ヒロインがヤンデレのギャルゲみんなで作ろうぜ!

先輩は東へ西へ

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kawauson

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;「先輩は東へ西へ」おっぱいを求めるジョルジュと先輩を探すが、方々に頼られている先輩は見つからない
;見つからないだとまとまらないので見つかることにした。

;SE:学校のチャイム/ワンショット
;立ち:毒男
「さーメシだメシだ」
 4限目が終わって、昼休み。我が悪友が足早にこちらにやってきた。
「毒男、今日も朝メシ抜きかよ」
「メシ食ってる時間があれば、俺はそれをゲームと睡眠に費やすね」
「そーかい」
「というわけで、行くぞ。時間がもったいない。校内の生徒の半分が集まる学食か、残りの半分が密集する購買か。両方いやだぞ、俺は」
「そりゃそうだが」
 それらを避けるには、学食なり購買なりに一番乗りする必要がある。1分遅れが致命傷だ。

「長岡はー……、まぁたぶん既に買ってきてあるだろ」
 教室の前方を見やりながら、言う。
 その視線に気がついたのか、こちらを振り向いた長岡が席を立った。

;立ち:ジョルジュ(左)
;立ち:毒男(右)

「俺はいつものおっぱいプリンちゃん!」
「その言い方だと、お前の名前みたいだな」
 ジョルジュ長岡。俺のもう一人の悪友である。
「毎日持ってきてるそれ、どこに売ってるんだよ?」
「おっぱいプリンは、おっぱいの味! いつかどこかで見つけたこの至高の逸品は、すでに販売が取りやめになっているのだ。だから、このおっぱいプリンは自家製のおっぱいプリンなんだ!」
「え、それ手作りなのか」
「研究に研究を重ねたこのおっぱいプリンは、豊かな風味と懐かしさあふれる味わいが特徴的なまさに母の味! 当然、パッケージにもこだわっている!」
 袋から取り出されたそのプリンは、ぱっと見、市販されていると言われたら信じてしまいそうだ。
 さすがに、その露骨に女性の胸部を表現したデザインのものを市販できるとは思えないので、容器から作ったというのも本当なのだろう。

「おまえ、どれだけ情熱注いでるんだ……」
 長岡の満足げな表情がまぶしすぎる。
「っと。おい、購買いかないとまずいぞ」
 時計を見ると3分ほど経過してしまっていた。人数にして60人分ぐらいは並ぶだろう。
「ああ、行くか」
 踏み出した歩みを袖をつかまれて止められた。
「みのる……ちょっと待て」
「なんだよ」
 早くしないと、愛しの総菜パンがだな。
「おまえから、おっぱいの匂いがする……」
「はい?」
「なん……だと……。稔、お前、アレか。武士の家系に生まれた一人娘で、家督を継ぐための修行として、男のふりをして学校生活を送っている俺っ娘なのか!?」
「よどみなくそんな設定ひねり出せるお前の脳みそどうなってるんだよ!」
「だが、剣道部所属で日本刀を携帯する、ぐらいしていないと一見さんが釣れないぞ……」
 そういう問題でもない。
「この匂い……オーラ……。とてつもなく上品な香りと、圧倒的な存在感……」
 横で長岡がブツブツと独り言をつぶやいている。どうやら、俺から何かを感じ取ってプロファイリングを始めているらしい。お前の脳もどうなってんだ。
 数秒して、長岡の目がカッと見開かれた。
「稔! 俺のおっぱいデータベースによれば、そのおっぱいは蓬山早紀先輩のおっぱいだろ!!」
 両肩を掴まれ、勢いのままに揺さぶられる。つーか、そのピンポイント狙撃は何なんだ。的中してるし。
「どの情報を読み取って持ち主判断したんだよ!」
「持ち主というな、宿主と言え! おっぱいに敬意を払って接しろ!」
 怒られてしまった。
「と、とにかく落ち着け、長岡」
「学内ナンバー1おっぱいを前にして落ち着いていられるか!」
 前にしてないっつの。
「たしかに、俺、昨日先輩と一緒にいたけども、別に何かあったわけじゃないぞ」
 あの胸に触れたわけでもない。ただ、一緒に話をしたぐらいだ。
「そうか……」
 しばし沈黙する長岡。なにか真剣に考えているようだ。やがて、何か結論が出たらしい。
「頼む! 俺を先輩に紹介してくれ!」
 そう言って、長岡は頭を下げた。
「え……?」
 長岡らしくない発言に、すこし虚を突かれた。いつもの長岡は、いいおっぱいを見れば即座にそのおっぱいに声をかけるほどのヤツなので、わざわざ知り合いを介してお近づきになろうとするのが意外だった。
「今回ばかりは規模が違うんだ! あの、夢のような神々しいおっぱいは、俺もうかつに手を出せないんだ!」
「……なるほど」
 いや、理屈は理解できないが、とにかく長岡にとってもひるむ相手だということらしい。
「まぁ、そういうことなら、今度紹介するよ」
 だから、そろそろ昼飯を買いに行かせてくれ。
「―――いや、今からだ」
「はい?」
「今から、おっぱい先輩を探しに行くぞ!」
「いやまだメシ食ってな――って、おい、ひっぱるなひっぱるな!」
「大丈夫だ! おっぱいが心を満たしてくれるさ!」
「それはお前だけだあああああぁぁぁぁ――!」

;背景:廊下(教室前。渡り廊下のやつ)

 ひとまず3年生の教室がある階に来た俺たち。
 上級生はすでに自由投稿日となっているため、昼休みとは思えないほどガランとしている廊下を行く。
 それぞれの教室には数名の生徒が自習をしていたりダベったりしている。この学校の生徒はほとんどが進学するはずなので、推薦などですでに進路を決めた人たちは、残りわずかな学園生活を楽しんでいるようだ。
 そういえば先輩も進学決まってるんだっけ。それで、余った時間を学校のために使っている。
 ……聖人君子か、あの人は。とても真似できそうにない。2カ月も休みだと言われたら、どれだけ毎日がエブリデイだろうか。
 まぁ、たぶん推薦なんか取れずに、この時期は勉強漬けの毎日なんだろうけども。
 そんなことを考えつつ、廊下を歩き、ある教室の前までたどり着いた。
「ここが、先輩の教室な」
 指で示しつつ、中を覗き込む。教室の中央あたりで、姉さんが数人のクラスメイトと昼ごはんを囲んでいた。
 一通り中を見わたしてみるが、先輩の姿はない。
「姉さんと仲いいはずなんだけど……いないのかな」
「並おっぱいに微おっぱいで、なかなか悪くないぜ」
 おまえは人の顔を見ろ。
「姉さん、ちょっといい?」
 教室にいないとなると、いきなり手掛かりがないので、姉さんに話を聞いてみることにする。
「みのるくん? どうしたの?」
 友達の輪から抜けてきてもらう。
「蓬山早紀先輩を探してるんだけど、どこにいるか知らない?」
「うーん、お昼休みが始まる前に、先生に用事を頼まれてたよ」
「そっか、そうすると、職員室にいるのかな」
「でも、早紀荷物運ぶのとか大好きだから……」
 先輩、趣味はもうちょっと選んだほうがいいと思います。
「あ、ケータイ掛けてみる?」
 姉さんのポケットから若者の必需品が取り出された。
「うん、お願い」
「ちょっと待っててね~」
 メモリから番号を呼び出しつつ、なぜか教室の奥へフェードアウトしていく姉さん。
 しばらくして、ちょっと申し訳なさそうな表情をして戻ってきた。
「電波の届かない場所にいるか、電源が入っていないか、両手がふさがっているので、電話に出ることができません。だって」
 ズッ。
;↑ずっこけるときの音。
;画面揺らしたほうがそれっぽいと思うので、細かい縦揺れお願いします。。
 思いっきりズッこけてしまった。
「何スか、それ」
「早紀の留守番電話のー、アナウンス?」
 どうやら、自分の声でそれを設定しているらしい。
「早紀、電話出れるならちゃんと出てくれるから、今は忙しいみたい」
 やはり荷物で両手がふさがっているのか。

;▲立ち:ひめっち消し
「だとよ。どうする? 長岡」
 さらに先輩を探すか、一度戻るか。

;▲立ち:長岡:立ち
「おっぱいのためなら、どんな雑用もいとわないぜ!」
「それは、先輩を探しに行くって言うことでいいのか」
「もちろん!」
 笑顔がまぶしすぎる。
「あいかわらずだね、長岡くん」
「全くその通りで、じゃ、俺たちいくから。先輩は、職員室だよね?」
「うん、そうだと思うよ。早紀から連絡あったら教えるね」
 わずかな手掛かりを得て、俺たちは職員室へ向かった。

 ………………。
 …………。
 ……。

;■背景:廊下
 昼休み終了の予鈴が鳴る、5分前。
「ぜ……全然見つからねぇ……」
「こんなに険しい双丘は初めてだぜ……」
 先輩を探して構内を歩きまわった挙句、今になっても影一つ掴めていない状況だった。
 すきっ腹に階段昇降とウォーキングは、かなり辛い。
「あの先輩……この短時間に何件のクエストこなしてんだ……」
 俺たちも追った、先輩の足取りを再確認してみる。
 職員室からスタートして、まずは段ボールを特別教室等に運んで、そこで資料の製本の手伝い。完成したそれを1年生の教室へ運んで、その教室にいた1年生のお悩み相談を引き受けていた。
 その相談中に一度追いつくことに成功したのだが、さすがに相談中に押し入るわけにもいかず。別室で相談をしている1年生が戻ってくるまで待機していたら、その1年生だけがすっきりした表情で戻ってきてしまい、その後の足取りは不明。

;↑ 先輩が1年生の教室に資料を持っていく→その教室にいた1年生が先輩に相談事を持ちかける→先輩が承諾して、その1年生の教室とは別の教室に、1年生と二人だけで向かう→みのさんたちが1年生の教室にたどりつく→現在相談中なので、1年生の教室の中か、その近くで待つ→相談持ちかけた1年生だけが戻ってくる→先輩とは別室を出たところで別れた→足取り不明。
;という状況なんだけど、上手に言語化できないので、いい言い回しがあったらこの上の1行を直しておいてほしいです。

 その1年生によると、何かまだやることがあるから、と言って先輩は旅立ったらしい。そして今に至る。
 先輩、どんだけバイタリティあるんですか。

「はぁ……。さすがにもう時間ないし、原も減ったし、今は諦めようぜ……。放課後、また探すからさ……」
 おっぱいがあれば昼メシなどなくても大丈夫だと豪語していた長岡も、そのおっぱいに出会えなくてげんなりしている。
「俺の手に届かない双丘があるなんてな……」
 もうそれは聞いたっつーの。
 二人でぐったりしながら、購買で余りものの菓子パンを買って、教室へ戻った。

;■背景:教室

;▲立ち:先輩
;▲立ち:毒男
「いやぁ、先輩がいてくれるおかげで、僕たちも気持ち良く学校生活を送ることができますよ」
「あたしだけの力じゃないよぉ~」
「いやいや、同じ生徒という立場の人がやっているからこそ、僕らも頑張らなきゃいけない、と自覚するんですよ」
「毒男くん、お世辞上手だね」
「そんな、心からのお礼ですよ、ははははは。……お、稔、長岡。遅かったじゃないか。もう昼休み終わるぞ」
 ズズ―――ッ!
;↑ひめっちの教室よりも大きなずっこけ。画面ユレも激しくしてください。最初のがバランスを崩した感じなら、こちらはヘッドスライディング張りの勢いです。
 探し求めていた先輩が、なぜか俺の席にすわって、毒男と昼ごはんを食べていた。
「な、な……」
 あまりの脱力感に、口が回らない。
「なんで、ここにいらっしゃるんですか……」
「お前らが先輩を探しているっての聞いて、先輩がここに来てくれたんだけど。お前らどっか行ってたからさ、メシでも食って待ちましょうか、というわけだ」
 えーと、なんだ、つまりお前は俺らが先輩を探して右往左往している間に先輩とのんびりお喋りしていたわけか。
「先輩捕まえたなら、連絡くれればすぐ戻ったのに……」
「おっと、俺と先輩のお食事タイムを邪魔させるわけにはいかないぜ」
 くそう、やはり先輩をひとりじめるすのが目的だったか。
「ごめんね、先にごはん食べちゃった」
「いや、それは別にいいんですけど……」
 とりあえず、せっかく教室まで来てもらったわけだから、さっさと用件を済ませてしまおう。時間もないし。
「おい、長岡……って、何してんだ」
 教室の出入り口の所から、体を半分隠してこちらをうかがっている。
「こっちに来いってば、もう昼休み終わるぞ」
 そう促すと、観念したのかおずおずと教室に入ってきた。ものすごく緊張した面持ちで。
 かなり不安だが、まぁ、なんとかなるだろう。
「先輩、紹介したい奴がいるんですけど」
「うん、どちら様かな?」
 毒男からそれとなく話を聞いているのか、話が早い。
「それが、こいつなんですけど」
 長岡を一歩前に出させる。さて、どう紹介したものか。まさか、おっぱいに惚れたので、と説明するわけにもいかないだろう。
「こいつ、ジョルジュ長岡って言います。先輩の話したら、ぜひ紹介してほしいと言われまして。名前も性格もちょっと変なヤツですけど、悪い奴じゃないんで、よかったらお友達になってあげてくれませんか」
 うん。ウソは言っていない。興味持ったタイミングと先輩の話をしたタイミングが、順序が逆だが気にしたら負けだ。
「よ、よろしくお願いします! お、俺の名前……な、名前は……ジョ、ジョルジュなぐがっ」
 舌を噛んだらしい。しかし、どこまで緊張するんだ長岡。自分の名前すら言えてないじゃないか。
「名前、な、なな……」
 言い直そうとして、さらに墓穴を掘っていく。
 先輩も返事をしづらいらしく、長岡の言葉の続きを待っている。
 さすがに助け船を出してやろうかと、俺が口を開きかけた瞬間、長岡が切り出した。

「なな……な、ナイ……ナイスおっぱい!!」
 それは、長岡の行動に慣れているはずの教室内の連中が思わず振り返るほどの大音量だった。
 真正面に突き出された、感動か、興奮からか軽く震えている腕。握りしめられた手のひら。これでもかと言うほどの、精一杯のサムズアップ。そして、はちきれんばかりの充実した笑顔。
 まさに幸せの最骨頂という表情をした長岡が、全身で喜びを表現していた。

 しかし、長岡。お前、それはダメだろう。お前がどれだけおっぱいが好きかは、俺たちやクラスの連中はわかっているさ。だけど、初対面の先輩に対して、その挨拶だけはしちゃダメだ。
 しかも、相手は神の逸品をも思わせる最高のおっぱいを持つ蓬山早紀先輩だ。いくらなんでも、それを露骨に褒め称えるのはいい印象を与えないだろう。

 結果的に教室に呼びつけた形になって、いきなり見知らぬ相手からナイスおっぱいと言われて、普通の人はどんな反応をするのだろう。
 恐る恐る先輩の様子をうかがう。

;▲立ち:先輩/笑顔

「うん、ありがとっ」
 むしろ好意的なリアクションだった!
「いやいやいやいや! それはおかしいっすよ先輩!」
 思わずつっこみを入れてしまう。
「えー、そうかなぁ?」
「少なくともその反応は間違ってると思います!」
「でも、別にホントのことだし、悪いこと言われてるわけじゃないから、問題ないと思うな」
「えええー……」
 いや、確かにそりゃ先輩はナイスおっぱいですけども。もっと恥じらうなり、長岡を変態呼ばわりするなりするのが、一般的だと思うのですけど。
「よろしくね。えっと、長岡くん。長岡くんって呼べばいいのかな? あたしは蓬山早紀って言います」
「好きに呼んでください! よろしくお願いします!」
 当たり前のように自己紹介をする二人。……俺の常識が間違っているのだろうかと不安になってしまう。

 あっけにとられていたクラスメイトも、特に大事にならないのがわかったのか、すでにいつも通りになっていた。

;♪SE:チャイム/ワンショット

 と、昼休み終了のチャイムが鳴った。あと5分で次の授業が始まる。
「それじゃ、あたしそろそろ戻るね」
「え、ええ……。わざわざすいません」
「ううん、もう教室に戻るだけだったから大丈夫、大丈夫」
 いや、お手伝いの邪魔をしたことではなくてですね。たぶん説明しても分かってもらえないだろうから、それを飲み込む。
「稔、ありがとな! 今度俺のおっぱいプリンひとつやるよ!」
 納得していないのは俺だけのようなので、俺もそういうことなんだと、納得することにしよう。


;エピソードのまとめでいつも悩む俺。なんかいいオチつけてください。 
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