「序章」

【Forest Dillphirius】
『聖木』に向かって祈りを捧げる一人の老いたエルフと、その後ろで彼を見守る若いエルフがいた。

老エルフは、何事かぶつぶつと呟いた後、手を組んで空を見上げた。
若いエルフは、微動だにしない。

しばらく空を見上げていた老エルフは、その後再び聖木に向き直り一礼した後、
顔を歪めて若いエルフの方を向いた。

若いエルフは尋ねる。

「どうした、『星読み』?気分が優れないようだが?」

対し、星読みと呼ばれた老エルフは答える。

「報告でございます、『長』。我らが先祖は告げております。もうじきこの森に、かつてない災いが降りかかると」

老エルフはさらに続ける。

「たくさんの我らの同胞が傷つき、死んでいきます。敵は火を吐く鉄の龍に乗り、筒を持ってやってきます」

老エルフは一旦間を置き、そして述べる。

「これは警告です、『長』。我々は今まで以上に、行動に気を付けるべきです」

若いエルフは報告を聞き、しばらく沈黙した後、こう返答した。

「…………分かった。ご苦労だった、『星読み』」



そして二人は、居住区へと戻って行く。

「……」

(今までにない不吉な予言だ……。何事もなければよいが……)

「『長』」

「何だ?」

「我らは一体……どうなるのでしょうか?」

「案ずるな、『星読み』。誰一人として、死なせはせん」

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最終更新:2011年12月25日 00:29
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