雪原の夢
白い。
視界は唯、一面の、白。
「はは…何やってんだろ…俺」
ソルさん、探しに行こうとして。
あの人に、道端の石のような目を向けられて。
その心の僅かも動かすことは出来なくて。
挙句、足手纏いになって、アイゼルさんに大怪我させて。
「本当もう…あはは…西さんに偉そうなこと言えた立場じゃないよなぁ…」
雪…暖かい。
あの銀髪のハンターに撃ち抜かれた脚は、もう、痛みすら伝えてこない。動かそうにも、脚が自分の体の何処についている器官で、どうやったら動かせたのか、思い出せなかった。
死ぬのはこわくない。
アイゼルさんをあんな目に遭わせた男に一矢を報いることも出来なかったのは、少しだけくやしい。
…あのひとのことを思うと、それだけが唯、他の何もかもよりも、…かなしい。
「おねーちゃ…にい、さ…」
俺がいなくなったら、義兄さん、どうなっちゃうだろう。
俺は…あんたみたいな吟遊詩人になりたかったんだ。
救えなかったな。なりたかったものとか…すきなこととか…全部、放り出してでも、俺、義兄さんにもう一度歌って欲しかったのに。
随分巧く…お姉ちゃんのフリ、してたと思うのにな。
あれ…やばいな。これ、もしかして走馬灯ってやつか?
「ソル…、…ヴィル…ール…さ…」
幸せになって。
どうせ最後なら、それだけを祈ろう。
幸せに、幸せに、幸せに。お願いです、神様――
視界は唯、一面の、白。
「はは…何やってんだろ…俺」
ソルさん、探しに行こうとして。
あの人に、道端の石のような目を向けられて。
その心の僅かも動かすことは出来なくて。
挙句、足手纏いになって、アイゼルさんに大怪我させて。
「本当もう…あはは…西さんに偉そうなこと言えた立場じゃないよなぁ…」
雪…暖かい。
あの銀髪のハンターに撃ち抜かれた脚は、もう、痛みすら伝えてこない。動かそうにも、脚が自分の体の何処についている器官で、どうやったら動かせたのか、思い出せなかった。
死ぬのはこわくない。
アイゼルさんをあんな目に遭わせた男に一矢を報いることも出来なかったのは、少しだけくやしい。
…あのひとのことを思うと、それだけが唯、他の何もかもよりも、…かなしい。
「おねーちゃ…にい、さ…」
俺がいなくなったら、義兄さん、どうなっちゃうだろう。
俺は…あんたみたいな吟遊詩人になりたかったんだ。
救えなかったな。なりたかったものとか…すきなこととか…全部、放り出してでも、俺、義兄さんにもう一度歌って欲しかったのに。
随分巧く…お姉ちゃんのフリ、してたと思うのにな。
あれ…やばいな。これ、もしかして走馬灯ってやつか?
「ソル…、…ヴィル…ール…さ…」
幸せになって。
どうせ最後なら、それだけを祈ろう。
幸せに、幸せに、幸せに。お願いです、神様――
白。