ゲームデザイン
アイデアの創出
アイデアの創出には、以下の4つの段階を踏む。
- インスピレーション:どこからアイデアを得るか
- 統合:アイデアを結びつける
- 共鳴:アイデアから相乗効果を引き出す
- 収束:コンセプトを完成する
目標設定
ゲームの目標には、
- 収集
- 領土拡張
- 目的地への到達
- 発見
- 他プレイヤーの排除
があります。
これらの特性を意識することにより、
得られる効果や、必要なシステムをある程度推測することが可能です。
得られる効果や、必要なシステムをある程度推測することが可能です。
収集
該当するのは、スコア稼ぎ・お金・アイテム集めなどです。
よく使われるのが、一定の期間内に一定の収集を行う、という目標設定です。
ボーナスステージなどを用意して、お金取り放題!などというレベルデザインは、メリハリをつけるために良く使われます。
収集したお金・アイテムで買い物や物々交換などができると、
リソース管理という面白さを生み出すことができます。
よく使われるのが、一定の期間内に一定の収集を行う、という目標設定です。
ボーナスステージなどを用意して、お金取り放題!などというレベルデザインは、メリハリをつけるために良く使われます。
収集したお金・アイテムで買い物や物々交換などができると、
リソース管理という面白さを生み出すことができます。
領土拡張
ゲームの例としては、囲碁やクイックス、カルドセプト・いたストなどです。
よく使われるのが、一定の陣地を獲得すると勝利、という目標設定です。
よく使われるのが、一定の陣地を獲得すると勝利、という目標設定です。
目的地への到達
レースゲームがこれに該当します。
タイムアタック要素が必須ですね。
タイムアタック要素が必須ですね。
発見
隠れアイテム・隠れキャラ・隠しステージなどの探索、
パズルゲームでの解法の推理がこれに該当します。
パズルゲームでの解法の推理がこれに該当します。
これだけを目標にすると、タイトなゲームになります。
他プレイヤーの排除
シューティングゲームで敵を倒すのがまさにそれですね。
敵のアルゴリズムを考えるのが、結構大変だったりします。
ゲーム仕様の作成
ゲーム仕様作成のポイントは、
- 機能
- ゲームプレイ
- インターフェース
- ルール
- レベルデザイン
です。
機能
機能には3つのカテゴリがあります。
- ゲームプレイに必須となる機能
- 見た目のみ影響する機能(クロム)
- 他の機能と同一である機能
1と2は重要な機能ですが、3はあまり必要ではありません。
ゲームプレイ
「ゲームとは面白い選択の連続である」(シド・マイヤー)
- 面白い選択
- 選択が他のトークンに依存する
- 選択が状況(タイミング)に依存する
- クロム
- 選択してもしなくても同じ
- 無駄な選択
- 常に選択する価値がある
- 常に無意味
- 「無駄な選択」は、実装に余裕がない場合、真っ先に削りましょう。
- 「クロム」も、「無駄な選択」ほどではありませんが、削除対象になります。
- 絶対優位戦略
- 絶対優位戦略は他の要素を絶対劣位(無益)にします。
- さらに、ゲームバランスを崩す可能性が高いです。
- なので、絶対優位戦略は避けるべきです。
ただし、
「単純なRPGのレベル上げが楽しい」
「安定して使える武器が好き」
というように、絶対優位戦略を好むユーザも多く存在することを忘れてはいけません。
「単純なRPGのレベル上げが楽しい」
「安定して使える武器が好き」
というように、絶対優位戦略を好むユーザも多く存在することを忘れてはいけません。
- 選択の例(アクション・シューティング)
- 攻撃方法について、、
- 発動スピード(攻撃ボタンを押してからの遅延)
- 射程距離
- 発射スピード
- 連射可能な回数
- 有効範囲(当たり判定の大きさ)
- 威力(与えるダメージ)
- 弾数制限
- シールドと併用可
- 武器の持ち替え可
- 融通性
- 融通性のある選択を含めると、選択をより面白くできます。
例えば、
- バトルアックス
- ボウガン
という2つの武器があるとします。
バトルアックスは接近戦で威力を発揮しますが、空を飛ぶ敵に当てることが困難であるという特性を持ちます。
それに対して、ボウガンは空を飛ぶ敵を狙い撃ちできますが、接近されると発射準備に時間を取られてしまい、
連続でダメージを受けるという危険な状態になります。
バトルアックスは接近戦で威力を発揮しますが、空を飛ぶ敵に当てることが困難であるという特性を持ちます。
それに対して、ボウガンは空を飛ぶ敵を狙い撃ちできますが、接近されると発射準備に時間を取られてしまい、
連続でダメージを受けるという危険な状態になります。
この2つの武器は重量級であるため、併用して装備することができないとします。
それにより、状況により有利・不利が分かれるので、
どちらを選択するか、プレイヤーを悩ませることができます。
どちらを選択するか、プレイヤーを悩ませることができます。
さてはて、これだけでも面白い選択なのですが、
ここで、2つの武器を追加します。
ここで、2つの武器を追加します。
- ショートソード
- 木の弓
これらは、バトルアックス・ボウガンほどの威力はありませんが、
併用して持つことが可能です。
そのため、どのような敵にも対応できるという融通性を持ちます。
併用して持つことが可能です。
そのため、どのような敵にも対応できるという融通性を持ちます。
融通性があるということは、どのような敵にでも、という、
- 未知の敵に対するリスクを軽減する
という特性を持ちます。
例えば、偵察を行いたい場合の有効な選択肢となります。
例えば、偵察を行いたい場合の有効な選択肢となります。
また、柔軟な対応ができることから、初心者向けの配慮であるともいえます。
融通性の実装は、ただ単に、
- 強烈な特性を持つ選択肢の平均値を取ればよい
、、、というわけではありません。
融通性で最も重要なパラメータは、
- スピード
です。
スピードがあると、
- プレイヤーの思考時間・行動可能時間を増加
させ、
- 敵対するプレイヤーの思考時間・行動可能時間を奪う
ことができます。
そして、思考時間・行動可能時間の増加は、選択肢を増やし、
融通性を増大させます。
融通性を増大させます。
- レアアイテム
- レアアイテム
- 出現率が低い
- 見つけにくい配置
- 数が少ない
- 値段が高い
- レアアイテムは、戦略レベルではリソースの管理という面白さを生み出しますが、
- 戦術レベルでは選択する機会を減少させます。
- 一過性
- 例えば、大抵のRPGでは、武器や防具は購入すると、
- その利益(攻撃力アップ・防御力アップ)を永続的に受け続けることが可能です。
ですが、あえてその永続を壊すことにより、選択を面白くすることができます。
例えば、
- 時間の経過/使用回数/環境などによる、効果の減衰
- 他プレイヤーによる(武器を錆びさせるなど)効果の減衰
- 偶然や他プレイヤーによる破壊
- 回数制限
- 盗まれる
- 特殊な状況のみ有効
などなど。
- 相乗効果
規模 範囲 調和 数が多いほど有利。生産するほどコストダウン お互いの弱点を補完するような関係 不調和 数が多いほど価値が減少(市場原理) 数が多いと管理コストの増大。力の分散。お互いに足を引っ張る - 調和を重視すると、モノポリーでの大地主のように数の多いものが圧倒的有利となる。
- ゲーム的には、乱数によるギャンブルを入れ、逆転要素を入れると盛り上がる。
不調和を重視すると、上限・下限の幅が小さくなり、タイトな勝負を行うことができる。
戦略性を重視したい場合、こちらを選択する。
戦略性を重視したい場合、こちらを選択する。
ゲームバランス
ゲームバランスの分類
分類 | 良い | 悪い |
プレイヤーvsプレイヤー | 全てのプレイヤーの能力が平等 | 特定のプレイヤーが有利。勝負が運で決まる |
プレイヤーvsゲームプレイ | 経験曲線が報酬に見合う(1を見て10を知るようなゲームプレイ) | わかりづらいプレイスタイルを強要する |
ゲームプレイvsゲームプレイ | それぞれのゲームプレイが平等 | 特定のゲームプレイが圧倒的有利 |
プレイヤーvsプレイヤー
プレイヤー自身の失敗以外で不利な状況に置かれるようにしてはならない
- 能力は、平等であって、同一ではないこと。
- プレイヤー選択が勝敗の決定的理由とならないこと。
- 開始位置の選択が勝敗の決定的理由とならないこと。
- 運の要素は平等に働くようにすること。
プレイヤーvsゲームプレイ
遊んで楽しいだけでなく、学んで楽しめるものにすること。
また、学ぶにつれてより面白くなるべきである。
- プレイヤーの経験に適切な報酬を与えること。
- プレイヤーに無駄な作業をさせないこと。(×ダンジョンを方眼紙に描かせる->○オートマッピング)
- 完全な覚えゲーはダメ(セーブ・リロードを繰り返させるようなゲームはダメ)
ゲームプレイvsゲームプレイ
用意した選択肢は必ずどこかで使う価値のあるものにする。
そして、その選択を利用するためのコストは、得られる報酬と比例していなければならない。
- 絶対優位戦略を排除すること。
- 面白い選択をたくさん用意すること。
- 優位戦略となる選択肢がプレイヤーに選ばれる頻度を知ること。
基本はじゃんけん
選択肢をじゃんけんにすることで、絶対的優位性を排除すると、
選択は面白いものになります。
選択は面白いものになります。
しかし、これはあくまで基本です。
純粋なじゃんけんは面白くありません。
というのは、じゃんけんはそれぞれに必勝の手が用意されており、
かつ、相手の手が予測不能です。
なので、結局どれを選んでも同じ結果となります。
かつ、相手の手が予測不能です。
なので、結局どれを選んでも同じ結果となります。
これは相手の手が予測可能であっても同じことです。
例えば、
例えば、
- 歩兵は弓兵に強い
- 弓兵は騎兵に強い
- 騎兵は歩兵に強い
という三すくみがあるとします。
相手が歩兵ばかりであった場合、騎兵ばかりを選べば勝てます。
それ以外の選択肢はありません。
特定の選択肢を強要するのはゲームデザインとして失敗といえます。
それ以外の選択肢はありません。
特定の選択肢を強要するのはゲームデザインとして失敗といえます。
つまり、じゃんけんは勝負としては面白いですが、
ゲームとしては面白い選択肢となりえません。
ゲームとしては面白い選択肢となりえません。
じゃんけんを面白くする
例えば、力関係を調整します。
コスト | 歩兵 | 弓兵 | 騎兵 | |
歩兵 | 100G | 100% | 130% | 50% |
弓兵 | 150G | 65% | 100% | 150% |
騎兵 | 200G | 200% | 85% | 100% |
3すくみはできてますが、一方的な関係ではありません。
また、騎兵を若干強めに設定する代わりにコストを高くしています。
また、騎兵を若干強めに設定する代わりにコストを高くしています。
これにより、苦手としている部隊でも攻撃することが可能となり、
また、コストと相談しながら部隊を編成するため、
選択肢を狭めることがありません。
また、コストと相談しながら部隊を編成するため、
選択肢を狭めることがありません。
ほかにも、
- 時間の経過
- 地形効果
- 属性
- 残り体力
などにより、力関係を変化させることで、
臨機応変な対応をプレイヤーに求めるという面白い選択を作ることができます。
臨機応変な対応をプレイヤーに求めるという面白い選択を作ることができます。
例をあげると、「えぐぜりにゃ~」では、
ぷりんや牛乳は「初期状態」ではアンカーをぶつけても掴むことはできないが、
ほかの敵をぶつけて「体力を減少させると掴むことができる」
という力関係の変化をしています。
ぷりんや牛乳は「初期状態」ではアンカーをぶつけても掴むことはできないが、
ほかの敵をぶつけて「体力を減少させると掴むことができる」
という力関係の変化をしています。
見た目
ゲームの見た目を良くするには、以下の3つの要素を作りこむ必要がある
- 雰囲気
- インターフェース
- 物語
雰囲気
雰囲気を良くするには、以下の3つをゲームに調和させなければならない
- サウンド
- 映像
- 物理
- サウンド
- ポップな音は柔らかい世界観、ノイジーな音はハードな世界観を作り出します。
- 映像
- 統一された世界観を持つキャラ画像、意味のある背景画像など。
- 物理
- 違和感のない物理の挙動は、プレイヤーをゲームに没頭させる効果があります。
インターフェース
操作感がゲームプレイと一致する。
ステータス表示・マップ表示などがプレイの妨げにならないようにする。
ステータス表示・マップ表示などがプレイの妨げにならないようにする。
物語
ストーリーを直接語らずに、雰囲気や感情に訴えるようにする。
- 障害
- ゲームの目的をプレイヤーに探させる。
- 兆候
- ゲームの目的をプレイヤーに予測・予感させるようにする。
- 個人化
- ×「世界を救え!」
- ○「あなたはあと1時間で死んでしまいます」
- 共鳴
- モチーフ:同じ演出を繰り返し使う
- オマージュ:映画などから演出をパクる
- 反抗
- プレイヤーキャラをゲーム目的に反抗させる(もしくはすぐに賛成しない)
- 筋の展開
- 予期せぬ展開・逆転の要素を盛り込む。
- 緊張感
- セーブ禁止。
- キラートラップには予兆を用意しておく。
- テーマ
- 問題を提案する。
- しかし、それに対する答えを雄弁に語らないようにする。
- 結末
- 終わりへの到達が困難
- 予測不可能な終わり方
- 道徳的に満足させる(正義は勝つ)
- テーマに一貫性がある
- ストーリーの問題の答えを出す
- 変化
- 何かが起こった場合、現状にも変化をつける。
- 物語が進むにつれ、主人公に心の変化をさせる。
ゲームの分類
視点
- トップビュー
- サイドビュー
- 奥行きあり
スクロール
- 固定(スクロールなし)
- 縦
- 横
- 全方向
- 自動
- 手動(ベルトスクロール)
ドットイート
- エサ回収
- アイテム回収
敵を倒す
- 攻撃による破壊
- 体力≦0による破壊
- 2つ以上の手順による破壊(気絶→蹴飛ばしなど)
- 気絶のみ(倒せない)
ゴール
- 距離・アイテムの回収数・スコアなど(1次元)の一致
- 座標(2次元)の一致
- フラグ立て(多次元)
- 条件を満たした後(カギを取得など)でゴール
- 他のプレイヤーよりも先に到達
買い物
- 物々交換(モンスター・アイテムなど)
- 貨幣
成長
- 永続的なパラメータの変化・追加
- 永続性アイテム