直線2連振子のエネルギー(2)
まず,初歩的な計算で最下点までのエネルギー移動を考察しよう。
本来の題意である最下点での速さ

を求める。
力学的エネルギー保存により
ここで,
を考慮して解けば,
を得る。したがって,おもり1のエネルギー変化は
同様に

を得る。
「個別の力学的エネルギー保存が成立するのではないか」
という勘違いとともに多く見られる勘違いは,
「重心の力学的エネルギーは保存するだろう」
というものである。もちろん重心まわりの回転のエネルギーを忘れてはいけない。
重心の軸からの距離および最下点での速さ
を考慮すると
失われた重力による位置エネルギーとの差をとれば
この差は重心まわりの回転のエネルギーまたは,相対運動のエネルギーということになる。
は容易に確認できるだろう。ただし,

は重心まわりの慣性モーメントである。
最終更新:2012年12月06日 16:02