guistがネオニアに勝利しブレンの目の前に迫ってから数週間後
レイヴンや情報屋達が企業の依頼で特攻兵器の行方を追っている最中のことだった
エンフィールドやヤナもご多聞に漏れず捜索隊の護衛、拠点の制圧・調査に駆り出されていたが
ラインハルトだけはまた違った「任務」に就いていた
レイヴンや情報屋達が企業の依頼で特攻兵器の行方を追っている最中のことだった
エンフィールドやヤナもご多聞に漏れず捜索隊の護衛、拠点の制圧・調査に駆り出されていたが
ラインハルトだけはまた違った「任務」に就いていた
ジール西、大破壊以前の日本の渋谷やアメリカのニューヨークといった流行の発信地にあたる場所だ
服・食・ホビー、ここに来れば流行している物で手に入らない物は無いと言われる
この街のメインストリートを一組の若い男女が歩いていた
「ジール西なんて・・・何買うつもりなんですか?」
少女―エルザがラインハルトにショッピング街に来た理由を聞いた
「FFA公式FFゲームの最新作とミラージュの新ハード、あのシリーズ意外と面白いんだよ」
「・・・」
「何故そこで黙る」
無理も無い
服・食・ホビー、ここに来れば流行している物で手に入らない物は無いと言われる
この街のメインストリートを一組の若い男女が歩いていた
「ジール西なんて・・・何買うつもりなんですか?」
少女―エルザがラインハルトにショッピング街に来た理由を聞いた
「FFA公式FFゲームの最新作とミラージュの新ハード、あのシリーズ意外と面白いんだよ」
「・・・」
「何故そこで黙る」
無理も無い
「お会計4コームになりまーす・・・ありがとうございましたー」
「これで財布の中身は1.5コームか・・・」
「買い物、付き合ってあげたんだから御飯くらいご馳走してくれますよね?」
「そーいや口実作りで無理言って来て貰ったんだっけな・・・仕方ない」
本来ならラインハルトはアルティ戦を前に格納庫に缶詰状態になっている筈なのだが
それを今日はエルザに頼み込んで必要物資調達という口実の下にゲームを買いに来ているという訳だ
guistの経営母体「R.O.E」社CEOの娘であるエルザがguistの会計担当だったからこそ成し得た事である
「グランドアリーナは歩くと地味に遠いしな・・・泣所は無理か・・・」
ラインハルトがぼやくと
「ここからちょっと行った所にあるイタリアンレストランが凄く美味しいらしいんですよ。一度でいいから食べてみたいなー・・・」
エルザは巧妙な精神攻撃を行った
「・・・場所分からないから案内してくれ」
結局ラインハルトは折れた
「これで財布の中身は1.5コームか・・・」
「買い物、付き合ってあげたんだから御飯くらいご馳走してくれますよね?」
「そーいや口実作りで無理言って来て貰ったんだっけな・・・仕方ない」
本来ならラインハルトはアルティ戦を前に格納庫に缶詰状態になっている筈なのだが
それを今日はエルザに頼み込んで必要物資調達という口実の下にゲームを買いに来ているという訳だ
guistの経営母体「R.O.E」社CEOの娘であるエルザがguistの会計担当だったからこそ成し得た事である
「グランドアリーナは歩くと地味に遠いしな・・・泣所は無理か・・・」
ラインハルトがぼやくと
「ここからちょっと行った所にあるイタリアンレストランが凄く美味しいらしいんですよ。一度でいいから食べてみたいなー・・・」
エルザは巧妙な精神攻撃を行った
「・・・場所分からないから案内してくれ」
結局ラインハルトは折れた
数分後、二人がその店の前に到着するとドアが開いて一人の男が出て来た
金髪碧眼で容姿はジュブナイルのケージ=ロイヤーに優るとも劣らない
「ほう、誰かと思えばguistのシュタイナーか」
「メイルド=ブレン・・・」
メイルド=ブレン、言わずと知れたアルティのメインアーキテクトである
「こんな所で悠長にお食事か?油断してると寝首を掻かれるぞ」
「私はスケジュールに沿って動いてるだけだ、予定を狂わされるのが嫌いなんだ」
ブレンはそう言うと首を左右に振り、固まった骨を解すと
「メールでも言ったと思うが、レイディングに勝ったのを見て安心したよ。
君があの程度の男に潰されてしまっていたら私の立場が無かった」
「・・・」
「勿論、君なら私を楽しませてくれるのだろうな?期待しているよ」
ブレンはそう言って路肩に止めてあった車に乗ると直にその場を去った
「・・・ら、ラインハルトさん?」
「エルザ、急用が出来たから一人で食べててくれるか?俺は直に事務所に戻る」
「え、急用って・・・」
「とにかく、代金はこれで支払って貰っといて構わないから。じゃ、そーゆうことで!」
ラインハルトは財布からカードを抜き取りエルザに渡すと元来た方向へと走って行った
「折角の初デートが・・・」
金髪碧眼で容姿はジュブナイルのケージ=ロイヤーに優るとも劣らない
「ほう、誰かと思えばguistのシュタイナーか」
「メイルド=ブレン・・・」
メイルド=ブレン、言わずと知れたアルティのメインアーキテクトである
「こんな所で悠長にお食事か?油断してると寝首を掻かれるぞ」
「私はスケジュールに沿って動いてるだけだ、予定を狂わされるのが嫌いなんだ」
ブレンはそう言うと首を左右に振り、固まった骨を解すと
「メールでも言ったと思うが、レイディングに勝ったのを見て安心したよ。
君があの程度の男に潰されてしまっていたら私の立場が無かった」
「・・・」
「勿論、君なら私を楽しませてくれるのだろうな?期待しているよ」
ブレンはそう言って路肩に止めてあった車に乗ると直にその場を去った
「・・・ら、ラインハルトさん?」
「エルザ、急用が出来たから一人で食べててくれるか?俺は直に事務所に戻る」
「え、急用って・・・」
「とにかく、代金はこれで支払って貰っといて構わないから。じゃ、そーゆうことで!」
ラインハルトは財布からカードを抜き取りエルザに渡すと元来た方向へと走って行った
「折角の初デートが・・・」
ラインハルトはエルザを一人残して事務所へと走る
(楽しませるだと・・・ふざけるなよ帝王、目に物見せてやる!)
そんな事を考えながらひたすらに走り続けているとしばらくしてR.O.E社とその隣のguistの事務所兼格納庫が見えてきた
「首を洗って待ってやがれ、ブレンっ!」
そして叫びながら事務所へ駆け込んだ
(楽しませるだと・・・ふざけるなよ帝王、目に物見せてやる!)
そんな事を考えながらひたすらに走り続けているとしばらくしてR.O.E社とその隣のguistの事務所兼格納庫が見えてきた
「首を洗って待ってやがれ、ブレンっ!」
そして叫びながら事務所へ駆け込んだ
一方、車に乗り込んで自宅へと戻っている最中のブレンは
「セドリック、彼をどう思う?」
車を運転している使用人にそう問い掛けていた
「彼・・・先程の少年、シュタイナー様ですかな?」
「そう、彼だ」
「・・・どう、と言われましても私には血と硝煙の臭いしか」
「そうか・・・君は元レイヴンだったな。私は今日、実際に見てみて改めて面白い男だと思った」
「面白い、と言いますと?」
「先が見えないんだ、彼との戦いの行方が全く見えない・・・こんな感覚は初めてだ」
「ふむ、私には分からない感覚ですな・・・パパラッチの車が先程から後ろに張付いてます、振り切りますので少し揺れますがご勘弁を」
「お手柔らかに頼むよ・・・五日後が楽しみだ」
「セドリック、彼をどう思う?」
車を運転している使用人にそう問い掛けていた
「彼・・・先程の少年、シュタイナー様ですかな?」
「そう、彼だ」
「・・・どう、と言われましても私には血と硝煙の臭いしか」
「そうか・・・君は元レイヴンだったな。私は今日、実際に見てみて改めて面白い男だと思った」
「面白い、と言いますと?」
「先が見えないんだ、彼との戦いの行方が全く見えない・・・こんな感覚は初めてだ」
「ふむ、私には分からない感覚ですな・・・パパラッチの車が先程から後ろに張付いてます、振り切りますので少し揺れますがご勘弁を」
「お手柔らかに頼むよ・・・五日後が楽しみだ」
やがてラインハルトが格納庫に篭り、ブレンが分刻みのスケジュールを完璧にこなしながら五日が過ぎた
グランドアリーナ周辺の道路は大渋滞、歩道も人々で埋め尽くされ
両チームのu-ACをレイヴン組合に依頼してヘリで運ばなければならない事態にまで発展
この日はFFAの発表においてFF史上最大の観客動員数を記録したとの事であった
グランドアリーナ周辺の道路は大渋滞、歩道も人々で埋め尽くされ
両チームのu-ACをレイヴン組合に依頼してヘリで運ばなければならない事態にまで発展
この日はFFAの発表においてFF史上最大の観客動員数を記録したとの事であった
「私は今、グランドアリーナに来ています!凄い熱気に会場が包まれております!
それでは、私が今居る東側スタンドに居る観客の方にお話を伺ってみます。今日はどちらから・・・」
アリーナの外ではチケットを手に入れられなかったファンが持ち込んだノートPCに搭載されているTVがスタンドの様子を伝えていた
TVの周りにはアルティ・guist両チームのファンが集まり、試合の開始をじっと待っていた
また、TVを食い入るように見つめていたのはアリーナの周りのファンだけでは無い
あらゆる場所であらゆる人がこの戦いの開始を待っていた
家庭で主婦、学校で学生・教師、会社で社員が、そして戦場でレイヴンが世紀の瞬間を待ち望んでいた
「作戦時間終了、今から戻って間に合いますかね?」
「試合開始まで後40分ぐらいだからブースター出力を100%にしてスチールバレー支社に急行すれば見られると思うわよ、野良ACには気をつけてね」
「AC二機に単騎で挑む馬鹿はいませんよ。ね、ドクオさん」
「・・・マンドクセ」
「ね?大丈夫って言ってますし」
「私の耳が悪いのかどうか知らないけど・・・とにかく、気をつけて帰ってきなさいよ?」
「イエス、マム」
それでは、私が今居る東側スタンドに居る観客の方にお話を伺ってみます。今日はどちらから・・・」
アリーナの外ではチケットを手に入れられなかったファンが持ち込んだノートPCに搭載されているTVがスタンドの様子を伝えていた
TVの周りにはアルティ・guist両チームのファンが集まり、試合の開始をじっと待っていた
また、TVを食い入るように見つめていたのはアリーナの周りのファンだけでは無い
あらゆる場所であらゆる人がこの戦いの開始を待っていた
家庭で主婦、学校で学生・教師、会社で社員が、そして戦場でレイヴンが世紀の瞬間を待ち望んでいた
「作戦時間終了、今から戻って間に合いますかね?」
「試合開始まで後40分ぐらいだからブースター出力を100%にしてスチールバレー支社に急行すれば見られると思うわよ、野良ACには気をつけてね」
「AC二機に単騎で挑む馬鹿はいませんよ。ね、ドクオさん」
「・・・マンドクセ」
「ね?大丈夫って言ってますし」
「私の耳が悪いのかどうか知らないけど・・・とにかく、気をつけて帰ってきなさいよ?」
「イエス、マム」
現在、アルティジャーナ・テスタロッサ対guist1位攻防戦40分前