「会場にお越しの皆様、長らくお待たせ致しました・・・彼がFF界に現れたのは僅か1年前、圧倒的な速さでBリーグの敵を根絶やしにし、
Rリーグを駆け上っている若干21歳のルーキー・・・東ゲート、グリッド2・u-AC「閃鷹」とアーキテクト・エンフィールド=フォーカス!!」
司会者がそう高らかに叫ぶと、東ゲートから手にエンフィールドを乗せたACが歩いて来て開始位置に立った
同時に会場から歓声が沸きあがる
「そして西ゲート・・・数ヶ月前にデビューしたばかりのルーキーは留まる所を知らないキャノンボール・ボーイ!
黒い槍を操る少年はBリーグを制覇し、Rリーグをも制覇しようと言うのか・・・
グリッド1・u-AC「SchwarzLanze」とアーキテクト・ラインハルト=シュタイナー!」
こちらも同じく黒いACが西ゲートから歩いて出て来、開始位置に立つ
二人はお互いに軽く会釈するとACの手から降り、南と北のアーキテクト控え室へと向かう
そして二人が控え室に入り、ACが武装を手に持つと
スタンドの防護用超強化ガラスが閉まり、エネルギーシールドが展開
戦闘開始を告げるアナウンスが始まった
「これよりフォーミュラーフロントRリーグ公式戦、ジールエリア・グランドアリーナ第一回戦を開始します」
「「3…2…1…」」
カウントをアナウンスと共に観客が数える
「Ready・Go!」
開始の合図と共に2機のACが踊り出す
ド迫力のHi-レーザーライフルの咆哮
EOとMG、LRが織成す閃光の嵐
観客を満足させるには十分過ぎる視覚効果がアリーナに広がる
「ククク…ははは、あははははは!!!楽しい、実に楽しい戦いだ!さぁ、もっと私と踊ってくれ!もっと私を楽しませてくれ!」
白い巨人は弾丸を掻い潜り、カラサワが唸りを上げてエネルギーを吐き出す
「流石に強いな!だがそうでなくては意味が無い!さぁ、闘争を続けよう!」
黒い巨人は圧倒的な砲火を避けつつ、嵐を巻き起こす
こうして二人の狂人は交響楽を奏でる
狂気、闘争、凄烈、地獄、天国
どの言葉も当て嵌り、どの言葉も当て嵌まらない
究極の交響楽を奏でる
一般にアーキテクトが知の女神に魅せられた者達と言われているならば
彼らは、レイヴンは戦の神の化身と言えよう
常に闘争を求める大ガラスは闘争によって疲れ、闘争によって疲れを癒し、そしてまた闘争に明け暮れる
これがレイヴンの哀しい宿命である
「弾切れ!?ブレードに切り替えっ!」
残弾の無くなったHi-レーザーライフルを捨て
シールドを解除、格納ブロックを展開して
ブレードを腕へと接続
何度も見てきた光景なのに何故か観客は沸き上がる
「EO弾切れ、MG弾切れ、ゴーゴンが残り一発…賭ける!」
右手のMGを捨て、左手のLRに全てを賭す黒いAC
観客はまたもや沸き上がる
本能的に一騎打ちというシチュエーションが好きなのだろう
白と黒、剣と槍
お互いのプライドを賭け
戦士と戦士は最後の攻勢を仕掛け
Rリーグを駆け上っている若干21歳のルーキー・・・東ゲート、グリッド2・u-AC「閃鷹」とアーキテクト・エンフィールド=フォーカス!!」
司会者がそう高らかに叫ぶと、東ゲートから手にエンフィールドを乗せたACが歩いて来て開始位置に立った
同時に会場から歓声が沸きあがる
「そして西ゲート・・・数ヶ月前にデビューしたばかりのルーキーは留まる所を知らないキャノンボール・ボーイ!
黒い槍を操る少年はBリーグを制覇し、Rリーグをも制覇しようと言うのか・・・
グリッド1・u-AC「SchwarzLanze」とアーキテクト・ラインハルト=シュタイナー!」
こちらも同じく黒いACが西ゲートから歩いて出て来、開始位置に立つ
二人はお互いに軽く会釈するとACの手から降り、南と北のアーキテクト控え室へと向かう
そして二人が控え室に入り、ACが武装を手に持つと
スタンドの防護用超強化ガラスが閉まり、エネルギーシールドが展開
戦闘開始を告げるアナウンスが始まった
「これよりフォーミュラーフロントRリーグ公式戦、ジールエリア・グランドアリーナ第一回戦を開始します」
「「3…2…1…」」
カウントをアナウンスと共に観客が数える
「Ready・Go!」
開始の合図と共に2機のACが踊り出す
ド迫力のHi-レーザーライフルの咆哮
EOとMG、LRが織成す閃光の嵐
観客を満足させるには十分過ぎる視覚効果がアリーナに広がる
「ククク…ははは、あははははは!!!楽しい、実に楽しい戦いだ!さぁ、もっと私と踊ってくれ!もっと私を楽しませてくれ!」
白い巨人は弾丸を掻い潜り、カラサワが唸りを上げてエネルギーを吐き出す
「流石に強いな!だがそうでなくては意味が無い!さぁ、闘争を続けよう!」
黒い巨人は圧倒的な砲火を避けつつ、嵐を巻き起こす
こうして二人の狂人は交響楽を奏でる
狂気、闘争、凄烈、地獄、天国
どの言葉も当て嵌り、どの言葉も当て嵌まらない
究極の交響楽を奏でる
一般にアーキテクトが知の女神に魅せられた者達と言われているならば
彼らは、レイヴンは戦の神の化身と言えよう
常に闘争を求める大ガラスは闘争によって疲れ、闘争によって疲れを癒し、そしてまた闘争に明け暮れる
これがレイヴンの哀しい宿命である
「弾切れ!?ブレードに切り替えっ!」
残弾の無くなったHi-レーザーライフルを捨て
シールドを解除、格納ブロックを展開して
ブレードを腕へと接続
何度も見てきた光景なのに何故か観客は沸き上がる
「EO弾切れ、MG弾切れ、ゴーゴンが残り一発…賭ける!」
右手のMGを捨て、左手のLRに全てを賭す黒いAC
観客はまたもや沸き上がる
本能的に一騎打ちというシチュエーションが好きなのだろう
白と黒、剣と槍
お互いのプライドを賭け
戦士と戦士は最後の攻勢を仕掛け
そして勝負が決まった
「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ブレードの横薙ぎ一閃、膨大な熱量で敵を両断せんと閃光の刃が迫る
だれもが剣の勝利を確信した、しかし戦の神は笑わなかった
瞬間、ブースターをフルパワーで噴かした黒いACは宙に躍り出る
「!そうか…考えてみれば分かった事だ、剣では槍には届かないじゃないですか…」
最後の一撃は閃鷹の頭部を貫き、
システムダウンを引き起こした
「ランカーAC・玄槍…見事でした」
「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ブレードの横薙ぎ一閃、膨大な熱量で敵を両断せんと閃光の刃が迫る
だれもが剣の勝利を確信した、しかし戦の神は笑わなかった
瞬間、ブースターをフルパワーで噴かした黒いACは宙に躍り出る
「!そうか…考えてみれば分かった事だ、剣では槍には届かないじゃないですか…」
最後の一撃は閃鷹の頭部を貫き、
システムダウンを引き起こした
「ランカーAC・玄槍…見事でした」
「グリッド2行動不能!グリッド1の勝利です!」
「いやー、負けちゃいましたねぇ」
「まぁ仕方が無いか…まさか相手が新進気鋭のランカーAC、玄槍の中身だとは気が付かなかったわ…」
「素晴らしい戦いでしたよ、生中継の視聴率は恐らく30越え、明日の専門誌はguist特集でしょう」
「良いんだか悪いんだか…はぁ…」
「あー、私ちょっと鳥の泣所寄って来ますわ」
鳥の泣所とはグランドアリーナ近くにある安くて美味い飯と淹れたて紅茶が人気のアーキテクトの溜り場である
「はいはい…私はもう帰るわよー」
「バイバーイ…さてと」
「まぁ仕方が無いか…まさか相手が新進気鋭のランカーAC、玄槍の中身だとは気が付かなかったわ…」
「素晴らしい戦いでしたよ、生中継の視聴率は恐らく30越え、明日の専門誌はguist特集でしょう」
「良いんだか悪いんだか…はぁ…」
「あー、私ちょっと鳥の泣所寄って来ますわ」
鳥の泣所とはグランドアリーナ近くにある安くて美味い飯と淹れたて紅茶が人気のアーキテクトの溜り場である
「はいはい…私はもう帰るわよー」
「バイバーイ…さてと」
「いらっしゃーい!ん?エンフィールドか、今日の試合、残念だったなぁ」
「そーでもないですよマスター…自分の実力を再確認出来ましたし、何より楽しかった。紅茶とサンドイッチセットを」
「おうよ!っと、いらっしゃーい!」
可愛らしく舞う銀髪
先ほどの少女だろう
そしてもう一人
吸い込まれるような黒い髪
背丈は平均的な普通の男だが僅かに漂う硝煙の香りがレイヴンにレイヴンだと分からせる
「エンフィールド、お前さんを破った男がご来店だぞ」
「止めてくれよおやっさん、皆見てるし…」
「…ラインハルト=シュタイナーさん?」
「こうして話すのは初めてですね、エンフィールドさん。僕はラインハルト=シュタイナー、
こっちはエルザ=ローゼンバーグ。彼女の方はもう会っていると思いますが、以後お見知り置きを」
男が少女を紹介し、少女が軽く会釈する
どうやら、エルザと言う名前だったらしい
「どーも」
「そーでもないですよマスター…自分の実力を再確認出来ましたし、何より楽しかった。紅茶とサンドイッチセットを」
「おうよ!っと、いらっしゃーい!」
可愛らしく舞う銀髪
先ほどの少女だろう
そしてもう一人
吸い込まれるような黒い髪
背丈は平均的な普通の男だが僅かに漂う硝煙の香りがレイヴンにレイヴンだと分からせる
「エンフィールド、お前さんを破った男がご来店だぞ」
「止めてくれよおやっさん、皆見てるし…」
「…ラインハルト=シュタイナーさん?」
「こうして話すのは初めてですね、エンフィールドさん。僕はラインハルト=シュタイナー、
こっちはエルザ=ローゼンバーグ。彼女の方はもう会っていると思いますが、以後お見知り置きを」
男が少女を紹介し、少女が軽く会釈する
どうやら、エルザと言う名前だったらしい
「どーも」
「貴方の話は父からよく聞かされていました」
「?」
「覚えていませんか?十五年前のアライアンス重役の会議を狙ったテロリスト達の最後のテロの事を」
「…今でも鮮明に覚えていますよ…当時3歳だった私はガードとテロリストが
交戦する中を家に向かって走っていた、大切な物を取りに行く為に」
「そしてガードのMTの下を走り抜けようとした時、MTの下敷きになりかけた貴方を一機のACが助けた。
ACは少年を手に乗せると開いているシェルターへと急行した」
「何故その事を?」
「そのACに乗っていたレイヴンは僕の父なんです」
「…はぁ?」
「だから、僕は貴方を助けたレイヴンの息子なんです」
「はぁはぁ、で、その息子さんが私に何の用があると?」
「うっ、なんか嫌な人だなぁ…もしかして信じてないですか?」
「当たり前でしょう?ほぼ初対面の人間に命の恩人の息子だなんて言われても信じようが無いですよ。
第一、私の生存秘話なんて私の友人を調べれば出てくるようなもんじゃないですか」
「ううっ…性格悪いなぁ、あんなに強いアーキテクトなのに…」
信じないエンフィールド、誤解を解けなくて困るラインハルト
無理も無い。
「あ…あのー」
「ん?」
「え、エンフィールドさんは何を言えば信じてくれるんですか?」
「私とあの人しか知らない事」
「二人だけの秘密事ですか…そんなの言っていいのかなぁ…ありますか?ラインハルトさん」
「…あっ、一つあった」
「…なんで知ってんのかはおいといて、言ってみなさいよ」
「少年はシェルターに入る直前にレイヴンにこう質問した「どうしたらおじさんみたいな人になれるのか」と。
そしてレイヴンはこう答えた「少年、自分に誇りを持て」と」
「…マジであの人の息子さんなんですか?」
首を大きく縦に一回振るラインハルト
それを見てクスクスと笑うエルザ
「?」
「覚えていませんか?十五年前のアライアンス重役の会議を狙ったテロリスト達の最後のテロの事を」
「…今でも鮮明に覚えていますよ…当時3歳だった私はガードとテロリストが
交戦する中を家に向かって走っていた、大切な物を取りに行く為に」
「そしてガードのMTの下を走り抜けようとした時、MTの下敷きになりかけた貴方を一機のACが助けた。
ACは少年を手に乗せると開いているシェルターへと急行した」
「何故その事を?」
「そのACに乗っていたレイヴンは僕の父なんです」
「…はぁ?」
「だから、僕は貴方を助けたレイヴンの息子なんです」
「はぁはぁ、で、その息子さんが私に何の用があると?」
「うっ、なんか嫌な人だなぁ…もしかして信じてないですか?」
「当たり前でしょう?ほぼ初対面の人間に命の恩人の息子だなんて言われても信じようが無いですよ。
第一、私の生存秘話なんて私の友人を調べれば出てくるようなもんじゃないですか」
「ううっ…性格悪いなぁ、あんなに強いアーキテクトなのに…」
信じないエンフィールド、誤解を解けなくて困るラインハルト
無理も無い。
「あ…あのー」
「ん?」
「え、エンフィールドさんは何を言えば信じてくれるんですか?」
「私とあの人しか知らない事」
「二人だけの秘密事ですか…そんなの言っていいのかなぁ…ありますか?ラインハルトさん」
「…あっ、一つあった」
「…なんで知ってんのかはおいといて、言ってみなさいよ」
「少年はシェルターに入る直前にレイヴンにこう質問した「どうしたらおじさんみたいな人になれるのか」と。
そしてレイヴンはこう答えた「少年、自分に誇りを持て」と」
「…マジであの人の息子さんなんですか?」
首を大きく縦に一回振るラインハルト
それを見てクスクスと笑うエルザ
真夏のある夜、鳥の泣所には様々なアーキテクト達の昔話が咲き乱れた。