中心力は保存力である
中心力は,中心力であることをもってただちに保存力であることが示される。

中心力の定義は,単に半径方向を向くというものではないようだ。数学的には,

\boldsymbol{F}(\boldsymbol{r}) = f(r)\boldsymbol{e}_r

と書ける。その大きさは原点からの距離の関数であるということだ。
さて,保存力である必要十分条件は,

\int_C \boldsymbol{F}\cdot d\boldsymbol{r} = 0  ただし,Cは閉回路。

または,

\nabla\times\boldsymbol{F} = \boldsymbol{0}

であった(保存力の条件)。
中心力の回転がゼロというのは,そのイメージからして自明に近いが…でその証明は?というとなかなか。エレガントな証明は宿題にしよう。その対称性から球座標がエレガントになりそうだが,いかんせん球座標の回転の表式は結構複雑である(極座標による微分導出への回転の活用(2))。そこでデカルト座標でひとまず目的を果たしておこう。

[\nabla\times\boldsymbol{F}]_i = \varepsilon_{ijk}\partial_j F_k
     = \varepsilon_{ijk}\partial_j\left( f(r) \frac{x_k}{r}\right)
     = \varepsilon_{ijk}\partial_j r\partial_r\left(f(r) \frac{x_k}{r}\right)
     = \varepsilon_{ijk}\frac{x_j}{r}\left(\frac{x_k}{r}\partial_rf + f\partial_r\frac{x_k}{r}\right)
     = \varepsilon_{ijk}\frac{x_j x_k}{r^2}\left(\partial_r f - \frac{f}{r}\right) = 0

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2010年11月12日 11:43