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エピローグ 再び去る彼女に
空き家の前で、女が一人タバコに火を点けた。
切れ長の目に、染め上げた金色の髪。その風貌は、どこか近寄りがたい印象を与える。
切れ長の目に、染め上げた金色の髪。その風貌は、どこか近寄りがたい印象を与える。
「やけに長い台詞だったな。お前らしくもない」
空き家の戸が開き、中から現われた男が彼女の隣に立ちそう言った。
女は前を見たまま鼻をならす。
女は前を見たまま鼻をならす。
「聞いてたの。まぁあれね、本田が昔の“あたい”に似てたからかしらね」
「冗談だろ?お嬢さんは“彼女”ほどガサツな子じゃないさ」
「冗談だろ?お嬢さんは“彼女”ほどガサツな子じゃないさ」
二人はまるで別人の話をするかのように、昔を振り返る。
「あら、失礼ね。まぁ…事実か」
女は小さく笑い、タバコを踏み消す。
終わりの合図を男は感じ取る。
終わりの合図を男は感じ取る。
「行くのか」
「えぇ。永く止まる気は元からない。”人は遷りゆくもの”…違うか?」
「あぁ。だが俺はここにいるさ、この場所に」
「えぇ。永く止まる気は元からない。”人は遷りゆくもの”…違うか?」
「あぁ。だが俺はここにいるさ、この場所に」
男は自分が懐かしい一人称を自然に使っていると思いながら続ける。
「しばらくはな」
「そうか、じゃあ他によろしくな一。では、“またいずれ”」
「そうか、じゃあ他によろしくな一。では、“またいずれ”」
女はそう言うと、コートを翻し道の向こうに歩いて、消えた。
「さて」
男はそうつぶやき、空き家のドアを開けた。
「あ、公旗さん!煉さん見ませんでした?あたしの白デッキ見てもらおうと思ったのに~」
空き家に入った彼に、一人の少女が声をかける。勝気な声と真っすぐな瞳。
そのとき彼は
そのとき彼は
なるほと、彼女に似ているかもな…。
と思った。
「あぁ、煉なら―」
txt:Y256
初出:あたしのガンダムウォー
掲載日:08.12.19
更新日:10.04.14
掲載日:08.12.19
更新日:10.04.14