『真意の在り処』


アルトリアの起こしたクーデターによって国からは王と呼ばれる一切の人物は居なくなった。
そして、空位のままの王座に誰が就くのか…
流れは一気に王女グラドリエルを王座にという声がにわかに立ち上がり、アルトリアやグリシーヌも
それに同意する。が、アルトリアに対し彼女の従魔アナザーブラッドは怪訝な態度を見せる。
彼女はアルトリアこそ王座に相応しいと言うのだ。
そんな言葉に自分自身は相応しい器ではないと言い切るアルトリア。
だが、その意思とは裏腹に突然現れた元老議員最高議長パルパティーンの提案にて王国に二人の王を据えるという運
命が待っていたのだ。
フタバ王国に新たな歴史が刻まれようとしていた――

― 一方、魔界の魔の手から逃れるためダットランドへ向かっていたスポーンとディズィー一行。
王国とダットランドの国境沿いを迂回していた彼らの目の前に、突如として新たなる刺客が襲い掛かる。
魔力を帯びた強力な冷気が国境沿いにあった関所を凍りつかせ、森を冬に変えたのだ。
異変をいち早く察知したスポーンとドレイコ。ディズィーや子供たちに危険を及ばせまいと
刺客から彼女らを遠ざけるべく動いたが、予想を超えた事態にディズィーもスポーンたちの方へ
出向いてしまう。
そして吹雪の中から現れたのは…
凛とした姿ではあるが氷のような瞳と冷酷な雰囲気を漂わせる物言いの丁寧な魔族―
『魔界の闇の大六妖に名を連ねる一人。大妖伯…冷帝。スラウニロキ』 と名乗ったのだった。
最終更新:2008年06月21日 02:46