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直線2連振子のエネルギー(2) - (2012/12/06 (木) 16:02:48) の1つ前との変更点
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****直線2連振子のエネルギー(2)
[[直線2連振子のエネルギー]]の定量的考察を試みた。
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#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=588&file=2-ren3.bmp)
まず,初歩的な計算で最下点までのエネルギー移動を考察しよう。
本来の題意である最下点での速さ$$v_1,v_2$$を求める。
力学的エネルギー保存により
$$\frac{1}{2}m_1{v_1}^2 + \frac{1}{2}m_2{v_2}^2 = m_1gh_1 + m_2gh_2$$
ここで,
$$v_2 = \frac{h_2}{h_1} v_1$$
を考慮して解けば,
$$v_1 = h_1 \sqrt{\frac{2g(m_1h_1 + m_2h_2)}{m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2}}$$
$$v_2 = h_2 \sqrt{\frac{2g(m_1h_1 + m_2h_2)}{m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2}}$$
を得る。したがって,おもり1のエネルギー変化は
$${\it \Delta}E_1 = \frac{1}{2}m_1{v_1}^2 - m_1gh_1$$
$$= \frac{m_1m_2gh_1h_2(h_1 - h_2)}{m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2} > 0$$
同様に $${\it \Delta}E_2 = -{\it \Delta}E_1 < 0$$ を得る。
「個別の力学的エネルギー保存が成立するのではないか」
という勘違いとともに多く見られる勘違いは,
「重心の力学的エネルギーは保存するだろう」
というものである。もちろん重心まわりの回転のエネルギーを忘れてはいけない。
重心の軸からの距離および最下点での速さ
$$h_G = \frac{m_1h_1 + m_2h_2}{m_1 + m_2}$$
$$V = \frac{h_G}{h_1}v_1$$
を考慮すると
$$\frac{1}{2}MV^2 = \frac{g(m_1h_1 + m_2h_2)^3}{(m_1 + m_2)(m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2)}$$
失われた重力による位置エネルギーとの差をとれば
$$g(m_1h_1 + m_2h_2) - \frac{1}{2}MV^2 = \frac{m_1m_2g(m_1h_1 + m_2h_2)(h_1 - h_2)^2}{(m_1 + m_2)(m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2)}$$
この差は重心まわりの回転のエネルギーまたは,相対運動のエネルギーということになる。
$$\frac{1}{2}I\omega^2 = \frac{1}{2}\mu {v_r}^2 = \frac{m_1m_2g(m_1h_1 + m_2h_2)(h_1 - h_2)^2}{(m_1 + m_2)(m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2)}$$
は容易に確認できるだろう。ただし,
$$M = m_1 + m_2$$
$$\mu = \frac{m_1m_2}{M}$$
$$\omega = \frac{v_1}{h_1} = \frac{v_2}{h_2} = \frac{V}{h_G}$$
$$I$$は重心まわりの慣性モーメントである。
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****直線2連振子のエネルギー(2)
[[直線2連振子のエネルギー]]の定量的考察を試みた。
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#ref(http://www14.atwiki.jp/yokkun?cmd=upload&act=open&pageid=588&file=2-ren3.bmp)
まず,初歩的な計算で最下点までのエネルギー移動を考察しよう。
本来の題意である最下点での速さ$$v_1,v_2$$を求める。
力学的エネルギー保存により
$$\frac{1}{2}m_1{v_1}^2 + \frac{1}{2}m_2{v_2}^2 = m_1gh_1 + m_2gh_2$$
ここで,
$$v_2 = \frac{h_2}{h_1} v_1$$
を考慮して解けば,
$$v_1 = h_1 \sqrt{\frac{2g(m_1h_1 + m_2h_2)}{m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2}}$$
$$v_2 = h_2 \sqrt{\frac{2g(m_1h_1 + m_2h_2)}{m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2}}$$
を得る。したがって,おもり1のエネルギー変化は
$${\it \Delta}E_1 = \frac{1}{2}m_1{v_1}^2 - m_1gh_1$$
$$= \frac{m_1m_2gh_1h_2(h_1 - h_2)}{m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2} > 0$$
同様に $${\it \Delta}E_2 = -{\it \Delta}E_1 < 0$$ を得る。
「個別の力学的エネルギー保存が成立するのではないか」
という勘違いとともに多く見られる勘違いは,
「重心の力学的エネルギーは保存するだろう」
というものである。もちろん重心まわりの回転のエネルギーを忘れてはいけない。
重心の軸からの距離および最下点での速さ
$$h_G = \frac{m_1h_1 + m_2h_2}{m_1 + m_2}$$
$$V = \frac{h_G}{h_1}v_1$$
を考慮すると
$$\frac{1}{2}MV^2 = \frac{g(m_1h_1 + m_2h_2)^3}{(m_1 + m_2)(m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2)}$$
失われた重力による位置エネルギーとの差をとれば
$$g(m_1h_1 + m_2h_2) - \frac{1}{2}MV^2 = \frac{m_1m_2g(m_1h_1 + m_2h_2)(h_1 - h_2)^2}{(m_1 + m_2)(m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2)}$$
この差は重心まわりの回転のエネルギーまたは,相対運動のエネルギーということになる。
$$\frac{1}{2}I\omega^2 = \frac{1}{2}\mu {v_r}^2 = \frac{m_1m_2g(m_1h_1 + m_2h_2)(h_1 - h_2)^2}{(m_1 + m_2)(m_1{h_1}^2 + m_2{h_2}^2)}$$
は容易に確認できるだろう。ただし,
$$M = m_1 + m_2$$
$$\mu = \frac{m_1m_2}{M}$$
$$\omega = \frac{v_1}{h_1} = \frac{v_2}{h_2} = \frac{V}{h_G} = \frac{v_r}{h_1 - h_2}$$
$$I$$は重心まわりの慣性モーメントである。
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