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Round.7 レースレポート

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 --- Super GT Championship Round.7 グランバレー・スピードウェイ 31LAPS 決勝レポート ---

三者三様のポディウム

 ファイナルラップまで優勝を巡る争いが続いた第7戦。ポディウムに立った3名はフィニッシュタイムこそ接近しているが、31週目のコントロールラインまでの道程はそれぞれ大きく異なるものだった。

 スタートで首尾よく混乱から抜け出したepiwaterはatitude0702、F1-720-1000、groove_holix、Hamilton_sennaらの2位争いが激化するのを尻目に快走を続け、10周を終えた時点で最初のピットストップを行いミディアムタイヤに交換。2ストップでの逃げ切りを目論んだ。2位争いの集団もこのタイミングでピットストップを消化し始め、牽制の応酬でペースが伸び悩む膠着状態が解けることになった。

 2ストップのストラテジーを採ったのはepiwaterのみで、その他のドライバーは揃って3ストップを選択した。atitude0702はファステスト獲得も視野に入れて第二スティントにはハードタイヤをチョイスし、groove_holixは混乱を避けるためソフトタイヤでピットアウト。第二スティント以降はタイヤの違いなどから多くのオーバーテイクが成立し、観戦者の視点でも状況を把握することが難しい、動きの多い中盤戦だった。

 優勝を巡る“遠距離のバトル”はファイナルラップに向かって劇的な収束を見せた。30周目終了時に暫定首位だったgroove_holixがハードタイヤ装着の義務を果たすためピットイン。7周使ってきたハードタイヤで必死のプッシュを続けるepiwaterがこれに先行し、ソフトタイヤで猛然と追い上げてきたatitude0702もピット出口でgroove_holixを抜いて2位に浮上。オーバーテイクポイントに乏しい第二セクターでatitude0702とepiwaterの攻防が繰り広げられたが、ターン8の立ち上がりでリアのコントロールを失ったatitude0702はウォールに軽くヒットしてマシンに傷を負い、レースはここで実質上の決着を迎えた。

 epiwaterは決して有利な選択をしたとは言えなかったが、ひたすら速く走るという力技で優勝という結果をもぎ取った。このレースで今季通算3勝目を挙げ、残り2戦をともに勝利で飾ればシーズン最多勝は確実なものとなる。無論簡単なことではないが、epiwaterに限ってはこのような展望も夢想ではない。シーズン5勝の金字塔を打ち立てられるか、あるいは誰かが立ちふさがるのか、最後の最後まで興味の尽きないシーズンになりそうだ。



接近戦

 第7戦では規定周回数の100%を消化したドライバーは10名で、富士スピードウェイで開催された第2戦の11名に次ぐ記録となった。トップから1分差以内のフィニッシュに限って言えば今シーズン最多の8名を記録しており、さらに1位から4位までは僅か8秒という僅差であった。単純に全員のレースペースが接近していたと言うことはできないが、全体のレベルが高まりつつあることを十分に感じられる結果だ。

 全体的にペナルティ対象になるようなインシデントも少なく、レーススチュワードもそれほど神経質にならずに済んだことだろう。インシデントやマシントラブルがモータースポーツの魅力的なスパイスであることは否定できないが、積極性と無謀を履き違えないクリーンなレースが土台にあってこそのドラマだということは常に心に留めておかなければならない。その意味で、この第7戦はクリーンとドラマティックを両立した今シーズン最高のレースであったと言うことができるだろう。



3ストップの選択が正解?

 優勝ドライバーは2ストップ。これは紛れもない事実だが、レース後に本人も述懐していたように3ストップの方が総合的なペースでは有利であり、epiwaterが最初のスティントで築いたマージンをフィニッシュ直前ではほとんど吐き出していたことも3ストップ戦略の有効性を証明している。2位争いの激化などによるロスがなければ、レースの結果が違うものになっていたことは十分に考えられる。

 但しepiwaterがソフトタイヤを10周で履き替えていることは、ペースを損なう原因となる選択であったように思う。ソフトタイヤ10周+ハードタイヤ8周で合計18周を走っているが、例えばこれをソフト12周+ハード6周に変更するとどうなるか。ソフトタイヤの11周目、12周目とハードタイヤの7周目、8周目のタイムを比較すると、これまでの傾向から言えばソフトタイヤの方が良いラップタイムを刻めるはずだ。

 無論、コーナー数の多いコースだけにデグラデーションが予想以上に大きかった…などといった理由で、早めに交換せざるを得なくなったという裏事情はあるかもしれないが、ベストな配分を見つけてさえいれば更に盤石な逃げ切りができていたのではないだろうか。

 次戦のスパ・フランコルシャンはレース距離が120kmということもあって、ドライであれば2ストップ以外の選択肢は実質的に存在しない。レイアウト的な問題からペースの良いマシンを“ペースメーカー”として利用する戦術を採ることができるため、その場合は必然的にペースメーカーの戦略を模倣することになる。一方でペースに勝るマシンのドライバーとしては当然、戦略を合わせられたくない。スティントの長さをずらす方法は対応されやすいとなると、スタートタイヤで戦略を外しにくることも手段の一つとしてあり得る。シーズンで最も高速なトラックは、最も高度な心理戦の舞台でもあるかもしれない。

◆参考データ
PSID PIT スタートタイヤ RS周回数 RM周回数 RH周回数 予選 決勝 順位変動
epiwater 2回 SOFT 10Laps(1) 13Laps(1) 8Laps(1) 1位 1位 0
atitude0702 3回 SOFT 23Laps(2) 7Laps(1) 1Laps(1) 2位 2位 0
groove_holix 3回 SOFT 22Laps(2) 8Laps(1) 1Laps(1) 4位 3位 ▲1
mizu312 3回 MEDIUM 24Laps(2) 1Laps(1) 6Laps(1) 11位 4位 ▲7
Hamilton_senna 3回 SOFT 22Laps(2) 8Laps(1) 1Laps(1) 6位 5位 ▲1
kgc10gtx 3回 SOFT 23Laps(2) 7Laps(1) 1Laps(1) 5位 6位 ▼1
F1-720-1000 3回 SOFT 21Laps(2) 9Laps(1) 1Laps(1) 3位 7位 ▼4
nattu-871871 3回 SOFT 24Laps(2) 6Laps(1) 1Laps(1) 7位 8位 ▼1
sugi_315 3回 SOFT 22Laps(2) 7Laps(1) 2Laps(1) 8位 9位 ▼1
mesev 4回 HARD 19Laps(3) 11Laps(1) 1Laps(1) 9位 10位 ▼1
wacf 3回 HARD 26Laps(2) 3Laps(1) 1Laps(1) 10位 11位 ▼1
  • mizu312は予選に出走せず最下位スタート。
※順位系の記録は暫定リザルトに基づいています。

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