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22 名前:SS ◆IvPithM8sM [sage] 投稿日:2012/07/15(日) 00:37:19.23 ID:ED/abQoD0 [1/3]
『危険な香り』

外回りの仕事をサボってパチンコ屋に行った
今月の俺の営業成績は課内No.1だ。少しくらい羽目を外したっていいだろう
缶コーヒーを飲みながらぼんやりと台を見つめていると、ふと隣りの席が気になった
この香り。これは自分の好きな香りだ。身近なはずの香り、どこで嗅いだかな?
香りの元に目を向けると、くたびれた中年が所在なく座っていた

作業着には赤い塗料が付着しており。例の香りに、錆のような匂いも交じっている
目が合ってしまった。中年が柔和な表情で会釈する

「お互いいい身分ですなw いや失礼。同類の方かな、と思いまして」

はは、ご明察。お互い日頃の努力の賜物ですよ、などと返す
雑談の最中も香りのことがずっと気になったので、思い切ってそのことを尋ねた

「ああ、いやお恥ずかしい。いわゆる“残り香”という奴でして」

ほお、見かけによらずお盛んなことで。こんな時間にもう一働き済ませたんですか

「・・・いつになく手がかかりましてね。ああ、もう行かないと」

中年はちょっと後悔したような表情で私を一瞥すると、足早に去って行った

けれど、その香りをどうして俺は知っているんだ?
嫌な想像が頭をよぎった
OFFにしていた携帯の電源を入れると、伝言が2件入っていた
お昼過ぎに妻から。そして、ついさっき、警察から

よく聞き取れない、けれど切迫した妻の声を聞き、香りの正体がようやく分かった
確認しようとする私の手は震え、携帯をうまく操作することができなかった・・・





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