「……メトレーヤ、か」
「どうしたの? ジヴーニャさん」

 鏡のように静かな湖面から、建物の群れが生えている――そんな、どこか幻想的な街並み。
 水没した街に架かる橋となった高架道路の上を、背広姿の女が二人、肩を並べ歩いていた。

「いえ。間接的にですけど、少し縁のある場所なので」

 答えたのは白金の長髪に翡翠の瞳、アルリアン人特有の長い耳をした美女――ジヴーニャ・ロレッツオだった。
「ふーん」とだけ呟いて、それ以上追及しようとしない赤色のタキシード姿の女は霧島レナ。バトルロワイアル開始直後に出会った彼女らは、共に殺し合いに乗っていないと言うことで、行動を共にしていた。

「それにしても、このメトレーヤってゾーンだけでも随分と広いよね。すぐ近くに居たボクらはともかく、他の参加者を探すだけで一日掛かっちゃいそうだよ」

 何気ないレナの言葉に、二十四時間以内に一人も死者が出なければ、全員の首が飛ぶことになると言うバグラモンの宣告を思い出し、ジヴーニャは一瞬沈痛な面持ちとなった。
 誰かが犠牲にならなければ、後一日もすればここに集められた皆が死んでしまう。主催者達は例外が存在するといったように説明していたが、咒式も使えない一般人であるジヴーニャがそれに当てはまるとは到底思えない。

 時計の針が一秒進むのは、その分だけ己の命が削れていることではないかと――ある意味で当たり前のことであっても、こうして追い詰められて考えさせられると、気が狂いそうになる。
 それでもジヴーニャは、自分が生きるために他人の命を啜るような――人間をやめるような真似はしたくなかった。
 その考えに賛同してくれた相手に、ジヴーニャは確認しておかねばならない事項を思い出し、問うた。

「ねえ、レナさん。バグラモンの言っていたこと……あのエルシアって人と同じぐらいの力を持った参加者が複数いるっていうのは、やっぱり本当なの?」
「うん。食欲魔人みーこも、獄卒のほむら鬼も……殺し合いに乗るとも乗らないとも、気紛れ過ぎてわからないけどね。エルシアを見たならわかると思うけど、彼女達には一つのゾーンを破壊し尽くすのに、そんなに時間は必要ないと思うよ」

 たった一撃で、半径数キロ圏内を焦土と化させる――ジヴーニャがこれまでに出会って来た、最上級の〈異貌のものども〉達さえも大きく上回る力を有した怪物と、同じ空気を吸っているかもしれないというだけで背筋に凍えるものを感じる。
 敢えて複数の会場(ゾーン)などゲームの進行を妨げる状況を用意したのは、その非効率さを補うに足る参加者が存在するためか。彼らが一つ一つのゾーンを侵攻する間に、力なき者達が何らかの対抗策を練れるようにするためではないかと、二人は何となく思っていた。

「乗っているとは決まっていないけど、その可能性が無視できないなら……生き残るための策を何か練っておかないとね」

 出会った時は――やはりこんな理不尽に巻き込まれてか、どこか取り乱した様子だったレナは、今はすっかりそんな気配を感じさせず、考えを述べて行く。頼もしいものを感じながら、彼女の言うことがどこまで本当なのか、今一歩信じ切れない自分がいることにもジヴーニャは気づいていた。

(……本当に、別の世界の人なのかしら?)

 出会ってすぐ行った情報交換で、咒式のことをレナは知らないと言った。咒式は当たり前の物として世の中に広く浸透しているのに対し、本人曰く世界の裏側まである程度の事情に精通しているレナが知らないと言うのはどうもおかしい。さらに世界的にも高い知名度を持つはずの大国であるツェベルン龍皇国やラペトデス七都市同盟の名をレナは聞いたことがないと言い、またジヴーニャも、レナの言う経済大国日本を知らなかった。疑問に思って互いの知識を整合させて行った結果、レナは自分達が異なる世界の住人だと言い出したのだ。

 彼女曰く、レナの世界には咒式などというものはなく――だが一方でジヴーニャは知らない異世界への回廊というものが、裏の事情を知る者達には当然の在るものとして知れ渡っているらしい。それ故に、そんな考えができたらしいのだが……

(でも、互いの言葉は通じているのに……?)

 そんな引っ掛かりを抱え、さらにそもそも悠長にしていられる状況でないとはわかっていても、ジヴーニャは他にも抱えた悩みに惑わされていた。

 始まりの広場でバグラモンから名を呼ばれていた元恋人――ガユス・レヴィナ・ソレル。
 自分を愛してくれて、国際事情や大国の陰謀を巡った結果ガユスと争うことになり、恋人を護るためにジヴーニャ自身が射ち殺したピエゾの勇者、ウォルロット・ウォルハーグ。
 悲し過ぎる境遇に生まれ、悲し過ぎるままに死んでしまった……ジヴーニャとガユスの別離の原因となった少女、アナピヤ。

 何故、死んでしまった者が名簿に載っているのか――主査者が死をも覆せるということ自体は実演していたが、それでもジヴーニャの内には疑問があった。
 今更自分は、どんな顔をしてガユスに会えば良いのか。何故わざわざジヴーニャを参加者に選び、また縁のある故人を蘇生して殺し合いなどさせるのか。そんな疑問がジヴーニャの思考を鈍らせていた。

 ――それ故に。正面から迫る悪意に気づくのに、ジヴーニャは遅れてしまった。

 もっとも――気づいたところで、彼女にはどうしようもなかったことだろうが。

      ◆

「おや、レナさんじゃありませんか」

 下り道の影から現れた男は、開口一番にそう、穏やかな歓喜を含んだ声を上げた。

「――パパ!」
「えっ?」

 ぱぁっと顔を輝かせ、速足で男に駆け寄るレナの様子に、ジヴーニャは思わず声を漏らした。

 知的な印象の縁なし眼鏡の男は、長い金髪こそレナと似た色をしていたが、顔立ちはあまり似ているとは言えない。もちろん家名が違うこともからも里親であるとは聞いていたし、咒式士のように老化への抵抗を持っているのかもしれないが、それでもまだ三十路前後と思われる若い男が成人した女性からパパと呼ばれている光景は、少しばかり奇異な眺めだった。

「その人が……アーチェスさん?」
「うん、そうだよ――会いたかったぁっ!」

 ジヴーニャの問いかけに、レナは眼前にいるのが彼女の言う最も信頼できる相手――彼女の父であるという男だと肯定しながら、その胸に飛び込むように抱き着いていた。

「よかった……もしパパに何かあったらどうしようって、ボク……ずっと気が気じゃなかったんだよ……」
「そうですか。それは心配をかけてしまいましたね……あ、そちらの御嬢さん。お恥ずかしいところをお見せしてしまって申し訳ありません」

 心底安堵した様子のレナと、柔和な笑顔で告げる男に、ジヴーニャも毒気を抜かれ、いえと緩く首を振った。それから自分も柔らかい笑顔を作って、自己紹介をすることにした。

「ジヴーニャ・ロレッツオです。アーチェスさんでよろしいですか?」
「はい。名簿にあるアーチェス・アルエンテとは私のことです。どうやら娘がお世話になったようで、何とお礼を言って良いか……」
「いえ、こちらこそ。こんなことに巻き込まれて心細かったのを、彼女には随分救われました」

 こんな時だろうと、いやだからこそ相手に自発的に協力する意志を抱かせるための社交辞令は大切だが、そればかりに時間を費やしてもいられない。最低限の礼儀を果たしたと判断して、ジヴーニャは本題を切り出した。

「娘さんから聞きました。アーチェスさんは、この殺し合いの首謀者の一人、あのマリーチという女性のことを御存じとか」
「ええ、よく知っていますよ。何しろ――」

 一瞬、アーチェスの瞳が――陽光を照り返す眼鏡の乱反射で、ジヴーニャの視界から隠れた。

「――私も、主催者の一人ですからね」

      ◆

 目の前で聖者のような笑顔を湛えた――自分達と同様首輪を嵌めた男の言葉が、ジヴーニャには一瞬理解できなかった。

「パ、パ――?」

 それは彼の娘を名乗るレナも同じようだった。驚愕に両目を見開いた彼女に、アーチェスは少しだけ申し訳なさそうに目元を歪める。

「すみませんね、レナさん。伝えるのが遅れてしまって」
「――ッ!」

 一拍の後、アーチェスの言葉が冗談でも何でもないと言うことに気づいたジヴーニャは、腰の後ろに隠しておいた支給品――回転式拳銃に手を伸ばした直後、アーチェスが手を翳したのを見たと同時に、猛烈なショックに襲われていた。
 不可視の衝撃に全身を殴打され、天地がひっくり返る錯覚に陥る。かつてバスの横転事故に遭った経験から何とか意識は持ち堪えたが、身体は即座には動かせなかった。いつの間にか拳銃も取り零してしまっていることに愕然とするジヴーニャを、アーチェスは静かに見下ろしていた。

「ジヴーニャさんは、少し大人しくしておいてください」
「――パパ!? ねえどういうことっ!?」

 驚愕と動揺のままアーチェスから数歩離れたレナが、そうヒステリックな叫びを上げる。
 対するアーチェスは、そんな時だというのに変わらぬ笑顔のまま、彼女の方を向いた。

「落ち着いてくださいレナさん。何も私は、あなたを見捨てるつもりはありません」
「――えっ?」

 父の言葉にきょとん、とした様子のレナへと、アーチェスは説明を始める。

「実はですね……気づかれてしまっていたのですよ。鈴蘭さん達に、私達の計画が」
「気づかれて……いた?」
「ええ、そうです。名簿でウィル子さんの名前を見たでしょう? 彼女を仕留め損ねていたのです……そして彼女から、私達の明確な立ち位置が、鈴蘭様達に発覚してしまっていた。それこそウィル子さんを仕留めたつもりだった、あの日の時点で、です」

 完全にジヴーニャを部外者とした会話が繰り広げられる。この隙にできることは色々あっただろうに、未だ身体の痺れは取れやしない。焦燥に胸の内を塗り潰されるジヴーニャには一瞥もくれずに、アーチェスはレナに身の上を語り始めていた。

「それを知った私は本当に困りましたよ。何しろ聖魔王とその円卓に、いよいよ完全に敵だと認定されてしまったわけですから。私達程度ではどう足掻いても勝ち目がない……邪神召喚の準備も済んでいない以上、どうしようもなく手詰まりだと思ったその時、救世主として現れたのがマリーチ様でした。
 彼女はバグラモン様と共にバトルロワイアルを計画していること、その実現のための協力を求めていることを話してくれました。元より彼女に逆らえる力など持ち合わせてなかった上、見返りとしてアルハザンを保護して貰えるとなれば、いよいよ選択の余地はありませんでした」

 呆然と立ち尽くすレナへと、アーチェスが長話をしている隙に。身体に自由な感覚の戻って来たジヴーニャは、この窮地を脱する方法を考えていた。

 長々と話をしているが――つまるところ要点は、アーチェスこそがあの時姿を見せなかった第四のジョーカーであり……少なくともジヴーニャの味方ではなく、その反対だということだ。

 先程、ただ手を翳す動作の延長として、ジヴーニャの身体は吹き飛ばされた。宝珠の補助や咒弾の消費もなく咒式を発動できる超級の咒式士か、また別の超常的な怪物か。どちらにせよ、ただの拳銃で対処できる範疇に収まっている相手とは考え難い。
 ならば打つべきは逃げの一手だが、いったい彼がレナをどうするつもりなのか、その意図がまだ見えない。……いや、殺し合いに乗っている男の下に、彼女一人を残して良いはずはないが、ジヴーニャ一人が逃げる算段もつかないのにどうすれば良いのか?

「しかも彼女達は、働き次第では私達の国を作る手助けまでしてくれると約束してくれました。私達の目指す魔人による統治は、かつてマリーチ様が真に目指されていた一切問題のない世界の、スペアプランとして機能し得ると……どこまで信じて良いのかはわかりかねましたが、私は承諾し、彼女達が隔離空間都市で活動するための手引きを行いました」

 そこでアーチェスの笑顔が、若干曇る。彼は俯き気味になりながら続けた。

「しかし、彼女らの選んだ参加者の中にあなたの名前がありましてね……何とか除外して頂くように嘆願したのですが、聞き入れて貰えませんでした」

 幾許かの悲哀や無念を滲ませた声で、アーチェスがレナに語り掛ける。

「そこで――私自身もジョーカーとしてバトルロワイアルに参加することを見返りに、二つの特権を付与して貰うことにしたのです」
「特……権?」
「ええ。一つは開始地点を、こうしてあなたの近くに設定するということ」

 戸惑うレナに、アーチェスはいよいよ本題を切り出していた。

「もう一つは……主催者の配下ではなく、協力者として招かれていた私が参加者となることで――任意の参加者を、バトルロワイアル開始後に、ジョーカーとしてスカウトするという権利です」
「――ッ!」

 驚愕の声は、レナとジヴーニャの口から同時に漏れていた。
 その言葉の意味を二人が噛み締めている隙に、アーチェスはさらに続ける。

「バグラモン様が説明しておられましたが……ジョーカー同士が潰し合う必要はありません。例え何人だろうと、残った参加者がジョーカーのみとなれば、その時点でバトルロワイアルは終了することとなっています。つまり、私とあなたが傷つけ合う必要はなくなるのです」

 アーチェスの言葉に、少なくとも外面からは嘘の様子は見受けられない。
 そのことにジヴーニャは、思わず歯を軋らせていた。

 アーチェスの申し出は、レナにとってはまたとないことだろう。何しろ愛する父と殺し合う事態を回避できる。またエルシアの攻撃にも動じなかったことから、それに比肩する力を持つと推測される三人のジョーカー達との協力体制をも築くことができる。そうなれば当然、彼女が生還できる可能性も一気に跳ね上がる。
 故に彼女が、父に誘われるがままジョーカーになってしまうという展開は十分に考えられる。
 それが現実の物となった場合、ジヴーニャは単身二人の危険人物と対面していることになる。その前に離脱した方が良いのは、最早火を見るより明らかだ。

「残念ながら、スカウトされれば今すぐジョーカー……というわけには行かず、マリーチ様やバグラモン様に認定して頂くための条件もありますけどね。当然その一つとして、あなた自身の合意も必要となります」
「――それ以上聞いてはダメです、レナさんっ!」

 だが、逡巡の末にジヴーニャが実際に取った行動は、逃走ではなく警告だった。

 ジヴーニャは思い出していた。出会った時、自分の言葉に頷いてくれたレナの姿を。
 そんな彼女が、生きるために血で手を染めるところなど見たくはない。誰だって良心がある以上、そんなことを本心から望む者などいるわけがない。
 それでも、狂ってしまった大切な父から強要されては――例え本心で忌避していようとも、愛を失わない為に他の愛を殺すことはあるのだと、ジヴーニャは身を以って知っていた。

 だからまずは彼女をアーチェスから切り離し、冷静さを取り戻させるべきだ。
 そう考えたジヴーニャは、声を張り上げたと同時に跳ねるように起き上がり、レナへと手を伸ばしていた。ちょうどアーチェスから見れば、彼の娘の背後に隠れるような位置を取ることで、攻撃を牽制する格好になる。

 娘ごと撃てはしまい――そして撃って来たなら、その事実自体がレナを説得する材料となる。そんな打算を働かせた末に伸ばした掌は、しかしあっさりと叩き落とされた。

「あっ……!?」
「……黙っててくれないかな、ジヴーニャさん」

 恐ろしく冷めた目をした、霧島レナの手によって。
 同時、アーチェスから迸った力の奔流に、ジヴーニャは先程よりも一層強く打ちのめされる。

「――あぐっ!?」
「今、ボクはパパと話をしてるんだよねぇ。おまえの話なんか聞いてないんだよ」

 一転、汚物を見るような目つきとなったレナがそう吐き捨てたのが、ジヴーニャにも見えた。

「レナ……さん?」
「――ねえパパ。わざわざ聞く意味なんかないよ。パパがなれって言うなら、ボクはなるよ。ジョーカーに」
「それを聞けて一安心です」

 まるで進路志望で親の希望に応える学生のような笑顔のレナと、その返事に胸を撫で下ろすアーチェスと……幾つもの擦過傷を負い、血と埃で服を汚して倒れ込むジヴーニャは、同じ場所にいながらも、完全に別世界の住人だった。異常な親子から、女は完全に無視されていた。

「それで、パパ。正式に追加ジョーカーになるには、他にもまだやらなくちゃいけないことがあるんだよね?」
「ええ。とはいえ、そこまで無理難題でもありません。スカウトを受け、それを承諾した後、バトルロワイアルが終結するまでにジョーカー以外の参加者を三名以上殺害すること……中にはアウターやそれに比肩する実力者も確かにいますが、常識的な参加者も大勢いますからね」
「あのヒキコモリや……そこの奴、みたいな?」

 ちらりと冷めた目線で見下されて、ジヴーニャは全身が悴むのを感じた。
 未だ震えの取れない右腕を何とか動かし、唯一の武器である拳銃へと手を伸ばそうとするのを彼らは確かに見ているはずだが、蟻の行進のように無視して会話を続けていた。

「はい。しかしレナさんには、ガーベスくんほどの戦闘力もありませんから少々骨が折れるでしょう。そこでこれは、私からのプレゼントです」

 そうアーチェスが虚空から取り出したのは、赤と黒と金で着色された携帯端末だった。

「レナさん、レンジャーキーという支給品はありませんでしたか?」
「えっ? あ、うん。あったけど……」

 レナがごそごそとポケットを漁る隙に、ジヴーニャは後少しで拳銃に手が届くというところまで来ていた。

(……ガユスっ!)

 絶望に押し潰されそうになる心を――今更恥知らずなのはわかっていても、優しい顔立ちをした赤毛に眼鏡の元恋人の姿を思い描くことで奮い立たせ、ジヴーニャは手を伸ばす。

「それをこうやって、こっちのモバイレーツもこう変形させて、こう……ゴーカイチェンジ! って掛け声で挿し込んでみてください」
「――っ、そこまでです!」

 妙にノリノリでアーチェスが解説していた隙に、ジヴーニャは遂に銃を回収し、二人へ突き付けていた。
 きょとんとした表情のアーチェスに、今更通用するとは思っていない。だが彼がまた衝撃波を放つ動作に入る前に、引き金を絞り切るぐらいならできる。
 そして狙うのは――無駄弾になるとわかっているアーチェスではない。

「レナさん、もうやめてくださいっ!」

 言いながら、ジヴーニャは構えを崩さずに立ち上がった。

「最初に会った時、殺し合いに乗らないとあなたは言いました。他人の命を犠牲にして、一人だけ生き残ろうなんて間違っているという言葉に、あなたは頷いてくれました! それを……っ」
「ごめん、それ嘘」

 アーチェスから受け取ったモバイレーツと、自身の取り出した赤いレンジャーキーを両手に持って、レナはあっさりと言い放った。

「別に、この殺し合いに呼ばれた奴らなんて……元々ボクはパパ以外、どうでも良かったんだよね。知り合いだって、パパの邪魔をする敵ばっかりだし」
「なっ……それでも、あなたも見たでしょう!? ここには子供達だって何人も……!」
「ボクらはね、ジヴーニャさん。目的のためには、多少の犠牲は厭わないんだ」
「……ッ!」

 同行者から完全な危険人物へと変貌した相手へと、ジヴーニャは引き金を振り絞る。

「――ゴーカイチェンジ」

 そこから銃弾が放たれる寸前に、レナもまたレンジャーキーをモバイレーツに挿し込んだ。

《マァ――ジレンジャァーッ!!》

 発砲音と重なった、妙に暑苦しい電子音声が朝焼けのメトレーヤに響き渡る。
 そして届いたはずの銃弾の行方は、レナの全身を覆った赤い光によって掻き消された。
 突然の発光にジヴーニャの視界が塗り潰された次の瞬間、彼女の首を強い圧迫が襲った。

「……正直さ、最初から気に食わなかったんだよね」

 高位の前衛咒式士と同等以上の握力で首を絞められ、酸欠で視界を明滅させながら、ジヴーニャは眼下の敵手を視界に収めた。

 レナは、全身をタイツのようなコスチュームに包み、それと同じ赤い色のマントを靡かせた奇妙な格好へと変わっていた。頭部を包んだ赤い仮面の、鳥を象ったような黒いバイザーからは、彼女の仄暗い憎悪すら覗かせる視線がジヴーニャを睨み返していた。

「自分が生きるために他人の命を啜るのは人間じゃない、だっけ……どう見ても富裕層の格好で言われても、全然説得力ないよね」

 そう告げるレナの目は、ジヴーニャを通して、別の誰かを見ていた。
 左手で自身を絞殺せんとする彼女の右腕を掴みながら、ジヴーニャは右に掴んだ拳銃を持ち上げ、レナの胸元目掛けて発砲した。
 だが――二発連続で放たれた銃弾は、彼女の纏った薄っぺらなスーツの表面に弾き返されて、微動させることもできなかった。
 至近距離から銃撃されたことをまるで意に介さず、レナは淡々と続ける。

「別に、ボクがそうだってわけじゃないよ? でもさ、多分ジヴーニャさんが良い服を着て、おいしいご飯を食べるために、毎日貧しい国や地域の人間が死んでるんじゃないかな」
「それ、は……っ!」

 圧迫された声帯を震わせ、何とか絞り出した声はしかし、レナには届かなかった。

「ジヴーニャさん、ただの会社員だって言ってたよね? パパやボク達みたいに戦地や貧困地に赴いて、そこの人を助けようとはしてないよね? 自分達の娯楽ばっかり追い駆けておいて、よくそんなこと言えるなって感心したよ!」

 叫びとして叩きつけられた激情に、己が知らぬまま相手の地雷を踏んでいたことを、ジヴーニャは今更気づいた。
 そしてその弾劾を退ける資格がないことも――自分達の生活のために異国とそこに住む人々を犠牲にする決定打を、事実直接放った自分にはないことを、ジヴーニャは痛感していた。

「そういう口先ばっかりの嘘吐きがさ、パパの邪魔をして! 自分が楽しいからって見て見ぬフリしてさ! だからパパは! ボクらは! いつまで経っても苦しんでるんじゃないかっ!」

 レナの左手が、拳を固めてジヴーニャの右腕に叩きつけられる。鉄槌に等しい一撃に視界が真紅に染まり、ありえない角度に曲がった腕から生じる、痛みを通り越した灼熱にジヴーニャは喉から声にならない悲鳴を漏らす。
 レナの暴行は、そこで終わることはなかった。右手で掴んでいたジヴーニャの身体を、レナは路面へと力任せに叩きつける。堅い道路との激突し、息を詰まらせたジヴーニャに次の呼吸をさせる暇もなく、堅い爪先が身体の端から襲い掛かって来る。そのたび何かが砕ける鈍い音を聞きながら、ジヴーニャは痛みから逃れるように、必死に身を丸めようとしていた。
 レナはそんな彼女の急所を敢えて外し、執拗な暴力を揮い続ける。

「そりゃこんな状況じゃ、そんな勘違い野郎でも盾には欲しいからね! 保身ばっかのクズに取り入ろうって頑張ってみたけどさ! まるで徒労だったよね、バカみたいだよ!」

 残虐な愉悦に酔った哄笑が、急に途切れたのは――何か救いが訪れたわけではなく、単純にもう、自分の耳が聞こえなくなったためだということは、ジヴーニャにもすぐに理解できた。

 片方が潰れた、蹴られるたびに揺れる視界の端には、こちらの様子を眺めているアーチェスがあの聖職者然とした笑顔を消して……意地の悪い笑顔で、上唇を舐めているのが映った。
 そこでジヴーニャと目が合ったことに気づいた彼は、人差し指を唇の前に持ってくると――その顔を一瞬、金色の靄で覆った。
 それが晴れた後の姿に、ジヴーニャを甚振るのに集中しているレナは気づかなかった。それを目にしていたジヴーニャは、既に声を出せる状態ではなかった。

 レナが気づかないままに、再び金色の靄が男の姿を隠したと同時に。装甲されたレナの爪先が、唸りを上げてジヴーニャの顔面に迫っていた――

      ◆

 大きく水の跳ねる音が、高架橋の下から聞こえて来る。
 高く舞い上がった水飛沫が揃って落下を始めた辺りで、霧島レナはマジレッドへのゴーカイチェンジを解除した。

「お疲れ様です、レナさん」

 労いの言葉と軽い拍手と共に、アーチェスが歩み寄って来る気配がわかった。
 眼下には、周囲を赤く染めて行く、無惨な女性の死体が水面に浮いていた。

「単に殺すのであれば、最初に首を折ってしまうだけで十分でしたが、それでは身体にその力を揮う感覚を馴染ませることもできません。だから敢えて一息に殺さなかったのは正解でした。戦闘の試用は彼女程度では務められないので仕方ありませんが、それは追々で十分でしょう」

 つまり自分は、父の意図を的確に読めていた。期待に応えられない要らない子じゃなかった。
 そう安心に胸を撫で下ろすと、今度は自らが手を下した同行者の凄惨な姿に、今更ながらの罪悪感が湧き上がって来る。

「……彼女を殺したことを、気に病む必要はありません」

 そんな胸の内を見透かしてか、アーチェスがレナに言葉を掛けた。

「あなたの指摘は、あなたが思っていた以上に正鵠を射ています。ジヴーニャ・ロレッツオは元居た世界にて、偶然ながら各国間での政治的な暗闘に関わりました。そして自国のために、ピエゾという小国と、そこに住む人々を犠牲にするという、その最終選択を担った人物なのです」
「……だから、死んで当然って言うこと?」
「いえ、そこまでは言いません……ただ、あなたが先程吐き出した憎しみが本心であるなら、その通りの相手だったということです。……いえ、今のは少し卑怯な言葉かもしれませんね。あなたは私の期待に応えて、彼女を殺害するため……それも一思いに殺すのではなく、甚振り続けるために。必死で彼女に対する憎しみを用意したのでしょうから」

 そっと、優しく。アーチェスの掌がレナの肩に置かれる。

「ですが、あなたが揮ったのは今まで窘められてきたような、無意味な暴力ではありません。ジヴーニャ・ロレッツオの命は、私達家族の宿願を達成するために必要な犠牲だったのです。……そのためにあなたの手を汚させてしまったことは、いくら謝罪したところで足りないのかもしれませんが」

 表情を曇らせたアーチェスに、咄嗟にレナは首を振った。

「……ううん、良いよ。ボクはパパが言うことを信じる。それでボク達の理想が叶うんだって」

 レナの脳裏には、あの日自分を助け出してくれた父の姿が、その笑顔が蘇っていた。

 この人こそが、ボクの現人神。この人の目指す理想の国こそが、ボク達のユートピア。
 そこに辿り着くために、自分達を、未だ世界中で生まれ続けている不幸な子供達を導くために、どれほどこの人が苦労を重ねているのかを、レナはよく知っていた。
 十分過ぎる力を持ち、哀しいことは嫌だと言いながらその根源を正そうともせず、そのくせ犠牲が出るのはダメだと父の邪魔をする聖魔王一派も……たかが騙りのヒキコモリの分際で父を最も困らせた、あの川村ヒデオのことも、レナは強く憎んでいる。彼らに通じる口先ばかりの正義を語るジヴーニャに対し、不快感を覚えていたのは事実だった。

「そういえば……結局、本当に別の世界の人間だったんだね。あの人」

 己のBRデバイスに自身が殺害したジヴーニャがデバイス内に残していた支給品が届いたのを確認しながら、彼女は父に確認を求めた。

「ええ。この殺し合いの参加者は、複数の異世界から集められています。そもそもバグラモン様自身が、私達とは別世界の住人ですからね」

 エルシアを屠るほどの力を持ちながら、道理で聞き覚えのない名前だったわけだと納得し、レナはジヴーニャの取り零していた拳銃を回収する。予備弾薬は既にデバイス内に届いた物を取り出しておいたので、消費分を補充しておく。

「先程口にした通り、その中にはアウターにも匹敵するような戦力を有する者もいます。レナさんの装備でも、さすがに彼らと争うのは無謀でしょう。遭遇してしまった際は、極力逃げるようにしてください」
「……ってことは、やっぱり?」
「ええ。私以外のジョーカー……バグラモン様直属である三元士の皆様は、アウター級の実力を持つ参加者です。みーこ様達との戦いは彼らに任せて、我々は露払いに専念しましょう」

 その言葉に頷いて、共に出発しようとしたレナだったが……そこでアーチェスが首を振った。

「――残念ながら、しばらくは別行動を取ることになるでしょう」

 そうアーチェスに告げられ、一瞬レナは取り乱しそうになった。

「序盤から同行していては、人数減らしの効率も下がってしまうとマリーチ様に釘を刺されていまして。先程も言いましたが、あの方の機嫌を損ねてしまうのは避けるべきです。あなたの首輪を解除しないのも、ステルスマーダーとしての戦術を阻害する恐れがあると言う以上に、そういった理由があるためです」
「そんな……でもじゃあ、パパがいない時に三元士に会ったら大変なんじゃ……」
「いえ、その点には私の名前を出して、ジョーカーにスカウトされた旨を伝えて貰えれば心配ありませんよ。そのためにわざわざ、彼らの姿を全参加者の前で紹介して貰って、あなたにも見分けがつくようにして貰ったのですから」

 納得する一方、やはりまだ寂しさを拭え切れないレナの様子を見て、アーチェスは仕方ないとばかりに笑った。

「大丈夫ですよ。私は死にませんし、レナさんを見捨てることもありません」
「でも……アウターみたいなのが、何人もいるんでしょ?」
「そうですね……しかし、レナさんも見たでしょう。マリーチ様なら死者の蘇生も夢ではないということを。それこそバトルロワイアルで彼女の期待に応えれば、カムダニアで亡くした子供達……あなたの兄弟だって、生き返らせることができるかもしれません」

 アーチェスの声が少しだけ、そこに込められた決意の分だけ強くなったのを、レナは微かに感じ取った。
 カムダニアの紛争に介入した時――それまでで最も、夢の実現に近づいたあの時。結局全ては徒労に終わり、レナやガーベスよりも上の世代の子供達を皆喪ってしまったあの時から。父がそれまで以上に酷く疲れた表情を見せるようになったことに、レナも薄々気づいていた。

「私は犠牲を惜しみませんが、もうこれ以上家族を喪いたいとも思っていません。もしもの時があれば、必ずや私が手を尽くし、あなたを取り戻してみせます。また、逆の時があれば……まだ私が必要だと思ってくれるのなら、レナさん。あなたが私を蘇らせてください」
「っ! ……うん、わかったよ。パパ」

 最愛の父から、そこまで想われていると言うこと。またそこまで期待されているということに満たされた気持ちになりながら、レナは笑顔で頷いた。

      ◆

 レナに要注意となる参加者やギミックを伝えた後、二人は別の方向に向けて歩き出した。
 建物の影に隠れた後、レナと互いの姿が見えなくなったアーチェスは、それまでとは異なる、酷く冷たい笑みを浮かべた。

「まったく……簡単過ぎて拍子抜けするところですね」

 口調はただ慇懃なだけでなく、嘲りの色を含んだ物へ。
 同時にアーチェスの全身を金色の靄が覆い、それが晴れると全く別の姿へと変わっていた。

「スーパー戦隊の力を与えたところで、本人の実力から考えれば大したマーダーにはなれないでしょうが……頭数も大切だとでも思っておきましょうか」

 アーチェスより短い代わりに、より黄金の色が凝集されたかのような小麦色の髪。中肉中背の身に纏うは東洋の、大陸風の赤と金を基調とした豪奢な服。派手な出で立ちに反比例するかのように、底なしに暗い黒瞳をした男が、独特の抑揚でそう呟いた。
 その者は――かつて自らが招いてしまった人魔の争いを憂いた、魔人組織アルハザンの頭目、アーチェス・アルエンテ……などではない。

 彼こそは、古来より人の子らを時に導き、時に惑わし、弄び続けて来た幻獣の長。
 永劫の時を生きる己が退屈を紛らわせるために、邪な愉悦を求め続ける最悪の存在。
 其の名を、無間龍ロンと言った。

 ロンはコツコツと、わざとらしく靴を鳴らしながら、湖面を漂っているジヴーニャの遺体を目に収められる位置へと移動した。残虐な行為の痕を色濃く残した死体を眺めるロンの表情が歪んで、喜悦の滲んだ笑みを象った。

「さて、いよいよ始まりましたね。……黙示録の予言に繋がる終焉の宴が。そして私の、最高の暇潰しが」

 まるでバトルロワイアルが行われることを、招かれる以前より知っていたかのような口ぶりも当然のことだろう。アーチェスではなく、名簿にはただ短くロンとだけ記されたこの無間龍こそが、バグラモンの言っていた四人目のジョーカーなのだから。

 彼が自前の変身能力でアーチェスを騙りレナに接触した理由は、もはや説明する必要もないかもしれない。殺し合いを促進させるべく、扱い易そうな参加者に干渉したというわけだ。
 また。アーチェスの姿で語った通り、無間龍はただのジョーカーではなく、バグラモンとマリーチと並ぶ三人目の主催者でもあった。その立場故に参加者の詳細情報をも知っていたため、元より精神に不安定な面を抱えるレナの依存する相手の姿に化けることで、彼女を都合の良い駒へと変貌させるのはロンにとって容易いことであった。

「――それにしても。彼女には少々、可哀想なことをしてしまいましたね」

 実際には一切の憐みを感じることもなく、むしろ滑稽で仕方ないという口調で、ロンは新たに己の掌の上へと加わった人形とのやり取りを想起する。
 ジョーカーのスカウト権は嘘ではない。それでも殺し合いに乗った結果、レナがアーチェスと共に生還するという目的を果たすはほぼ不可能だろう。

 だが、ロンが口にしたのは、そういう意味ではなかった。

「もうとっくに……父から見捨てられているというのに。儚い夢を見せてしまいました」

 目的の為には、多少の犠牲を厭わない――そう考えるアーチェスから切り捨てられる対象に、遥か以前から自身が選ばれているということを、レナが知ったら――?

 それに至った時、彼女が見せてくれる顔には、ロンもほんの少しだけ興味があった。きっと己を愉悦させるに足る、実に魅力的な表情をしてくれるのだろう、と。

 やがて彼女は、自らの内に抱える憎しみのままに暴走してくれることだろう。彼女一人では大して意味はないだろうが、その結果一つ以上の救いが消えると言うことは、より多くの者達の心に暗い影を降ろすことだろう。そうして一つでも多くの悲劇を生むことで、一人でも多くの参加者の心を絶望に染めることが今のロンの目的であった。

 それがただ暇潰しになるというだけではなく。ロンの思い描く未来に繋がる、たった一つの手段であるのだから。

(……私の願いを叶え得る者は、二人。一人は同志バグラモン。そしてもう一人は……)

 ……“彼女”にはバグラモンほどの確実性がないとはいえ、実に楽しみだ。
 それこそ若獅子を黒く染める以上に、“彼女”を弄ぶのは愉しい作業となるに違いない。

 遂に目前に迫った、趣味と実益を兼ねた素晴らしい時間に胸躍らせながら、ロンはフードで顔を隠した。それを合図に全身を黄金の煙に変化させると、無間龍は次の目的地へ、風のように飛び去って行く。



 二つの悪意が去った後には、物言わぬまま澄み渡る青空を見上げる、ただ無惨な死を迎えた骸だけが残されていた。



【ジヴーニャ・ロレッツオ@されど罪人は竜と踊る Dances with the Dragons 死亡確認】
 残り 62名



【一日目/朝/メトレーヤゾーンB-7・水没した市街地】
【霧島レナ@戦闘城塞マスラヲ】
[参戦時期]第五巻『噛み合わさる歯車』終了後
[状態]健康、若干の罪悪感、興奮
[装備]BRデバイス@オリジナル、モバイレーツ&レンジャーキーセット(マジレンジャー)@海賊戦隊ゴーカイジャー、マガバリー三三八&弾薬(残り117発)@されど罪人は竜と踊る Dances with the Dragons
[道具]基本支給品一式×2、不明支給品×4(確認済み)
[思考]基本行動方針:ジョーカーの資格を得て、アーチェスと共に生き残る。
1:ジョーカーとなるため、最低限後二人の参加者を殺す。
2:特にヒデオや鈴蘭は、これを機に殺してしまいたい。
3:三元士に遭遇した場合、アーチェスからジョーカーにスカウトされた事情を説明する。
4:アウターやロイヤルナイツと言った、アーチェスから忠告された強い参加者からは逃げる。
[備考]
※ジヴーニャの支給品を全て手に入れました。
※自分が出会ったアーチェスが、ロンの化けた偽物だと気付いていません。そのため彼の話を全て真に受けています。


【ロン@獣拳戦隊ゲキレンジャー】
[参戦時期]最終回後、『海賊戦隊ゴーカイジャー』第七話以降からの参戦
[状態]健康、不死、呪煙吐状態で高速移動中
[装備]BRデバイス@オリジナル
[道具]基本支給品一式×3、不明支給品×6(確認済み)
[思考]基本行動方針:ジョーカーとして殺し合いを円滑に進め、バトルロワイアルを愉しむ。
[備考]
※ジョーカー参加者であると同時に、主催者でもあります。そのため今回のバトルロワイアルに関わる事柄について、他の主催者と同程度に知っています。また三元士より権限が上です。
※主催者の一人であるため、主催者によって殺害された見せしめの参加者がBRデバイス内に残していたランダム支給品を手に入れています。
※任意の参加者をジョーカーにスカウトする権利を持っています。ただし、スカウトしてから正式に任命するための条件は、レナに語った通りとは限りません。
※首輪が起爆されてもまったく問題ありませんが、今は意図があって外していません。



【支給品解説】

  • モバイレーツ&レンジャーキーセット(マジレンジャー)@海賊戦隊ゴーカイジャー
 モバイレーツはロンに、レンジャーキーセット(マジレンジャー)はレナにそれぞれ支給。
 海賊戦隊ゴーカイジャーの変身アイテム。見た目は大きな折り畳み式の携帯電話。ゴーカイチェンジの掛け声と共にレンジャーキーを挿し込むことで、モバイレーツからレンジャーキーに対応する戦隊名の電子音声が放たれ、エンブレム状のエネルギーを纏うことで各レンジャーキーの戦士へと変身することができる。モバイレーツは誰でも使用でき、またゴーカイジャーを経由しない、他の戦士への直接変身も可能である。
 レンジャーキーセットは、対応する戦隊レンジャーキーの内追加戦士及び番外戦士以外の物を一纏めにしたもの。マジレンジャーだと、赤黄青桃緑のレンジャーキーが該当する。

  • マガバリー三三八@されど罪人は竜と踊る Dances with the Dragons
 ジヴーニャ・ロレッツオに本人支給。(多分)普通の回転式火薬拳銃。攻性咒式士同士の戦闘においては実用品ではないといった扱いだが、一応強力な咒式士を複数仕留めた実績を持つ。
 弾薬は本来の参加者数の二倍である百二十発を支給。



001:聖魔王 時を越えた出会い 投下順 003:レッツ!! スイィ――ツッ!!!
GAME START 霧島レナ ???: 
GAME START ロン ???: 
GAME START ジヴーニャ・ロレッツオ GAME OVER

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最終更新:2013年08月10日 12:13