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中心力は保存力である - (2010/11/12 (金) 11:43:03) のソース

****中心力は保存力である
中心力は,中心力であることをもってただちに保存力であることが示される。
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中心力の定義は,単に半径方向を向くというものではないようだ。数学的には,

$$\boldsymbol{F}(\boldsymbol{r}) = f(r)\boldsymbol{e}_r$$

と書ける。その大きさは原点からの距離の関数であるということだ。
さて,保存力である必要十分条件は,

$$\int_C \boldsymbol{F}\cdot d\boldsymbol{r} = 0$$  ただし,$$C$$は閉回路。

または,

$$\nabla\times\boldsymbol{F} = \boldsymbol{0}$$

であった([[保存力の条件>http://www14.atwiki.jp/yokkun/pages/454.html]])。
中心力の回転がゼロというのは,そのイメージからして自明に近いが…でその証明は?というとなかなか。エレガントな証明は宿題にしよう。その対称性から球座標がエレガントになりそうだが,いかんせん球座標の回転の表式は結構複雑である([[極座標による微分導出への回転の活用(2)>http://www14.atwiki.jp/yokkun/pages/437.html]])。そこでデカルト座標でひとまず目的を果たしておこう。

$$[\nabla\times\boldsymbol{F}]_i = \varepsilon_{ijk}\partial_j F_k$$
    $$ = \varepsilon_{ijk}\partial_j\left( f(r) \frac{x_k}{r}\right)$$
    $$ = \varepsilon_{ijk}\partial_j r\partial_r\left(f(r) \frac{x_k}{r}\right)$$
    $$ = \varepsilon_{ijk}\frac{x_j}{r}\left(\frac{x_k}{r}\partial_rf + f\partial_r\frac{x_k}{r}\right)$$
    $$ = \varepsilon_{ijk}\frac{x_j x_k}{r^2}\left(\partial_r f - \frac{f}{r}\right) = 0$$
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