hime0203|マイベッド
[cm]
; bg: 居間
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@texton
[eval exp="f.ベッド強奪イベント = true"]
; bg: 居間
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@texton
[eval exp="f.ベッド強奪イベント = true"]
二週間に一度の、文化省のダメ政策を嘲笑うかの様に我が校に昔と変わらず存在し続ける、学生にとっては嫌がらせとしか思えない午前授業を終えて帰宅する。[lr]
そして土曜日は学食も利用しないため、これから昼ご飯を作らなくてはいけない。[lr]
二週に一度の土曜日は、実は学食も利用出来るのだが、姉さんの希望により俺が昼ご飯を作ることになっている。[lr]
「ただいま」[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=1 m=3
「ただいまー」[lr]
土曜日は全学年が同じ時間に授業を終えるため、今日の様に姉さんと一緒に帰宅する日も多かったりもする。[pcm]
そして土曜日は学食も利用しないため、これから昼ご飯を作らなくてはいけない。[lr]
二週に一度の土曜日は、実は学食も利用出来るのだが、姉さんの希望により俺が昼ご飯を作ることになっている。[lr]
「ただいま」[lr]
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「ただいまー」[lr]
土曜日は全学年が同じ時間に授業を終えるため、今日の様に姉さんと一緒に帰宅する日も多かったりもする。[pcm]
@cl
@bg file="ribing.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
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二人で仲良く洗面所に向かい手を洗い、仲良く二階まで上ってそれぞれの部屋で制服を着替え、二人で仲良く一階にもどってくると……姉さんはソファにちんまりと鎮座してテレビを見始めた。[lr]
因みに俺は、昼ご飯の用意のため冷蔵庫と睨めっこをしている。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=1 m=8
「稔くーん、お昼ご飯あとどれくらいで出来るー?」[lr]
姉さんはソファの上で正座したまま、膝だけを小さく上下させながら、ぴょんぴょんと小さく跳ねて俺の方に声を投げかける。[lr]
何というニート。いや、一応就学はしているから違うか。一応。[pcm]
「んー、あと三十分くらいかな」[lr]
そして俺は何という主夫なんだ。[lr]
冷蔵庫の中には、今週一週間でちまちまと消費されてきた中途半端な量の野菜が残っている。その他には、姉さんが数日前に食べたいと言った、うどんの生麺。[lr]
もうこれしか昼食の選択肢は無いだろう。[pcm]
因みに俺は、昼ご飯の用意のため冷蔵庫と睨めっこをしている。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=1 m=8
「稔くーん、お昼ご飯あとどれくらいで出来るー?」[lr]
姉さんはソファの上で正座したまま、膝だけを小さく上下させながら、ぴょんぴょんと小さく跳ねて俺の方に声を投げかける。[lr]
何というニート。いや、一応就学はしているから違うか。一応。[pcm]
「んー、あと三十分くらいかな」[lr]
そして俺は何という主夫なんだ。[lr]
冷蔵庫の中には、今週一週間でちまちまと消費されてきた中途半端な量の野菜が残っている。その他には、姉さんが数日前に食べたいと言った、うどんの生麺。[lr]
もうこれしか昼食の選択肢は無いだろう。[pcm]
@cl
冷蔵庫に残っていた適当な野菜類を適当に炒めて、適当に味付けして適当に肉を入れた適当野菜炒めを作り終えると、丁度湯の沸く頃なのでうどんに取りかかる。[lr]
野菜とは対照的にきっちりと時間を計りつつ自分でもこまめに試食をして固さを調節したうどん。姉さんは野菜の味付けには拘らないが、麺類の茹で上がりには妙にうるさい人なのだ。[lr]
一人で作るから完全な平行作業とはいかず、予言通り三十分ほどの時間を掛けて昼ご飯をこしらえる。学校から帰ってきた時点で既に一時近く、現在は一時半。お腹もそろそろ限界だ。[lr]
一番最後に茹で上がったうどんを流水でしめてざるに乗せ、テーブルに運べば昼ご飯の完成である。[pcm]
野菜とは対照的にきっちりと時間を計りつつ自分でもこまめに試食をして固さを調節したうどん。姉さんは野菜の味付けには拘らないが、麺類の茹で上がりには妙にうるさい人なのだ。[lr]
一人で作るから完全な平行作業とはいかず、予言通り三十分ほどの時間を掛けて昼ご飯をこしらえる。学校から帰ってきた時点で既に一時近く、現在は一時半。お腹もそろそろ限界だ。[lr]
一番最後に茹で上がったうどんを流水でしめてざるに乗せ、テーブルに運べば昼ご飯の完成である。[pcm]
@bg2 file="ribing.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
「姉さん、お昼出来たよ」[lr]
姉さんはテーブルのすぐ隣のソファに座っているので言わずとも分かるだろうが、言わないとなんだか雰囲気が出ないのは何故だろう。[lr]
待ってましたとばかりに「はーい」と嬉しそうに返事をして、ソファからぽてぽてと歩いてくる姉の姿が見たいからかも知れない。かも知れない。[lr]
二人でうどんを挟む形になり席に着く。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=1 m=3
「いただきます」[lr]
「いただきます」[lr]
食事の前の挨拶と感謝は忘れずに。我が家の家訓だ。[pcm]
顔の前で可愛く両手を合わせていた姉さんは、言い終わると同時につゆ入れと箸に手を伸ばし、つゆに生姜を入れて溶くと、うどんの一口目を控えめに掴んでつゆにちょっとだけ浸し、つるつると食べた。[lr]
姉さんは真剣な表情を浮かべつつ、小さな口の中でもごもごとうどんを咀嚼する。うどんを頬張ったぶん、わずかにぷっくりと膨らんだ頬がつられて左右に伸びたり縮んだりする様子もまた面白い。[lr]
そして十分に味わった後、小さな喉をこくんと動かしてうどんを嚥下すると、俺に向かって「ゆで具合、合格」の笑みを向けた。[pcm]
一安心。[lr]
うどんの歯ごたえが姉さんの眼鏡に適った様なので、安心した俺もうどんに手を伸ばす。うん、我ながら良い茹で具合だ。なんだか微妙に悔しいのは何故だろう。[lr]
その後、食事は滞りなく進み、二人でうどんの片手間に適当野菜炒めをつまみ、みるみるうちにうどんのざるは空になってしまった。[pcm]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=3 e=1 m=6
「ごちそうさまー」[lr]
「ごちそうさま」[lr]
姉さんの語尾に踊る伸ばし棒は、俺のうどんのゆで具合に対する評価として受け取っておこう。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=3 m=1 c=1
「お腹いっぱい」[lr]
姉さんがのたまう。それはそうだろう。よほどうどんが気に入ったのか、明らかに普段よりも多くの量、具体的に言えば俺の分まで食べていた。[lr]
正確に言えば、一つのざるから二人でとっているので、厳密に姉さんの分と俺の分の区別があるわけではないが、いつもよりは格段に多く食べていたということだ。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=4 m=10
「うーん」[lr]
姉さんは唸り声をあげて、ソファに座り込み、そしてゆっくりと滑り降りるように横になった。[pcm]
「食べた直後に寝ると、牛になるってさ」[lr]
うにゃーとでも言いたげな顔をしてソファに横になる姉さんに、悲しい現実を告げる。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=2 e=8 m=8
「食後は胃の消化を助けるために、横になってたほうが良かったりするの」[lr]
姉さんも負けじと応戦。因みに、どっちが正しいのかは知らない。[lr]
暑さにばてた猫のようにソファに沈んでいる姉さんを横目に、心なしやや食べ足りない俺は食器類を片づけるために台所に入った。[pcm]
姉さんはテーブルのすぐ隣のソファに座っているので言わずとも分かるだろうが、言わないとなんだか雰囲気が出ないのは何故だろう。[lr]
待ってましたとばかりに「はーい」と嬉しそうに返事をして、ソファからぽてぽてと歩いてくる姉の姿が見たいからかも知れない。かも知れない。[lr]
二人でうどんを挟む形になり席に着く。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=1 e=1 m=3
「いただきます」[lr]
「いただきます」[lr]
食事の前の挨拶と感謝は忘れずに。我が家の家訓だ。[pcm]
顔の前で可愛く両手を合わせていた姉さんは、言い終わると同時につゆ入れと箸に手を伸ばし、つゆに生姜を入れて溶くと、うどんの一口目を控えめに掴んでつゆにちょっとだけ浸し、つるつると食べた。[lr]
姉さんは真剣な表情を浮かべつつ、小さな口の中でもごもごとうどんを咀嚼する。うどんを頬張ったぶん、わずかにぷっくりと膨らんだ頬がつられて左右に伸びたり縮んだりする様子もまた面白い。[lr]
そして十分に味わった後、小さな喉をこくんと動かしてうどんを嚥下すると、俺に向かって「ゆで具合、合格」の笑みを向けた。[pcm]
一安心。[lr]
うどんの歯ごたえが姉さんの眼鏡に適った様なので、安心した俺もうどんに手を伸ばす。うん、我ながら良い茹で具合だ。なんだか微妙に悔しいのは何故だろう。[lr]
その後、食事は滞りなく進み、二人でうどんの片手間に適当野菜炒めをつまみ、みるみるうちにうどんのざるは空になってしまった。[pcm]
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「ごちそうさまー」[lr]
「ごちそうさま」[lr]
姉さんの語尾に踊る伸ばし棒は、俺のうどんのゆで具合に対する評価として受け取っておこう。[lr]
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「お腹いっぱい」[lr]
姉さんがのたまう。それはそうだろう。よほどうどんが気に入ったのか、明らかに普段よりも多くの量、具体的に言えば俺の分まで食べていた。[lr]
正確に言えば、一つのざるから二人でとっているので、厳密に姉さんの分と俺の分の区別があるわけではないが、いつもよりは格段に多く食べていたということだ。[lr]
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「うーん」[lr]
姉さんは唸り声をあげて、ソファに座り込み、そしてゆっくりと滑り降りるように横になった。[pcm]
「食べた直後に寝ると、牛になるってさ」[lr]
うにゃーとでも言いたげな顔をしてソファに横になる姉さんに、悲しい現実を告げる。[lr]
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「食後は胃の消化を助けるために、横になってたほうが良かったりするの」[lr]
姉さんも負けじと応戦。因みに、どっちが正しいのかは知らない。[lr]
暑さにばてた猫のようにソファに沈んでいる姉さんを横目に、心なしやや食べ足りない俺は食器類を片づけるために台所に入った。[pcm]
@cl
@bg2 file="ribing.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bg2 file="ribing.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
食器を洗っていると、いつの間にか姉さんが消えていた。[lr]
キッチンからは居間がよく見えるはずなのに、一体どうやって姿を眩ましたのだろうか。というか、気付かない俺ってどうなんだろう。[pcm]
キッチンからは居間がよく見えるはずなのに、一体どうやって姿を眩ましたのだろうか。というか、気付かない俺ってどうなんだろう。[pcm]
@bg file="genkan" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
食器を洗い終えて台所を片づけると、首をひねりつつ、自室に戻るべく階段を上る。[pcm]
@bg2 file="heya_m" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=3 e=4 m=5
そして首と一緒に自室のドアノブをひねり、中にはいると、ベッドに姉さんが寝ていた。[lr]
「なにおぅ!?」[lr]
割と自分でも意味不明な驚き方をしたな、と思った。だがそれ以上に意味不明なのは姉さんだ。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=6 m=1
「あ、稔くん。ベッド借りるね?」[lr]
そんなことを言いつつベッドで横になっている姉は、何故か頭に三角形のアレ(サンタの帽子みたいな奴)をひっつけて、俺の布団に埋もれていた。[pcm]
「姉さん! 何で俺の部屋で寝てるの!?」[lr]
というか、何でパジャマ?というのも捨てがたい疑問点である。[lr]
「漫画、借りるね?」[lr]
そう言う姉さんがベッドに持ち込んで読んでいるのは、最近俺がお気に入りの、将棋風格闘漫画だ。あれは面白い。[lr]
いやいやいや、そうじゃない。今俺が言うべきは、[lr]
「姉さん! 何で俺のベッドに入ってるの!?」[lr]
である。[lr]
対する姉さんは、何か奇妙な動きをする虫を見つけたときの猫のように、きょとんと、まるで「何言ってるの?」とでも言いたげな表情になり、ややあってからこう言った。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=3 e=1 m=7
「だって、稔くんのお部屋でしょ?」[lr]
「理解不能! 理解不能!」[pcm]
何を言っているのかさっぱり分からない。むしろここが俺の部屋だからこそ、姉さんが居ることがおかしいのだ。[lr]
姉さんは相も変わらず不思議そうな顔で、段々と手持ちぶさたになったのか、足をぱたぱたさせている。[lr]
なんだか、姉さんの顔に浮かぶ表情を見ていると、俺の方が間違っている気がしてくるのは何故だろう。いや、確実に間違っているのは姉さんのはずだ。だがしかし?[lr]
「……姉さんは、俺のベッドで漫画を読むのが趣味なの?」[lr]
実のところ、この異常事態は特に今日が初めてというわけではなく、既に姉さんには前科がいくつか付いている。[lr]
前科十犯、服役後すぐに再犯、という感じだ。完全に更正の余地は無いだろう。[pcm]
そしてベッドの上を占領している姉さんは、俺の問いかけに対して、[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=3 e=7 m=1 c=1
「うん、大好き!」[lr]
などと、更に俺を困惑させる事実を口にする。[lr]
いや、もう分かっている。ベッドの上で楽しそうに両足をぱたぱたさせながら、うつぶせに伸びきって漫画を読んでいる姉を退散させることなど不可能なのだ。[lr]
「分かったよ、姉さん……」[lr]
今日も俺が折れる。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=2 e=8 m=6
「うん。ありがとう、稔くん」[lr]
姉さんは最初から勝利を確信していたかのように、俺に向かってほほえみかけてくる。[pcm]
俺はもうベッドの奪還を諦め、自分も本棚から漫画を抜いて読むことにする。[lr]
そういえば、夕飯の素材も底を突いていたはずだ。これを読んだら、買い物に出かけるとするか。[lr]
諦めの境地に達する俺の心を知ってか知らずか、姉さんはにこにこ顔で俺のベッドに頬ずりをしていた。[pcm]
そして首と一緒に自室のドアノブをひねり、中にはいると、ベッドに姉さんが寝ていた。[lr]
「なにおぅ!?」[lr]
割と自分でも意味不明な驚き方をしたな、と思った。だがそれ以上に意味不明なのは姉さんだ。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=6 m=1
「あ、稔くん。ベッド借りるね?」[lr]
そんなことを言いつつベッドで横になっている姉は、何故か頭に三角形のアレ(サンタの帽子みたいな奴)をひっつけて、俺の布団に埋もれていた。[pcm]
「姉さん! 何で俺の部屋で寝てるの!?」[lr]
というか、何でパジャマ?というのも捨てがたい疑問点である。[lr]
「漫画、借りるね?」[lr]
そう言う姉さんがベッドに持ち込んで読んでいるのは、最近俺がお気に入りの、将棋風格闘漫画だ。あれは面白い。[lr]
いやいやいや、そうじゃない。今俺が言うべきは、[lr]
「姉さん! 何で俺のベッドに入ってるの!?」[lr]
である。[lr]
対する姉さんは、何か奇妙な動きをする虫を見つけたときの猫のように、きょとんと、まるで「何言ってるの?」とでも言いたげな表情になり、ややあってからこう言った。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=3 e=1 m=7
「だって、稔くんのお部屋でしょ?」[lr]
「理解不能! 理解不能!」[pcm]
何を言っているのかさっぱり分からない。むしろここが俺の部屋だからこそ、姉さんが居ることがおかしいのだ。[lr]
姉さんは相も変わらず不思議そうな顔で、段々と手持ちぶさたになったのか、足をぱたぱたさせている。[lr]
なんだか、姉さんの顔に浮かぶ表情を見ていると、俺の方が間違っている気がしてくるのは何故だろう。いや、確実に間違っているのは姉さんのはずだ。だがしかし?[lr]
「……姉さんは、俺のベッドで漫画を読むのが趣味なの?」[lr]
実のところ、この異常事態は特に今日が初めてというわけではなく、既に姉さんには前科がいくつか付いている。[lr]
前科十犯、服役後すぐに再犯、という感じだ。完全に更正の余地は無いだろう。[pcm]
そしてベッドの上を占領している姉さんは、俺の問いかけに対して、[lr]
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「うん、大好き!」[lr]
などと、更に俺を困惑させる事実を口にする。[lr]
いや、もう分かっている。ベッドの上で楽しそうに両足をぱたぱたさせながら、うつぶせに伸びきって漫画を読んでいる姉を退散させることなど不可能なのだ。[lr]
「分かったよ、姉さん……」[lr]
今日も俺が折れる。[lr]
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「うん。ありがとう、稔くん」[lr]
姉さんは最初から勝利を確信していたかのように、俺に向かってほほえみかけてくる。[pcm]
俺はもうベッドの奪還を諦め、自分も本棚から漫画を抜いて読むことにする。[lr]
そういえば、夕飯の素材も底を突いていたはずだ。これを読んだら、買い物に出かけるとするか。[lr]
諦めの境地に達する俺の心を知ってか知らずか、姉さんはにこにこ顔で俺のベッドに頬ずりをしていた。[pcm]
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@cl
@bg2 file="genkan_y" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bgm file="aruhiA.ogg"
@cl
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夕食後。茶碗を片づけて風呂に入る。姉さんは既に風呂から上がっており、今頃は自室でほこほこ気分を満喫しているだろう。[lr]
明日の朝食と昼食の構想を練りながら、階段を上がる。せっかくの休みなので、何か適当に済ませてしまおう。そう思いながら部屋のドアを開ける。[lr]
明日の朝食と昼食の構想を練りながら、階段を上がる。せっかくの休みなので、何か適当に済ませてしまおう。そう思いながら部屋のドアを開ける。[lr]
@bg2 file="heya_my" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=4 m=5
「うぉい!」[pcm]
俺のベッドに姉さんが寝ていた。[lr]
しかも昼とは違うパジャマ、表情も気怠そうで、眠る気満々だ。[lr]
「それは無いよ姉さん!」[lr]
眠る時間にもベッドを奪われるのは初めてだ。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=6 e=4 m=11
「んー、稔くん。漫画の続き読んでたら、眠くなってきちゃった……」[lr]
見ると姉さんの横には、これまた俺のお気に入りである青春剣道漫画が積んであった。[lr]
「姉さん! 寝る前に自分の部屋まで戻って!」[lr]
俺の必死の訴えも虚しく、姉さんの顔はどんどんと眠気に塗られていき、ついにはほぼ目を閉じつつかろうじて意識を保っている状態にまでなってしまった。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=4 m=5
「稔くん……ベッド貸して……」[pcm]
貸しても何も、もうここから動く気は無いだろう。というか、姉さん単体では動けないだろう。俺は一体何処で眠れば良いんだ。[lr]
「……仕方ないな、ソファで寝るか」[lr]
眠ってしまった姉さんを抱えて、姉さんの部屋まで送り届けるのも良いだろうが、いかんせん疲れるだろう。あんまり気乗りはしない。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=4 e=3 m=8
「……んっ、稔くん?」[lr]
眠りの世界へと旅立つ一歩前の姉さんは、最後の力を振り絞るかのようにこう言った。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=4 m=1
「お姉ちゃんのベッド、使って……」[pcm]
いや、それはマズイでしょう。と、心の中でツッコミを入れる。どうせ言っても、眠りの世界にいってしまった姉さんには聞こえまい。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=6 e=8 m=1
「稔くんは今、『それはマズイだろ常考』と思った!」[lr]
「何ッ!?」[lr]
ってか起きてるじゃないか。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=2 e=6 m=11
「稔くん、ソファで寝たら風邪ひいちゃうでしょ! さっさとお姉ちゃんの部屋に行きなさい!」[lr]
「は、ハイ……?」[pcm]
「うぉい!」[pcm]
俺のベッドに姉さんが寝ていた。[lr]
しかも昼とは違うパジャマ、表情も気怠そうで、眠る気満々だ。[lr]
「それは無いよ姉さん!」[lr]
眠る時間にもベッドを奪われるのは初めてだ。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=6 e=4 m=11
「んー、稔くん。漫画の続き読んでたら、眠くなってきちゃった……」[lr]
見ると姉さんの横には、これまた俺のお気に入りである青春剣道漫画が積んであった。[lr]
「姉さん! 寝る前に自分の部屋まで戻って!」[lr]
俺の必死の訴えも虚しく、姉さんの顔はどんどんと眠気に塗られていき、ついにはほぼ目を閉じつつかろうじて意識を保っている状態にまでなってしまった。[lr]
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「稔くん……ベッド貸して……」[pcm]
貸しても何も、もうここから動く気は無いだろう。というか、姉さん単体では動けないだろう。俺は一体何処で眠れば良いんだ。[lr]
「……仕方ないな、ソファで寝るか」[lr]
眠ってしまった姉さんを抱えて、姉さんの部屋まで送り届けるのも良いだろうが、いかんせん疲れるだろう。あんまり気乗りはしない。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=4 e=3 m=8
「……んっ、稔くん?」[lr]
眠りの世界へと旅立つ一歩前の姉さんは、最後の力を振り絞るかのようにこう言った。[lr]
@ld pos=c name="hime" wear=u pose=1 b=5 e=4 m=1
「お姉ちゃんのベッド、使って……」[pcm]
いや、それはマズイでしょう。と、心の中でツッコミを入れる。どうせ言っても、眠りの世界にいってしまった姉さんには聞こえまい。[lr]
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「稔くんは今、『それはマズイだろ常考』と思った!」[lr]
「何ッ!?」[lr]
ってか起きてるじゃないか。[lr]
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「稔くん、ソファで寝たら風邪ひいちゃうでしょ! さっさとお姉ちゃんの部屋に行きなさい!」[lr]
「は、ハイ……?」[pcm]
@cl
@bg file="heya_w_doa.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
@bg file="heya_w_doa.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
凄い勢いで怒る姉さんに気圧されて、部屋を出る。寝ぼけているのかマジなのかが分からないのが更に怖い。[lr]
いや、しかし本気で姉さんの部屋に行くのか?[lr]
だが、ソファで寝ると風邪をひきそうだというのも事実だ。暖房器具を付けたまま寝るのも、あまり賢明な判断とは思えない。[lr]
「……じゃあ、姉さん、ベッド借ります、スイマセン」[lr]
特に悪いことをしたわけではない、むしろこっちはベッドを乗っ取られた被害者なのだが、一応ドアの向こうに謝っておく。[pcm]
いや、しかし本気で姉さんの部屋に行くのか?[lr]
だが、ソファで寝ると風邪をひきそうだというのも事実だ。暖房器具を付けたまま寝るのも、あまり賢明な判断とは思えない。[lr]
「……じゃあ、姉さん、ベッド借ります、スイマセン」[lr]
特に悪いことをしたわけではない、むしろこっちはベッドを乗っ取られた被害者なのだが、一応ドアの向こうに謝っておく。[pcm]
@bg file="heya_wy.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)"
すぐ隣の姉さんの部屋のドアを開けると、毎朝姉さんを起こしに来るときと同じ光景が広がっている。ただ違うのは、今日その部屋の中心で眠るのは俺だということだ。[lr]
部屋に置かれた姉さんのベッドは、どこか時代錯誤の様な印象をうける天蓋のついた広めのベッドで、そこもやはり姉さんの趣味でゴシック調に飾られている。[lr]
なるべく何も考えない様にして、姉さんのベッドに入る。しかし、やはり男とは違う女の、布団から香る姉さんの甘い匂いを意識してしまい、体が緊張する。[lr]
「そ、素数を数えるんだ……素数の素の字は素敵の素……」[lr]
結局、ベッドに入ってから睡魔がやって来たのは、一時間半も後になってのことだった。[pcm]
部屋に置かれた姉さんのベッドは、どこか時代錯誤の様な印象をうける天蓋のついた広めのベッドで、そこもやはり姉さんの趣味でゴシック調に飾られている。[lr]
なるべく何も考えない様にして、姉さんのベッドに入る。しかし、やはり男とは違う女の、布団から香る姉さんの甘い匂いを意識してしまい、体が緊張する。[lr]
「そ、素数を数えるんだ……素数の素の字は素敵の素……」[lr]
結局、ベッドに入ってから睡魔がやって来たのは、一時間半も後になってのことだった。[pcm]
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