パシフィックサーフライナー

Pacific Surfliner(パシフィックサーフライナー)は、アムトラックが運行する列車。

概要

「_パシフィックサーフライナーで、素敵な海沿いの旅をしましょう。パシフィックサーフライナーは、ワインで有名なサンルイスオビスポから、オールドタウンの雰囲気を残すサンタバーバラ、映画スタジオ街のバーバンク、アメリカ第二の都市ロサンゼルス、ディズニーランドの最寄りであるアナハイム、海沿いのオーシャンサイドを経由し、軍港の町であるサンディエゴまで約560kmを結んでいます_」
パシフィックサーフライナーは、南カリフォルニア地区を走行するアムトラックの中距離列車である。北はサンルイスオビスポからロサンゼルスを経由しサンディエゴまでを結ぶ。アセラエクスプレスノースイーストリージョナルに次いで三番目に乗車率の多い列車で、ノースイーストコリドーを除いた路線ではアムトラック一位の乗車率を誇る。全区間が非電化で、ディーゼル機関車による牽引もしくはキャブカーを先頭にしたプッシュプル方式で運転される。
アムトラックカリフォルニアに属している列車で、カリフォルニア交通局により資金援助を受けて運行されている。
名前の由来は、ロサンゼルス~サンディエゴのかつての所有者であったアッチソントピカ&サンタフェ鉄道(サンタフェ鉄道)線名サーフラインにちなむ。途中、太平洋のビーチ沿いを走行する非常に景色の美しい区間があり、まさに波乗り列車(Surfliner)といえる。

導入の経緯

パシフィックサーフライナーの運転されるロサンゼルス~サンディエゴはかつてのサンタフェ鉄道が1930年代よりサンディエガンという列車を運行していた。この列車はアムトラックに移管された後も運行を継続し、移管直後の1971年には往復が設定されていたものの1976年には運行本数を拡大、1988年にはサンタバーバラまで運行区間が拡大された。1995年には一往復がサンルイスオビスポまで延長され、サンディエガンという列車名がルートの範囲を反映しなくなったためにパシフィックサーフライナーへと名称が変更された。

運行形態

サンルイスオビスポ~サンディエゴの350マイル(563km)は平均速度66km/hで約8時間30分の所要時間を要する。最高速度は79~90mph(127km~145km/h)である。ベンチュラカウンティの広大な農地やロサンゼルスの平野、オレンジカウンティ、サンフェルナンドバレーは多少内陸を走行するが、そのほかの場所ではほとんどが太平洋のすぐ脇を走行する。
運行の基本は南側区間のロサンゼルス~サンディエゴ間で、一部列車がサンルイスオビスポ方面の北側区間へ延長運転もしくは区間運転している形態である。ロサンゼルス~サンディエゴは11往復の列車があり、そのうちの3往復がゴレタまで、2往復がサンルイスオビスポまで走行する。一部時間帯は線路を貨物列車で占有されてしまうため、アムトラックが運行するハイウェイバスによって補完されている。
南北区間を直通する列車はロサンゼルスで編成の向きが変わる。またサンディエゴ、サンルイスオビスポ、ゴレタの駅では機回しが不可能なためにすべての列車がプッシュプル方式で運転される。
オックスナードからサンディエゴ間は地域通勤列車も走行しており、
オックスナード~ロサンゼルスはメトロリンクのヴェンチュラカウンティライン、ロサンゼルス~オーシャンサイドはメトロリンクのオレンジカウンティライン、オーシャンサイド~サンディエゴはコースターが運転されている。この区間ではパシフィックサーフライナーは速達特急列車の役割も果たしている。

車両設備

すべて非電化区間なのでディーゼル機関車と客車による客車列車で運転される。前記のとおりロサンゼルスで列車の向きが変わり、折り返しで機回しができないためキャブカーが連結される。
基本は専用のディーゼル機関車EMD F59PHIと同じく専用の客車であるサーフライナー客車が使用されるが、利用客の増加にともなう列車本数の拡大によって客車と機関車が不足しており、GE P42DCで運行されることやサーフライナー客車の間にスーパーライナーコーチを挟み込んで運行されることのほうが多い。また一部編成はホライズン客車+アムフリート客車のシングルレベルで構成されている編成もある。シングルレベル編成はキャブカーが存在しないため、NPCUを連結もしくは両側を機関車で挟みこんで運転される。
すべての列車でビジネスクラスとカフェカーが連結されている。サーフライナーは旅客用の乗降扉が自動で開くが、スーパーライナーは手動であるため、スーパーライナーに乗車している乗客には隣の車両から降りることが車掌より伝えられる。

停車駅

駅名 MV MO CO PS
サンルイスオビスポ CA
グローバービーチ CA
グアドループ サンタマリア CA
サーフ ロンポク CA
ゴレタ CA
サンタバーバラ CA
カーピンテリア CA
ヴェンチュラ CA
オックスナード CA
カマリロ CA
ムアパーク CA
シミバレー CA
チャッツワース CA
ノースリッジ CA
ヴァンナイズ CA
バーバンク ボブホープエアポート CA
バーバンク ダウンタウン CA
グレンデール CA
ロサンゼルス ユニオンステーション CA
コマース CA
ノーウォーク サンタフェスプリングス CA
ブエナパーク CA
フラートン CA
アナハイム CA
オレンジ CA
サンタアナ CA
タスティン CA
アーバイン CA
サンホアンカピストリノ CA
サンクレメンテ CA
サンクレメンテピア CA
オーシャンサイド CA
カールスバッド ヴィレッジ CA
カールスバッド ポインセチア CA
エンシニータス CA
ソラナビーチ CA
ソレノバレー CA
サンディエゴ オールドタウン CA
サンディエゴ サンタフェデポ CA

凡例
CA-カリフォルニア
MV-メトロリンク ヴェンチュラカウンティライン
MO-メトロリンク オレンジカウンティライン
CO-コースター
PS-パシフィックサーフライナー
●-全列車が停車
○-一部列車が停車
レ-通過

編成表

SFCAB SFC SPC SFc SFC SFCAF SFB 機関車
←ロサンゼルス サンディエゴ,サンルイスオビスポ→
機関車 BG HZC HZC HZC HZC HZCAF AMB 機関車

凡例
SFCAB-サーフライナーコーチバゲッジキャブカー
SFC-サーフライナーコーチ
SFCAF-サーフライナーコーチカフェ
SFB-サーフライナービジネスクラス
SPC-スーパーライナーコーチ
HZC-ホライズンコーチ
HZCAF-ホライズンカフェ/ビジネスクラス
AMB-アムフリートビジネスクラス
BG-バゲッジカー
※編成の向きは列車によって異なる場合がある。編成はよく変更されるのでこの限りではない。シングルレベルの場合、片方の機関車がNPCUが連結されることがある。

関連項目

最終更新:2017年02月20日 01:00