キャラクター |
真格マホロア ソウル |
出典作品 |
星のカービィ Wii デラックス |
分類 |
キャラクター |
主な発端 |
ゲーム |
衝撃度 |
7 |
悲壮度 |
7 |
解キ放ッテ… |
Kirby…! |
『星のカービィ Wii デラックス』で新たに刻み込まれたみんなのトラウマ。
本記事ではボスとしてのマホロアソウルと演出面の両方に触れる。
※ネタバレ注意!
「真 格闘王への道」について
まず前提として、『星のカービィ Wii デラックス』の「真格」は、「マホロアエピローグ」のボスと本編のボスが全て登場し、原作の1.4倍の「全21戦」という驚異のボリュームを誇る長丁場。
また、原作とは戦う順番が変わっており、グランドローパーやランディアの位置が固定であったり、HR-D3やマホロア EXの登場順が原作より早くなったりしていた。
しかし、真ラスボス候補と見られたマスタークラウンは実際には最後から2戦目の相手。消去法から原作通りマホロアが最後と確定するため、
過去作の惨劇を知るプレイヤーは恐ろしい予感に身を震わせ、そうでないプレイヤーも休憩所BGM「INWARD STRUGGLE」の緊張感を感じたことだろう。
記事タイトルは文字通り、この「真 格闘王への道」の最終戦となる21体目のボス、マホロア ソウルのこと。特段公式の呼称はないため、上記の呼び方は一例に過ぎない。
マホロア ソウル(強化版)
登場演出の時点で何かがおかしい。
- BGMが『スターアライズ』の「覇王戴冠〜OVERLORD〜」
- エクストラモードと異なる背景、よりくっきりした姿になった背景の球体、徐々に近づいてくるポップスターの穴
しかし、そんなことに気をかける余裕はない。マホロア ソウルはすぐさま、2連マホロア砲を放ちカービィを撃ち抜いてくるからである。
真格マホロアソウルの恐ろしい点の一つは、「モーション自体は知っているはずなのに、過去の定石を覆す技を放ち、あまつさえその定石通りに動けば逆に被弾する」という、悪意を持った「歴戦のプレイヤーほど引っかかる初見殺し」を行ってくる点にある。
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恐怖の非初見用初見殺しの数々 |
技名 |
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解説 |
マホロア砲 |
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2発同時に放つ。マホロアの上下を除く画面全体が埋まるため、「上空にいれば避けられる」定石を撃ち破る。 |
ワープホールアタック |
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斜めパターンの追加と範囲・速度の拡大。 避けにくいのはもちろん、「画面端なら避けられる」定石も無意味。 |
キルニードルワープ |
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パターンが完全に変更。 一つのパターンとして、針を残したまま魔力球を放つ、先に出した針を残して次の針を出し、どんどん行動範囲を狭めていく、 カービィを追尾するなどのパターンが追加。安置がどんどん切り替わり、素早い判断が要求される。 |
魔力球 |
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キルニードルとの組み合わせ以外にもパターンが大量追加。 既存パターンも数が増えているのはもちろん、当たり判定が大きくがんばりすいこみが必要な巨大魔力球も乱発してくる。 |
ブラックホール |
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非初見用初見殺しの極地であるダブルブラックホール。 マホロアどころかシリーズ全体の不文律であった「ブラックホールは画面端が安置」が遂に破られた。 当然原作からコピー解除属性は据え置き。引っかかったが最後、すっぴんでの戦いを強要される。 |
キルニードルのパターンは他にも増えているほか、他の技もパターンの増加や高速化・連続化により強化されている。
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真ラスボスとしての力を存分に発揮するが、実は
体力自体は原作どころかエクストラモードよりも少ない。しかも、体力を半分削った際の形態変化(所謂おこっている状態)がない。
HPを0にすると、あっさりと撃破され、慟哭する(この時
リンゴ?が落ちてくる。取るとミニトマト相当の体力回復)。まあ、今作でもHR-D3がそうであったように、ラスボスともあろうものがタダで終わるわけもなく…
トラウマ第2陣:精神攻撃
マホロア ソウルは一度力無く腕を落とすと、拳を握り、雄叫びを上げ、オーラを纏う。瞳を失い、口の中からは常に眼球が覗く異形の姿となって再び襲いかかってくる。
同作で明かされたマスタークラウンの設定からも、この姿こそエクストラモードではなぜか説明文から削除されていた、「もはや かれが クラウンそのもの」となった姿と見て間違いない。
主に話題にされる面は別にあるが、ラスボスの最終形態だけあり、その攻撃も熾烈を極める。
+
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第2形態の主な追加技 |
デザートハリケーン |
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サンドカービィの大技を再現したスーパー能力であり、数少ない完全新規技。 竜巻系の技の例に漏れず、広範囲でガード無効の大技。 |
フルチャージブラスター |
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アーマーカービィを再現したスーパー能力。 「うちあげファイア」を模したメテオボールを放った後、極太ビームで薙ぎ払う。 威力こそ低いものの攻撃範囲がとてつもなく広いため、1発は被弾しがち。 |
ミラクルビーム |
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同時に3発に増え、画面のビーム密度が急増。ガード削りが非常に大きく、もしガードで受けてしまえばかのデデデトルネイド?並のダメージが待つ。 |
ドラゴストーム |
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十字に放つように。「弱体化」と騒がれていた縦方向故の安置の広さを克服。 とはいえ発動の前隙が長く、相対的には癒し技の部類に入る。 |
ギガトンスノーハンマー |
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必ずリバースワールド(画面反転)下で繰り出す。凶悪技同士のコンビネーションはもちろん凶悪。 |
ウルトラソード |
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スノーハンマーからの流れで繰り出す関係上こちらもリバースワールド中に放つ。 もちろんガード不可の特性も据え置き。 |
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しかし「真格マホロアソウル」の真に印象深い面は、どちらかといえば演出にある。
- 類似したイントロで一瞬惑わせながら、アレンジBGMを流す粋な演出
- 後の未来を想起させる、希望に溢れたスペシャルページ
- 後半になるとBGMが変化し、オリジナルアレンジに。
- そのアレンジにはマホロアの呻き声がSEとして追加
- その声に混じる「カービィ」という呼びかけ
- 上述した、まるで「マスタークラウンの支配」を彷彿させる異形の姿
- マホロア本人の独白として綴られる、悲壮感あふれる後半のスペシャルページ
- それら生存フラグを全てぶち壊し、マホロアがクラウンから解放されずに異空へと消えてしまうバッドエンド演出
かつては
ドノツラフレンズの2大巨頭として、悪役の権化としての印象が強かったマホロア。しかし今作における多くの掘り下げ、そして『64』「アナザーディメンションヒーローズ」に匹敵する
あまりにも救いようのない結末は、多くのマホロアファンに対し大きな傷を植え付けた。
余談
- なおこの演出については、過去に『星のカービィ Wii』のバッドエンドとして構想されていた演出の再現ではないかと見られている。
- また、明らかに正史(『ハンターズ』や『スターアライズ』)に通じると考えられるマホロアエピローグは「真格闘王」とは異なる結末を辿ったマホロアの物語なため、あくまで正史ではなくパラレルとする説もある。
「デデデでゴー!」や「メタナイトでゴー!リターンズ」のように、カービィの冒険と時系列が噛み合わない演出は少なくなく、カービィシリーズに明確な時系列の概念はないと熊崎信也Dが発言したこともあるため、あくまであり得た可能性の一つということか。
- 本作発売から近い時期に発売された「星のカービィ キャラクター大図鑑」のマホロア ソウルの解説には、「クラウンを破壊することでマホロアを救うことができる」という記述がある。
「真格闘王」世界のカービィは、真の意味での「マホロアの救済」を成し得なかったということなのだろう。
- 贖罪を果たし、明確なハッピーエンドを迎えた「エピローグ」との対比で本作は印象に残りやすいが、実は「エクストラモードでは本編以上に悲惨な末路を辿った敵」は意外と多く存在する。
- きせきの実の過剰摂取で「悲壮な骸」と化したセクトニア ソウル
- 星の夢.Soul OSによりココロを完全に消去されたことが確定したプレジデント・ハルトマン
- 主人を追って闇に染まり、そのまま闇が晴れることもなく異空の果てに取り残された三魔官シスターズとハイネス
- 『スターアライズ』や『ディスカバリー』と、本編後でも全ボスが比較的救いのある結末を迎える作品が続いていたため、久々に「敵に救いのないバッドエンド」であったことも印象深かったと思われる。
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最終更新:2024年05月22日 17:39