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スナップ
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Elliott Erwitt Snaps
2007.3.28
スナップ写真ならまずはこれを
写真家にとって写真を撮ると云う事は、時には自分のためだけの写真を撮ることがあっても、通常はその写真を何らかの形で世に出すという事と不可分でありましょう。
また、写真の持つ機能として、「撮る:目の前の美しい風景を我が物にする」機能と「焼く:意味のある部分を切り取って複製する」機能を考えてみると、志向としてずいぶん違うことが出来るということが分かります。/p>
これらをひとまとめにすると(荒っぽい議論ですいません)、写真を撮る場合、撮影者は、今目の前の美しさ、自分がそこに居るという体験そのものという全体性に重きを置く事も出来れば、世界から不要な部分を排除し、意味のある記号だけを取り出して世に問うという事もできるわけです(従軍記者さんなんかは、目の前の情景から人一倍美しさを見つけてしまいがちなのをどう処理していらっしゃるのでしょうか)。言って見れば、プライベートとパブリックの間のバランスを一枚ごとに確定していることになる。またそう考えると逆に、すべての写真をスナップとして解釈する途が開けるかもしれません。/p>
白黒のスナップとなると、ロバート・キャパやアンリ・カルティエ=ブレッソンとかがまず有名だしかっこいいんですが(もちろんこれぞジャーナリズムというようなハードコアなショットもたくさんある)、彼等をパブリック直球勝負とするとこちらエリオットアーウィット氏はすんごくプライベート(地味なだけ?)。出来事を愛して止みません。耽溺さえ感じさせます。/p>
白黒のスナップというスタイルは基本の一つですが、そうは言っても写真の歴史はたかだか200年弱。これからも色んな人が試行錯誤を重ねて発展していきつつ、伝統というものが出来ていくんだと思います。そんな未来の写真家達は、この写真集をどのように見るのでしょうか。
DATA
- 版型
- 269 x 188 x 48 :544ページ
- 出版
- Phaidon Inc Ltd (2003/06)
- 言語
- 英語
- 参考リンク
- wikipedia「マグナム・フォト」
1/125
2007.3.28
1/125というシャッタースピードって確かに好いかもしれない。
内容(「MARC」データベースより)
1/125秒。それは写真家エリオット・アーウィットが最も愛するシャッタースピード。これまでにプライベートで撮り溜めた作品のうち126点の作品を集めた写真集。彼のもうひとつのまざざしが見えてくる。
1/125というシャッタースピードは、私にとっては速い。あるいは遅い。これは私の単焦点大口径主義によるものだ。酒を片手に撮るときは1/60の真剣勝負、場合によっては1/30の手持ちで少々ブレたくらいがいいときだってある。逆に昼間はf2.8固定で色のコントラストを撮る。最低でも1/250だ。しかしこの表題を見てふと考えた。人間の皺の一つ一つ、細かなニュアンス、水墨画にも繋がる線画としての表現、自分ではなく被写体の立場に立った場合、1/125という設定ができる情景と云うのはリラックスと審美眼が仲良く両立する世界ではなかろうかと。そして何と云っても基本だなと。
今でもフィルムの箱の内側には絞りとシャッタースピードの設定の目安が書かれています。晴れならf8で1/250秒とかね。ほんとはそれでいいんだと思う。ファインダーの中にヒストグラム映してどうすんのって。
大事なのはシャッターチャンス。そう受け止めました。
DATA
- 版型
- 296 x 214 x 14
- 出版
- ソシム (2003/08)
In-between(8)「ポルトガル、マルタ」
2007.3.28
内容(「MARC」データベースより)
13人の写真家がEU全25カ国を撮りおろす画期的な写真集。8巻は、鬼海弘雄が詩情あふれるポルトガル、人情にみちた小国マルタを撮る。迷路のような路地をさ迷い歩き、人々や町の姿をスナップショットで鮮やかに切り取る。
DATA
- 出版
- EU・ジャパンフェスト日本委員会 (2005/9/10)
- 版型
- 194 x 170 x 14
In-between(14)「 13人の写真家 25カ国 」
2008.3.28
内容(「MARC」データベースより)
13人の写真家がEU全25カ国を撮りおろす画期的な写真集。14巻はシリーズを締めくくる総集編。各国で「食・言葉・人」「石・壁」など共通のテーマで撮影された作品を掲載。EUがもたらす現状を考察したエッセイも収録。
ヨーロッパ(と言っても人によって範囲は様々でしょうが)の人たちが偉いなと思うのは、時々こうやって自分達を正直に振り返ること。神の前で嘘は付かないという感覚とか、教会で懺悔する習慣があるとか、そんな事と関係あるんだろうか。直感だけど、キリスト教、それも古き良きカトリックの好い処だなと思う。
EUができた後、「ヨーロッパの歴史」欧州共通教科書なんてのも真面目に作ってる。見習いたい心がけだと思う。
DATA
- 版型
- 172 x 148 x 24 199ページ
- 出版
- EU・ジャパンフェスト日本委員会 (2005/11/10)
