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新版国際法

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│新版国際法│


新版 国際法

田岡 良一, 小川 芳彦

神も仏もない世界にしないために

2007.12.5

戦時国際法

戦時国際法というものをご存知でしょうか。戦争中に適用される法であります。今は条約として明文化されたものもあり、なぜかオランダ人が管理したりしているのですが、それは兎も角、そもそも戦争犯罪人というのは戦争中にこの法を犯した者を指すのが本義です。

「戦時国際法」は「国際法」の中で、本来はかなりのボリュームを占めるものです。戦時国際法を学ぶために選んだのが本書(この手の本は通常とっても高いんですがこれは手頃)。

「生きて虜囚の辱めを受けず」

という言葉があります。これによって軍国主義国家日本の兵隊さんは玉砕を選んだし、沖縄の民間人は集団自殺をし、終戦後にソ連の侵攻を受けた樺太の電話局の女性たちは「皆さんさようなら」という通信を最後に命を絶った。

ということになっていますが、兵隊さんも民間人も、軍国主義を易々と信奉して国に命を報じたのではありません。当時、西欧列強と呼ばれた白人たちは日本人を始めとする有色人種を人間とは思っていないということは誰もが知る事実でした。植民地を作って搾取をしていたのは周知の通りですし、投降兵に機銃掃射なんてのは(特に米国)あたりまえだったようなのです。また、支那兵やロシア兵のモラルの低さについては記録に事欠きません。

「鬼畜米兵」

という言葉があります。米兵が来たら男は殺され、女は犯される、というやつです。南洋では事実そうだった可能性もありますが、日本人が本当に恐れていたのはロシア人だったと思います。「奴等ならやりかねない」本当にそう思っていたと思います。

戦争より非道い事態を避けるために戦争を選ぶ

「何故無謀な戦争を始めたのか」とよく言われます。私もかつてはそう考えていました。狡猾な英国が米国を引っ張り込み、国内のソビエト工作員が軍隊や政府にまで入り込んだのではどうしようもなかったかも知れません。そうであったとしても無謀というのは先祖に対する侮辱です。死より恐ろしいものがあるから死を賭して戦ったのです。死より恐ろしいもの、それは動物として扱われること、歴史や伝統という自分たちの存在意義を失うこと、そして何よりも自分たちの家族や隣人が精神的・肉体的に陵辱されて行くのを生きて目にすること。

そうやって考えると戦争する権利というのは、決して完璧とは言えないこの世に於いては、国としての人権のようなものだという事になります。大人たちが子供たちを守る権利、男たちが女たちを守る権利、女たちが男たちを奮い立たせる権利、と言い換えれば分かりやすいでしょうか。

つまり、ここで私が言いたいのは「戦争を無くす」前に「戦争より非道いものを無くす」ことが必要だということです。そしてそのための戦時国際法であるわけです。

参考

「国民のための戦時国際法講義」
http://touarenmeilv.ld.infoseek.co.jp/from1to2wlaw.htm

我が国の戦時国際法の権威、田岡良一博士によれば、第一次欧州大戦後、欧州諸国に流行した平和主義は、戦時国際法の研究に二つの悪影響を及ぼしたという。

一つは、大戦後に世界平和の維持を任務とする機構としての国際連盟の設立と不戦条約の締結を見た国際法学者の中に、戦争は今後減少の一途をたどり、戦時国際法は不要となることを信じてこの分野の研究を等閑視する傾向が発生したことである。大戦前、戦時国際法は、通例国際法教科書の約半分に達する紙面を与えられたが、大戦後に発行された欧州の教科書の多くは、戦時国際法の解説に全体の五分の一又は十分の一程度の紙面しか割かず、中には戦時国際法を単なる付録として取り扱い、又は全く省略するものまで現れたのである。

もう一つは、この平和主義をさらに煽り立てる為、暴力を本質とする戦争を法によって規律することは不可能であると唱え、戦争の惨禍の無制限性を強調して民衆の間に戦争嫌悪の念を強めんと計画する者が国際法学者の中にも生じたことである。

(中略)
従って世界各国が第二次世界大戦を真摯に反省し、戦争の惨禍の防止を国是とするならば、朝野を挙げて戦時国際法の研究に取り組むべきなのである。

詳細

単行本: 270ページ
出版社: 勁草書房; 新版版 (1986/04)
ISBN-10: 4326401060
ISBN-13: 978-4326401062
発売日: 1986/04
商品の寸法: 21.6 x 15.2 x 2 cm

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