水 茎や葉に水を蓄える。葉肉植物

葉の窒素含量
葉内の光合成系の活性が大きくなる。
拡散伝導度が大きくなる。

窒素
C3 Rubiscoに多い。
C4 PEPcase PPDKに多い
C4植物の高い窒素利用効率の要因となる。

弱光下で生育する植物
光吸収がよくなるようにクロロフィルタンパク質、特にLHCPに多く窒素が分配されている。

強光下で生育する植物
最大活性を多くするため、Rubisco、電子伝達成分、反応中心タンパク質に多く分配される。


細胞死
細胞死の判定
リパンブルー染色法:細胞膜の変性による。選択的透過性、能動輸送
染まる→死細胞
FDA染色法:エステラーゼ(緑色の蛍光)活動代謝を担う酵素
無蛍光→死細胞

不慮の細胞死:受動他殺
プログラム細胞死:能動自殺

ネクローシス 細胞膜の破損 細胞内へのCaイオンの流入
ミトコンドリアや小胞体の膨張 エネルギー代謝の低下
核や細胞自体の膨張と崩壊 核DNAのランダムな分解
周辺組織への炎症反応の誘導

アポトーシス 細胞の縮小 細胞間相互作用の消失
核クロマチンの凝縮と核の断片化 DNAのヌクレオソーム単位での断片化
アポトーシス小体の形成 近隣細胞によるアポトーシス小体の貧食除去
アポトーシスはプログラム細胞死に深く関与している。


オートファジー
マクロ
隔離膜による細胞質やオルガネラの囲い込み(オートファゴソームの形成)
オートファゴソームとリソソームの融合(オートリソソームの形成)
リソソーム由来の加水分解酵素による細胞質やオルガネラの消化

ミクロ
液胞による細胞質の取り込み
液胞由来の加水分解酵素による細胞質の消化
液胞膜の崩壊と細胞の自己分解

生物学的意義
生体制御:発生の過程で生じた不要細胞の除去
生体防御:生体にとって有害となった細胞の除去
詳細はプリント

老化:葉の老化、花卉の萎れ、果実の成熟、不要器官の除去、養分のリサイクル
ストレス応答:通気組織形成、過敏感反応

プログラム細胞死=細胞老化 同義語である。

生理学的変化
<開始期>
老化誘導因子→
代謝調節の異常・酸化還元電位の変化

シグナル伝達←老化阻害因子

遺伝子の活性化、不活性化
<再構成期>
細胞の脱分化
細胞内小器官の再分化
回収経路の活性化(リサイクルシステム)
→クロロフィルや貯蔵・タンパク質の分解
→窒素・リンの再分配
無毒化→アンモニア、アルコール分解、変性
<終期>
抵抗性物質の蓄積→ファイトアレキシン(病原菌の感染を防ぐ)
フリーラジカルの放出→活性酸素
残存代謝物の除去
細胞内膜系の崩壊

細胞の完全性が消失(プログラム細胞死の特徴)

生存能力が不可逆的に喪失

細胞死

遺伝子

1)老化関連遺伝子
老化時に発現量が増加RNAi
2)遺伝子の種類と機能
1加水分解酵素遺伝子

システインプロテアーゼ タンパク質分解
アスパラギン酸プロテアーゼ
ポリュビキチン クロロフィル・貯蔵タンパク質の分解

β-ガラクトシダーゼ 細胞壁、膜の分解↓
ホスポリパーゼD 細胞内膜系の崩壊
RNase 核酸の分解
DNase DNA,RNAの分解(プログラム細胞死)

2アミノ酸合成酵素遺伝子
グルタミンシンテターゼ アンモニア↓
アスパラギンシンテターゼ アミノ酸
解毒、窒素再配分の作用がある。

3解毒酵素遺伝子
メタロチオネイン
カタラーゼ、シトクロムP450
これらは有害物質の無毒化を行う。

4PRタンパク質遺伝子 過敏感反応
グルタチオン・S-トランスフェラーゼ
PRluキチナーゼ→抵抗性物質の蓄積

5糖新生酵素遺伝子
リンゴ酸シンターゼ 分解産物↓
イソクエン酸リアーゼ グルコース(エネルギー原)
グルコースが炭水化物以外の物質から生成
(アミノ酸、乳酸、グリセロールなど)

3)遺伝子の発現時期
クラス5→老化後期(9種)MG2→SS1
クラス7→老化初期(6種)YG→MG1
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