夜空の下、レオはアリーナの外周を歩いていた。自分の初期位置であるエリアを調査していたのだ。
エリアの中心には近未来的な造りのドームが据えられ、それを照らし出すライトがところどころに据えられている。
ドームから少し離れたところには球状のゲートが置かれており、そこから別のエリアへと転送できるようだ。
それらを逐一調べ、得たデータを頭の中で纏めていく。
「どうやらここは他のエリアとは少々違う作りみたいですね」
マップと現在集めた情報を照らし合わせながらレオは言った。
アリーナと呼ばれるこのエリアは他のものと比べ格段に狭く、その性質もまた特殊なようだ。
先ずエリア全体が交戦禁止エリアとなっていること。この場に籠っていれば、実質他者に襲われることは心配はない。
最もウイルス発動――24時間の時間制限がある以上、そのような作戦は下策と言わざるを得ないだろうが。
更に言うならば、交戦禁止が何時解除されるかは分からない。ここに籠るような参加者が増えれば、すぐに解除されてしまう可能性がある。
「そしてこのエリアで最も目を引くのが」
言って、レオはエリア中心に鎮座するドームへと注視した。
アリーナ。エリア名にもなっているその建物こそ、このエリアの設置意義なのだろう。
「行きましょうか、ガウェイン」
『はい』
レオの言葉に、霊体化状態のガウェインが応じた。
その答えに迷いはなく、レオもまた泰然とした態度を崩さないままアリーナへ続く階段を上っていった。
電子掲示板が煌びやかに掲げられた受付カウンターへと近づき、そこに居た女性に落ち着いた口調で話掛けた。
「すいません。ここがアリーナの受付ですね?」
「ようこそ、アリーナエリアへ。ここでは様々な
ルールが設定された戦闘に参加することができます」
機械的な対応から、この人物はNPCであるとレオは当たりを付ける。
聖杯戦争にも進行役の神父を始め、図書委員や購買部店員など様々なNPCが居た。彼女もその類なのだろう。
「どのような戦闘があるのですか?」
「そうですね。以下の通りです。うち登録可能なのは三つです」
『サヴァイブバトル』:ランダムで選ばれるチームと連戦します。最大三人で参加できます。
『リミットバトル』:対戦チームを選んで戦います。最大三人で参加できます。
『デュエル』:時間制限付きの一対一の戦闘です。対戦相手として他のプレイヤーを選べます。
『???』:???
ウィンドウに示された四つの項目を確認し、レオは「ふむ」と声を漏らした。
口元に手をやり、思考を巡らせる。
「尋ねたいのですが、この戦闘に勝った場合、何が得られるのですか?」
「はい。このアリーナでの戦闘では、褒賞としてレアなアイテム、またはポイントを得ることができます」
「ポイント?」
「ええ、バトルロワイアル内で様々な用途で使うことのできるポイントです」
説明はそれだけだった。
ポイント。話を聞くに、疑似通貨のようなものらしいが、この場で使えるような場所はどこだろうか。
そう考えていると、マップ内に複数表示された項目が思い起こされた。
(ショップ……あそこが一番怪しいですね? 確認してみる必要がありそうだ)
レオは受付に向き直り、
「では、次の質問です。このデュエルというモードでは他のプレイヤーが選べるとありますが、どの範囲までですか? 無制限ではありませんよね?」
デュエル。これは上二つのモードとは多少異質だった。説明からしてこれだけは恐らく対人戦――それもこのバトルロワイアル内での他参加者を相手取ることになる。
だが、全ての参加者を選べるという訳ではないだろう。それではバトルロワイアル形式の意味が薄れる。
「はい。『デュエル』で選べる対戦相手は、このアリーナエリア内に居るプレイヤーに限定されます。
また、この『デュエル』は相互の了解が必要ありません。一方的な申込みで戦闘が開始されます」
成程、とレオは内心で呟く。
ここに籠っていれば安全という訳ではないようだ。いきなり戦闘を申し込まれる可能性が常にある以上、安全地帯としては全く機能しないのだろう。
それを知らないでこの場に籠れば、後々狩られる運命にある。
レオはウィンドウの最後、『???』という項目に触れてみた。
これは全く意味不明の部分だった。ブーという音がして、選択できません、という文言が表示された。
「それは現在解禁されていないモードです」
「解禁条件は何でしょう?」
「…………」
答えはなかった。
そういった部分は伏せられる。正真正銘のシークレットモードという訳か。
考える解禁条件としては、時間経過による解禁、人数減少に伴う解禁、何かしらのアイテムを入手した結果による解禁、そんなところか。
何にせよ、このモードが榊によって用意されているのなら、どうせロクなものではないのだろう。
レオはそこで息を吐く。
そしてもう一度だけ尋ねてみることにした。
「最後に一つ聞きます」
「はい。なんですか?」
「このアリーナでの戦闘。ここで敗北するとどうなりますか?」
その問いに、受付の女性は、やはり機械的に答えた。
「はい。ここでの敗北はバトルロワイアルでの敗退と同義
――即ち死を意味します」
◇
「良かったのですか?」
霊体化を解除したガウェインがそう尋ねてきた。
それに対し、レオは「ええ」と落ち着いた口調で返す。
「僕はこの程度のリスクも背負えない人間ではありませんよ」
彼は今待合室、と呼ばれる部屋に居た。
アリーナでの戦闘登録――サヴァイブバトルというモードに登録し、そしてこの場に転送された。
ポイント、というものを調べておく必要を感じた上、アリーナエリアの実態を掴んでおきたい。
そう思ったからこその選択だった。
死というリスクも彼にしてみればさして気にもならない。
それは自暴自棄な感情から来るものでは決してない。
元より聖杯戦争という死と隣り合わせの場でさえも彼はその態度を崩さなかった。
彼が彼である所以、王としての天性の気質。
そこに死の恐怖などが入り込む隙などありはしない。
(しかし、それ故に僕は敗北したのです)
聖杯戦争決勝戦。
岸波白野との戦いにおいて、彼は敗れ、この場に来た。
王として完璧過ぎたが故、自分は敗北というものを想定できなかった。それを感じる機能を持たなかった。
脱落、敗北、死。その恐怖を持つことがなかった自分と、
弱者故にそれを克服し新たな意思を持つに至った彼との差を、レオは痛感し、同時に悔しさを覚えた。
この成長を、進化を、真に生かす機会を永遠に失ったことに。
(そういう意味では感謝していますよ。この場を与えてくれたことには)
だが、その事実は同時に彼の、そしてSE.RA.PHで戦った全ての人間たちの覚悟を踏みにじることと同義なのだ。
故にレオはこの殺し合いの破壊を望んだ。
その瞳に迷いはない。敗北を見据えた上で、真なる王としての力を振るう。それがレオの選択だった。
「……時間ですね。行きましょう、ガウェイン」
「ええ」
待合室に備えられた掲示板の情報を読み取り、彼らはゲートへと足を進めた。
ここからは先は戦闘。そう思うと、聖杯戦争においてのエレベーターの中の感覚が蘇ってくる。
決戦へ向けて与えられた僅かな猶予。その感覚を、敗北を知ったレオはまた別の心持で受け止めることができた。
ちら、とレオは己の隣に寄りそうサーヴァントを見た。
敗北し永遠の別れとなった筈の彼がここに再び現れ、また共に戦ってくれる。
その威風堂々とした姿は、レオには以前よりずっと頼もしく感じられた。
そして、彼らは一歩踏み出した。
『さぁ始まりました。サヴァイブバトル! 選手の入場です!』
転送されたその場には大歓声が待っていた。
疑似的なものであるであろうそれに、NPCの煽りが喧しく付けられる。
『ランクが低い? 新進気鋭と言ってくれ。颯爽と入場!』
「聖杯戦争と比べると、随分と賑やかですね」
その光景を眺めながら、レオは言った。
アリーナの内部は外円に作られた観客席と、その中心に作られた円状のフィールドに別れていた。
それを上から見下ろせる位置に二つの塔があり、レオとガウェインはその一方に転送されている。
その作りはさながら古代ローマのコロッセオといったところか。
「おや、敵が現れるみたいですよ」
もう一方の塔に変化が見えた。
光が現れ、転送の前兆が起こった。
『卑怯? 最高の褒め言葉だ! 気分は辻斬りパラダイス! 今、入場!』
そんな煽り文句と共に現れたのは二人の男女だった。
マゼンタの特徴的な帽子を被った少女と、銀髪で目元を隠した男性だ。
表示されたチーム名は『初心者大好き』構成員は『アスタ』と『Iyoten』
「彼らが初戦の相手。ガウェイン、行きますよ」
「はっ」
その言葉と共に、二人は中央のフィールドへと転送された。
決戦の場に辿り着き、同様に送られてきた対戦相手と直に向き合う。
「ほほう。お主が拙らの相手で御座るか」
少女の方が特徴的な口調で話しかけてきた。
喋ると言っても彼女もまたNPCに過ぎないのだろう。口調を模しただけの人形だ。
「へっ、コイツら、アリーナ初戦みたいだな。さっくり狩らせてもらおうぜぇ」
男の方がこちらを小馬鹿にするように吐き捨てた。
そして、何処からか剣を抜く。
「行くぜ、アスタ」
「合点招致」
彼は各々の武器を構え、レオを見た。
その視線は獲物を見る獣を思わせた。元となった人間が居るとすれば、彼らはきっと弱者をいたぶることに嗜虐的な快感を得る質だったのだろう。
それらの視線を受け止め、レオは泰然自若とした態度を崩さず、冷静にガウェインに命じた。
「ガウェイン――やりなさい」
◇
勝負は一瞬。
元より自力で勝るガウェイン、そしてその装備も万端。
更にレオのまたこれまで以上に強く、そして柔軟な指揮を執ることができた。
その結果、レオの前に二人の男女が横たわることとなった。
「くそっ」
「お主……こんなに強かったで御座るか」
その言葉を最後に彼らの身体の色が失われ、消えていった。
一方のガウェインは傷一つ付いていない。
勝利。それも完璧な勝利だといえるだろう。
「ふふ、今の僕なら分かります。これを嬉しい、と思う感情の機微が」
レオは微笑みを浮かべて言った。
かつての自分なら何も感じなかったであろう。勝利を当たり前のものとしか思えなかった自分にとって、戦いなど儀礼的なものに過ぎなかった。
だが、今は違う。敗北を知り、約束された勝利の王でなくなった今、勝利の達成感というものを確かに感じ取ることができた。
「よくやりましたガウェイン」
レオの労いに、ガウェインは恭しく頭を垂れた。
それを見たレオは内心、感謝の意を捧げる。この騎士は、本物の忠誠を自分に誓い続けている。自分もそれに応えなければならない。
不意に、レオの前に新たなウィンドウが現れた。
サヴァイブバトルのルールに則り、戦いを続けるか否かを問う画面だ。
当然のことながら、勝ち抜けた回数が多ければ多いほど得られるポイントは増える。
レオは迷わず戦うことを選択した。恐れを忘れた訳ではない。それをその心中に抱えた上での行動だった。
「続けますよガウェイン」
「はっ」
次に現れたのはロボットのような外観のものだった。
先ほどの相手と違った趣を感じさせるそれは、身体中から電気を放つことで攻撃してきた。
どうやらこのアリーナで現れる敵は、思った以上に多種多様なようだ。
が、それも難なく下す。
多種多様というならば、ムーンセルの聖杯戦争だって負けてはいなかった。
あらゆる種類の英霊を相手取り、難なく対応してきたレオとガウェインにとって、それは不利な要素とはならない。
その調子で二戦三戦と続けていく。
マッチングされる相手も様々に変化し、時には人型でないモンスターも現れた。
その多様に困惑するどころか、寧ろ楽しむ素振りさえ見せながら、レオは戦っていく。
そうして9戦目まで達したところで、レオはガウェインに語り掛けた。
「この次、10戦目を終えたら一度止めましょう」
「私のことならば問題ありませんよ。この程度の戦い、消耗の内にも入りません」
その返しを頼もしく思いつつ、レオは「いいえ」と返した。
「貴方でなく、僕の方ですね。どうやらこの場での戦闘はSE.RA.PHよりもずっと多くマスターに負荷を掛けるようです」
言いながらも、レオは涼しい顔をしている。
彼自身の魔力もまた並の魔術師とは一線を画している。継戦能力に不安があるということはないだろう。
最も、宝具を使うような場面に追い込まれれば、その限りではないだろうが。
「では、行きますよ。これが一先ず最後の戦いです」
その言ってウィンドウを操作し、レオは戦闘継続の意を示した。
すると、新たに対戦相手がマッチングされ、転送される。
そして、光の中から現れたのは――
「あれは……」
レオの口から声が漏れた。
黒のコートに、色の白い肌、そしてその横に伴う若者のサーヴァント。
その姿をレオは知っていた。彼がどのような想いを抱え、そして死んでいったかも。
現れた相手の名はユリウス・ベルキスク・ハーウェイ。レオの異母兄であり、歪んだ運命に翻弄された人間であった。
◇
ユリウスとレオを結ぶ関係は、兄弟というには少し冷た過ぎた。
ハーウェイの後継者として、傷一つない完璧な存在として生きてきたレオと
ハーウェイの暗部を任され、失敗作の烙印を押され僅かに残った大切なものさえ奪われたユリウス。
彼らの間に別段憎しみの感情があったという訳ではない。
レオは後継者となりえなかった兄のことを見下すことも軽蔑することもなく、配下として受け入れ
ユリウスもまたレオに従うことを拒否せず己の役割を迅速にこなしていた、
その間に軋轢はなく、不穏な波風が立つこともなかった。会話も穏やかなものだ。
だが、やはり兄弟だとは思っていなかっただろう。本人たちも、周りの人間も。
例外があるとすれば、ただ一人。レオを生んだ女性、アリシアだ。
失敗作と見捨てられたユリウスの名を呼び、屈託のない愛を注いでいた、彼のもう一人の母。
彼女との間に架かるつながりこそ、ユリウスが唯一執着することができた関係であり、彼がその胸に想い続けた何かだ。
だが、彼女も死んだ。あっけなく。
それをどんな気持ちでユリウスが受け止めたか、レオは知っている。
知った上で、それを受け止め、彼を理解していた。
それが二人の関係。親愛も、憎悪も、執着もない、単純な関係。
「……今の僕ならば、貴方とまた違う関係でいられたかもしれませんね」
レオはぽつりと漏らす。
相対するユリウスの装いはSE.RA.PHでの物と酷似していた。
が、その細部は彼の記憶と違っている。
整えられてたコートが乱れ、ところどころデータ破損の様子が見られた。
隣に立つサーヴァントは更に変貌している。
常に静かな殺気と不敵な笑みを浮かべる青年だった筈の彼は、狂気に歪んだ笑みを浮かべ、ノイズ混じりの呻き声を上げている。
その真名は李書文。20世紀の中国を生きた武人であり、聖杯戦争でのクラスはアサシン。
その筈だった彼だが、今の鬼のような姿はバーサーカーのクラスが似つかわしい。
塔の上に現れた彼らが、再び光に包まれ、レオの待つフィールドへと送り込まれた。
近くで相対し、記憶よりも痩せ細った形相をレオへと向ける。
「さぁ終わらせてくれ」
ユリウスが発した言葉はそれだけだった。
彼とて、別に意識がある訳ではないのだろう。
このアリーナの相手として用意された、オリジナルのデータを模しただけのデッドコピーに過ぎない。
だから、レオのことを認識できる訳もなく、ただマリオネットのように示された動きをするだけだ。
「ですが、僕としては、貴方はそれだけの存在ではありませんね」
ユリウスの姿を見据え、レオは言った。
ただの人形と切り捨てる訳にはいかない。
彼という存在を再考し、自分の中で一つの答えを導き出さねばならない。
「ガウェイン」
「はっ」
「行きましょう。全力で、対等な立場の相手として」
レオの言葉は聞いたガウェインは、笑みを浮かべ、快活に承諾の意を示した。
構えられる剣。ユリウスらもまた、それに応じ臨戦態勢を取る。
Sword or Death “With what in your hand? Flame dancing, Earth splitting, Ocean withering...”
聖杯戦争で決戦に際し表示される文言をその胸に浮かべ、レオは己の白き剣を抜いた。
それを合図として、ガウェインが駆ける。李書文がそれを遮る。拳と剣が交差し、激しい攻防が始まった。
「ユリウス」
サーヴァントが激闘を繰り広げるのを余所に、レオは兄の幻影へと声を掛けた。
ユリウスの視線が揺れる。その瞳に映るのは、先ほどと何ら変わらない虚無だけだ。
恐らくそこには何も映ってはいまい。レオも、己の姿さえ。
だが、レオは違った。その瞳に映る己の姿を垣間見た。
「…………」
ユリウスは無言のまま、レオを見返した。
そして動き、何かを展開しようとする。コードキャストか。
魔術師として彼が、マスターであるレオを狙おうというのだろう。
「貴方に必要なものは、仕打ちへの謝罪でも、忠誠への労いでもありませんね」
レオは言う。そして、駆けた。
剣を構え、ユリウスに対し、迷うことなく走る。
そして、コードキャストが放たれるより速く、レオはその剣をユリウスの胸に突き刺した。
ユリウスの喉から、か細いうめき声が漏れた。
「貴方が死を迎えたのは必然でもなければ、当然でもありません。
――僕が貴方を殺したのです」
剣を握りしめたまま、レオは告げた。
自らの意志を、臆することなく威風堂々と、彼はユリウスに示したのだ。
ユリウスの身体が力なく倒れる。
同時にガウェインが書文を下してた。
そして、その場に立っている人間は二人だけとなった。レオとガウェイン。彼らの勝利だった。
レオはそれを決して当たり前のことだと思わない。因果応報の結末だとも思わない。
自分が『選択』した結果だ。そう思うことができた。
「さようなら、ユリウス」
血の付いた剣を引き抜き、レオは最後にそう告げた。
ユリウスの身体が薄くなり、消えていく。
元より死んでいた彼は、その顔に最後まで笑みも憎しみも浮かべないまま、こうして再びデータの海へと沈んでいった。
◇
連戦を終えたレオは、提示されたウィンドウに戦闘終了の意を示し、アリーナから出た。
褒賞はアイテムかポイントかを選べるようだった。今のところは装備に問題はなかったので、当初の予定通りポイントを選ぶ。
すると、528ポイント支給の旨が伝えられ、ステータス画面を確認すると確かにそう表示されていた。
半端な数字を見るに、対戦相手の強さに応じて入手ポイントが変るらしい。恐らくアリーナの参加回数なども影響している。
「さて」
一通り確認を終えたレオは、先ずそう切り出した。
その隣でガウェインが静かに佇んでいる。
「これからの行動ですが、幾つか選択肢がありますね」
アリーナでの調査はこれで一段落しただろう。
ならば、他のエリアに赴くべきだが、どこに向かうべきだろうか。
マップを開いて確認すると、このエリアから直接行けるエリアは二つ。
一つは日本エリア。ここで目を引くのは月海原学園だ。聖杯戦争の舞台となった場所。知っている通りの作りならば、干渉できる部分も多いだろう。
もう一つはファンタジーエリア。全体で最も広いエリアであり、中央に存在することからも人が集まる可能性が高い。
月海原学園に向かうとしても、ファンタジーエリアを経由していくというのも悪くない。
レオはガウェインを一瞥した。
すると、彼は微笑みを浮かべたまま、鷹揚に頷いた。
どんな選択にせよ、レオに付いていく。そんな意志を、無言のうちに示していた。
「そうですね……僕は――」
エリアの中心に存在するゲートへと視線を戻し、レオは自らの選択を告げた。
【G-1/アリーナ/一日目・黎明】
※エリアの外観はG.U.の闘争都市ルミナ・クロスですが、他にも施設が存在するかもしれません。
【レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ@Fate/EXTRA】
[ステータス]:消耗(中)、令呪:三画 、528ポイント
[装備]:ダークリパルサー@ソードアート・オンライン、
[アイテム]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本行動方針:バトルロワイアルを潰す。
1:他エリアへ向かう。
2:バトルロワイアルを潰す為の同志を探す。
3:2のついでに、ダークリパルサーの持ち主を探す。
4:もう一度岸波白野に会ってみたい。
[サーヴァント]:セイバー(ガウェイン)
[ステータス]:HP150%、健康
[装備] 神龍帝の覇紋鎧@.hack//G.U.
[備考]
※参戦時期は決勝戦で敗北し、消滅した後からです。
※レオのサーヴァント持続可能時間は不明です。
※レオの改竄により、【神龍帝の覇紋鎧】をガウェインが装備しています。
【アリーナについて】
エリア自体が交戦禁止エリアとなっており、他参加者へ攻撃しても当たりません。
代わりにエリアの受付で選手登録を行うことで、戦闘を行うことができます。
設定されたモードは以下の通り。
『サヴァイブバトル』:ランダムで選ばれるチームと連戦します。最大三人で参加できます。
『リミットバトル』:対戦チームを選んで戦います。最大三人で参加できます。
『デュエル』:時間制限付きの一対一の戦闘です。対戦相手として他のプレイヤーを選べます。
『???』:???(現在未解禁、解禁条件不明)
『デュエル』での戦闘申込みは一方的に可能です。拒否することができません。
戦闘に勝利することでポイント、またはアイテムを得ることができます。
またアリーナでの負けると、参加者は死亡します。
【ポイントについて】
バトルロワイアル内で使われる疑似通貨。
具体的に何に使えるかは不明。
最終更新:2013年05月03日 10:19