蝉の泣き声も段々と聞こえなくなって来たある日のこと
「今度の仕事はクレストからで補給でスチールバレー郊外の基地に止まる予定の輸送列車の護衛、
この基地の辺りが最近すごく物騒で野良ACも何機か確認されてるらしいの。
最近じゃテロリストも少なくなったから警備部隊を減らしちゃって、新しく手配するのに時間が掛かるって事で
会社に依頼が回って来たって事のようね。」
「で、今回は他の機体も出るみたい。上司に渡された資料によると
会社の人でランク13位のレイヴン「ヤナ」。とそのAC「チョールヌイ・オリョール」。
ショットガンとマシンガン、爆雷、マイクロミサイルを装備してる軽量機で、
上空からの強襲やドッグファイトを得意とする「戦闘攻撃機」よ」
「ふーん…その人と会えます?」
「作戦実行日は一週間後だから時間はあるわよ。アポを取ってあげても良いけど、それだと時間がかかるからねぇ…
明日、アリーナで彼女のランク防衛戦があるからレイヴン特権で格納庫で待伏せしとけば?
絶賛男日照り中の女レイヴンとか火遊び目的の男レイヴンとかと同じ目で見られるかもしれないけど」
「…仕方が無い、そーしますかね」
翌日、エンフィールドは昨日のブリーフィング通りにヤナに会う為にレイヤードのACアリーナへと来ていた
格納庫に備え付けられた巨大スクリーンには上空からの攻撃に対して対応しきれず、
装甲を削り取られていく無様なタンク型ACの姿が映し出されていた。
そしてその上空を高速で移動する黒い影、今日の目的のレイヴンとACだ
一般客には残像ぐらいしか見えない速さでアリーナを飛び回るその姿は正に黒い戦闘機
エンフィールドはそう思った
「今度の仕事はクレストからで補給でスチールバレー郊外の基地に止まる予定の輸送列車の護衛、
この基地の辺りが最近すごく物騒で野良ACも何機か確認されてるらしいの。
最近じゃテロリストも少なくなったから警備部隊を減らしちゃって、新しく手配するのに時間が掛かるって事で
会社に依頼が回って来たって事のようね。」
「で、今回は他の機体も出るみたい。上司に渡された資料によると
会社の人でランク13位のレイヴン「ヤナ」。とそのAC「チョールヌイ・オリョール」。
ショットガンとマシンガン、爆雷、マイクロミサイルを装備してる軽量機で、
上空からの強襲やドッグファイトを得意とする「戦闘攻撃機」よ」
「ふーん…その人と会えます?」
「作戦実行日は一週間後だから時間はあるわよ。アポを取ってあげても良いけど、それだと時間がかかるからねぇ…
明日、アリーナで彼女のランク防衛戦があるからレイヴン特権で格納庫で待伏せしとけば?
絶賛男日照り中の女レイヴンとか火遊び目的の男レイヴンとかと同じ目で見られるかもしれないけど」
「…仕方が無い、そーしますかね」
翌日、エンフィールドは昨日のブリーフィング通りにヤナに会う為にレイヤードのACアリーナへと来ていた
格納庫に備え付けられた巨大スクリーンには上空からの攻撃に対して対応しきれず、
装甲を削り取られていく無様なタンク型ACの姿が映し出されていた。
そしてその上空を高速で移動する黒い影、今日の目的のレイヴンとACだ
一般客には残像ぐらいしか見えない速さでアリーナを飛び回るその姿は正に黒い戦闘機
エンフィールドはそう思った
程なくして試合が終わり、スクリーンにはシステムダウンしたACから這いずり出てきて
脱力してるレイヴンとACを回収しようとするアリーナのスタッフ、そして自らの格納位置へと歩いて戻る黒いACが写っていた
ACはそのまま格納庫へと入って来、ハンガーに固定される
そしてコクピットハッチが開き、耐火スーツに身を包んだレイヴンが床へと降りて来た
レイヴンは歩きながらヘルメットを取ると纏めて収めていた背中程の長髪を解き、
手で後ろ髪をかき上げた
一本一本が細く、エルザのように綺麗な銀髪
まだあどけなさが残るが、シャープで眉目秀麗な美女であった
脱力してるレイヴンとACを回収しようとするアリーナのスタッフ、そして自らの格納位置へと歩いて戻る黒いACが写っていた
ACはそのまま格納庫へと入って来、ハンガーに固定される
そしてコクピットハッチが開き、耐火スーツに身を包んだレイヴンが床へと降りて来た
レイヴンは歩きながらヘルメットを取ると纏めて収めていた背中程の長髪を解き、
手で後ろ髪をかき上げた
一本一本が細く、エルザのように綺麗な銀髪
まだあどけなさが残るが、シャープで眉目秀麗な美女であった
エンフィールドは更衣室へと向かう彼女に歩み寄ると声をかけた
「ヤナさんですか?」
「…ナンパならお断りよ?」
「あー…今度仕事を一緒にさせて頂くsages glaveと言うとお分かりになるでしょうか?」
「…ああ、そう言えばそんなレイヴンが居たわね…初めましてかしら?貴方みたいな坊やが今回の仕事仲間だとは思わなかったわ」
「坊やって…これでも21ですよ?」
「あら、私と一つしか変わらなかったの…可愛い顔してたから十台に見えちゃったのよ。ゴメンね?」
「いえいえ、ヤナさんは幾つなんですか?」
「22よ、貴方より一つ年上。って言っても多分数ヶ月しか違わないと思うけどね・・・
えーっと、何て呼べば良いかしら?sages glaveだと呼び難いのよ」
「あ、本名はエンフィールド=フォーカスですのでエンフィールドと呼んで下さい」
そうこう話している内に更衣室に着くと彼女はエンフィールドに「覗くな」と釘を刺してから部屋へと入って行った
壁に耳を付けて中の様子を探ろうとするとジッパーを降ろす音の後、僅かに衣服の擦れる音が聞こえた
「ヤナさんですか?」
「…ナンパならお断りよ?」
「あー…今度仕事を一緒にさせて頂くsages glaveと言うとお分かりになるでしょうか?」
「…ああ、そう言えばそんなレイヴンが居たわね…初めましてかしら?貴方みたいな坊やが今回の仕事仲間だとは思わなかったわ」
「坊やって…これでも21ですよ?」
「あら、私と一つしか変わらなかったの…可愛い顔してたから十台に見えちゃったのよ。ゴメンね?」
「いえいえ、ヤナさんは幾つなんですか?」
「22よ、貴方より一つ年上。って言っても多分数ヶ月しか違わないと思うけどね・・・
えーっと、何て呼べば良いかしら?sages glaveだと呼び難いのよ」
「あ、本名はエンフィールド=フォーカスですのでエンフィールドと呼んで下さい」
そうこう話している内に更衣室に着くと彼女はエンフィールドに「覗くな」と釘を刺してから部屋へと入って行った
壁に耳を付けて中の様子を探ろうとするとジッパーを降ろす音の後、僅かに衣服の擦れる音が聞こえた
数分後、飾り気の無いシンプルな私服に身を包んだヤナが出てくると、エンフィールドは
何処かで仕事の打ち合わせをしようと持ち掛け、彼女は条件付でそれに応じた
「私ミッションばっかで近所以外にジールって歩いた事無いからお店知らないのよね・・・何処か美味しい所連れてってくれる?」
「ふむ・・・少々汚いですが味が保障されてる所なら一つ知ってますね、そこで良いですか?」
「うん、何処でもいいわよ」
「じゃあ行きましょうか」
何処かで仕事の打ち合わせをしようと持ち掛け、彼女は条件付でそれに応じた
「私ミッションばっかで近所以外にジールって歩いた事無いからお店知らないのよね・・・何処か美味しい所連れてってくれる?」
「ふむ・・・少々汚いですが味が保障されてる所なら一つ知ってますね、そこで良いですか?」
「うん、何処でもいいわよ」
「じゃあ行きましょうか」
「この店を初めてこの地に立ててレイヴンやアーキテクト達と共に苦節30年・・・長年続いた紛争が終ったり近くにグランドアリーナが建ったりと色々あったが、
まさかお前さんが女を連れて来るとは思わなかったぜぇ・・・俺は今ちょっと感動したぞ」
「ちょっとって・・・しかも私の彼女じゃなくて今度の仕事の仲間ですよ・・・」
「ほぉー、賢者の剣さんもとうとう上位ランカーと仕事を共にするようになったのか。オジサン、ちょっと感心したぞ」
「あはは・・・このピザほんとに美味しい・・・今度、作り方教えていただけます?」
「おう!こんなオッサンでいいなら何時でも聞きに来てくれ!」
「まったく・・・で、今回のミッションなんですけど・・・」
まさかお前さんが女を連れて来るとは思わなかったぜぇ・・・俺は今ちょっと感動したぞ」
「ちょっとって・・・しかも私の彼女じゃなくて今度の仕事の仲間ですよ・・・」
「ほぉー、賢者の剣さんもとうとう上位ランカーと仕事を共にするようになったのか。オジサン、ちょっと感心したぞ」
「あはは・・・このピザほんとに美味しい・・・今度、作り方教えていただけます?」
「おう!こんなオッサンでいいなら何時でも聞きに来てくれ!」
「まったく・・・で、今回のミッションなんですけど・・・」
「あー、美味しかったぁ」
「・・・ちゃんと私の話聞いててくれたんですか?」
「失礼ね、しっかりと聞いてたわよ・・・ヘマはしないから安心して」
「そうですか・・・信頼してますよ」
「さてと・・・最後はあそこを案内してもらおうかしら?」
そう言うと彼女は前方の巨大な建物を指差した
「・・・グランドアリーナなんて見たいんですか?レイヤードのアリーナと大して変わりませんよ」
「あそこは地下で見慣れてるし、ここには展望台があるんでしょ。アーキテクトなら何時でも入れるって聞いたけど?」
「そうですけど・・・仕方ないなぁ」
「・・・ちゃんと私の話聞いててくれたんですか?」
「失礼ね、しっかりと聞いてたわよ・・・ヘマはしないから安心して」
「そうですか・・・信頼してますよ」
「さてと・・・最後はあそこを案内してもらおうかしら?」
そう言うと彼女は前方の巨大な建物を指差した
「・・・グランドアリーナなんて見たいんですか?レイヤードのアリーナと大して変わりませんよ」
「あそこは地下で見慣れてるし、ここには展望台があるんでしょ。アーキテクトなら何時でも入れるって聞いたけど?」
「そうですけど・・・仕方ないなぁ」
「凄い・・・ジールの夜景ってこんなに綺麗だったんだ・・・」
警備員に事情を話し、アリーナに入れて貰ったエンフィールド達は屋上の展望台に居た
グランドアリーナはジール中心の丘陵地帯の真ん中に位置し、その屋上展望台からは新首都の全てが見渡せる
エンフィールドはエレベーター脇の壁によりかかりながら初めてみる新首都の夜にはしゃぐ彼女を優しげな眼差しで見つめている
「あ、マスター煙草吸ってる。あのオジサン出来上がってるわね・・・あ、こけた」
しかし、何か言葉がおかしい気がする
「・・・さっきから何言ってるんですか?」
「何って・・・下の光景だけど?」
「・・・望遠鏡も無いのに見えるんですか?」
「戦闘攻撃機の異名は伊達じゃないのよ・・・関係無いけどね」
「・・・とにかく、目が良いんですね・・・」
「そーゆうこと」
警備員に事情を話し、アリーナに入れて貰ったエンフィールド達は屋上の展望台に居た
グランドアリーナはジール中心の丘陵地帯の真ん中に位置し、その屋上展望台からは新首都の全てが見渡せる
エンフィールドはエレベーター脇の壁によりかかりながら初めてみる新首都の夜にはしゃぐ彼女を優しげな眼差しで見つめている
「あ、マスター煙草吸ってる。あのオジサン出来上がってるわね・・・あ、こけた」
しかし、何か言葉がおかしい気がする
「・・・さっきから何言ってるんですか?」
「何って・・・下の光景だけど?」
「・・・望遠鏡も無いのに見えるんですか?」
「戦闘攻撃機の異名は伊達じゃないのよ・・・関係無いけどね」
「・・・とにかく、目が良いんですね・・・」
「そーゆうこと」
程なくして二人はアリーナを出て警備員に礼を言うと
最寄の地下鉄に向けて歩き始めた
「携帯端末って今持ってる?」
「持ってますけど・・・何か?」
「いや、私のプライベートの連絡先を教えておこうと思って」
「え・・・いいんですか?」
「うん、別に減るもんじゃないし、仕事が終ったらまた何処か連れてってよ?」
「別に問題はありませんが・・・あったあった、これです」
「あら、ミラージュの最新型じゃない、いいわねぇ・・・」
「入社っていうか、組合に加入した時に貰わなかったんですか?」
「AC以外に何にも貰ってないわよ・・・これでよしっと。はいコレ、ありがとね」
「どーも」
そう言って端末を受け取ると、何時の間にか地下鉄の駅前に着いていた。
「それじゃあね、次は仕事で会いましょ」
「それでは」
「そうそう・・・デート、楽しかったわよ」
ヤナは満面の笑みでエンフィールドにそう言うと改札口へと向かって行った
「デート・・・そうか、デートか・・・」
一人固まるエンフィールドを残して
最寄の地下鉄に向けて歩き始めた
「携帯端末って今持ってる?」
「持ってますけど・・・何か?」
「いや、私のプライベートの連絡先を教えておこうと思って」
「え・・・いいんですか?」
「うん、別に減るもんじゃないし、仕事が終ったらまた何処か連れてってよ?」
「別に問題はありませんが・・・あったあった、これです」
「あら、ミラージュの最新型じゃない、いいわねぇ・・・」
「入社っていうか、組合に加入した時に貰わなかったんですか?」
「AC以外に何にも貰ってないわよ・・・これでよしっと。はいコレ、ありがとね」
「どーも」
そう言って端末を受け取ると、何時の間にか地下鉄の駅前に着いていた。
「それじゃあね、次は仕事で会いましょ」
「それでは」
「そうそう・・・デート、楽しかったわよ」
ヤナは満面の笑みでエンフィールドにそう言うと改札口へと向かって行った
「デート・・・そうか、デートか・・・」
一人固まるエンフィールドを残して