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アマギャル★127~ - (2010/07/07 (水) 01:04:36) のソース
★その127 午前2時ジャスト。みんなが寝静まったのを見計らってべッドから抜け出した。 物音を立てないように、慎重に玄関に向かう。 抜き足、差し足、忍び足。 「ふぅ…」 無事玄関に到着。誰も目を覚ました様子は無い。 セレン姉さん達に見つかると厄介だからな、第一段階成功だ。 改めて見る我が家は何故か感慨深かった。 別にこれっきりという訳でも、つもり無いが感慨深かった。 必ず戻るつもりだが…もしも、もしも戻れなかった場合の事も一応考えてある。 朝までに俺が戻らなかったら、ネストの所在地と事態の概要が 学園長に届くよう端末をセットしてある。 ついでに秘蔵のAV(アクアビットじゃないぞ。)や 見つかると恥ずかしい物は泣く泣く全て処分した。 万が一の場合もこれで安心だろう。 さて、第二段階。ACを取りに学園に行くか。 午前中に手筈は済ませてある。セキュリティにちょっと細工をさせてもらった。 誰にも見つからずにグローランサーを持ち出せる筈だ。 「いってきます…」 小声でそう言いながら踏み出そうとした俺の目に不審なモノが映った。 家の前に見慣れない大型車両が停まっている。 ピカッ 「うおっ、眩しい。」 大型車両からのハイビームで前が見えない。 ラナ・ニールセンの事があってから身の回りには注意していたが まさか、刺客が俺を殺しに来た!?片手で光を遮りながら身構える。 こんな所で殺されてたまるかよ! 「1人で行くつもりか?」 「えっ?」 この声…家で寝ていた筈じゃなかったのか? 光の中から現れたのはセレン姉さんだった。 「な、何の事?夜の散歩だよ。」 「お前は馬鹿が付くほど分かりやすい。」 結構慎重に行動していたつもりなんだけどな…バレバレですか。 「止めても無駄だよ。今回ばかりは譲れない、譲れないんだ。」 「お前が決めた事だ、とやかく言う気はない。 だが万全の状態で送り出してやりたいじゃないか―――――これを使え。」 バサッ 大型車両の荷台を覆うカバーシート。それが取り払われ、中から出てきた物は。 「AC!?」 青い二脚ACが横たわっていた。 「これは…」 「父さんの使っていたACを改修した物だ。 お前がレイヴン科に転科を決めた時からこつこつとな。 グローランサーを手に入れた時点で迷ったが 2機あっても困るものでもないと思って完成させた。」 「それにこの『バスターランサー』はアタシが考えたスペシャルなのよ!」 「ベ、ベアトリス!?」 「ありがたく使いなさいよね!」 「ヨウヘイさん、この子を使ってください。」 「アイビス、君まで…」 続々と集まる俺の家族。 なんだよ…みんなして…俺に秘密で… こんなの…作ってたのかよ…ちくしょう… 「ありがとう…」