act2~She looks like an angel with a shotgun~

【Magical ballet“noon moon”act2~She looks like an angel with a shotgun~】

「それにしても久しぶりの現金収入ですわねお兄さま。」
「ああ、そうだな。」

 先の賞金首を換金してふところがホクホクとしている兄妹。
 二人は馬車から下りてロシナンテを休ませつつゆっくりと街中を歩いていた。

「十万もあればしばらく豪遊できますわね。」
「やめようぜ妹ちゃん、お前の豪遊は本当に洒落にならないから。」
「嫌ですわお兄さま、旅の息抜きは必須だってお兄さまが言ってくれたじゃないですか。」
「いやそうだけどさあ……とりあえず宿をとろうぜ。そして一晩ゆっくり休んだらこの街を離れよう。」
「あら、何時にもまして早い旅立ちですこと。」
「うん、なーんかこの街、嫌な感じがするんだよねー。」
「臆病風に吹かれたのですか?」
「そうは言うがお前……見てみろよ。」
「え?」
「この街、屋外に女性が居ない。」
「あら、そういえばそうですわ。」
「やれやれ、良いのは視力だけかな?」
「お兄様のいぢわる。」
「おいあんた達。」

 二人は後ろから声をかけられる。
 年老いた男性だ。

「見たところそちらの子は女性のようだが……旅の人かい?」
「ええ、そうですが……。」
「今この街の辺りに吸血鬼が住み着いているんだ。
 やつら見境なしにこの街の女を攫ってて……
 旅の神父様のおかげで流行病が終わったと思えばこれさ。」
「旅の神父?」

 ジャンゴは一瞬怪訝そうな顔をする。

「まぁ…………、同じ女性として心が痛みます。」

 ダリアは辛そうに顔をしかめた。

「だから気を付けないと大変なことになるんだ。」





「例えばこんな風に!」





 老人が牙を剥いて二人に襲いかかる。

「そう」

 目にも留まらぬ早さで散弾銃が老人の頭に突きつけられて……

「決して」

 銃声が響く

「許せません。」

 皮膚が裂け、骨が散る、脳漿は潰れ、そして緋色の花が咲く。

「一撃を以て頭を潰せばいくら吸血種といえど再生は不可能。」
「そういうことだ、学んだね妹ちゃん。」
「ダリア、って呼んで下さいお兄様。」
「善処する。」

 一部始終を見ていた群衆がざわめく。

「面倒だな、帰って良いか?」
「駄目みたいですわ兄様。あちらから保安官の方が。」
「きゅ、吸血鬼が出たっていうのは本当か!今度こそ儂が……!」

 額にシワを深く刻んだ老人がショットガンを携え馬に乗って走ってくる。
 この街の保安官だ。

「あれ?」
「申し訳ございませんおじい様、もう片付けてしまいましたわ。」
「なんと……」
「あんた、この街の保安官かい?」
「ああ、そうじゃよ。儂も奴らを倒すために手を尽くしてはいるんじゃが……」
「だが?」
「奴ら大勢でかかる度に棲家を上手く変えて逃げさってしまう。
 その上、頼りになる若い男は隙を見て暗殺してしまうんじゃ、正直言って打つ手がないんじゃよ。」
「ふーん……。」
「そうじゃ、あんた達の腕を見込んで紹介したい人物がいるんじゃが……」
「誰だ?」
「この街の市長……彼も息子のジャックを亡くした男じゃ。
 ジャック君は彼と恋仲にあった下女を攫われて、たった一人で……」
「それは……」
「とりあえず市長の方の所に連れて行っていただけませんか?」
「勿論じゃ、ついてきてくれ。」

 二人は保安官の話を聞き、市長に会うことを決めた。
 保安官は二人をすぐに市長と引きあわせてくれた。

「君たちがジャンの話していたガンマンか!」

 病的なほど白い肌。
 口紅でも引いているかのような赤い唇。
 ワックスでも使っているのか解らないがツヤツヤと良く輝く黒髪。

「よく来てくれた!魔術の心得もあるらしいね!」

 印象、一言で言えば胡散臭い。

「来てさっそくだが君たちにお願いしたいことがある。」
「ヴァンパイア共をぶっ殺せって言うんだろう?」
「ああ、奴らは我々に害を為す魔物だからね。」

 本当に息子を失ったのだろうか。
 そう思わせるほど淡々としている。

「兄様、行きましょう、絶対に許せません。」
「まあ少し待て。俺たちだってビジネスなんだよ。
 報酬について聞かなくては依頼も受けられないだろう。」
「まったくもってその通りだ。何がお望みだい?」
「情報だ。」
「情報?」
「この街に体中傷だらけの神父服を着た魔術師を見なかったか?
 恐らく……棺桶を二つ引きずっている筈だ。
 名前はディエゴ、ディエゴ・マードック。」
「棺桶の神父……。ディエゴ……まさかディエゴってあのディエゴか!
 ハンターのディエゴだったら私の古い友人だよ!
 最近は流行病の治療の為に街中の皆にワクチン注射をしてくれたね。」
「なんだって……?」
「そう、彼なら少し前に街に来た。そして私に……おっと、ここから先は言えないか。」
「礼を言う。あいにくコチラとしては路銀は賞金首を狩るだけで十分でね。」
「成程。ところで今日の宿は決まってるのかい?もう日も傾いてきているしさ。」
「まだだが……。」
「じゃあ家に泊まって行かないか?今日は保安官殿も招いて奴らへの対策を練る予定だったんでね。」

 一瞬だけ、しまったな、という顔を兄はした。

「まあ素敵!泊まって行きましょうお兄さま!」
「いんや、遠慮しておくよ。」
「そうか、それは残念。」
「悪いねえ、ちょっとヤボ用なのさ。行くぞ妹ちゃん。」
「はいお兄様。」

 ジャンゴは早足で市長宅を退去する。
 前に停めてあった馬車に乗り込むと彼は妹に言った。

「おい、この街を出るぞ。馬車を出せ、できるだけ早く。
 ロシナンテは戦闘形態にしておけ、何時襲われるか分からないからな。」
「え?」
「本当に良いのは視力だけだな。あの市長がヴァンパイアだ。」
「そんな……」
「説明はあと!さっさと馬車出す!」
「はい!お願いロシナンテ!」

 ロシナンテと呼ばれた白馬は一声高く嘶いたかと思うと全速力で街を駆け抜け始める。
 折悪しく日没。
 吸血鬼が最も活発になる時間が始まる。
 風も強く、空気は乾いていて、月がやけに美しかった。


「俺の推理はこうだ。
 ・恐らくこの街にいる全員が吸血鬼である
 ・少なくとも市長は吸血鬼である
 ・保安官も吸血鬼である可能性が高い
 ・男性は既に皆殺しになっている
 ・女性は良くて死んでいる、悪ければ……
 理由は至ってシンプル。
 第一にこの街でお前が吸血鬼を殺した後、誰一人として死体を辱めなかった。
 妻や娘を奪われた男達がその恨みを死体とはいえ晴らさない訳がない。
 第二にあの市長の態度、やっぱりどう考えてもおかしい。
 第三に最近この街にディエゴ、俺たちの親父が来たってことだ。」
「成程……。」
「頼むぜ妹ちゃん。」
「ねえ兄様。」
「なんだ?」
「もしディエゴを殺せたら……」
「その話は後だ。」

 殺気。
 敵襲。
 二体。
 跳躍。
 抜銃。
 発射。
 直撃。
 爆散。

「敵さんおいでなすったようだ。」
「ロシナンテ、貴方の真の姿を見せてあげなさい。」

 ロシナンテの鬣に黒い十字架が浮かび上がる。
 それは彼の額へと移動して一瞬の内に角へと変わる。

「天に在す我らの神よ、我こそ森の民の末裔。
 貴方に愛あらば魔を祓い愛するものを守る為の力を與え給え。」

 ダリアが胸元のペンダントに手を当てて祈りを捧げる。
 すると一瞬で古ぼけた馬車だったものがまばゆい光に包まれて戦車(チャリオット)に変形する。

「パーーーーーーーーーーーフェクトだッ!流石普通のエルフ!」
「信仰を捨てた兄様とは違いますわ。」
「それは言いっこ無しだ!」

 ロシナンテと同じ速度で建物の屋根を伝い二人を追う数多の吸血鬼。


「さーて、お仕事の時間だぜ。」

 チャリオットの中央に用意された席にどっかりと座り指を鳴らすジャンゴ。
 もはや説明不要の殺戮兵器。
 不可視にして不可避の魔術弾丸。
 音もなく迫り前触れなく砕く復讐者。
 呼称“昼の月”
 真名“復讐者”
 最低のラインさえ超えればいかに魔力を込めようと一定威力、一定速度で敵を蹂躙するその暴力はもはや魔術ではなく機械と形容した方が適切だ。
 彼はチャリオッツを中心にしてロシナンテが展開する結界の外に向けて建物が壊れるのも構わずに撃ちまくる。
 其の分け隔てなきこと神の慈愛の如し。
 一般人ごと皆殺しにせんばかりの勢いである。

「くそっ!こいつら何人居るんだよ!」
「ディエゴが来たのがつい最近……だとしてもこの数はちょっと異常ですわ。」
「――――元ォ叩くかぁ」
「え?」
「逃げるのはやめだ。市長宅に引き返してあいつ殴り飛ばして親父のこと吐かせる。」

 ロシナンテが吸血鬼達を聖属性を帯びた角で蹴散らす。
 チャリオットからはロシナンテの聖なる力を受けた鎌が四方八方に伸びて横から近づく敵を八つ裂きにしている。

「返事は?」
「はい!」

 二人は来た道を引き返して走り始める。
 すると先ほどとは打って変わって急激に襲撃が減り始める。

「予想通りだ。」
「なにがです?」
「俺たちが逃げ出すのも織り込み済みだったんだろうさ。
 でも兵を外の方に外の方に配置しすぎて肝心の内側はなおざり。
 集団で攻めてくる以上頭叩かれれば弱いだろうしね。」
「まあなんて冴えてるのお兄さま、まるで戦闘民族みたい!エルフとは思えない発想ですわ!」
「やっぱ腹立つお前。」
「うふふ、愛してますわお兄様。」
「……俺もだよ妹ちゃん。」

 市長宅にロシナンテに乗ったまま突入する。
 白塗りの壁は砕け、堅牢な門は焼き切られ、美しかった噴水は瓦礫で埋まった。

「おい市長!出てこい!」
「なななな、なんだ!?一体何がどうなっているんだ!」
「市長お任せ下さい曲者は私が……って、え!?」 

 エントランスホールで間抜け面を晒すのは市長と保安官の老人。
 襲撃者を予想はしてもそれがまさか今日雇ったガンマンだとは彼らも思わなかったようだ。


「なぜ君たちがこんなことを!?」
「お前らが仕掛けたんだろうが!」
「どういうことだ!仕掛けたってなんのことだ!」

 市長の様子のおかしさに気づいてジャンゴは彼を問いただす。

「じゃあ表の吸血鬼はなんだっていうんだ!?」
「表の吸血鬼?街の中に吸血鬼だと!」
「はぁ?でも街の奴らは街中に吸血鬼が出るって言っていたぞ!」
「その件については儂が説明しよう。」

 保安官の老人が市長の頭をショットガンで吹き飛ばす。

「この街は偉大なる市長の息子、吸血鬼として生まれ変わったジャック・アバークロンビーが治める吸血鬼の街なのじゃよ!
 通りを歩く人は全て吸血鬼!旅人の物は我らの物!
 保安官なぞいらぬ、ディエゴ様の指導のもと、この街を起点にして吸血鬼の、否、モンスターの楽園を作るのだ!
 神は人間を捨て、我々を愛してくれているのじゃから!
 ジャック様万歳!ディエゴ様万歳!
 バンザイ!バンザイ!バンッザーーーーーーイ!」

 老人がショットガンを口に咥え引き金を引く。
 老人もまた一瞬で物言えぬ死体へと変わってしまった。

「嘘だろ……」
「本当だよ!」
「誰だ!」
「僕がジャック、ジャック・アバークロンビー」

 煙幕が張り巡らされる。
 声だけがそこらで反響する。
 そして二人の背後から白刃が煌めいた。

「今僕がそこの哀れなお爺様に催眠術で言わせた通り、この街は僕の街。
 僕達吸血鬼の住む吸血鬼の街。」

 間一髪二人は躱してお返しとばかりに銃弾を撃ちこむ。

「ヒュー、いい反応してるね。
 でも視界が効かないガンマンはどこまで戦えるのかな?
 ここには僕のお友達も沢山招待してるんだよ。」

 月明かりさえ届かぬ闇の中で赤く光る瞳。
 どうやら本当に吸血鬼らしい。

「みんな!やっちゃ……」





「――――真昼の月を見たこと有るか。」





 ピチャ
 ペチャ
 グチョ
 ジャックの背後で破裂した糞袋が中身をぶちまけている。
 据えた匂いがあたりに漂う。

「俺たちの能力について報告を受けてなかったようだな。
 まあ当たり前か、そうならないように“建物まで壊しまくるほど徹底して”破壊しつくした訳だし。
 生き残ってあんたに情報を伝えられる奴も居ないさ。
 この匂いじゃあご自慢の鼻もどうにもならないだろう?」

 ジャックは無言で辺りを見回している。
 煙幕が晴れる。
 仲間の死を確認して、彼は兄妹を見つめる。
 泣いている。

「酷い、なんてことを。
 なんで、なんでなんでなんでなんで!
 なんで人間やらエルフのくせに僕達モンスターを!
 お前らはモンスターに追い回されていれば良いのにいいいいいいい!」

 ホルスターからダリアがショットガンを取り出して目にも留まらぬ早撃ちを決める。
 しかしそれはわずかにジャックの頬肉を削ぐばかり。

「無駄無駄無駄ァ!所詮お前らはモンキー!進化した人類であるモンスターには勝てる道理が無い!」
「進化した人類?」

 ジャックの爪がダリアに迫る。
 だがしかし横合いからジャンゴが彼を思い切り殴りつける。
 簡単に吹っ飛ぶジャック、いくら身体能力があってもとっさの攻撃に弱い所を見ると戦闘経験が浅いのがまるわかりだ。

「そうだよ、進化した人類さ!ディエゴ神父が言っていたよ!
 我々人類やエルフ、ドワーフなどはもう神に見捨てられた存在なんだって!
 だから我々もモンスターになって神の恩寵に預かるんだって!
 モンスターが他種族の女を孕ませられるのは神が彼らに世に満ちよとおっしゃったからだって!
 だから僕は神父様に教えられた通り、ワクチンを受けた人々に“合図”をして吸血鬼に変えてあげた!
 あの神父様は本当にすごいよ!人間をモンスターに改造できるなんて!
 ああーそうそう、ちなみにお父さんと保安官さんは外部の人間に怪しまれないように人間のままにしておいたのさ。
 吸血鬼になったって知った瞬間自殺しそうだしね、あの人達!」

 ジャックの拳が迫る。
 ジャンゴはそれを銃撃で弾き飛ばす。
 ダリアはショットガンでジャックの逃げる方向に弾をばら撒く。

「――――しまっ!」

 ジャックの背中がえぐれる。
 しかしあっという間に再生。

「あんた達!チンタラしてていいのか?このままだと俺に致命傷は与えられないぜ!
 応援が来たらいくらあんた達でも……」
「うむ、そうだな。
 だがお前がいくらすばしっこくても関係ない処刑方法を思いついた。」

 ジャンゴがマッチの火を地面に投げる。
 火は地面に何時の間にか巻かれていた液体を伝いジャックの身体も包む。

「うわあああああああああああ!?」
「お前の仲間をバラバラにした時に床に、お前を殴り飛ばした時にお前自身に、それぞれ燃料をぶちまけさせてもらった。
 お前の仲間の死体の匂いがきつくて気づかなかっただろう?」
「なぜだ!なぜ消えないいいいいい!」
「聖なる香油入りだ、ありがたく喰らいな。化物(フリークス)!」
「いやだあああああああああああああ!マリア!助けて、マリアアアアアアアアア!!」

 折りしも風の強い秋の夜。
 空気も乾いており、火は猛烈な勢いで街に広がる。
 彼らは急いで市長の部屋に行き、ありったけの書類や日記らしきものをロシナンテの曳くチャリオットに載せる。
 あらかた載せ終わった所で悲鳴が聞こえてきた。
 女性のものだ。

「もしかしたら攫われた女の人!?」
「……助けに行くぞ。」

 彼らが見たのはエントランスホールで泣き叫ぶ一人の女性の姿だった。

「ジャック!ジャック貴方なんで死んでいるの!?
 死なないために吸血鬼になったって!ずっと私とこの街を守るって言ってくれたのに!
 私嬉しかった!強盗団に攫われて、他の女の人たちが次々酷い目に合わされていく中で私の番が来たその時に!
 貴方がまるでヒーローみたいに現れて助けてくれたことが嬉しかったのに!
 子供だって出来たのよ!貴方の子供よ!正真正銘!
 たとえモンスターであったとしても幸せになれる、モンスターになれば大切な人を守れるって言って貴方が街の皆を吸血鬼にしたじゃない!
 女の人は吸血鬼になれなかったから、急の襲撃者から守るために家の中にできるだけ入れるようにして!
 あんなに街を、皆を守るために一生懸命だったのに!
 なんでよ神様!神父様がそう言ってたからジャックはあんなに真面目に頑張ったのに!」
「……ダリア、お前は見るな。」
「え?」

 腰のピースメーカーを抜いて、ジャンゴは引き金を引いた。
 頭、腹、胸、其の順番で風穴が開いてその女性――マリア――は倒れる。

「行くぞ。」
「お兄様なんで!?」
「生き残られると厄介だ。復讐の邪魔になる。」
「そんな……そうだけど、只の人間……。」
「いいから来い!」

 ロシナンテは彼らを乗せて炎の中を走りだす。
 ジャンゴは魔力の続く限り“昼の月”を撃ち続け街に瓦礫の山を積み上げた。
 瓦礫から瓦礫へと火は燃え移り、街はあっという間に跡形もなくなっていく。
 だがそれを見届けず彼らは何一つ言葉を躱さずに一昼夜走り続けた。
 そしてとある大きな街に来た所で歩みを止め、とびきり豪勢な宿屋に泊り、体を洗うとすぐにベッドの中に飛び込んで抱きしめあって子供のように震えた。

「ダリア、ディエゴを殺して母さん達の仇をとったら……牧場でも開こう。
 だれも居ないところで、静かに、二人きりでずっと暮らそう。
 ああ、でも子供が居ても良いかもしれない、俺とお前の子供を大事に育てて、男の子……だったら、さ。銃の使い方なんて教えちゃったりしてさ。
 それで、言うんだ……。」

 泣きそうな声でジャンゴは呟く。

「人に向けて撃っちゃいけないよ……って」
「お兄様は……悪かったよ。でも、でも私は……」
「ダリア、今は兄なんて呼ばないでくれ。」
「……ジャンゴは悪いことをした。」
「うん。」
「でも私だって止めませんでした。だから一緒です。」
「うん。」
「私は神様じゃないから貴方の罪を許せないかもしれません。
 でも私は許します、たとえ許されなくっても……私はジャンゴと一緒に罪を重ねてあげますから。
 一緒に……落ちましょう?」


 二人はそっと唇を重ねた。

【Magical ballet“noon moon”act2~She looks like an angel with a shotgun~ to be continued 】

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最終更新:2011年10月17日 00:42
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