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ワインづくりの思想
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ワインづくりの思想
麻井宇介
内容(「BOOK」データベースより)
良質なワインは何に由来するのだろうか。かつては、ボルドーやブルゴーニュだけが永遠に偉大な産地だとする銘醸地信仰があった。第二次大戦後、醸造技術の進歩と品種の世界的拡散によって風土の壁は乗り越えられ、新興産地が続出した。知識と技術を手にしたつくり手たちは、本当につくりたいものが何かを明確化してワインづくりに邁進している。日本のワイン水準を飛躍的に高めた醸造家が、酒づくりの到達点を示す。

以外と希有な、「作り手」が書いたワイン本。類書の中で別格の手応え。
2006.1
ワインに関する本は、それなりにたくさん読んだ(つもり)。その多くはワインの「飲み手」や「売り手」が書いたものだけれど、これは「作り手」が書いた本。しかも著者は日本や第三世界の実質的なワイン黎明期からずっとワインをつくり続けてきた人。ということは、フランスやイタリアという「本場」の「テロワール」の中で育ったワインを有り難がる世の人々を前に、ワインの味を本質的に決めているのは何かということをずっと探り続け、挑戦してきた人でもある。そして彼が得るに至った確信が何であったのかは読んでのお楽しみ。
数あるワイン本の中で別格。仏訳・伊訳されて本場へ逆輸入されてもおかしくない本だと思う。
- 著者略歴
- 麻井 宇介(「BOOK著者紹介情報」より)
- 本名・浅井昭吾。1930年(昭和5年)、東京に生まれる。1953年、東京工業大学工学部卒業。メルシャン株式会社を経て、現在国立民族学博物館共同研究員、酒造技術コンサルタント。元山梨県ワイン酒造組合会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 中公新書 (2001/09)